組織風土
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医療安全の確保と組織変革を求めて──。大学病院「1on1」導入のリアル
医療現場では、1件の重大事故の背景に29件の軽微な事故、さらにその奥に300件のヒヤリ・ハットが潜んでいるというハインリッヒの法則が知られている。それらの事象の背景には、日常的なコミュニケーション不足という組織課題が横たわっているのかもしれない。 検査データの提供で診断を支える神戸大学医学部附属病院・検査部と、画像診断装置を駆使して医療を支える北海道大学病院・放射線部。この二つの専門部門が、1on1ミーティングを活用しながら、医療安全とワークエンゲージメントの向上に挑んでいる。 2025年2月、株式会社KAKEAI(カケアイ)は神大病院検査部の今西孝充臨床検査技師長と北大病院放射1on1実践2025/04/14 -
人的資本経営が創る未来――従業員の力を最大化する投資と1on1の活用法
人的資本経営とは何か 人的資本経営は、企業価値向上の鍵を握るのは「人材」であるという視点から、従業員の能力・経験・モチベーションを“資本”として捉え、積極的に投資を行っていく経営手法です。 従来は「人件費」というコスト発想で捉えられがちだった人材を、企業の長期的成長を担う重要な資本として位置付ける点が特徴といえます。 この考え方の根底には、18世紀のアダム・スミスや、ノーベル経済学賞を受賞したゲーリー・ベッカーなどが唱えた「人的資本論」があります。 人的資本論では、教育やトレーニングを通じて人が獲得した能力は、企業や社会に大きな付加価値をもたらすとされてきました。組織を動かす2025/04/10 -
今さら聞けない『働き方改革』2024年問題から企業が備えるべき体制まで
働き方改革とは何か? 一般に「働き方改革」は、国が掲げる「長時間労働の是正」「多様な働き方の推進」「女性や高齢者など幅広い人材の活躍促進」といった目標を総合的に実現していくための政策を指しています。 少子高齢化が進む中で、人手不足が一段と深刻化する日本社会においては、これまでのように長時間労働でカバーする働き方を続けることが難しくなりました。加えて、過労死やメンタルヘルス不調といった問題も社会問題化し、健康経営やワークライフバランスへの関心が高まっています。 こうした背景を踏まえ、政府は働き方改革関連法を成立させ、労働時間の上限規制や有給休暇取得の義務化などを盛り込みました組織を動かす2025/04/09 -
【名著】グーグル躍進を支えた1兆ドルコーチに学ぶ、伝説の組織文化づくり
名選手の影に名コーチあり。名経営者の影にも名コーチがいます。 世界のデジタル産業革命をけん引し続けているシリコンバレーの地で、アップルのCEO、スティーブ・ジョブズやグーグルの元CEO、エリック・シュミットをはじめ、数多くの企業経営者に深い影響を及ぼした人物がいます。 それがビル・キャンベル。彼がコーチングした企業の時価総額を合わせるとトリリオン(1兆)ドルに達するとのことで、「1兆ドルコーチ」と呼ばれるようになりました。 そのコーチング哲学と生き様をまとめたのが「1兆ドルコーチ(著者:エリック・シュミットほか、発行:ダイヤモンド社)」。日本でも発行部数が17万部を超え、ア組織を動かす2025/04/03 -
挑戦しないメンバーに効く! マネジャーの1on1対応ガイド
とある事業部門で、若手メンバーの育成に取り組むマネジャーから「自分のできることしかやらないメンバーがいて困っている」という悩みを聞きました。 「自分のできることしかやらない」とは一体どのような状況なのでしょうか。マネジャーの期待とメンバーの言動にギャップが存在することは前提ですが、メンバーのスタンスや意欲の問題として捉えても状況は改善しません。 この課題の背景には、マネジャーがメンバーの心理や状況を十分に理解できず、「やる気がない」といった誤った解釈をしてしまうことや、期待していることがうまく伝わっていないといったコミュニケーションのズレがあることが少なくありません。本コンテンツ1on1実践2025/04/02 -
【ウェルビーイングを完全理解】導入企業の成功ポイントとデジタルウェルネスの最新動向
ウェルビーイングとは? ウェルビーイングとは、身体的、精神的、社会的な健康が調和した状態を指し、個人の総合的な幸福を意味する概念です。近年、この概念は企業経営における重要な戦略的指標として注目を集めています。 企業がウェルビーイングを重視することで得られるメリットは多岐にわたります。まず、従業員の心身の健康維持により、業務効率と創造性が向上し、組織全体の生産性アップにつながります。また、チームワークが活性化され、イノベーションが促進される効果も期待できます。 人材面では、ウェルビーイングを重視する企業文化が、優秀な人材の採用における強みとなります。特に若い世代は、給与だけで組織を動かす2025/03/25 -
「フォロワーシップ」を知れば、会社が変わる
フォロワーシップとは フォロワーシップとは、リーダーシップ研究の中で注目されるようになった比較的新しい概念です。部下や従業員などフォロワーの役割・行動・特性を研究するリーダーシップにおける分野で、リーダーシップとフォロワーシップの相互依存性などに焦点を当てています。 フォロワーシップの定義は時代と共に変化しつつあります。従来は、リーダーの指示に忠実に従う存在を指していました。現代では、リーダーの指示に社員が従うだけではなく、時には建設的な意見を出しながら、組織の目標達成のために主体的に行動する姿勢を指しています。 これらの変化は、複雑な課題や急速な環境変化に現代の組織が対応組織を動かす2024/10/06 -
あなたの会社を変える魔法の言葉!MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の作り方
MVVとは? MVVとは、組織の根幹を成す三つの要素であるミッション(Mission)・ビジョン(Vision)・バリュー(Values)の頭文字を取った概念です。これらは組織の方向性を定め、その存在意義を明確にする上で欠かせない要素となっています。 ミッションは組織の存在意義や社会的使命を表すもので、『なぜ我々は存在するのか』という根本的な問いに答えるものです。これは組織の活動の根幹を成し、最終的なゴールを示します。 ビジョンは組織が目指す理想の未来像を描き出すものです。ミッションの実現に向け、中期的な目標や方向性を示します。ミッションより具体的で、時に期限を伴う組織を動かす2024/10/04 -
知識創造のフレームワークSECIモデル〜基本概念とその成り立ち、実践のポイント
SECIモデルとは SECIモデルとは、一橋大学名誉教授である野中郁次郎氏と竹内弘高氏によって考案されたナレッジマネジメントのフレームワークです。SECIは「セキ」と読み、知識創造のプロセスである共同化(Socialization)・表出化(Externalization)・連結化(Combination)・内面化(Internalization)の頭文字をとって「SECIモデル」と名付けられています。 「知識創造企業」で世に出た概念 SECIモデルの概念は、野中氏と竹内氏が1995年にアメリカで出版した“Knowledge-Creating Company”で提起されまし組織を動かす2024/09/27 -
“空気を読む”から卒業! 組織を強くする「心理的安全性」の高め方
心理的安全性とは何か? 心理的安全性(psychological safety)とは、1999年にハーバード大学のエイミー・C・エドモンドソン教授によって提唱された概念です。組織行動学を研究するエドモンドソン教授は、心理的安全性を「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。心理的安全性の高い企業では、自分の考えや気持ちをみんなが安心して話せます。この概念の重要性は様々な研究によって裏付けられています。「社員が自分の率直な意見を述べる」ことは簡単なように見えて、調和を重んじる日本の組織や社会の中で実行するのはとても難しいこ組織を動かす2024/09/20 -
ティール組織と各発達段階の組織の特徴、ティール化の事例や難しさとは
ティール組織とは ティール組織とは、一般的なヒエラルキー型組織とは異なる組織運営の形のことです。主な特徴に「自主経営」「全体性」「進化する存在目的」の3つがあり、従業員の自主性と創造性を引き出し、変化する環境に対して適応力の高い組織のあり方だとされています。 提唱者は『ティール組織』著者のフレデリック・ラルー ティール組織という概念は、フレデリック・ラルー(Frederic Laloux)の2014年の著書 "Reinventing Organizations: A Guide to Creating Organizations Inspired by the Next S組織を動かす2024/09/13
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