業界別1on1
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自律性を育む1on1 。富士通が選んだ「職場起点」の組織変革
富士通の人事部門は、国内約8万人の従業員に対して1on1を強制しない。月1回30分の対話を推奨し、双方向のコミュニケーションを通じて自律性を育む支援をするが、積極的な介入は避けている。「やらされ感でやっても意味がない」——この言葉に、ジョブ型転換を進める同社の人事哲学が凝縮されている。 1on1導入から4年。従業員一人当たりの年間実施回数は平均12.8回まで増加したが、その一方で、組織文化の変革が一朝一夕には進まない現実も見えてきている。 富士通の組織開発を担う野村哲也氏、同部門でコミュニケーション変革をリードする成田富男氏、秋田依里香氏に、「職場起点」で進める1on1の理想と現1on1実践2025/07/31 -
上司より詳しい部下をどう率いるか。対話が解決する「基礎研究組織の難題」
2023年、キユーピーが「アレルギー低減卵」の研究成果を発表すると、研究所には感謝の手紙や応援の声が寄せられるなど異例の反響となった。すぐには事業化が困難な基礎研究でも、社会課題への取り組みが人々の共感を呼び、企業価値を高める可能性があることを示した出来事である。 この研究成果を生み出したキユーピーの「未来創造研究所」では、対話を軸にした組織づくりで高い従業員エンゲージメントを実現している。研究者たちの創造性を引き出す取り組みの実態に迫った。(※肩書きは2025年6月時点) 基礎研究組織が抱える独特な課題 (写真提供:キユーピー株式会社) キユーピーの未来創造研究所は1on1実践2025/07/30 -
基礎研究になぜ対話が欠かせないのか。キユーピーが「相互理解」を追求する真意
マヨネーズの老舗メーカーの研究所が、なぜ組織運営で脚光を浴びているのか。 キユーピーの基礎研究部門「未来創造研究所」は、徹底した対話重視の組織づくりでリンクアンドモチベーション主催の「Motivation Team Award 2025」優秀賞を受賞した。技術者集団を束ねる糀本明浩所長が語る、基礎研究に「相互理解」が不可欠な理由とは——。 キユーピー株式会社 研究開発本部 未来創造研究所 所長 糀本 明浩氏 コロナ禍で進めた大胆な「改組」 未来創造研究所はキユーピーグループの基礎研究組織です。10年、20年先の社会課題解決や価値創造につながる研究に従事しています。1on1実践2025/07/30 -
保育の現場で1on1は機能するのか? 「形骸化」との闘いの記録
神奈川・愛知で認可保育園13園を運営する中央出版では、保育士の離職リスクが顕在化し、園長のマネジメントスキル不足が組織課題となっていた。 保育事業のゼネラルマネジャーを務める岡田鉄平氏は、その解決策を「対話」に見出し、2023年に組織的な1on1を開始した。そのチャレンジは「制度の形骸化」との闘いでもあった──。 保育士の口から漏れた「想定外の答え」 「あ、今月は園長と1on1できてません」 自身が統括する「アイン保育園」を訪れた岡田氏が保育士に声をかけると、想定外の答えが返ってきた。 (あれ? 園長は「やった」と言ってたけど……) 岡田氏はそう思ったが口1on1実践2025/07/23 -
「1on1の満足度が高いのはヤバい」。二郎系ラーメン店の社長が語る意外な理由
「1on1の満足度が高いのはヤバい」——。 大学3年次に二郎系ラーメン店「限界を超えろ」を創業し、現在全国5店舗を展開する株式会社夜明けの深川智行代表はこう語る。2026年に海外進出、2028年に47都道府県での出店を見据える同社は、昨年から組織的な1on1を開始した。 なぜ、1on1に対する部下の満足度が高いことを危険視するのか。組織力の強化や人材育成の要として導入した1on1が浮き彫りにした思わぬ“落とし穴”とは。 深川氏に1on1の意義と課題を聞いた。 経営危機から見えた「対話」の価値 ——深川さんが1on1に注目するようになった背景を教えてください。1on1実践2025/06/27 -
4年間の1on1がエンジニア組織を変えた ── 実施率100%の秘密に迫る
エンジニア組織に1on1は必要か? この問いに一つの解を示す企業がある。 世界有数の自動車部品サプライヤー、アイシングループの「アイシン・デジタルエンジニアリング」(ADE)。社員の8割がエンジニアという技術者集団が1on1を始めたのは2021年だった。 コロナ禍でのテレワーク移行により会話の機会を奪われた技術者たちは、仕事に対する不安を抱えながら、それを伝える場所を持たずにいた。また、メンバーの個性を活かした人材育成を進めるためにも、組織は対話の場を必要としていた。 顕在化した組織課題に向き合うべく同社は1on1を始め、2024年からは1on1支援ツール「Kakeai(カ1on1実践2025/05/07 -
なぜ1on1で悩み相談ができるようになったのか? エンジニアの心境を変えた上司の対応
「部下は私との1on1に価値を感じているだろうか」——多くのマネジャーはこんな疑問を抱えているだろう。そしてその答えはメンバーの声に隠されている。 自動車部品サプライヤー「アイシン」のグループ会社「アイシン・デジタルエンジニアリング」。エンジニアとして働く同社メンバーの森宏樹氏は、かつて1on1に懐疑的だったが、今では「部下のためのアルコールなしの飲み会」と表現するほどその価値を実感している。 ある上司の姿勢が森氏の心境を大きく変えた。業務報告で終わっていた30分が、なぜ本音を話せる場へと変わっていったのか。その過程からは多くのマネジャーが心得るべき重要な洞察が見えてくる。1on1実践2025/05/01 -
医療安全の確保と組織変革を求めて──。大学病院「1on1」導入のリアル
医療現場では、1件の重大事故の背景に29件の軽微な事故、さらにその奥に300件のヒヤリ・ハットが潜んでいるというハインリッヒの法則が知られている。それらの事象の背景には、日常的なコミュニケーション不足という組織課題が横たわっているのかもしれない。 検査データの提供で診断を支える神戸大学医学部附属病院・検査部と、画像診断装置を駆使して医療を支える北海道大学病院・放射線部。この二つの専門部門が、1on1ミーティングを活用しながら、医療安全とワークエンゲージメントの向上に挑んでいる。 2025年2月、株式会社KAKEAI(カケアイ)は神大病院検査部の今西孝充臨床検査技師長と北大病院放射1on1実践2025/04/14
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