
下元陽
「Manager総研」編集長。クリエイターチーム「BLOCKBUSTER」、ミクシィ、朝日新聞社、ユーザベースを経て2025年KAKEAI入社。これからの人間のつながり方に関心があります。
あなたの会社のCHROは本物か。有沢正人氏が語る、人事が経営に加わる条件
CHROと人事担当役員は、似て非なるものである。
そう断じるのは、HR GENESIS代表取締役の有沢正人氏だ。協和銀行(現りそな銀行)を振り出しに、HOYA、AIU保険(現AIG損害保険)、カゴメと渡り歩き、2025年4月からはいすゞ自動車の常務執行役員CHROを務めた。
2020年9月に経済産業省が「人材版伊藤レポート」を公表したことで、国内大手企業を筆頭に「人的資本経営」が叫ばれるようになり、その船頭役となるCHRO(Chief HumanResources Officer、最高人事責任者)の肩書きを持つ人は大きく増えた。しかし有沢氏は、レポートの公表から6年近くが経った現在も、「“本物のCHRO”はまだまだ少ない」と言い切る。
では、CHROと人事担当役員の境界線はどこにあるのか。有沢氏に、持論を聞いた。


AIトランスフォーメーションの出発点に、なぜ「1on1」が有効なのか
近年、急速に広がる企業のAI活用。だが、その多くは実験段階を出ず、変革につなげた例は少ない。
2026年8月1日、アクセンチュア株式会社から株式会社うるるへ移り、執行役員CHROに就任した太田昂志氏は、同社のAIトランスフォーメーション(AX)の推進を担う。
その太田氏が着任直後の3カ月で取り組むのは、約300人の正社員との1on1だ。
1人30分としても計150時間。なぜAXの出発点に、時間を要する1on1を据えるのか。
その理由をたどると、経営と現場を往復しながら変革の焦点を絞り込む、新しい1on1の使い方が見えてきた。

株式会社うるる 執行役員CHRO
システムインテグレーター等を経て、株式会社ゆめみに転じる。CHRO、取締役、上席執行役員を歴任し、事業の急成長を人事・組織面から牽引。働きがいのある会社として、複数の外部アワード受賞や各種ランキング入賞にも導いた。その後、アクセンチュア株式会社との経営統合を主導。統合後はプリンシパル・ディレクターとして、クライアント企業のカーブアウト型M&Aに伴う組織人事・チェンジマネジメント領域のコンサルティングに従事。2026年8月より現職。共著に『職場を上手にモチベートする科学的方法 無理なくやる気を引き出せる26のスキル』(ダイヤモンド社)

無理に腹を割らなくていい――対人関係が苦手なマネジャーの負荷を下げる二つの方法
苦手な部下がいる。それでも立場上、ミスを指摘したり、耳の痛いフィードバックを返さなければならない。でも、そのたびに気が重くなり、つい後回しにしてしまう——対人関係に苦手意識を持つマネジャーなら、思い当たる場面ではないだろうか。しかもやっかいなのは、この心理的な重さが、避けようとするほど増していくことだ。
では、苦手な部下とどう向き合い、マネジメントを成り立たせていけばいいのか。対人苦手意識の生成過程について研究する東京未来大学こども心理学部の日向野智子准教授へのインタビューの後編では、その具体策を紹介する。

東京未来大学こども心理学部 准教授
昭和女子大学大学院生活機構研究科後期博士課程を修了。博士(学術)。東洋大学21世紀ヒューマン・インタラクション・リサーチ・センターPD、立正大学心理学部特任講師などを経て、2013年に東京未来大学こども心理学部専任講師に着任。2017年より現職。専門は対人社会心理学。対人関係における苦手意識や対人ストレス、ソーシャルスキルを主なテーマに研究を続けている。
🔹前編記事

苦手な部下への一言が、なぜこんなに重いのか――マネジャーを縛る「対人苦手意識」の正体
「この件、あの部下に言わないといけない。でも、どう切り出そう」。そう迷ううちにタイミングを逃し、その日も言えずに終わる——。特定の相手との対話になると気が重くなり、つい後回しにしてしまう。人付き合いに苦手意識を持つマネジャーには、覚えがあるのではないだろうか。
部下を支えるリーダーシップが求められる今、対話から逃げられない場面はむしろ増えている。
なぜ、避けたいのに避けられず、避けるほど苦しくなるのか。対人苦手意識の生成過程を研究する東京未来大学こども心理学部の日向野智子准教授に、その仕組みを聞いた。前編では「なぜ避けてしまうのか」を解き明かす。

東京未来大学こども心理学部 准教授
昭和女子大学大学院生活機構研究科後期博士課程を修了。博士(学術)。東洋大学21世紀ヒューマン・インタラクション・リサーチ・センターPD、立正大学心理学部特任講師などを経て、2013年に東京未来大学こども心理学部専任講師に着任。2017年より現職。専門は対人社会心理学。対人関係における苦手意識や対人ストレス、ソーシャルスキルを主なテーマに研究を続けている。

【議論】内向型で「人に関心がない」。それでもマネジャーは務まるのか
人を率いて前に立つよりも、一人で物事を深く突き詰めるほうが性に合う。そんな気質を持つマネジャーが、自分の持ち味を生かしてチームを動かすには、どうすればよいのか。
内向型リーダーシップ開発を専門とする株式会社HINOE代表の矢本洋介氏と、チームワークとリーダーシップを研究する早稲田大学商学部准教授の村瀬俊朗氏が、議論を交わした。
前編で示されたのは、内向的な性質そのものは、マネジメントの妨げにならないということだった。性質とスキルは別物であり、必要な技術を磨けば、内向型のままマネジャーは務まると二人は言う。
後編では、その実践に踏み込む。自分の気質とどう向き合い、チームにどう関わり、管理職同士の場でどう立ち回るか。議論は、より具体的な場面へと移っていく。
🔹前編はこちら

外向型を演じ続ける必要はない。内向型マネジャーが「静かな影響力」を持つ方法
一人で考える時間を好み、人と接すると消耗する。前に立ってチームを束ねる場面になると、急に影が薄くなる。こうしたタイプゆえに、「自分はマネジャーに向いていない」と感じている人は少なからずいるだろう。
だが、その思い込みは本当に正しいのだろうか。組織のあり方も働き方も大きく変わり、自ら声を上げ前に出ることが、これまで以上に求められる時代である。そうしたなかで、静かな気質のマネジャーが、自分らしくその役割を果たすにはどうすればよいのか。
チームワークとリーダーシップを研究する早稲田大学商学部准教授の村瀬俊朗氏と、内向型リーダーシップ開発を専門とする株式会社HINOE代表の矢本洋介氏が議論した。

耳の痛いことを伝える六つのポイントとは? コミュニケーションが苦手なマネジャーの実践的会話術
対人場面に苦手意識を持つマネジャーが、メンバーと必要なコミュニケーションを重ねる方法を模索する企画。自分も相手も尊重しながら率直に思いを伝え合う「アサーティブネス」にそのヒントを得るべく、長年この領域の研究を続ける近畿大学の堀田美保教授に話を聞いた。
前編では、コミュニケーションが苦手なマネジャーが躓きやすいポイントを整理し、それをほぐすアサーティブネスの基本的な考え方を紹介した。
後編で扱うのは、より具体的な実践方法だ。頭の中のモヤモヤをそのまま口に出す「実況中継」、耳の痛いことを伝える六つのポイント、相手が変わらなくても対話を動かす向き合い方。明日から試せるテクニックを、堀田教授の解説とともに紹介する。
大阪大学大学院前期課程、人間科学研究科を修了後、カナダCarleton大学にてPh.D(Psychology)を取得。現在、近畿大学 総合社会学部 心理系専攻にて、社会心理学などを担当。アサーティブジャパン認定講師、理事。主な著作に『アサーティブネス: その実践に役立つ心理学』(ナカニシヤ出版)、『自分に向き合うアサーティブネス(仮)』(ナカニシヤ出版より近刊)、『現代文化スタディーズ』(共編著、晃洋書房)、『テキスト心理学 心の理解を求めて』(分担執筆、ミネルヴァ書房)など。

コミュニケーションが苦手なマネジャーが知っておきたい思考のクセ
「これを言ったら傷つけるかもしれない」「部下に話しかけるタイミングが、つかめない」――そう考え込んでいるうちにタイミングを逃し、言えないまま終わってしまう。コミュニケーションに苦手意識を持つマネジャーは、こんな悩みを抱えていないだろうか。
対人場面での心理的負荷が高く、その負荷を下げるために会話の機会を回避・最小化しようとする――こうした特性はマネジメントの壁となり得るが、必要なコミュニケーションを取るための方法はある。その手がかりの一つとなるのが、自分も相手も尊重しながら率直に思いを伝え合う「アサーティブネス」だ。
この領域の研究を長年続ける近畿大学の堀田美保教授に話を聞いた。
大阪大学大学院前期課程、人間科学研究科を修了後、カナダCarleton大学にてPh.D(Psychology)を取得。現在、近畿大学 総合社会学部 心理系専攻にて、社会心理学などを担当。アサーティブジャパン認定講師、理事。主な著作に『アサーティブネス: その実践に役立つ心理学』(ナカニシヤ出版)、『自分に向き合うアサーティブネス(仮)』(ナカニシヤ出版より近刊)、『現代文化スタディーズ』(共編著、晃洋書房)、『テキスト心理学 心の理解を求めて』(分担執筆、ミネルヴァ書房)など。

「人事屋」からどう抜け出すか。Shippio伊達氏が語る、事業と経営の交点に立つ人事
人事制度が綺麗に整ったからといって、事業が伸びるとは限らない。
そう語るのは、エン・ジャパン(現エン)で人事と新規事業の責任者を歴任し、弁護士ドットコムではクラウドサインの急成長期を組織面から支えてきた、Shippio VP of HRの伊達雄介氏だ。
約20年の現場で見てきたのは、エンゲージメントや離職率の改善、そして人事施策のユニークさが人事の成果として語られていく構造への違和感だった。
「人事屋」から抜け出した先で伊達氏が立とうとしているのは、事業と経営の交点だ。その選択の背景にある持論を聞いた。

株式会社Shippio VP of HR/株式会社事業人 共同創業者
2006年エン・ジャパン(現エン)入社。営業、経営企画を経て、人事制度改訂プロジェクトの起案を機に人事へ移り、人事企画マネジャー、人事責任者、新規事業責任者を歴任。2018年弁護士ドットコムに参画し、約100名規模から人事の立ち上げを担う。在籍中、急成長期を人事面から支え、退職時の組織規模は約500名。同時期に株式会社事業人を5人の共同代表で創業し、複数のスタートアップの人事支援に携わる。2023年10月よりShippioに参画し、現職。


「お前、いいやつだな」と言えない職場で。産業医・大室正志氏が説く、マネジャーが頼るべき「主語」
職場から「いいやつ」が見えにくくなっている──。気配りをする人、頼まれごとを引き受ける人、場をなごませる人。組織の潤滑油のような存在が、以前より割に合わない立ち位置になっているのではないか。
ハラスメントへの警戒、リモートワークの定着、個人主義の浸透。他人との摩擦を避けられる環境が整うほど、人のために動くこと自体が損に感じられる。組織は人の関わりで成り立っているはずなのに、その関わりが痩せていく。
現代に漂うこの感覚を、複数の企業で産業医を務める大室正志氏はどう捉えているのだろうか。

1978年、山梨県生まれ。大室産業医事務所代表。産業医科大学医学部医学科卒業。ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社統括産業医、医療法人社団同友会産業医室を経て現職。メンタルヘルス対策、インフルエンザ対策、生活習慣病対策など企業における健康リスク軽減にも従事する。現在、日系大手企業、外資系企業、ベンチャー企業、独立行政法人など約30社の産業医を担当。著書『産業医が見る過労自殺企業の内側』(集英社新書)。

自由だけでも、管理だけでも、組織は続かない。40年のキャリアで見えた、経営の本質
経営とは、組織文化の「サイクル」をマネージし続けることである。フリーランスと企業のマッチングを手がける株式会社Hajimari 執行役員人事統括(HRC)の有賀誠氏はそう語る。
そのカギを握るのが、「元気」と「束ね」という二つの状態の見極めだ。組織文化はこの二つの間を絶えず行き来し、どちらか一方に振り切れば、遠からず組織の成長は行き詰まる。だが、今日多くの組織が、コンプライアンスの厳格化とともに「束ね」へ傾きすぎてはいないかと同氏は警鐘を鳴らす。
日本企業とグローバル企業、大組織とベンチャー。両極を渡り歩いてきた有賀氏に、40年余りの人事・経営のキャリアから導かれた持論を聞いた。

執行役員人事統括
北海道大学卒業後、1981年、日本鋼管(現・JFEグループ)入社。1993年、ミシガン大学経営大学院(MBA)修了。1997年、日本ゼネラルモーターズ(現・ゼネラルモーターズ・ジャパン)入社。部品部門デルファイの取締役副社長 兼 アジア・パシフィック人事本部長を務める。2003年、三菱自動車工業常務執行役員 人事本部長。ユニクロ執行役員を経て、2006年、エディー・バウアー・ジャパン代表取締役社長。その後、日本IBM人事部門理事、日本ヒューレット・パッカード取締役 執行役員 人事統括本部長、ミスミグループ本社グループ統括執行役員 人材開発センター長、日本M&Aセンター取締役 人材本部長 グループCHROを歴任。2024年11月より現職。



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