.webp)
乖離が広がる、エンゲージメントスコアと現場の実態。上司-部下の本当の関係値をどう測る?
年に一度のエンゲージメントサーベイ。上司と部下の関係を問う設問は、おおむね良好な値を示している。ところが現場から日々届く声は、その数字とどこか食い違っている。こうした隔たりに居心地の悪さを覚える人事担当者は、少なくないのではないでしょうか。
このようなズレが生まれる要因の一つは、サーベイの仕組みそのものにあります。
組織サーベイは、個人が特定されない前提で行われるため、回答者は安心して答えられますが、その仕組みゆえに一問ごとに真剣に向き合う動機は失われがちです。
近年ではサーベイが手軽に実施できるようになり、その機会も増えました。結果として、回答者が「アンケート疲れ」に陥り、惰性で答えるケースが増えているという指摘もあります。
こうした回答が積み重なれば、スコアは実態よりいくらか高いところに着地します。したがって、良好な数字は現場のありようをそのまま映しているとは限らないのです。
を見る
を閉じる
上司部下の関係を「解像度」高く捉えよ
この食い違いを見過ごせないのは、組織を動かす打ち手が、「現在地」の正確な把握からしか導き出せないからです。どこに課題があるのかが定まらなければ、その判断も、優先順位のつけようもありません。
とりわけ目を向けたいのが、上司と部下の関係です。日々の対話の質も、メンバーの定着も、この関係を抜きには語れません。エンゲージメントを支える要因としても、上司との関係は、繰り返し指摘されてきました。
ただ、その関係の深さは、容易には掴めません。サーベイのスコアは、実務の現場では「良好か、そうでないか」という粗い判定に落とし込まれがちです。けれども、その「良好」のなかには、波風を立てないだけの関係も、本音で課題をぶつけ合える関係も、区別されないまま同居しています。
そもそもサーベイのスコアは、組織や部署をひとまとめにした平均値です。職場には無数の上司と部下のペアがあり、その一組ずつが本当はどの深さにあるのかは、平均の裏に沈んで見えません。だからこそ、ペアごとの関係を、もう一段高い解像度で捉えることが求められるのです。
理想までの道のりを、どう刻むか
ペアごとの「現在地」を解像度高く捉えられると、次の問いが立ち上がります。理想の組織像へどう近づいていくのか、ということです。
組織の理想の姿は、多くの企業がミッション・ビジョン・バリューなどに掲げ、そこへ向かうための戦略も描いています。
それでも歩み出せないのは、「現在地」から理想までの道のりをどんなステップに分け、どの順で上っていくかという設計が容易ではないからです。
このステップの刻み方を誤れば、施策はかえって逆効果になります。日々の業務に追われるマネジャーに、いきなり部下との関係を大きく変えるような難題を課せば、「そんな余裕はない」と後回しにされ、やがて立ち消えるでしょう。かといって、易しい取り組みばかりでは、ペアごとの関係性はいつまでも理想に届きません。無理なく、それでいて着実に上れる一段を順に示せたとき、施策は初めて現場に根を張ります。
ここで助けになるのが、上司と部下の関係を段階として捉える視点です。
関係の深まりが段階で見えれば、いま自分たちがどこにいるかが分かり、施策を組み立てる土台になります。まだ「警戒」や「様子見」のペアであれば、評価や指導をいったん脇に置き、安心して話せる場をつくることが先決でしょう。すでに信用が芽生えているペアであれば、課題や、一歩踏み込んだ挑戦について本音で語り合えるはずです。
それぞれのペアがどこにいて、次に何を必要としているのか。それを一組ずつ見極めながら、打ち手を具体化していくことが、組織を理想へと近づける、現実的な道筋になります。
上司部下の関係を「解像度」高く捉えよ
この食い違いを見過ごせないのは、組織を動かす打ち手が、「現在地」の正確な把握からしか導き出せないからです。どこに課題があるのかが定まらなければ、その判断も、優先順位のつけようもありません。
とりわけ目を向けたいのが、上司と部下の関係です。日々の対話の質も、メンバーの定着も、この関係を抜きには語れません。エンゲージメントを支える要因としても、上司との関係は、繰り返し指摘されてきました。
ただ、その関係の深さは、容易には掴めません。サーベイのスコアは、実務の現場では「良好か、そうでないか」という粗い判定に落とし込まれがちです。けれども、その「良好」のなかには、波風を立てないだけの関係も、本音で課題をぶつけ合える関係も、区別されないまま同居しています。
そもそもサーベイのスコアは、組織や部署をひとまとめにした平均値です。職場には無数の上司と部下のペアがあり、その一組ずつが本当はどの深さにあるのかは、平均の裏に沈んで見えません。だからこそ、ペアごとの関係を、もう一段高い解像度で捉えることが求められるのです。
理想までの道のりを、どう刻むか
ペアごとの「現在地」を解像度高く捉えられると、次の問いが立ち上がります。理想の組織像へどう近づいていくのか、ということです。
組織の理想の姿は、多くの企業がミッション・ビジョン・バリューなどに掲げ、そこへ向かうための戦略も描いています。
それでも歩み出せないのは、「現在地」から理想までの道のりをどんなステップに分け、どの順で上っていくかという設計が容易ではないからです。
このステップの刻み方を誤れば、施策はかえって逆効果になります。日々の業務に追われるマネジャーに、いきなり部下との関係を大きく変えるような難題を課せば、「そんな余裕はない」と後回しにされ、やがて立ち消えるでしょう。かといって、易しい取り組みばかりでは、ペアごとの関係性はいつまでも理想に届きません。無理なく、それでいて着実に上れる一段を順に示せたとき、施策は初めて現場に根を張ります。
ここで助けになるのが、上司と部下の関係を段階として捉える視点です。
関係の深まりが段階で見えれば、いま自分たちがどこにいるかが分かり、施策を組み立てる土台になります。まだ「警戒」や「様子見」のペアであれば、評価や指導をいったん脇に置き、安心して話せる場をつくることが先決でしょう。すでに信用が芽生えているペアであれば、課題や、一歩踏み込んだ挑戦について本音で語り合えるはずです。
それぞれのペアがどこにいて、次に何を必要としているのか。それを一組ずつ見極めながら、打ち手を具体化していくことが、組織を理想へと近づける、現実的な道筋になります。





.webp)
.webp)