
リーダーシップとマネジメントの違いは?〜定義や役割、関係性、それぞれのスキルの高め方を徹底解説
「先が見えない、と部下に相談される」「働きやすい環境を作っているのに、部下のモチベーションが上がらない」。これらはリーダーシップの弱さに起因する問題です。他方で、マネジメントが弱いと「部下のモチベーションは高いのに、組織のパフォーマンスがイマイチ」といった問題が起こり得ます。
リーダーシップとマネジメント。組織の目標達成にはどちらも欠かせませんが、両者は性質が異なるため、場面に応じた使い分けが必要です。
本記事では、リーダーシップとマネジメントの役割や必要とされるスキルの違い、その身につけ方などを紹介します。部下との関係や組織運営に悩んでいる管理職の方は、ぜひ参考にしてください。
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リーダーシップとは
リーダーシップとは、目標を示し未知の領域へ先導する力のことです。従来にはない道を切り拓くことから、変革を主導する力ともいえます。
リーダーシップを発揮するには、「方向性を示すこと」と、「信頼してついてくる存在(フォロワー)」が必要不可欠です。
またリーダーとフォロワーの関係は役職上の上下関係を前提としないため、管理職でなくてもリーダーシップを発揮することができます。役職を持たない立場からチームや周囲を動かせる力は、将来のキャリアにおいても大きな武器になるため、リーダーシップはメンバークラスであっても身につけておくべき重要なスキルだと考えられています。
著名な経営学者のピーター・ドラッカーは、リーダーシップとはカリスマ性に基づくものではないと主張しました。また、リーダーシップを「仕事」として捉え、リーダーには責任と信頼が求められると論じています。
📘参考記事:【5分解説】ドラッカーのマネジメントとは? 原則・理論・名言まで完全理解
リーダーシップ論で有名なジョン・コッターは、リーダーシップの役割を「方向性の設定」と位置付けました。方向性を定めることとは、市場や競合の動向をはじめとする多様な情報から変化の兆しやパターンを読み取り、将来のビジョンを描くことです。そのうえで、そのビジョンを組織全体に共有し、人々を共通の方向へ導き、自発的な行動を促すことの重要性も指摘しています。
マネジメントとは
マネジメントは、組織の目標達成に向けて人材や資金、情報、時間などの経営資源を管理することです。マネジメントを行う存在がマネジャー(管理職)であり、マネジャーは部下への業務分担や進捗管理、スケジュールやタスクの調整などを行います。
ドラッカーはマネジメントを「組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関」と定義し、マネジャーはミッションの達成、組織やチームメンバーの活用、社会貢献の三つの役割を担う存在だと捉えています。
一方コッターは、マネジメントの役割を「計画の立案」と位置付けました。それはすなわち、目標から逆算して計画と予算を策定し、秩序立てて着実に結果を生み出す仕組みを設計することです。その計画を実行できる組織を作って人員を配置し、進捗を管理しながら問題解決にあたることが、マネジャーの仕事だとしています。こうした一連の取り組みによって、組織は安定的に目標達成へと近づいていきます。
このようにマネジメントは、「経営資源の管理」と「組織の仕組み作りと運営」を中核としています。マネジメントに必要なスキルについては以下の記事でも解説していますので、合わせて参考にしてください。
📘参考記事:マネジメントスキルとは? 管理職に必要な七つのスキルと高め方を図解
リーダーシップとマネジメントの違い
リーダーシップとマネジメントは、どちらも目標に向かってチームを動かしますが、その特徴に大きな違いがあります。ここでは四つの視点からリーダーシップとマネジメントを比較します。
役割の違い
リーダーシップとマネジメントはどちらも目標達成に必要なものですが、リーダーシップは「What(何を目指すか)」を示し、マネジメントは「How(どうやって実現するか)」を示します。
リーダーシップは、ビジョンを描いて目標や方向性を示し、メンバーを動機づけながら目標達成を目指します。一方、マネジメントは目標達成に向けて組織全体にとって効率的な手段を模索し、計画を立て、経営資源と進捗を管理していきます。
求められる場面の違い
リーダーシップは、新しいプロジェクトが始まったときや、組織が停滞しているときに強く求められます。こうした場面ではチームが方向性を見失いやすいため、進べき方向を示し、周囲を先導する存在が必要だからです。
一方マネジメントは、方向性が決まって目標が設定された後に必要とされます。目標達成には、経営資源を効率的に配分し、着実に前進させる存在が欠かせないからです。具体的には、現状を分析して計画を立て、進捗を管理しながら目標達成を目指します。
求められる視点の違い
リーダーシップは中長期的な視点でチームがどこに向かっていくのかを考えます。未来のビジョンを描き、方向性を示すためです。
一方マネジメントは、短期と長期、両方の視点が求められます。目先の目標達成や日々の業務管理を行いながら、中長期で組織が向かうべき方向性を踏まえて、人材育成や経営資源の投資・配分を検討します。あわせて、組織を維持するための仕組みづくりにも取り組みます。
影響力の源の違い
リーダーシップの影響力の源泉は、リーダーの人柄や価値観です。メンバーはリーダーが掲げる問題意識やビジョンに共感し、かつその人柄を信頼できて初めて、安心して後を追うことができます。
一方マネジメントの影響力の源泉は、組織上の地位や権限です。マネジャーとメンバーの間には上下関係があり、マネジャーはその立場に基づく指示命令権を通じて、部下を動かしていきます。
リーダーシップとマネジメントの関係性:使い分ける姿勢が重要
リーダーシップとマネジメントは相補的な関係にあり、どちらか一方だけでは組織を十分に動かせません。
リーダーシップだけが強すぎると、理想論ばかりが先行し、実務を回す仕組みづくりが疎かになったり、部下が共感できずについてこなくなったりします。反対にマネジメントだけが強すぎると、権威で部下を動かすことが多くなり、受動的な部下が増えたり、信頼関係を築きにくくなったりします。
マネジャーには、両者の違いを理解し、場面に応じて使い分ける姿勢が求められます。
リーダーシップがより強く求められるとき
リーダーシップは、事業やプロジェクトの立ち上げ期や、行き詰まりを感じる停滞期に強く求められます。また、現場寄りの管理職よりも、経営層により強く求められる傾向にあります。経営層は、会社のビジョンや中期経営計画を通じて、社員に自社の方向性を示す機会が多いためです。
トップのリーダーシップが乏しいと、社員は会社が目指す方向性がわからず、仕事の意義を見失いやすくなります。その結果、モチベーションの低下や離職につながるリスクが高まります。
マネジメントがより強く求められるとき
マネジメントは、事業やプロジェクトの成功パターンが見えてきた後、その型に沿って仕組みを作り、運用していく段階で求められます。また、経営層よりも現場に近い管理職により強く求められます。変革期においては、新たな方向性を示すリーダーシップと同程度に、既存の仕組みを回し続けるマネジメントの重要性も増します。
マネジメントが弱すぎると、成功しても仕組みとして定着せず、同じ成果を繰り返し生み出すことが難しくなります。また変革期には、新しい方向性や仕組みづくりに意識が向きすぎるあまり、既存の仕組みの運用が疎かになりがちです。その結果、仕組みが機能しなくなり、業務が停滞することがあります。いずれにせよ、マネジメントの弱さは組織の生産性の低下を招くおそれがあります。
リーダーシップの種類
ここまで、リーダーシップとマネジメントがそれぞれどのような場面で求められるかを見てきました。リーダーシップについては、求められる場面だけでなく、状況に応じて発揮の仕方そのものを変えることも重要です。
ここでは、EQ(感情知能)の概念を広めたアメリカの心理学者ダニエル・ゴールマンが提唱した、六つのリーダーシップのスタイルについて解説します。
❶ビジョン型リーダーシップ
ビジョン型リーダーシップでは、リーダーが組織の将来像や目指す方向性を明示し、達成方法はメンバーの自主性に委ねます。六つのリーダーシップの中で最も前向きで、チームの団結を促しやすく、信頼関係を構築しやすいスタイルです。ビジョン型リーダーシップは、部下やメンバーが方向性を見失いやすい新規事業やプロジェクトの立ち上げ期に有効です。方向性をはっきりと提示することで、メンバーは共通理解を持って前向きに事業やプロジェクトに取り組めるようになるでしょう。
❷コーチ型リーダーシップ
コーチ型リーダーシップは、メンバーの成長支援を重視するスタイルです。個別の対話を大切にし、助言やフィードバックを通じて中長期的な視点でメンバーの成長を促します。成果だけでなくプロセスも評価するため、たとえ結果が失敗に終わっても、その過程における努力や工夫が認められ、メンバーは自己効力感を保ちやすくなります。コーチ型リーダーシップは、組織が安定し始め、中長期の人材育成をしたいときに適しています。
❸関係重視型リーダーシップ
関係重視型リーダーシップでは、メンバーとの信頼関係や感情的なつながりを優先します。メンバーの価値観や感情に配慮するため、チームの心理的安全性が高まりやすく、人間関係の改善にも寄与します。そのため、チームの立ち上げ時や再編時、さらには対立が生じたときにも適したスタイルです。一人ひとりの不安を丁寧に傾聴し、安心感を与えることで、メンバー間の関係性を強化することができるからです。ただし、個々のメンバーに配慮しすぎて組織全体の目標を見失わないように注意が必要です。
❹民主型リーダーシップ
民主型リーダーシップは、意思決定の際にメンバーの意見を積極的に取り入れることが特徴です。チームメンバーのコミットメントや主体性を高める際に役立つため、多様な視点が重視される、企画会議などで効果を発揮します。
❺ペースセッター型リーダーシップ
ペースセッター型リーダーシップは、リーダー自身が模範となって高い目標を達成する姿を見せることで、チームを鼓舞するスタイルです。メンバーは成功イメージを持ちやすくなり、チーム全体のパフォーマンスが高まります。指導を待たず自ら成果を出せるような、専門性の高いメンバーが集まったチームほど効果を発揮しやすいため、時間をかけて育成しながら中長期の目標を達成するよりも、即戦力のチームで短期的な目標達成を目指す際に有効なスタイルといえます。
❻強制型リーダーシップ
強制型リーダーシップでは、リーダーが明確な指示や命令を出します。強制力が強いため、混乱した状況でも統制を取りやすい反面、長期的にはメンバーの自主性やモチベーションを低下させるリスクがあります。そのため、トラブルが発生し早期解決を図るときなど、一時的な解決手段として位置づけられています。
リーダーシップに求められるスキル4選
リーダーシップを発揮する際には、不確実な中で正しい方向性を見つけ出す「先見性」、進むべき道を示す「ビジョン構築力」、迅速な決断を通じてチームを先導する「意思決定力」、 メンバーの声に耳を傾け絆を深める「信頼関係の構築力」の四つが必要です。一つずつ見てみましょう。
❶先見性
先見性とは、社会の変化や流れを察知し、未来を見通す力のことです。現代のリーダーには、市場を取り巻くさまざまな情報を集め、時代を先読みし、組織やプロジェクトを適切な方向へ導くことが求められます。変化の兆しをいち早く掴めるからこそ、先見性の高いリーダーは変革の先頭に立ちやすい存在といえます。
❷ビジョン構築力
組織やチームの進むべき方向を明確に描き、その重要性をメンバーがわかる言葉で伝えることもリーダーシップの一つです。企業理念やパーパスを軸に経営する、いわゆる「理念経営」を実践する企業では、この力が事業の推進力として重視されています。
❸意思決定力
意思決定力とは、不確実性の高い状況で方向性を定め、責任を持って迅速に判断を下す力のことです。トラブルや問題に対処しながら組織を前に進めるには、この力が欠かせません。自分なりの信念や判断軸を持って決断できるリーダーであれば、メンバーも安心して後を追うことができるでしょう。
❹信頼関係の構築力
信頼関係構築力とは、メンバーと同じ目標を共有し、仲間としての絆を築く力のことです。
マネジメントが役職上の権限を土台に人を動かす仕組みであるのに対し、リーダーシップはビジョンへの共感や信頼を土台が原動力です。そのためリーダーは、メンバーの意見に耳を傾け、不安や疑問に応え、時には鼓舞しながら前に進みます。こうした丁寧な関わりが、メンバーから自発的な協力を引き出し、変革を進める力になります。
❺状況の予測力
マネジメントに求められるスキル4選
マネジメントには多様なスキルが必要とされます。ここでは代表的な四つのスキルを紹介します。
❶目標設定のスキル
マネジメントにおける目標設定とは、組織やチームの目標を、部下一人ひとりが取り組める具体的な業務に落とし込むことです。まずはチームや個々のメンバーの現状を分析し、目標達成に向けた具体的な手段を検討した上で、業務を割り振ります。この一連の過程には、チーム全体の状況を踏まえて目標を各人が実行できるレベルまで具体化する力や、部下の能力と組織全体の力量を的確に見極める力が求められます。
❷進捗管理スキル
チームや組織の目標を確実に達成するためには、適切な進捗管理が欠かせません。上司が自ら確認するだけでなく、部下が報告や相談をしやすい雰囲気を作っておくことも重要です。適切な状況把握の下に、将来発生し得る課題を予測して先手を打ったり、必要に応じて介入したりすることで、チームとしての円滑な業務遂行を目指します。
❸調整力
チーム運営においては、社内外の立場が異なるステークホルダーと協力体制を築くことが不可欠です。取引先や社内の他部署との間で見解の相違が生じたとき、双方の主張を整理し、全員が納得できる着地点を探すことが求められます。こうした期待値調整や合意形成に長けたマネジャーほど、成果を生み出しやすくなります。
❹部下の育成力
部下の育成もマネジャーにとって重要な仕事の一つです。まずは一人ひとりの強みや課題、性格を把握し、その内容を業務分担や目標設定に反映させます。その上で、フィードバックを通じて、部下の主体性を引き出すことが、成長支援につながります。
リーダーシップとマネジメントを高める方法
リーダーシップやマネジメントスキルは、いずれも習得が可能です。ここでは、それぞれのスキルを身につける方法を三つのステップで紹介します。
Step1:自分を客観視する
まずは自分を客観的に振り返り、リーダーシップとマネジメントについて、出来ていることと今後伸ばしていくべきものを把握します。その際、自己評価だけに頼らず、上司や部下にフィードバックを求めることも有効です。
Step2:知識を身につける
伸ばすべきスキルが把握できたら、次は知識を身につけます。リーダーシップとマネジメントの違いや基本原則を理解するだけでなく、自分に合ったリーダーシップの発揮方法や、日々の管理職業務への落とし込み方を学ぶことが大切です。以下に、理論を深く学べる作品から、実践方法や企業事例を知るための一冊まで、おすすめの書籍を紹介します。
📕 『第2版 リーダーシップ論――人と組織を動かす能力』
ジョン・P・コッター(著) DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部、黒田由貴子、有賀裕子(訳) ダイヤモンド社
本記事でも紹介した「リーダーシップとマネジメントの違い」を体系的に論じたジョン・コッターが、『ハーバード・ビジネス・レビュー』に発表した論文を収録した一冊です。第1章では、リーダーシップとマネジメントを異なる役割として整理しながら、両者が相互に補完し合う関係にあることを論じています。そのほか、企業変革が失敗する要因、変革への抵抗、権力と影響力の使い方など、組織を動かすうえで重要なテーマを幅広く扱っています。本記事をきっかけに、コッター自身の議論をより深く知りたい方に適した一冊です。
📕 『マネジメント[エッセンシャル版]――基本と原則』
P・F・ドラッカー(著) 上田惇生(編訳) ダイヤモンド社
ドラッカーが自らのマネジメント論を体系化した大著『マネジメント――課題、責任、実践』の要点を、初心者向けにまとめた入門書です。マネジメントが果たすべき使命や、マネジャーの役割、成果を上げるために取り組むべき仕事、中長期的な戦略などを幅広く扱っています。本記事で触れたドラッカーのマネジメント論をさらに掘り下げ、日々の管理業務を超えたマネジメントの本質を理解したい方におすすめです。
参考記事:【5分解説】ドラッカーのマネジメントとは? 原則・理論・名言まで完全理解
📕 『EQリーダーシップ 新装版――成功する人の「こころの知能指数」の活かし方』
ダニエル・ゴールマン、リチャード・ボヤツィス、アニー・マッキー(著) 土屋京子(訳) 日経BP 日本経済新聞出版
本記事で紹介した六つのリーダーシップ・スタイルを、EQ型リーダーシップの枠組みから体系的に解説した一冊です。EQの概念を世界に広めたダニエル・ゴールマンらが、リーダーの感情や行動が、メンバーの心理状態や組織風土、成果にどのような影響を及ぼすのかを、豊富な事例や、脳と感情の働きに関する知見を交えて論じています。六つのスタイルの特徴や使い分けだけでなく、自身のEQを高める方法や、EQの高い組織をつくる方法まで学びたい方におすすめです。新装版には、ソニーの再建を率いた平井一夫氏による解説も収録されています。
📕 『HIGH OUTPUT MANAGEMENT――人を育て、成果を最大にするマネジメント』
アンドリュー・S・グローブ(著) 小林薫(訳) 日経BP
インテルの経営を率いたアンドリュー・グローブが、マネジャーの仕事を「チーム全体のアウトプットを高めること」と捉え、そのための考え方と方法を具体的に解説した一冊です。目標や計画の立て方、意思決定、会議、1対1の面談、人事評価、部下の習熟度に応じた関わり方、教育訓練など、管理職が日常的に直面するテーマを幅広く扱っています。本記事で紹介した目標設定、進捗管理、意思決定、部下育成といったスキルを、実際のマネジメント業務に落とし込みたい方に特に適しています。
📕 『リーダーシップ・チャレンジ[原書第5版]』
ジェームズ・M・クーゼス、バリー・Z・ポズナー(著) 関美和(訳) 海と月社
長年にわたる調査を基に、優れたリーダーに共通する行動を「五つの実践」として整理した一冊です。自らの価値観を明確にして手本を示すこと、将来像を描いて周囲を巻き込むこと、新しい方法に挑戦すること、協働を促すこと、メンバーの貢献を認めて励ますことなど、リーダーシップを具体的な行動として学べます。リーダーシップは一部の人だけが持つ資質ではなく、経験と実践を通じて身につけられるという立場を取っている点でも、本記事の内容とよく対応しています。自分が明日から取るべき行動を具体的に考えたい方におすすめです。
📕 『How Google Works――私たちの働き方とマネジメント』
エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル(著) 土方奈美(訳) 日経BP 日本経済新聞出版
Google元CEOのエリック・シュミットと、元プロダクト・マネジメント担当上級副社長のジョナサン・ローゼンバーグらが、Googleの成長期に培った経営と組織づくりの考え方を解説した一冊です。多面的な能力を持つ人材を「スマート・クリエイティブ」と呼び、そうした人材を惹きつけ、能力を発揮できる環境をつくるための戦略、企業文化、人材採用、意思決定、イノベーションなどを、豊富な社内事例とともに紹介しています。リーダーシップやマネジメントの理論が、変化の速い企業でどのように実践されてきたのかを知りたい方におすすめです。
📕 『「リーダーシップのベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』
藤吉豊、小川真理子(著) 日経BP
著者2人が、リーダーシップやマネジメントに関する100冊を精読し、複数の本に共通して語られているノウハウを抽出して、ランキング形式で整理した一冊です。目標の共有、心理的安全性、コーチング、部下の育成、ほめ方・叱り方など、リーダーが直面する幅広いテーマを効率よく把握できます。個々の理論を深く学ぶための原典ではありませんが、まずリーダーシップの主要な論点を広くつかみ、その後に読む本を見つけるための入門ガイドとして活用できます。
Step3:実践し体験的に学ぶ
知識の習得は重要ですが、それだけでは実践力は身につきません。学んだ知識は、活用して初めてスキルとして定着します。例えば、これまで自分が主導していなかった会議で、ファシリテーター役を買って出てみるなど、新たな役割に挑戦する機会を作ってみましょう。成否にかかわらず、その経験を次の学びに繋げることが大切です。こうした実践に加えて、コーチングのような場でフィードバックを受ける経験を積むことも、スキル定着への近道です。
これからのマネジャーには、リーダーシップとマネジメントの両軸で組織を動かしていくことが求められます。両者の違いを認識し、場面に応じて使い分けることができれば、部下のモチベーション低下や組織の停滞といった悩みを乗り越え、組織の成長と変革を促していけるはずです。
リーダーシップとは
リーダーシップとは、目標を示し未知の領域へ先導する力のことです。従来にはない道を切り拓くことから、変革を主導する力ともいえます。
リーダーシップを発揮するには、「方向性を示すこと」と、「信頼してついてくる存在(フォロワー)」が必要不可欠です。
またリーダーとフォロワーの関係は役職上の上下関係を前提としないため、管理職でなくてもリーダーシップを発揮することができます。役職を持たない立場からチームや周囲を動かせる力は、将来のキャリアにおいても大きな武器になるため、リーダーシップはメンバークラスであっても身につけておくべき重要なスキルだと考えられています。
著名な経営学者のピーター・ドラッカーは、リーダーシップとはカリスマ性に基づくものではないと主張しました。また、リーダーシップを「仕事」として捉え、リーダーには責任と信頼が求められると論じています。
📘参考記事:【5分解説】ドラッカーのマネジメントとは? 原則・理論・名言まで完全理解
リーダーシップ論で有名なジョン・コッターは、リーダーシップの役割を「方向性の設定」と位置付けました。方向性を定めることとは、市場や競合の動向をはじめとする多様な情報から変化の兆しやパターンを読み取り、将来のビジョンを描くことです。そのうえで、そのビジョンを組織全体に共有し、人々を共通の方向へ導き、自発的な行動を促すことの重要性も指摘しています。
マネジメントとは
マネジメントは、組織の目標達成に向けて人材や資金、情報、時間などの経営資源を管理することです。マネジメントを行う存在がマネジャー(管理職)であり、マネジャーは部下への業務分担や進捗管理、スケジュールやタスクの調整などを行います。
ドラッカーはマネジメントを「組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関」と定義し、マネジャーはミッションの達成、組織やチームメンバーの活用、社会貢献の三つの役割を担う存在だと捉えています。
一方コッターは、マネジメントの役割を「計画の立案」と位置付けました。それはすなわち、目標から逆算して計画と予算を策定し、秩序立てて着実に結果を生み出す仕組みを設計することです。その計画を実行できる組織を作って人員を配置し、進捗を管理しながら問題解決にあたることが、マネジャーの仕事だとしています。こうした一連の取り組みによって、組織は安定的に目標達成へと近づいていきます。
このようにマネジメントは、「経営資源の管理」と「組織の仕組み作りと運営」を中核としています。マネジメントに必要なスキルについては以下の記事でも解説していますので、合わせて参考にしてください。
📘参考記事:マネジメントスキルとは? 管理職に必要な七つのスキルと高め方を図解
リーダーシップとマネジメントの違い
リーダーシップとマネジメントは、どちらも目標に向かってチームを動かしますが、その特徴に大きな違いがあります。ここでは四つの視点からリーダーシップとマネジメントを比較します。
役割の違い
リーダーシップとマネジメントはどちらも目標達成に必要なものですが、リーダーシップは「What(何を目指すか)」を示し、マネジメントは「How(どうやって実現するか)」を示します。
リーダーシップは、ビジョンを描いて目標や方向性を示し、メンバーを動機づけながら目標達成を目指します。一方、マネジメントは目標達成に向けて組織全体にとって効率的な手段を模索し、計画を立て、経営資源と進捗を管理していきます。
求められる場面の違い
リーダーシップは、新しいプロジェクトが始まったときや、組織が停滞しているときに強く求められます。こうした場面ではチームが方向性を見失いやすいため、進べき方向を示し、周囲を先導する存在が必要だからです。
一方マネジメントは、方向性が決まって目標が設定された後に必要とされます。目標達成には、経営資源を効率的に配分し、着実に前進させる存在が欠かせないからです。具体的には、現状を分析して計画を立て、進捗を管理しながら目標達成を目指します。
求められる視点の違い
リーダーシップは中長期的な視点でチームがどこに向かっていくのかを考えます。未来のビジョンを描き、方向性を示すためです。
一方マネジメントは、短期と長期、両方の視点が求められます。目先の目標達成や日々の業務管理を行いながら、中長期で組織が向かうべき方向性を踏まえて、人材育成や経営資源の投資・配分を検討します。あわせて、組織を維持するための仕組みづくりにも取り組みます。
影響力の源の違い
リーダーシップの影響力の源泉は、リーダーの人柄や価値観です。メンバーはリーダーが掲げる問題意識やビジョンに共感し、かつその人柄を信頼できて初めて、安心して後を追うことができます。
一方マネジメントの影響力の源泉は、組織上の地位や権限です。マネジャーとメンバーの間には上下関係があり、マネジャーはその立場に基づく指示命令権を通じて、部下を動かしていきます。
リーダーシップとマネジメントの関係性:使い分ける姿勢が重要
リーダーシップとマネジメントは相補的な関係にあり、どちらか一方だけでは組織を十分に動かせません。
リーダーシップだけが強すぎると、理想論ばかりが先行し、実務を回す仕組みづくりが疎かになったり、部下が共感できずについてこなくなったりします。反対にマネジメントだけが強すぎると、権威で部下を動かすことが多くなり、受動的な部下が増えたり、信頼関係を築きにくくなったりします。
マネジャーには、両者の違いを理解し、場面に応じて使い分ける姿勢が求められます。
リーダーシップがより強く求められるとき
リーダーシップは、事業やプロジェクトの立ち上げ期や、行き詰まりを感じる停滞期に強く求められます。また、現場寄りの管理職よりも、経営層により強く求められる傾向にあります。経営層は、会社のビジョンや中期経営計画を通じて、社員に自社の方向性を示す機会が多いためです。
トップのリーダーシップが乏しいと、社員は会社が目指す方向性がわからず、仕事の意義を見失いやすくなります。その結果、モチベーションの低下や離職につながるリスクが高まります。
マネジメントがより強く求められるとき
マネジメントは、事業やプロジェクトの成功パターンが見えてきた後、その型に沿って仕組みを作り、運用していく段階で求められます。また、経営層よりも現場に近い管理職により強く求められます。変革期においては、新たな方向性を示すリーダーシップと同程度に、既存の仕組みを回し続けるマネジメントの重要性も増します。
マネジメントが弱すぎると、成功しても仕組みとして定着せず、同じ成果を繰り返し生み出すことが難しくなります。また変革期には、新しい方向性や仕組みづくりに意識が向きすぎるあまり、既存の仕組みの運用が疎かになりがちです。その結果、仕組みが機能しなくなり、業務が停滞することがあります。いずれにせよ、マネジメントの弱さは組織の生産性の低下を招くおそれがあります。
リーダーシップの種類
ここまで、リーダーシップとマネジメントがそれぞれどのような場面で求められるかを見てきました。リーダーシップについては、求められる場面だけでなく、状況に応じて発揮の仕方そのものを変えることも重要です。
ここでは、EQ(感情知能)の概念を広めたアメリカの心理学者ダニエル・ゴールマンが提唱した、六つのリーダーシップのスタイルについて解説します。
❶ビジョン型リーダーシップ
ビジョン型リーダーシップでは、リーダーが組織の将来像や目指す方向性を明示し、達成方法はメンバーの自主性に委ねます。六つのリーダーシップの中で最も前向きで、チームの団結を促しやすく、信頼関係を構築しやすいスタイルです。ビジョン型リーダーシップは、部下やメンバーが方向性を見失いやすい新規事業やプロジェクトの立ち上げ期に有効です。方向性をはっきりと提示することで、メンバーは共通理解を持って前向きに事業やプロジェクトに取り組めるようになるでしょう。
❷コーチ型リーダーシップ
コーチ型リーダーシップは、メンバーの成長支援を重視するスタイルです。個別の対話を大切にし、助言やフィードバックを通じて中長期的な視点でメンバーの成長を促します。成果だけでなくプロセスも評価するため、たとえ結果が失敗に終わっても、その過程における努力や工夫が認められ、メンバーは自己効力感を保ちやすくなります。コーチ型リーダーシップは、組織が安定し始め、中長期の人材育成をしたいときに適しています。
❸関係重視型リーダーシップ
関係重視型リーダーシップでは、メンバーとの信頼関係や感情的なつながりを優先します。メンバーの価値観や感情に配慮するため、チームの心理的安全性が高まりやすく、人間関係の改善にも寄与します。そのため、チームの立ち上げ時や再編時、さらには対立が生じたときにも適したスタイルです。一人ひとりの不安を丁寧に傾聴し、安心感を与えることで、メンバー間の関係性を強化することができるからです。ただし、個々のメンバーに配慮しすぎて組織全体の目標を見失わないように注意が必要です。
❹民主型リーダーシップ
民主型リーダーシップは、意思決定の際にメンバーの意見を積極的に取り入れることが特徴です。チームメンバーのコミットメントや主体性を高める際に役立つため、多様な視点が重視される、企画会議などで効果を発揮します。
❺ペースセッター型リーダーシップ
ペースセッター型リーダーシップは、リーダー自身が模範となって高い目標を達成する姿を見せることで、チームを鼓舞するスタイルです。メンバーは成功イメージを持ちやすくなり、チーム全体のパフォーマンスが高まります。指導を待たず自ら成果を出せるような、専門性の高いメンバーが集まったチームほど効果を発揮しやすいため、時間をかけて育成しながら中長期の目標を達成するよりも、即戦力のチームで短期的な目標達成を目指す際に有効なスタイルといえます。
❻強制型リーダーシップ
強制型リーダーシップでは、リーダーが明確な指示や命令を出します。強制力が強いため、混乱した状況でも統制を取りやすい反面、長期的にはメンバーの自主性やモチベーションを低下させるリスクがあります。そのため、トラブルが発生し早期解決を図るときなど、一時的な解決手段として位置づけられています。
リーダーシップに求められるスキル4選
リーダーシップを発揮する際には、不確実な中で正しい方向性を見つけ出す「先見性」、進むべき道を示す「ビジョン構築力」、迅速な決断を通じてチームを先導する「意思決定力」、 メンバーの声に耳を傾け絆を深める「信頼関係の構築力」の四つが必要です。一つずつ見てみましょう。
❶先見性
先見性とは、社会の変化や流れを察知し、未来を見通す力のことです。現代のリーダーには、市場を取り巻くさまざまな情報を集め、時代を先読みし、組織やプロジェクトを適切な方向へ導くことが求められます。変化の兆しをいち早く掴めるからこそ、先見性の高いリーダーは変革の先頭に立ちやすい存在といえます。
❷ビジョン構築力
組織やチームの進むべき方向を明確に描き、その重要性をメンバーがわかる言葉で伝えることもリーダーシップの一つです。企業理念やパーパスを軸に経営する、いわゆる「理念経営」を実践する企業では、この力が事業の推進力として重視されています。
❸意思決定力
意思決定力とは、不確実性の高い状況で方向性を定め、責任を持って迅速に判断を下す力のことです。トラブルや問題に対処しながら組織を前に進めるには、この力が欠かせません。自分なりの信念や判断軸を持って決断できるリーダーであれば、メンバーも安心して後を追うことができるでしょう。
❹信頼関係の構築力
信頼関係構築力とは、メンバーと同じ目標を共有し、仲間としての絆を築く力のことです。
マネジメントが役職上の権限を土台に人を動かす仕組みであるのに対し、リーダーシップはビジョンへの共感や信頼を土台が原動力です。そのためリーダーは、メンバーの意見に耳を傾け、不安や疑問に応え、時には鼓舞しながら前に進みます。こうした丁寧な関わりが、メンバーから自発的な協力を引き出し、変革を進める力になります。
❺状況の予測力
マネジメントに求められるスキル4選
マネジメントには多様なスキルが必要とされます。ここでは代表的な四つのスキルを紹介します。
❶目標設定のスキル
マネジメントにおける目標設定とは、組織やチームの目標を、部下一人ひとりが取り組める具体的な業務に落とし込むことです。まずはチームや個々のメンバーの現状を分析し、目標達成に向けた具体的な手段を検討した上で、業務を割り振ります。この一連の過程には、チーム全体の状況を踏まえて目標を各人が実行できるレベルまで具体化する力や、部下の能力と組織全体の力量を的確に見極める力が求められます。
❷進捗管理スキル
チームや組織の目標を確実に達成するためには、適切な進捗管理が欠かせません。上司が自ら確認するだけでなく、部下が報告や相談をしやすい雰囲気を作っておくことも重要です。適切な状況把握の下に、将来発生し得る課題を予測して先手を打ったり、必要に応じて介入したりすることで、チームとしての円滑な業務遂行を目指します。
❸調整力
チーム運営においては、社内外の立場が異なるステークホルダーと協力体制を築くことが不可欠です。取引先や社内の他部署との間で見解の相違が生じたとき、双方の主張を整理し、全員が納得できる着地点を探すことが求められます。こうした期待値調整や合意形成に長けたマネジャーほど、成果を生み出しやすくなります。
❹部下の育成力
部下の育成もマネジャーにとって重要な仕事の一つです。まずは一人ひとりの強みや課題、性格を把握し、その内容を業務分担や目標設定に反映させます。その上で、フィードバックを通じて、部下の主体性を引き出すことが、成長支援につながります。
リーダーシップとマネジメントを高める方法
リーダーシップやマネジメントスキルは、いずれも習得が可能です。ここでは、それぞれのスキルを身につける方法を三つのステップで紹介します。
Step1:自分を客観視する
まずは自分を客観的に振り返り、リーダーシップとマネジメントについて、出来ていることと今後伸ばしていくべきものを把握します。その際、自己評価だけに頼らず、上司や部下にフィードバックを求めることも有効です。
Step2:知識を身につける
伸ばすべきスキルが把握できたら、次は知識を身につけます。リーダーシップとマネジメントの違いや基本原則を理解するだけでなく、自分に合ったリーダーシップの発揮方法や、日々の管理職業務への落とし込み方を学ぶことが大切です。以下に、理論を深く学べる作品から、実践方法や企業事例を知るための一冊まで、おすすめの書籍を紹介します。
📕 『第2版 リーダーシップ論――人と組織を動かす能力』
ジョン・P・コッター(著) DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部、黒田由貴子、有賀裕子(訳) ダイヤモンド社
本記事でも紹介した「リーダーシップとマネジメントの違い」を体系的に論じたジョン・コッターが、『ハーバード・ビジネス・レビュー』に発表した論文を収録した一冊です。第1章では、リーダーシップとマネジメントを異なる役割として整理しながら、両者が相互に補完し合う関係にあることを論じています。そのほか、企業変革が失敗する要因、変革への抵抗、権力と影響力の使い方など、組織を動かすうえで重要なテーマを幅広く扱っています。本記事をきっかけに、コッター自身の議論をより深く知りたい方に適した一冊です。
📕 『マネジメント[エッセンシャル版]――基本と原則』
P・F・ドラッカー(著) 上田惇生(編訳) ダイヤモンド社
ドラッカーが自らのマネジメント論を体系化した大著『マネジメント――課題、責任、実践』の要点を、初心者向けにまとめた入門書です。マネジメントが果たすべき使命や、マネジャーの役割、成果を上げるために取り組むべき仕事、中長期的な戦略などを幅広く扱っています。本記事で触れたドラッカーのマネジメント論をさらに掘り下げ、日々の管理業務を超えたマネジメントの本質を理解したい方におすすめです。
参考記事:【5分解説】ドラッカーのマネジメントとは? 原則・理論・名言まで完全理解
📕 『EQリーダーシップ 新装版――成功する人の「こころの知能指数」の活かし方』
ダニエル・ゴールマン、リチャード・ボヤツィス、アニー・マッキー(著) 土屋京子(訳) 日経BP 日本経済新聞出版
本記事で紹介した六つのリーダーシップ・スタイルを、EQ型リーダーシップの枠組みから体系的に解説した一冊です。EQの概念を世界に広めたダニエル・ゴールマンらが、リーダーの感情や行動が、メンバーの心理状態や組織風土、成果にどのような影響を及ぼすのかを、豊富な事例や、脳と感情の働きに関する知見を交えて論じています。六つのスタイルの特徴や使い分けだけでなく、自身のEQを高める方法や、EQの高い組織をつくる方法まで学びたい方におすすめです。新装版には、ソニーの再建を率いた平井一夫氏による解説も収録されています。
📕 『HIGH OUTPUT MANAGEMENT――人を育て、成果を最大にするマネジメント』
アンドリュー・S・グローブ(著) 小林薫(訳) 日経BP
インテルの経営を率いたアンドリュー・グローブが、マネジャーの仕事を「チーム全体のアウトプットを高めること」と捉え、そのための考え方と方法を具体的に解説した一冊です。目標や計画の立て方、意思決定、会議、1対1の面談、人事評価、部下の習熟度に応じた関わり方、教育訓練など、管理職が日常的に直面するテーマを幅広く扱っています。本記事で紹介した目標設定、進捗管理、意思決定、部下育成といったスキルを、実際のマネジメント業務に落とし込みたい方に特に適しています。
📕 『リーダーシップ・チャレンジ[原書第5版]』
ジェームズ・M・クーゼス、バリー・Z・ポズナー(著) 関美和(訳) 海と月社
長年にわたる調査を基に、優れたリーダーに共通する行動を「五つの実践」として整理した一冊です。自らの価値観を明確にして手本を示すこと、将来像を描いて周囲を巻き込むこと、新しい方法に挑戦すること、協働を促すこと、メンバーの貢献を認めて励ますことなど、リーダーシップを具体的な行動として学べます。リーダーシップは一部の人だけが持つ資質ではなく、経験と実践を通じて身につけられるという立場を取っている点でも、本記事の内容とよく対応しています。自分が明日から取るべき行動を具体的に考えたい方におすすめです。
📕 『How Google Works――私たちの働き方とマネジメント』
エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル(著) 土方奈美(訳) 日経BP 日本経済新聞出版
Google元CEOのエリック・シュミットと、元プロダクト・マネジメント担当上級副社長のジョナサン・ローゼンバーグらが、Googleの成長期に培った経営と組織づくりの考え方を解説した一冊です。多面的な能力を持つ人材を「スマート・クリエイティブ」と呼び、そうした人材を惹きつけ、能力を発揮できる環境をつくるための戦略、企業文化、人材採用、意思決定、イノベーションなどを、豊富な社内事例とともに紹介しています。リーダーシップやマネジメントの理論が、変化の速い企業でどのように実践されてきたのかを知りたい方におすすめです。
📕 『「リーダーシップのベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』
藤吉豊、小川真理子(著) 日経BP
著者2人が、リーダーシップやマネジメントに関する100冊を精読し、複数の本に共通して語られているノウハウを抽出して、ランキング形式で整理した一冊です。目標の共有、心理的安全性、コーチング、部下の育成、ほめ方・叱り方など、リーダーが直面する幅広いテーマを効率よく把握できます。個々の理論を深く学ぶための原典ではありませんが、まずリーダーシップの主要な論点を広くつかみ、その後に読む本を見つけるための入門ガイドとして活用できます。
Step3:実践し体験的に学ぶ
知識の習得は重要ですが、それだけでは実践力は身につきません。学んだ知識は、活用して初めてスキルとして定着します。例えば、これまで自分が主導していなかった会議で、ファシリテーター役を買って出てみるなど、新たな役割に挑戦する機会を作ってみましょう。成否にかかわらず、その経験を次の学びに繋げることが大切です。こうした実践に加えて、コーチングのような場でフィードバックを受ける経験を積むことも、スキル定着への近道です。
これからのマネジャーには、リーダーシップとマネジメントの両軸で組織を動かしていくことが求められます。両者の違いを認識し、場面に応じて使い分けることができれば、部下のモチベーション低下や組織の停滞といった悩みを乗り越え、組織の成長と変革を促していけるはずです。






