
1on1をどう成果につなげる? パフォーマンスを高める対話の設計
1on1を重ねるうちに、メンバーとの関係は深まった。心理的安全性も、以前より高まっている。それなのに、チームの成果が変わらない……。そんな違和感を抱えているマネジャーも少なくないのではないでしょうか。
関係性が整っても、業務の進め方そのものに踏み込まなければ、成果は変わりません。本記事では、1on1をパフォーマンス向上につなげるために何が必要かを、具体的に整理します。現場の1on1支援に携わる人事担当者にも、参考にしていただける内容です。
要約を開く
要約を閉じる
1on1は「使い分け」が必要
1on1の目的はひとつではありません。メンバーのコンディションを把握することを目的にした1on1では、現状を丁寧に言語化しながら対話を重ねることで、心理的安全性が生まれ、離職防止や関係性の土台づくりにつながります。
一方、メンバーのパフォーマンス向上を狙った1on1では、業務プロセスそのものに踏み込み、「何を、どう変えるか」を具体的に話し合うことが求められます。
どちらが重要かという話ではありません。大切なのは、メンバーが置かれた状況に応じて目的を使い分けること。実施頻度も同様で、「全員と週1回」が正解ではありません。
具体的なケースで考えてみましょう。
ある企業のマネジャーAさんには2人の部下がいます。やる気に満ちた20代のメンバーBさんとの1on1では週の振り返りから翌週の仕事の進め方まで丁寧に話し合えています。個別の案件についても、「どうやるか」という方法論にとどまらず、仕事そのものの質をどう高めていくかまで踏み込んだ話し合いができています。
一方、仕事に対してあまり前向きな様子が見られない40代後半のCさん。「自分のことは構わないで良い」というスタンスで、1on1にも消極的。本人から話したいテーマが上がってくることはなく、月1回の実施も多いと感じているようでした。
この場合、Cさんとはコンディション把握、Bさんとはパフォーマンス向上を主眼に置いた1on1を行うのが望ましいでしょう。ただし、Bさんのような意欲が高いメンバーであっても、異動直後や新しいプロジェクトを任せたばかりの時期にはコンディション把握を優先すべきこともあります。メンバーの状態を見ながら、1on1の目的・内容・頻度を使い分けることが重要です。

「パフォーマンスを高める」ために必要な会話とは
では、パフォーマンス向上を狙った1on1では、何が重要になるのでしょうか。ここでいうパフォーマンスとは、日々の業務における実務の成果、たとえばMBO(目標管理)で設定した目標に対する達成度などを指します。
成果を出してもらうためには、メンバーの業務プロセスそのものに目を向ける必要があります。どこで業務が滞っているのか、何がボトルネックになっているのか。そこに踏み込まなければ、状況は変わりません。だからこそ、進捗を確認するだけでなく、今の仕事をより早く、よりうまく進めるために「何を変えるのか」を具体的に話し合うことが必要なのです。
キャリアとパフォーマンスは切り分ける
1on1ではキャリアについてもよく話し合われます。「将来どうなりたいか」を起点に「必要な力は何か」「それを今の仕事でどう高めていくか」を話し合うことは、メンバーのモチベーション向上にもつながります。そのため、キャリアの対話もパフォーマンスに影響すると考えるマネジャーは少なくないかもしれません。
しかし、パフォーマンスを高めるには、「今月の仕事をどうするか」「来週の案件をやりきるにはどうすればいいか」という、目の前の業務に直結する対話が必要です。したがって、パフォーマンス向上を狙う場合、1on1の場にキャリアの話を無理に持ち込む必要はありません。「今の仕事にどう向き合うか」を丁寧に話し合ううちに、自然とキャリアの話につながっていくこともあります。
1on1は評価の場ではない
メンバーのパフォーマンスを高めるにあたって、1on1でのフィードバックも重要なポイントです。フィードバックと聞くと評価面談を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、1on1におけるフィードバックはそれとは異なります。
評価面談のフィードバックは、一定期間におけるメンバーのパフォーマンスを振り返り、メンバーのアウトカムに対する評価者のジャッジを伝えるものです。一方、日常的に行う1on1は、ジャッジを伝える場ではありません。
日々の取り組みに対する「良かったこと」と「改善してほしいこと」を伝えることが、1on1における主なフィードバックです。

パフォーマンス向上を狙う場合、改善点に触れなければ、メンバーは成長の機会を逸してしまいます。ただし「ここを改善してほしい」と一方的に伝えるのは得策ではありません。
特に専門性の高い職種では注意が必要です。メンバー側に強いこだわりや得意領域があるなか、相互理解が不十分なまま配慮を欠いた指摘をしてしまうと、「同じような領域という前提でこう改善しろと言われたけれど、事情がまったく違う。何も分かっていない人からのフィードバックは受け入れられない」といった反発を招くこともあります。
上司と部下の間に共通言語があり、かつ「成果を出すためにどうすればよいか」という問いについて一緒に考えているという共通認識があって初めてパフォーマンスを高める1on1が成立します。
したがって、マネジャーはメンバーへの理解を深めながら必要なフィードバックを与えると同時に、「これからどうやっていこうか」と一緒に考える姿勢を示すことが欠かせません。1on1でパフォーマンス向上を狙う場合、ぜひその点を意識してみてください。
1on1は「使い分け」が必要
1on1の目的はひとつではありません。メンバーのコンディションを把握することを目的にした1on1では、現状を丁寧に言語化しながら対話を重ねることで、心理的安全性が生まれ、離職防止や関係性の土台づくりにつながります。
一方、メンバーのパフォーマンス向上を狙った1on1では、業務プロセスそのものに踏み込み、「何を、どう変えるか」を具体的に話し合うことが求められます。
どちらが重要かという話ではありません。大切なのは、メンバーが置かれた状況に応じて目的を使い分けること。実施頻度も同様で、「全員と週1回」が正解ではありません。
具体的なケースで考えてみましょう。
ある企業のマネジャーAさんには2人の部下がいます。やる気に満ちた20代のメンバーBさんとの1on1では週の振り返りから翌週の仕事の進め方まで丁寧に話し合えています。個別の案件についても、「どうやるか」という方法論にとどまらず、仕事そのものの質をどう高めていくかまで踏み込んだ話し合いができています。
一方、仕事に対してあまり前向きな様子が見られない40代後半のCさん。「自分のことは構わないで良い」というスタンスで、1on1にも消極的。本人から話したいテーマが上がってくることはなく、月1回の実施も多いと感じているようでした。
この場合、Cさんとはコンディション把握、Bさんとはパフォーマンス向上を主眼に置いた1on1を行うのが望ましいでしょう。ただし、Bさんのような意欲が高いメンバーであっても、異動直後や新しいプロジェクトを任せたばかりの時期にはコンディション把握を優先すべきこともあります。メンバーの状態を見ながら、1on1の目的・内容・頻度を使い分けることが重要です。

「パフォーマンスを高める」ために必要な会話とは
では、パフォーマンス向上を狙った1on1では、何が重要になるのでしょうか。ここでいうパフォーマンスとは、日々の業務における実務の成果、たとえばMBO(目標管理)で設定した目標に対する達成度などを指します。
成果を出してもらうためには、メンバーの業務プロセスそのものに目を向ける必要があります。どこで業務が滞っているのか、何がボトルネックになっているのか。そこに踏み込まなければ、状況は変わりません。だからこそ、進捗を確認するだけでなく、今の仕事をより早く、よりうまく進めるために「何を変えるのか」を具体的に話し合うことが必要なのです。
キャリアとパフォーマンスは切り分ける
1on1ではキャリアについてもよく話し合われます。「将来どうなりたいか」を起点に「必要な力は何か」「それを今の仕事でどう高めていくか」を話し合うことは、メンバーのモチベーション向上にもつながります。そのため、キャリアの対話もパフォーマンスに影響すると考えるマネジャーは少なくないかもしれません。
しかし、パフォーマンスを高めるには、「今月の仕事をどうするか」「来週の案件をやりきるにはどうすればいいか」という、目の前の業務に直結する対話が必要です。したがって、パフォーマンス向上を狙う場合、1on1の場にキャリアの話を無理に持ち込む必要はありません。「今の仕事にどう向き合うか」を丁寧に話し合ううちに、自然とキャリアの話につながっていくこともあります。
1on1は評価の場ではない
メンバーのパフォーマンスを高めるにあたって、1on1でのフィードバックも重要なポイントです。フィードバックと聞くと評価面談を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、1on1におけるフィードバックはそれとは異なります。
評価面談のフィードバックは、一定期間におけるメンバーのパフォーマンスを振り返り、メンバーのアウトカムに対する評価者のジャッジを伝えるものです。一方、日常的に行う1on1は、ジャッジを伝える場ではありません。
日々の取り組みに対する「良かったこと」と「改善してほしいこと」を伝えることが、1on1における主なフィードバックです。

パフォーマンス向上を狙う場合、改善点に触れなければ、メンバーは成長の機会を逸してしまいます。ただし「ここを改善してほしい」と一方的に伝えるのは得策ではありません。
特に専門性の高い職種では注意が必要です。メンバー側に強いこだわりや得意領域があるなか、相互理解が不十分なまま配慮を欠いた指摘をしてしまうと、「同じような領域という前提でこう改善しろと言われたけれど、事情がまったく違う。何も分かっていない人からのフィードバックは受け入れられない」といった反発を招くこともあります。
上司と部下の間に共通言語があり、かつ「成果を出すためにどうすればよいか」という問いについて一緒に考えているという共通認識があって初めてパフォーマンスを高める1on1が成立します。
したがって、マネジャーはメンバーへの理解を深めながら必要なフィードバックを与えると同時に、「これからどうやっていこうか」と一緒に考える姿勢を示すことが欠かせません。1on1でパフォーマンス向上を狙う場合、ぜひその点を意識してみてください。






