
その発言、地雷です。1on1を台無しにする発言と、良い対話のつくり方
「今日はどんな話ができるだろう」と意気込んだ1on1の場で、上司の発言にがっかりしたことはないでしょうか。
本記事では、部下から寄せられた“実際にあったがっかり発言”をもとに、どんな言葉が1on1を壊し、なぜすれ違いが生まれるのかを丁寧に紐解きます。そして、上司・部下の双方がすぐに実践できる「1on1を良い時間に変えるコツ」を紹介します。
1on1は、上司が評価する場でも、部下が愚痴を言う場でもありません。互いの意図を理解し合い、一緒に作り上げる“上司と部下の共同作業”です。がっかり発言の裏側には、実は改善のヒントが隠れています。明日の1on1を、今日より少しよくするための材料として、ぜひ参考にしてみてください。
四角四面で融通が効かない……


正直、そんな振り方をされても話しにくい。私の話を聞きたいなら、聞くための話の引き出し方とか、学んでほしいなと思う。

1on1は部下の時間であっても、口火は上司が切るほうが圧倒的に話しやすいもの。
👨⚕️「この1カ月、●●の対応が大変だったよね」
👨⚕️「最近は××のプロジェクトが動いているけれど、どう感じてる?」
👨⚕️「前回言っていた□□の件、その後どう?」
こうした“軽いジャブ”があるだけで、部下は安心して話題を広げられます。主導権の丸投げではなく、選択肢を提示するのが理想です。

上司に「丸投げされた」と感じるかもしれません。しかし、そういうときは引き出されるのを待たずに、どんな話をしたいのか自らリクエストすると流れが良くなります。
👱♂️「今日は〇〇の件について意見を伺いたいです」
👱♂️「△△の状況を共有したいです」
このように話したいテーマを明確に出してしまったほうが、お互いにとって有益な時間になります。
1on1は本来、上司と部下が共同で“場をつくる”対話。遠慮しすぎず、自分からもテーマを出してみると良いでしょう。
心の声を口に出してしまう……


上司が自分のやるべきこと、理解すべきことがわかっていない。

こうした発言が出る背景として、「目の前の実務に追われている」「マネジメントが後回しになっている」といったケースが多く見られます。
しかし、1on1はやらされ仕事ではなく、次のような“火消し対応を減らすための仕組み”です。
☑️ 小さな変化の兆しを早めに拾える
☑️ 部下の誤解やストレスを軽度のうちに解消できる
☑️ 信頼関係ができると、トラブル時の対処が圧倒的に楽になる
つまり、1on1は「やらないといけないもの」ではなく、“未来の自分の時間を取り戻すための投資”です。「なぜ1on1をやるのか」「自分にとってどんな価値があるのか」などご自身にとっての「1on1の意味」をイメージしながら対話に臨んでみてください。
📕参考記事
『課長の時間を取り戻せ。1on1が変えるマネジメント構造』

この言葉を聞いたときは残念な気持ちになったはず。とはいえ、1on1は身近な人からフィードバックをもらう貴重な機会でもあります。上司が前向きでない場合は、必要な支援を明確にリクエストすると、形だけの1on1が少し機能し始めます。
👩「私の仕事ぶりを振り返るには、●●さんの視点が必要です」
👩「1on1では、具体的なフィードバックをいただけると助かります」
このように自分から“支援してほしい内容”を伝えるのが有効です。
それでも難しければ、横・斜めの関係(同僚、別部署のマネジャー)に知恵やフィードバックを求めるなど、対話の相手を“複線化”したほうが精神的にも実務的にも健全でしょう。
ネガティブ発言連発……


年下の上司だったが、どの発言も意図がわからない。1on1をする意図もわからない。発言の背景や、今後につながる提案などがあれば、議論できたのではないかなと思います。

もしかすると、この上司の方は「自分も困っている」「共感してほしい」という意図で話していたのかもしれません。特に年上の部下が相手だと、“自分を理解してもらわないと指示がしづらい”という焦りから、つい「背景説明」が過剰になりがちです。
ただし、以下のような発言は、部下に心理的な負荷をかけ、場を歪ませます。
🙅♀️ 不必要な悪口
🙅♀️ 過度なプライベートの開示
上司がまず意識すべきは、「1on1は部下のための時間」という原点。たとえあなたが「自分の立場を理解してほしい」「部下からの共感を得たい」と考えていて、そのために悪口やプライベートのことを話しているにせよ、それは必要最小限に留めましょう。
📖【参考記事】
『【若手マネジャー必見】「さすがですね」はNG! 年上部下の実力が最大限発揮されるフィードバックの極意』

上司側が最も困るのは、年上の部下から“放っておいてほしい”という空気を感じること。この上司もなんとか良い関係性を作らなくてはと考えて、話を広げすぎてしまった可能性があります。
部下にできるのは、1on1の使い方をはっきりリクエストすること。
💬「1on1は仕事の振り返りの時間にしたいです」
💬「私の相談や課題について意見をいただけると助かります」
こう伝えるだけで、上司の話題選びは大きく変わります。
それが難しい場合でも、「(悪口を言われていた)○○さんの話で思い出しました。そういえばあの案件なんですが……」と“仕事の話に戻す”ための軽い軌道修正は十分可能です。上司の意図を汲みながら、対話の目的をすり合わせていくとよいでしょう。
📕参考記事
『互いに“ちょうどいい”距離感とは? 年下の上司と良いチームを築く方法』
予告なく大変な報告を求めてくる……


それは業務報告なので、必ずしも1on1の場でやらなくてもいい。聞くならあらかじめその質問を投げておいてほしい。「具体的な数字で」と突然言われても、上司が何をもって成長と考えているのかわからない。

部下に気づかせたいことがあって数字の報告を求める上司は少なからずいます。
たとえば、以下のような指摘したいポイントが先にあって、「数字で振り返ってほしい」と言ってしまうケースです。
☑️ 業務プロセスに改善の余地がある
☑️ 成果への視点が弱いと感じている
☑️ 仕事の組み立て方に課題がある
しかし、1on1は“部下を追い込む場”ではなく、一緒に目標を立て、数字に意味づけをする共同作業。「こういう理由で聞いてみたい」「ここを一緒に振り返って成長につなげたい」と“問いの背景”を説明することが重要です。そのうえで、そもそも何を成長と見なすのか、それはどんな数字で語るべきか、上司はどんな変化を期待しているのかをすり合わせることで、初めて数字が意味を持ちます。

上司はもしかしたら、1on1を業務の確認に使っているのかもしれません。そのまま流されると、1on1が上司のペースだけで進む時間になってしまいます。
まずは、以下のように自分の使い方をはっきりリクエストしてみましょう。、
💬「私は1on1の時間をこう使いたい」
💬「今日の1on1では、〇〇を相談したい」
そこから、上司が数字報告を求める意図や必要性を話し合い、業務報告と1on1の切り分け方をすり合わせれば、1on1が自分にとっても意味のある時間に変わるでしょう。
☆☆☆
がっかり発言の背景には、「自主性を尊重したい」「期待値を伝えたい」「力になりたい」といった“上司なりの意図”が隠れていることも多くあります。上司と部下が互いの意図を理解し、リクエストを交わすことで、1on1は驚くほどよくなるはず。ぜひチャレンジしてみてください。
🔹1on1がっかり発言集Vol.2はこちら
四角四面で融通が効かない……


正直、そんな振り方をされても話しにくい。私の話を聞きたいなら、聞くための話の引き出し方とか、学んでほしいなと思う。

1on1は部下の時間であっても、口火は上司が切るほうが圧倒的に話しやすいもの。
👨⚕️「この1カ月、●●の対応が大変だったよね」
👨⚕️「最近は××のプロジェクトが動いているけれど、どう感じてる?」
👨⚕️「前回言っていた□□の件、その後どう?」
こうした“軽いジャブ”があるだけで、部下は安心して話題を広げられます。主導権の丸投げではなく、選択肢を提示するのが理想です。

上司に「丸投げされた」と感じるかもしれません。しかし、そういうときは引き出されるのを待たずに、どんな話をしたいのか自らリクエストすると流れが良くなります。
👱♂️「今日は〇〇の件について意見を伺いたいです」
👱♂️「△△の状況を共有したいです」
このように話したいテーマを明確に出してしまったほうが、お互いにとって有益な時間になります。
1on1は本来、上司と部下が共同で“場をつくる”対話。遠慮しすぎず、自分からもテーマを出してみると良いでしょう。
心の声を口に出してしまう……


上司が自分のやるべきこと、理解すべきことがわかっていない。

こうした発言が出る背景として、「目の前の実務に追われている」「マネジメントが後回しになっている」といったケースが多く見られます。
しかし、1on1はやらされ仕事ではなく、次のような“火消し対応を減らすための仕組み”です。
☑️ 小さな変化の兆しを早めに拾える
☑️ 部下の誤解やストレスを軽度のうちに解消できる
☑️ 信頼関係ができると、トラブル時の対処が圧倒的に楽になる
つまり、1on1は「やらないといけないもの」ではなく、“未来の自分の時間を取り戻すための投資”です。「なぜ1on1をやるのか」「自分にとってどんな価値があるのか」などご自身にとっての「1on1の意味」をイメージしながら対話に臨んでみてください。
📕参考記事
『課長の時間を取り戻せ。1on1が変えるマネジメント構造』

この言葉を聞いたときは残念な気持ちになったはず。とはいえ、1on1は身近な人からフィードバックをもらう貴重な機会でもあります。上司が前向きでない場合は、必要な支援を明確にリクエストすると、形だけの1on1が少し機能し始めます。
👩「私の仕事ぶりを振り返るには、●●さんの視点が必要です」
👩「1on1では、具体的なフィードバックをいただけると助かります」
このように自分から“支援してほしい内容”を伝えるのが有効です。
それでも難しければ、横・斜めの関係(同僚、別部署のマネジャー)に知恵やフィードバックを求めるなど、対話の相手を“複線化”したほうが精神的にも実務的にも健全でしょう。
ネガティブ発言連発……


年下の上司だったが、どの発言も意図がわからない。1on1をする意図もわからない。発言の背景や、今後につながる提案などがあれば、議論できたのではないかなと思います。

もしかすると、この上司の方は「自分も困っている」「共感してほしい」という意図で話していたのかもしれません。特に年上の部下が相手だと、“自分を理解してもらわないと指示がしづらい”という焦りから、つい「背景説明」が過剰になりがちです。
ただし、以下のような発言は、部下に心理的な負荷をかけ、場を歪ませます。
🙅♀️ 不必要な悪口
🙅♀️ 過度なプライベートの開示
上司がまず意識すべきは、「1on1は部下のための時間」という原点。たとえあなたが「自分の立場を理解してほしい」「部下からの共感を得たい」と考えていて、そのために悪口やプライベートのことを話しているにせよ、それは必要最小限に留めましょう。
📖【参考記事】
『【若手マネジャー必見】「さすがですね」はNG! 年上部下の実力が最大限発揮されるフィードバックの極意』

上司側が最も困るのは、年上の部下から“放っておいてほしい”という空気を感じること。この上司もなんとか良い関係性を作らなくてはと考えて、話を広げすぎてしまった可能性があります。
部下にできるのは、1on1の使い方をはっきりリクエストすること。
💬「1on1は仕事の振り返りの時間にしたいです」
💬「私の相談や課題について意見をいただけると助かります」
こう伝えるだけで、上司の話題選びは大きく変わります。
それが難しい場合でも、「(悪口を言われていた)○○さんの話で思い出しました。そういえばあの案件なんですが……」と“仕事の話に戻す”ための軽い軌道修正は十分可能です。上司の意図を汲みながら、対話の目的をすり合わせていくとよいでしょう。
📕参考記事
『互いに“ちょうどいい”距離感とは? 年下の上司と良いチームを築く方法』
予告なく大変な報告を求めてくる……


それは業務報告なので、必ずしも1on1の場でやらなくてもいい。聞くならあらかじめその質問を投げておいてほしい。「具体的な数字で」と突然言われても、上司が何をもって成長と考えているのかわからない。

部下に気づかせたいことがあって数字の報告を求める上司は少なからずいます。
たとえば、以下のような指摘したいポイントが先にあって、「数字で振り返ってほしい」と言ってしまうケースです。
☑️ 業務プロセスに改善の余地がある
☑️ 成果への視点が弱いと感じている
☑️ 仕事の組み立て方に課題がある
しかし、1on1は“部下を追い込む場”ではなく、一緒に目標を立て、数字に意味づけをする共同作業。「こういう理由で聞いてみたい」「ここを一緒に振り返って成長につなげたい」と“問いの背景”を説明することが重要です。そのうえで、そもそも何を成長と見なすのか、それはどんな数字で語るべきか、上司はどんな変化を期待しているのかをすり合わせることで、初めて数字が意味を持ちます。

上司はもしかしたら、1on1を業務の確認に使っているのかもしれません。そのまま流されると、1on1が上司のペースだけで進む時間になってしまいます。
まずは、以下のように自分の使い方をはっきりリクエストしてみましょう。、
💬「私は1on1の時間をこう使いたい」
💬「今日の1on1では、〇〇を相談したい」
そこから、上司が数字報告を求める意図や必要性を話し合い、業務報告と1on1の切り分け方をすり合わせれば、1on1が自分にとっても意味のある時間に変わるでしょう。
☆☆☆
がっかり発言の背景には、「自主性を尊重したい」「期待値を伝えたい」「力になりたい」といった“上司なりの意図”が隠れていることも多くあります。上司と部下が互いの意図を理解し、リクエストを交わすことで、1on1は驚くほどよくなるはず。ぜひチャレンジしてみてください。
🔹1on1がっかり発言集Vol.2はこちら





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