1on1が組織を変える。エンゲージメント向上の成功事例

はじめに

急速に変化するビジネス環境において、企業が競争力を維持するには、社員一人ひとりの主体的な行動と自律的な成長を促す組織づくりが不可欠です。その実現に欠かせないのが、社員と組織の心理的なつながり、すなわち「エンゲージメント」です。

しかし、制度や仕組み(ハード施策)を整備するだけでは、社員の納得や自発的な行動にはつながりません。組織文化やコミュニケーション(ソフト施策)を促進しても声がけに終わってしまうことも多いです。

そこで注目されているのが「1on1」です。上司と部下が定期的に対話を重ね、制度や方針の意図を丁寧に伝え、信頼関係を築く場としての1on1は、エンゲージメントを高める実践的な手段です。

本記事では、1on1支援ツール「Kakeai(カケアイ)」の事例をもとに、エンゲージメント向上に効果的な1on1の設計・運用・定着方法を解説します。

1. 施策を“伝わる”1on1が必要な理由

制度や理念をいくら整備しても、それが現場に伝わらず、行動に変わらなければ意味がありません。多くの企業では次のような課題が起きています。

 ✅ 部下との対話が表面的なコミュニケーションにとどまり、本音を引き出せていない
 ✅ 経営メッセージが現場で「自分ごと」にならない
 ✅ 評価制度などが意図通りに活用されていない

こうした“制度と行動の断絶”を解消するのが、「施策をつなぐ1on1」です。方針を現場の言葉に変換し、個々人に届けるための“実行の場”として、1on1が注目されています。

2. エンゲージメントを高める1on1の四つの条件

(1) 双方向・主体的な対話環境

上司・メンバーのどちらかが一方的に話すのではなく、双方が対話の意味を理解し、自らの意見を主体的に発信・共有できる環境や仕組みが必要です。

(2) テーマの明確化と施策との連動

1on1を行う際は、会社のエンゲージメント施策(ハード・ソフト両面)と関連づけたテーマを設定し、施策への理解や納得感を高める対話を行うことが重要です。

(3) 対話内容の蓄積と日常業務への活用

対話内容がその場限りにならないよう記録・共有を徹底し、次回以降の1on1や日々のマネジメント、さらには異動時の引き継ぎにも活かします。

(4) 対話の組織的定着と経営への活用

1on1が特定のチームや個人に限定されず、組織全体で定着し、そこで得られる情報や気づきを経営判断や組織運営にも有効に活用することが求められます。

3. 「Kakeai」導入企業に見る1on1の成果

「Kakeai」(カケアイ)を導入した企業では、1on1の実践を通じて具体的な成果が表れています。データと事例から見える5社の成果をご紹介します。

💡エンゲージメントスコアが12%向上、低スコア層は30%減少

A社では、日々の対話によって信頼や納得感が醸成され、社員が組織とのつながりを実感し始めたことでエンゲージメントスコアが向上しました。

導入前を基準値(100)とした場合、導入後のエンゲージメントスコアは112と12%向上。同時に、エンゲージメントが低い層は60から42へと30%減少しました。

💡ストレス値が10pt改善、エンゲージメントが11pt向上

B社では、定期的な1on1の実施によって、社員が抱える不安や課題が早期に表面化し、適切に対応できるようになりました。業務面だけでなく、心理的な不安が軽減されることで、日常のパフォーマンスにも好影響が及びました。

1on1導入前はストレス値55・エンゲージメントスコア50だった組織が、導入後はそれぞれ45(−18%)・61(+22%)と改善。

<POINT>
 📌 丁寧な傾聴、前向きな対話を通じて心理的安全性が向上。
 📌 コンプライアンスリスクの早期発見にも寄与する効果が見られた。

💡評価納得度5pt・挑戦する風土10pt改善(導入3年で)

C社では、「評価について話す機会がない」「納得できない」といった不満の声が、1on1の実施によって徐々に減少しました。

定期的なフィードバックと双方向の会話が、評価の納得度を引き上げる鍵となりました。評価の納得度は60 から 65へ、挑戦する風土は55 から 65へと改善。

💡頻度と効果の相関:月1回で最大28pt差

D社の調査結果からは、頻繁な1on1は“信頼関係”や“気づき”の頻度を高めるだけでなく、「対話があるという事実そのもの」が安心感とエンゲージメントを支えていることがわかります。

1on1を月1回以上行っているチームは、信頼関係85%、新たな気づき78%と、3カ月に1回のチームより最大28pt高いスコアを記録。

💡成長実感・推奨意向も24pt改善

メンバーの声には「1on1があるから立ち止まれる」「上司ときちんと話す機会があることで、この会社を続けようと思える」といった反応も。数字の裏側には、信頼・対話・自己効力感といった人間的な感情の変化が存在します。

月1回の1on1を推奨しているE社は、月1回1on1を行っているチームと月1回未満のチームのエンゲージメントスコアを比較しました。結果、月1回1on1を行っているチームのエンゲージメント指標75pt、成長実感72pt、推奨意向71ptと、月1回未満の実施となったチームよりそれぞれ24pt高くなりました。

4. 1on1を成果につなげる運用ポイント

Kakeaiの導入企業では、1on1を定着させるために以下のようなプロセスを踏んでいます。

1on1に取り組む前に

 ・マネジャー自身の言葉で、1on1の目的や意義を伝える
  👉 納得感・安心感が高まり、前向きに取り組める

 ・1on1の頻度・時間・進め方の説明
  👉月1回〜2週に1回、30〜60分を基本とし、「テーマ確認→話し合い→次回までのアクション設定」という流れを共有

<1on1の事前準備>

 ✅ 定期的な日程設定(繰り返し予定で習慣化)
 ✅ メンバーが話したい内容、マネジャーに期待する対応の把握
 ✅ マネジャー側のテーマ提案の準備(日常の気づきをストック)

<1on1の実施>

 ・始め方(安心して話せる空気づくり)
  👉 身近な話題から始め、話したいテーマを確認してから本題へ

 ・対話中(深い対話のためのポイント)
  👉 聞き役に徹し、適切な相槌・リアクション、沈黙も活用して深掘り。対話内容や気づきを記録し、次回以降に活かす

 ・終わり方(次につながるアクションを設定)
  👉 次回日程を設定し、話した内容を振り返り、具体的な行動を決定する

<1on1の実施後—振り返り

 ✅ メンバーの1on1への要望を定期的に聞く
 ✅ マネジャー自身の振り返りと改善(成長や関係構築に役立っているかを確認し進め方を改善)
 ✅ 継続的なテーマの設定(短期テーマ+中長期テーマ)

まとめ

1on1は制度や方針を“伝わるもの”に変えるための対話の場です。「Kakeai」は、その設計・運用・定着をテクノロジーで支援し、エンゲージメント向上と組織の自律性強化に貢献します。

「Kakeai」導入企業では、実際にエンゲージメントスコアの改善やストレス軽減、挑戦意欲の向上といった成果が続々と表れています。

もし、貴社でも「制度を活かしきれていない」「社員との対話を形骸化させたくない」と感じているなら、今こそ1on1の見直し時です。

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