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“役割の見直し”では、もう足りない──マネジャーを苦しめる構造の正体~リクルートワークス研究所『マネジメントを編みなおす』から考える~(前編)
「マネジャーとはこうあるべきだ」——そうした理想にふりまわされ、現場を支えるマネジャーが、多忙と疲弊にさらされている。多くの企業がこの状況に危機感を覚え、マネジャーの役割や業務の見直しに着手しているものの、現場の抜本的な変化につながっていないのはなぜか。
リクルートワークス研究所による報告書『マネジメントを編みなおす』では、その原因を「機能」への視点が抜け落ちていることに求めている。本記事では、同報告書の調査内容と、本研究プロジェクトを主導した辰巳哲子氏(リクルートワークス研究所・主任研究員)へのインタビューをもとに、マネジメントの再定義に向けた視座を提示する。
どうすれば相手から信頼されていると思えるのか? 職場の人間関係の新常識
「部下が何を考えているかわからない」「上司が自分を認めてくれない」——職場における信頼関係の構築は、多くの企業が抱える課題だ。
パーソル総合研究所と九州大学が304名の管理職とその部下1,848名を調査したところ、職場の半数以上で信頼関係に問題があることが判明した。しかし同時に、信頼関係を改善するための具体的な道筋も見えてきた。
本調査に基づき、本記事では以下の三つを解説する。
① 「相手から信頼されている」と実感する条件
② 1on1が信頼関係に与える意外な影響
③ 部下を信頼できる上司とできない上司の決定的な違い
【結局】本当に1on1はエンゲージメントと離職に効くのか
1on1を導入する狙いの多くは、「離職率低下」と「エンゲージメント向上」です。
しかし、「どのようにして」離職率の低下とエンゲージメント向上をもたらすかは明確ではありません。別の要因が絡み、間接的にこれらの改善に効いているかもしれません。そこで、株式会社KAKEAI(カケアイ)が、1on1とこれら2項目への相関性や影響度合いを調査しました。
そこで分かったことは、間接的に離職率低下に効いている可能性があること。加えて、エンゲージメントを多面的に捉えることが1on1を有意義にし、離職防止にも資する可能性があることです。
ところが、今やエンゲージメントというと「スコアが高いほど望ましい」のように十把一絡げにされがち。そうではなく、エンゲージメントには複数の項目があります。そして、今一度「エンゲージメントとは何か」を振り返ることが離職防止や組織活性化に有意義であることは間違いありません。
今回、こうした点を踏まえて掘り下げていきます。
<調査概要>
2024年12月4~9日の期間に、インターネット調査で20~60代の会社員(回収サンプル数1153、本調査での利用サンプル数500)を対象に実施。
【ランキング】実践で判明、1on1の本当の成果と課題
近年、伝統的な日本企業にも浸透してきた1on1ミーティング。1on1という対話は、簡単なようで難しいことの典型。ネット上でも1on1に苦労する情報があふれています。
幸い、1on1の入門をはじめ、傾聴を解説する書籍や記事は増えてきています。しかしながら、入門の次のステップとなると、まだ解説やヒントとなる情報は不足しています。
そこで今回紹介するのは、月1回以上1on1を実施している人々を対象とした1on1の調査結果(回答者300人)から、1on1の質向上のヒントを探っていくというものです。
今回明らかになった興味深い点は、コミュニケーション力など対話スキルに加えて、1on1を「マネジメント」する力が重要なこと。具体的には、メンバーごとに個別に対話し、一人ひとりの実態や状況を把握する能力や仕組み作りをする力が求められているのです。
記事の後半では、こうした課題解消のヒントも紹介します。
【解剖】150万回1on1データが示す、日本人のコミュニケーションの盲点
うちは日ごろからコミュニケーションしているから大丈夫──。
このような主張をよく耳にします。それは本当でしょうか。本当に「相手のことを理解している」でしょうか。
コミュニケーションは十分だと思っている組織に限って、「やる気があるのに、なぜ急にやめると言い出したんだ」などと、優秀な社員の「まさかの」突然退職に悩まされてはいないでしょうか。
そんな時こそ、「あの人がそんな考えを持っていたとは意外だった」というサプライズの声、または「もっと早くに話してくれればよかったのに」といった嘆きの声、出ていませんか。
コミュニケーションをしているものの、本当に相手を理解するには至ってなかったのです。
そこで本記事で紹介するのが、株式会社KAKEAI(カケアイ)が保有する150万回超の1on1データから浮き彫りになった、職場のコミュニケーションの「盲点」。それは
📌普段のコミュニケーションでは、あまり話されないテーマがある
📌あまり話されないテーマこそ、多くの人が苦手としている
📌その苦手なテーマが、組織エンゲージメントと関連している
ということです。
エンゲージメントはもとより、メンバーの離職にも一枚嚙んでいる職場のコミュニケーション、今こそ見つめ直してみませんか。