上司の方へ部下との関わり

部下を諦めて見切りをつけてよいか

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

部下本人に見切りをつけることは、おすすめしません。見切りをつけてよいのは、今の指導のやり方、目標の立て方、仕事の割り当ての3つです。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとに「上司が実施に前向きではない」を挙げた人のうち、「面談が成長につながっている」と感じている人は15.3%で、回答者全体より低くなっていました。上司が面談に前向きでないと感じている人は、面談による成長を実感しにくい傾向があります。何も言わずに関わりを減らすのではなく、上司の考えを本人に伝え、指導のやり方と目標の立て方を1つずつ変えてみてください。変えたことが3つになっても同じところで行き詰まるなら、仕事の割り当てを見直し、自分の上司と人事に相談しましょう。

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KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとに「上司が実施に前向きではない」を挙げた人のうち、面談が成長や成果につながっていると感じている人の割合が、回答者全体より低くなっていました。面談が行動につながらない理由では、「スキルが不足していてできない」より「ありたい状態が定まっていない」を挙げた人が多くなっています。何も言わずに関わりを減らす前に、上司の考えを本人に伝え、指導のやり方と目標の立て方を1つずつ見直すことをおすすめします。

15.3%
1万人調査
面談の困りごとに「上司が実施に前向きではない」を挙げた人のうち、面談が成長につながっていると感じる人の割合
面談が成長につながっていると感じる人は、回答者全体の26.7%でした。この困りごとを挙げた人のうち、「面談が成果につながっている」と感じている人は20.4%で、こちらも回答者全体の31.9%を下回ります。上司が面談に前向きでないと感じている人は、面談の効果を実感しにくい傾向があります。
16.3%
1万人調査
面談が行動につながるのは半分以下の回だと答えた人のうち、行動につながらない理由に「ありたい状態が定まっていない」を挙げた人の割合
「スキルが不足していてできない」は9.1%、「自己像・ありたい姿と衝突してやりたくない」は8.3%でした。「ありたい状態が定まっていない」を挙げた人は、この2つのどちらを挙げた人よりも多くなっています。
29日
Kakeai AI 1on1 利用データ
同じ上司と部下が続けて行った1on1の、前の回から次の回までの間隔の中央値
間隔を短い順に並べたとき、真ん中にくる値が29日です。変えたことの結果を次の1on1で確認すると、やり方を1つ試すのに1か月ほどかかる計算になります。

1万人調査は、上司との定期的な面談について尋ねたもので、部下への見切りや、指導の場面そのものを尋ねたものではありません。行動につながらない理由は、面談がその後の行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた6,074人に尋ねた結果です(5つまで選択)。

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。

出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)

部下に見切りをつけてよいのか

部下本人に見切りをつけることは、おすすめしません。見切りをつけてよいのは、今の指導のやり方、目標の立て方、仕事の割り当ての3つです。仕事の割り当ては、やり方と目標の立て方を変えて、結果を確認してから見直しましょう。

「見込みのない部下には早めに見切りをつけ、伸びる部下に時間を使うべきだ」という助言があります。しかし直属の上司は、見切りをつけたあとも、その部下への仕事の割り当てや評価、面談を続けることになります。変わるのは、指摘をしなくなる、仕事を頼まなくなるといった関わり方だけです。

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談の困りごとに「上司が実施に前向きではない」を挙げた人は3.9%でした。このうち、「面談が成長につながっている」と感じている人は15.3%でした。回答者全体では26.7%です。上司が面談に前向きでないと感じている人は、面談による成長を実感しにくい傾向にあります。

上司が黙って関わりを減らせば、その変化は部下にも伝わると考えたほうがよいでしょう。上司が選べるのは「諦めるか、続けるか」ではなく、「何も言わずに関わりを減らすか、考えを伝えてやり方を変えるか」です。

見切りをつける対象見切りをつけてよいか見直す目安
部下本人おすすめしませんなし。割り当て、評価、面談は、その後も続きます
今の指導のやり方早めに見直してよい同じ説明を3回しても、同じところで行き詰まる
今の目標の立て方早めに見直してよい「一人ですべて仕上げる」を目標にしたまま、毎回、期限の日に上司が引き取っている
今の仕事の割り当てやり方と目標を変えたあとでやり方と目標を合わせて3つ変えても、同じ工程だけが進まない

ここからは、毎週木曜の夕方に提出する翌週のシフト表を例に説明します。部下に任せて3か月になりますが、今も毎週、木曜の午後に上司が引き取って仕上げています。何度伝えても変わらないと感じると、疲れてしまうものです。

部下を諦める前に、上司が振り返りたい3つのこと

部下を諦める前に上司が振り返りたいのは、仕事の様子を見ること、評価を伝えること、部下の考えを聞くことの3つです。1つでも欠けていれば、判断の材料はまだそろっていません。

部下が仕事を進める場面を見ていますか

期限に間に合わなかったという結果だけでは、どこで行き詰まっているのかがわかりません。仕事の進め方を見ないままでは、上司の助言も的を外しやすくなります。まずは30分だけ、作業の様子を隣で見てみましょう。

  • 来週のシフト表を作り始めるとき、最初の30分だけ隣で見せてもらえますか。どこが進めにくいのかを知って、私の教え方を見直したいんです。途中で口は挟みません。

上司としての評価を、本人に言葉で伝えていますか

上司が伝えなければ、部下は自分の仕事がどう評価されているのかを知りようがありません。

KAKEAIの1万人調査では、上司と週1回以上面談している人のうち、面談で人事評価の話をしている人は25.8%でした。週1回以上面談していても、評価の話をしている人は少数です。

「普段の面談では評価の話をしない」という助言もありますが、KAKEAIはおすすめしません。評価を期末に初めて知らされても、本人には改善する時間が残っていないからです。期待している水準、現在の状況、今のところの評価の見通しを、期末より前に本人に伝えましょう。

  • 言いにくい話をしてもいいですか。翌週のシフト表は、この3か月、毎週木曜の午後に私が引き取って仕上げています。
  • 私が期待しているのは、木曜の夕方に、人数の足りない日がない状態で提出されることです。評価シートの「担当業務」の項目を、一緒に見てもらえますか。
  • 私は今のところ、この項目は期待する水準に届いていないと考えています。期末まで時間があるうちに、お伝えしたかったんです。○○さんは、どう感じていますか。

既に関わりを減らしていた場合は、それを認めるところから始めます。

  • 正直にお話しします。この1か月、私はシフト表について何も言わなくなっていました。どう伝えればよいかわからず、話すことを避けていたんです。
  • 申し訳ありませんでした。今日から、もう一度一緒に取り組ませてください。

部下の側からどう見えているかを尋ねていますか

上司と部下は、どちらも当事者です。上司の教え方や頼み方のどこが合っていないのかを、最もよく知っているのは部下本人です。

  • 私の教え方や頼み方で、やりにくいところがあれば、1つ教えてもらえますか。
  • シフト表の仕事を、この先も担当として続けたいと思っていますか。どちらの答えでも一緒に考えたいので、率直に教えてください。

見切りをつけるかどうかの判断基準と、試す順番

仕事の割り当てを見直すかどうかは、伝えた回数ではなく、上司が変えたことがいくつあり、それぞれの結果を自分の目で確認したかどうかで判断します。同じやり方を10回繰り返しても、試した仮説は1つだけだからです。次の順を目安に、1回に1つずつ変えてみてください。

  1. やり方を変えます。行き詰まる理由について仮説を1つ立て、教え方、頼み方、途中経過を見る日のどれか1つを変えます。
  2. 目標を見直します。「一人ですべて仕上げる」という目標を、「今週はここまで進める」という当面の目標に置き換えます。
  3. 部下の側で変えることを、二人で決めます。部下も当事者の一人だからです。
  • 教え方を変えさせてください。人数が足りない日に誰から出勤をお願いするか、私が使っている順番を紙に書いてお渡しします。来週は、それを見ながら進めてみてください。
  • 「一人ですべて仕上げる」という目標は、いったん脇に置きましょう。来週は水曜の昼に、人数が足りない日の一覧だけを見せてもらえますか。出勤のお願いは、私が引き受けます。
  • ここまでが、私の側で変えることです。○○さんの側でも変えられそうなことを、1つ一緒に決めませんか。
  • 来週のシフト表では、何から変えてみましょうか。

返事が「頑張ります」だけで終わりそうなときは、何をいつまでに変えるのかまで、二人で話しましょう。

KAKEAIの1万人調査では、上司との面談がその後の行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた6,074人に、行動につながらない理由を尋ねています(5つまで選択)。「ありたい状態が定まっていない」を挙げた人は16.3%でした。「スキルが不足していてできない」は9.1%、「自己像・ありたい姿と衝突してやりたくない」は8.3%です。「ありたい状態が定まっていない」を挙げた人は、この2つのどちらを挙げた人よりも多くなっています。

最終的に期待することは下げずに、今週どこまで進めるかという当面の目標を、二人で決めるとよいでしょう。

1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データでは、同じ上司と部下が続けて行った1on1の間隔は、中央値で29日でした。次の1on1を待って結果を確認すると、やり方を1つ試すのにおよそ1か月、3つでは3か月ほどかかる計算です。結果を二人で確認する日は、変えた日から2週間以内に設けることをおすすめします。

次の4つがそろっても同じところで行き詰まるなら、仕事の割り当ての見直しと、自分の上司や人事の担当者への相談に進んでかまいません。

  • 上司の側で変えたこと(やり方と目標)が合わせて3つあり、それぞれの結果を自分の目で見ています。
  • 上司としての今の評価と、評価の見通しを、本人に伝えてあります。
  • 部下の側で変えることも、二人で決めた期日まで試しています。
  • 何を変え、どうなったかを、二人で確認してメモに残しています。

ここまで試したうえで次に進むことは、部下を見捨てることとは違います。

KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査から、どの部下にも通用する万能の指導方法はないと考えています。指導は、仮説を立てて試し、結果を確かめて見直していくものです。

部下の担当を変えるときの、本人・自分の上司・人事への伝え方

仕事の割り当てを変える話では、上司の考えを先に伝え、続けて部下の考えを尋ねてみてください。担当が変わることは、部下にとって今後のキャリアにも関わるからです。

Kakeai AI 1on1の利用データでは、1on1の前に選ばれた「今後のキャリア」のテーマのうち、部下が上司に期待することとして「意見を聞きたい」を選んでいた割合は16.6%でした。「一緒に考えてほしい」は16.4%、「話を聞いてほしい」は7.6%です。キャリアがテーマのときは、話を聞くことより、上司の意見や一緒に考えることが期待されやすいと言えます。

上司の判断で変えられる範囲のとき

工程の分け方やチーム内での担当の交代は、上司の判断で変えられます。

  • この6週間、教え方と目標を変えながら進めてきましたね。下書きは、先々週からお任せできていて、助かっています。人数が足りない日の調整は、まだ進めにくいようですね。
  • 下書きまでは、これまで通りお任せしたいです。調整は、来月からAさんと交代する案を考えているのですが、○○さんはどう思いますか。
  • 担当から外すという話ではありません。3か月後に調整をもう一度担当してみるかどうかも、今日一緒に決めましょう。

上司の判断だけでは決められないとき

担当そのものの変更や、その先の処遇は、上司一人では決められません。配置転換や降格、退職の勧奨や解雇に関わることについて、このページでは判断を示しません。上司はこれらを面談で口にする前に、就業規則を確認し、人事の担当者に相談してください。本人には、人事に相談することと、いつ返事をするかを伝えます。

  • ここから先は、私の判断だけでは決められません。部長と人事の担当者に相談して、来週の金曜に、その時点でわかっていることをお伝えします。

自分の上司と人事には、変えたことと結果をまとめて相談しましょう。

  • シフト表の担当のことで、ご相談があります。この3か月に変えたことと、その結果を1枚にまとめてきました。次に私がしてよいことと、してはいけないことを教えていただけますか。

部下を諦めたくなったときに、避けたいこと

部下を諦めたくなったときに最も避けたいのは、理由を本人に伝えないまま、関わりだけを減らすことです。

  • 何も言わずに関わりを減らすこと。人数の足りない日に気づいても伝えずに自分で埋める、理由を言わずにシフト表を別の人に頼む、「今週は忙しいので」と面談を見送る、などです。
  • 同じ伝え方のまま、指摘の回数だけを増やすこと。KAKEAIの1万人調査では、上司と週1回以上面談していても、面談が行動につながっていない人では、「面談が成果につながっている」と感じている人は12.7%にとどまりました。面談の回数が多くても、行動につながっていない人は、成果を実感しにくい傾向があります。指摘の回数を重ねる前に、伝え方を1つ変えてみてください。
  • 本人のいないところで、「あの人はもう無理だ」と話すこと。上司が直接伝える前に、人づてに本人の耳に入るおそれがあります。
  • 「能力がない」「向いていない」と、本人の問題だと決めつけること。次に何を変えればよいのかが見えなくなります。体調や特性が原因だと、上司が推測することも避けます。気になる変化が続くときは、上司は見た事実だけを本人に伝えます。そのうえで人事の担当者に相談し、産業医や医療の専門家につなぎましょう。

見切りをつけるかどうかの判断を、どう振り返るか

判断がうまくいったかどうかは、上司の気持ちに区切りがついたかどうかではなく、次の3つでわかります。

  • 上司としての評価と評価の見通しについて、期末より前に二人で話せていますか。
  • 変えたことの一つひとつについて、その後どうなったかを、二人で確認できていますか。
  • 木曜の午後に上司がシフト表を引き取る週は、なくなりましたか。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

部下に言いにくいことを伝えたいときや、関わり方を変えたあとの様子を二人で確認したいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。

1on1の前

  • 伝えたいことの切り出し方やポイントアドバイス

    部下に切り出したいことを「メンバーに伝えたいこと」の欄に入力して保存すると、「1on1前のAIアドバイス」が、その内容を踏まえて書き直されます。入力した内容は、部下の画面には表示されません。

1on1の実施中

  • 次の一歩の候補を会話から抽出・決定ガイド

    会話の中から次の一歩の候補が生まれると、Kakeai AIが候補として表示します。お二人のどちらからも「決定する」をクリックして決められます。決めた一歩は、「MOVE」の画面に追加されます。

日常

  • 要約や次の一歩の一元管理

    1on1ごとの要約は「予定・履歴」の画面に、決めた次の一歩は「MOVE」の画面に、お相手ごとにまとまります。あとから見返せます。

  • 1on1で生まれた会話と前進の集約

    「概要」の画面に、直近6か月の1on1で会話されたテーマ、生まれたテーマ、生まれた次の一歩、実行された一歩の数が表示されます。お二人に同じものが表示されます。

1on1ツールの導入や見直しを検討している方は、Kakeai AI 1on1 の資料をご覧ください。

ご利用企業 累計600社以上/1on1実施 累計300万回以上

よくある質問

何度指導しても変わらない部下への指導を、上司は諦めてもよいですか。

何度指導しても部下の仕事ぶりが変わらない場合でも、伝えた回数を理由に上司が指導を諦めることは、おすすめしません。同じ伝え方を何度繰り返しても、試したやり方は1つだけだからです。仕事の割り当てを見直すかどうかは、教え方や目標の立て方など、上司が変えたことがいくつあり、それぞれの結果を自分の目で確認したかどうかで判断しましょう。

部下を見捨てる・見限ることと、部下の担当の仕事を変えることは、何が違いますか。

部下を見捨てることと、担当の仕事を変えることの違いは、上司が理由を本人に伝えているかどうかと、その後の様子を一緒に確認する日を決めているかどうかです。何も言わずに仕事を頼まなくなるのは、見切りをつけることに当たります。割り当ての見直しでは、上司が考えを伝え、本人の考えも聞きます。そのうえで、元の仕事をもう一度担当するかどうかを話し合う日まで決めておきます。

部下に見切りをつけたいとき、上司から異動や退職を勧めてもよいですか。

上司が自分の判断だけで、部下に異動や退職を勧めることはおすすめしません。配置転換や降格、退職の勧奨や解雇に関わることは、上司一人で決められるものではないからです。上司は本人に話す前に、就業規則を確認し、人事の担当者に相談してください。面談で上司が話せるのは、仕事で起きている事実、上司としての考え、人事に相談する予定までです。

部下への指導に疲れて諦めたくなったとき、上司は誰に相談すればよいですか。

部下への指導に疲れて諦めたくなった上司は、一人で抱え込まず、自分の上司に相談してください。これまでに変えたこととその結果を1枚にまとめて持参すると、次にどう対応するかを具体的に相談しやすくなります。眠れない、休んでも疲れが取れないなど、上司自身の不調が気になるときは、産業医や医療の専門家に相談しましょう。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/when-to-give-up-on-subordinate

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: