上司の方へ部下との関わり

指導しても部下に響かないとき、どうすればよいか

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

指導しても部下に響かないと感じたら、言い方を強める前に、部下の側で何が起きているのかを本人に尋ねてみてください。返事はあるのに行動が変わらないのか、表情が変わらないのか、毎回同じ返事なのかによって、考えられる理由は異なります。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた人の13.4%が、理由に「今動く必要性を感じていない(緊急度が低い)」を選びました。「スキルが不足していてできない」を選んだ人よりも多くなっています。指導が響いたかどうかは、その場の返事ではなく、次に同じ仕事をするときの行動で判断しましょう。

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KAKEAIの1万人調査によると、上司との面談が行動につながらない理由として、スキルの不足よりも、今動く必要性を感じていないことを選んだ人のほうが多くなっていました。「ありたい状態が定まっていない」も、上位の理由に挙がっています。指導が響かないときは、説明を繰り返す前に、優先順位と期限、目指す状態を二人で決めるとよいでしょう。

13.4%
1万人調査
面談が行動につながりにくい人のうち、理由に「今動く必要性を感じていない(緊急度が低い)」を選んだ人の割合
面談が行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた6,074人が、理由を5つまで選んだ結果です。「スキルが不足していてできない」は9.1%でした。スキルの不足を選んだ人より、今動く必要性を感じていないことを選んだ人のほうが多くなっています。
16.3%
1万人調査
面談が行動につながりにくい人のうち、理由に「ありたい状態が定まっていない」を選んだ人の割合
1つ目の数字と同じ6,074人の回答です。10の選択肢の中では、「その時々によって違う」の26.1%と「特にない」の23.4%に次いで3番目に多い答えでした。
13.2%
Kakeai AI 1on1 利用データ
「業務の進捗や進め方」のテーマのうち、部下が1on1の前に、上司に期待することとして「具体的なアドバイスがほしい」を選んでいた割合
上司に期待することが選ばれていなかったテーマも含めた割合です。同じテーマで「一緒に考えてほしい」が選ばれていた割合は17.0%でした。このテーマでは、具体的なアドバイスより、一緒に考えることのほうが多く期待されています。

1つ目と2つ目は、上司との面談が行動につながらない理由を尋ねた質問の結果で、指導が響いたかどうかを直接尋ねたものではありません。3つ目は、指導の場面に限らず、1on1の前に選ばれたテーマと上司に期待することを集計した数字です。

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。

出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)

指導しても部下に響かないとき、部下の側では何が起きているのか

指導が響かないと感じる場面は、1つではありません。「はい」と返事はあるのに行動が変わらない場面、指導の間に表情が変わらない場面、毎回同じ返事が返ってくる場面では、部下の側で考えられることが異なります。言い方を強める前に、どれに近いのかを振り返ってみてください。

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談が行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた6,074人に、その理由を5つまで選んでもらいました。「今動く必要性を感じていない(緊急度が低い)」は13.4%で、「スキルが不足していてできない」の9.1%を上回っています。

やり方はわかっていて後回しになっている場合は、同じ説明を繰り返しても状況は変わりにくいでしょう。場面ごとに考えられることを、表にまとめました。

上司から見た様子部下の側で考えられること最初にかける一言の例
「はい」と返事はあるが、次も同じ結果になる内容は理解しているが、他の仕事と重なり、優先順位が決まっていない「締め切りの前は、他にどんな仕事が重なっていましたか。優先順位を一緒に整理したいんです」
指導の間、表情が変わらず、うなずくだけになる別の考えや事情があるが、言い出せていない。または、期待していた関わり方と違う「私の話で引っかかった点があれば、先に聞かせてもらえますか」
毎回「すみません、気をつけます」と返ってくる目指す状態が、二人の間で決まっていない「次に同じ仕事をするとき、何をどう変えるかを、今ここで一緒に決めませんか」

どれに当たるのかは、部下に聞いてみるまでわかりません。最も近そうなものを仮説として、表の一言から試してみてください。次に同じ仕事をするときに結果を振り返り、違っていたら別の仮説に切り替えます。

ここからは、金曜にお客様へ提出する提案書を例にします。上司は毎回「水曜の17時までに下書きを見せてください」と頼み、部下は「はい」と答えます。ところが、提案書が上司に届くのは、完成版になった木曜の夜です。

返事は「はい」なのに行動が変わらないときは、優先順位と期限を二人で決める

返事は「はい」なのに行動が変わらないときは、説明を繰り返す代わりに、仕事の優先順位と期限を二人で決めてください。

  • 上司:提案書の下書きのことで、10分もらえますか。水曜に間に合わせにくい事情があれば、教えてほしいんです。
  • 部下:月次報告の締め切りも水曜なので、そちらを先に進めていました。
  • 上司:そうだったんですね。月次報告は、水曜までに数字が合っていれば十分で、体裁は木曜でかまいません。水曜の午前を下書きに充てられそうですか。
  • 部下:それなら進められます。
  • 上司:水曜の17時に一緒に見られれば、○○さん自身の手で仕上げる時間が取れます。木曜の夜だと、私が直すか、そのまま提出するかしか選べなくなるんです。

KAKEAIの1万人調査では、面談が行動につながらない理由を尋ねた6,074人のうち、15.4%が「時間やコストの制約で動けない」を選んでいました。

締め切りが重なった週に、どの仕事を後に回してよいかは、部下だけでは決めにくいものです。優先順位は、二人で決めるとよいでしょう。

上司の側にも、見直せる点があります。木曜の夜に受け取った提案書を上司が自分で直して間に合わせていると、水曜に下書きを二人で見る必要が、部下に伝わりにくくなりがちです。

  • これまでは、木曜の夜に私が直して提出していました。次からは水曜に一緒に見て、直しは○○さんにお願いしたいと考えています。どうでしょうか。
  • 水曜の17時に、私から声をかけますね。途中の状態でかまわないので、そのときに見せてください。

下書きを早めに共有することが評価の項目に関わる場合は、期末を待たずに、そのことを部下に伝えておくとよいでしょう。

  • 期限の前に途中の状態を共有することは、評価シートのこの項目に関わります。期末に初めて伝えるのは避けたいので、今お話ししました。○○さんは、どう思いますか。

指導の間、部下の表情が変わらないときは、先に考えを尋ねる

指導の間に部下の表情が変わらなくても、伝わっていないとは限りません。言い出せていない考えや事情がないか、期待していた関わり方と違っていないかを、先に部下に尋ねてみてください。

KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の困りごと(複数回答)として、「上司の対応が期待するものと違う」を挙げた人が12.9%いました。「話したいこと、話すべきことを切り出せない」は9.7%、「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」は9.3%です。

指導は、評価をする立場の人からの言葉でもあります。納得していないまま、その場では黙ってうなずく人がいても不思議ではありません。

  • 下書きを早めに見せることで、○○さんが困ることはありますか。
  • 下書きは、完成度を見るためのものではありません。方向が合っているかを早めに一緒に見て、手戻りを減らしたいんです。

1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」では、部下が1on1の前に、上司に期待することを選べます。その利用データでは、「業務の進捗や進め方」のテーマのうち、部下が「一緒に考えてほしい」を選んでいた割合は17.0%でした。「具体的なアドバイスがほしい」は13.2%です。「スキルや力の向上」のテーマでは、「具体的なアドバイスがほしい」が19.2%、「一緒に考えてほしい」が15.8%でした。部下が1on1の前に選ぶ、上司に期待することの順位は、テーマによって入れ替わっています。

仕事の段取りの話で、上司が最初から直し方を決めて伝えると、一緒に考えたかった部下は、うなずくしかなくなりがちです。直し方を伝える前に、何に困っているのか、どうしたいのかを尋ね、そのうえで一緒に考えてみてください。

  • 水曜に下書きを出すうえで、一番難しいのはどこですか。
  • ○○さんとしては、どう進めたいですか。それを聞いたうえで、段取りを一緒に考えたいんです。

オンラインでは表情がさらに読み取りにくくなるので、伝わり方を言葉で尋ねます。

  • 画面越しだと、私の話がどう伝わっているのかがわかりにくいんです。気になる点があれば、教えてもらえますか。

毎回「気をつけます」と返ってくるときは、目指す状態を二人で決める

毎回同じ返事が返ってくるときは、目指す状態が二人の間で決まっていない可能性があります。「気をつけます」と返ってきたら、次の仕事でいつ何を一緒に見るのかを決めてみましょう。

KAKEAIの1万人調査で、面談が行動につながらない理由を尋ねた質問では、「ありたい状態が定まっていない」を選んだ人が16.3%でした。10の選択肢の中で、「その時々によって違う」の26.1%、「特にない」の23.4%に次いで3番目に多い答えです。

「下書きを見せてください」と頼まれても、どこまでできていれば見せてよいのかがわからなければ、部下は「気をつけます」と答えるほかないでしょう。まず上司が、下書きに求める内容を具体的に伝えます。

  • 水曜に一緒に見たいのは、目次と、ページごとの結論を1行ずつ書いたものです。図や体裁は、まだ整っていなくてかまいません。
  • 次のB社の提案書だと、下書きはいつ頃なら一緒に見られそうですか。

日付と内容が決まったら二人で確認し、当日は上司から声をかけましょう。

  • 15日の17時に、目次とページごとの結論ですね。当日は、私から声をかけます。

指導が部下に響かないとき、避けたいこと

  • 語気を強めたり、同じ説明を繰り返したりすること。語気を強めても説明を繰り返しても、優先順位や目指す状態は決まらず、部下の考えもわかりません。2回伝えて変わらないときは、言い方ではなく仮説のほうを変えます。
  • 熱意や自分の経験談で、気持ちを動かそうとすること。熱のこもった話のあとも、次の水曜に何をするのかは決まっていません。必要なのは、それを二人で決めることです。
  • その場で「わかった?」と確認すること。評価をする立場の上司にこう聞かれると、「わかりません」とは答えにくく、返事は「はい」になりがちです。
  • 性格や世代のせいにすること。「響かない人だ」と決めてしまうと、部下の側で何が起きているのかに目が向きにくくなります。体調や心身の状態が気になるときは、指導を重ねずに、人事の担当者や産業医に相談してください。
  • 「信頼関係ができるまで、指導は控える」と決めること。信頼関係ができるまで指導を控えることを、KAKEAIはおすすめしません。関係は、仕事の話を前に進める中でできていくと考えているからです。上司と部下の関係には段階があり、段階によって合う関わり方は変わります。まだ身構えている段階と、困りごとをためずに言える段階とでは、同じ一言の届き方が違います。変えるのは、指導するかどうかではなく、一度に伝える量と、部下の考えを尋ねる順番です。
  • 「教えずに、質問で気づかせる」と決めておくこと。そう決めておくことは、おすすめしません。まだ教わっていないことを質問されても、部下は答えにくいからです。先に尋ねるか、先に伝えるかは、相手とその回の話に合わせて選びましょう。

指導が部下に響いたかどうかは、何を見ればわかるか

指導が響いたかどうかは、次に同じ仕事をするときにわかります。KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、指導が部下に届いたかどうかは、その場の表情や返事ではなくそのあとの行動で判断するものだと考えています。提案書の例なら、振り返るのは次の3つです。

  • 次の提案書で、水曜の17時に下書きを二人で見られたでしょうか。
  • 間に合いそうにないとき、「木曜の朝に見せます」のように、前もって二人で相談できていたでしょうか。
  • 上司は水曜に自分から声をかけ、木曜の夜に自分で直すのをやめられたでしょうか。

KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が毎回またはほぼ毎回、行動につながっていると答えた人の61.3%が、面談が成果につながっていると感じていました。行動にほとんど、または全くつながっていないと答えた人では7.0%です。面談が行動につながっている人ほど、成果を実感しています。

その場で「はい」と返事があっても、部下が納得しているとは限りません。返事だけで判断せず、次の水曜にどう進んだかを二人で振り返ることをおすすめします。1回で変わらないときは、仮説が外れていたと考えて、別の仮説でもう一度試してみてください。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

指導しても部下の行動が変わらず、その場の返事だけで終わってしまうとき、Kakeai AI 1on1では次のことができます。

1on1の前

  • 伝えたいことの切り出し方やポイントアドバイス

    部下に切り出したいことを「メンバーに伝えたいこと」の欄に入力して保存すると、「1on1前のAIアドバイス」が、その内容を踏まえて書き直されます。入力した内容は、部下の画面には表示されません。

  • テーマと期待する対応の選択

    1on1の前に、その回に話したいテーマと、上司にどうしてほしいか(期待する対応)を、部下の側から選べます。設定によっては、上司の側からもテーマを選べます。選んだ内容は、お二人の画面に表示されます。

1on1の実施中

  • 次の一歩の候補を会話から抽出・決定ガイド

    会話の中から次の一歩の候補が生まれると、Kakeai AIが候補として表示します。お二人のどちらからも「決定する」をクリックして決められます。決めた一歩は、「MOVE」の画面に追加されます。

日常

  • 要約や次の一歩の一元管理

    1on1ごとの要約は「予定・履歴」の画面に、決めた次の一歩は「MOVE」の画面に、お相手ごとにまとまります。あとから見返せます。

1on1ツールの導入や見直しを検討している方は、Kakeai AI 1on1 の資料をご覧ください。

ご利用企業 累計600社以上/1on1実施 累計300万回以上

よくある質問

何度指導しても部下が変わらないとき、上司はもっと強く言ったほうがよいですか。

何度指導しても部下の行動が変わらないときに、語気を強めることはおすすめしません。強く言っても、仕事の優先順位や目指す状態は決まらず、部下の側の事情もわからないままだからです。他の仕事を優先して後回しになっているのか、言い出せていない考えがあるのか、目指す状態が決まっていないのかを、部下に尋ねてみてください。

指導が響かないのは、部下の性格や世代のせいですか。

指導が響かない理由は、部下の性格や世代に求めないほうがよいでしょう。KAKEAIの1万人調査で、上司との面談の困りごとに「上司の話が役に立たない」を挙げた人は、20代の回答で6.4%でした。40代の回答では8.4%、50代の回答では8.8%です。この困りごとを挙げた人の割合は、20代のほうが40代や50代より低くなっています。性格や世代ではなく、その部下が今何に困っているのかを、本人に尋ねてみてください。

部下に指導が響かないのは、上司である自分の伝え方が悪いからでしょうか。

部下に指導が響かない原因を、上司の伝え方だけに求める必要はありません。上司と部下は、どちらも当事者です。上司の側で変えられることは4つあります。仕事の優先順位を一緒に決めること、部下の考えを先に尋ねること、目指す状態を二人で決めること、部下の代わりに直すのをやめることです。1つずつ試し、次に同じ仕事をするときに結果を振り返ってみてください。

指導しても響かない部下のことは、あきらめてもよいですか。

指導しても響かないと感じる部下をあきらめる前に、試せることが3つあります。仕事の優先順位を一緒に決めること、部下の考えを尋ねること、目指す状態を二人で決めることです。3つとも試して同じことが続く場合は、評価基準のどの項目について上司が今どう考えているのかを、本人に具体的に伝えます。本人の考えも尋ねたうえで、いつ一緒に振り返るのかを二人で決めてください。何も伝えずに仕事を外すことは、おすすめしません。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/guidance-not-landing-with-subordinate

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: