上司の方へ部下との関わり
部下育成とは何か
先に答え
部下育成とは、仕事を通じて、部下が今はできないことをできるようにしていくことを、上司と部下が一緒に進めることです。教えることや研修に送ることは、その一部です。中心になるのは、任せる仕事と範囲を決める・途中で一緒に振り返る・次に任せる範囲を決める、という繰り返しです。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が毎回またはほぼ毎回、そのあとの行動につながっている人の51.7%が、面談が成長につながっていると感じていました。面談で話したことが次の行動になっている人ほど、成長を実感している割合が高いということです。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談がそのあとの行動につながっている人ほど、面談が成長につながっていると感じていました。年代ごとに見ると、成長を実感している人の割合は50代の回答で最も低いものの、どの年代にも成長を実感している人がいました。育成の対象を年代で決めず、話して終わらずに次の仕事で試すところまでを一緒に進めることをおすすめします。
- 51.7%
- 1万人調査
- 面談が毎回またはほぼ毎回、そのあとの行動につながっている人のうち、面談が成長につながっていると感じている人の割合
- 半分くらいの回の人では12.8%、ほぼまたは全くつながっていない人では5.7%で、回答者全体では26.7%です。話したことが次の行動になっている人ほど、成長を実感しているという傾向があります。
- 22.1%
- 1万人調査
- 50代の回答で、上司との面談が成長につながっていると感じている人の割合
- 20代の回答では35.6%、30代では28.1%、40代では26.1%、60代では25.0%でした。50代の回答が最も低いものの、どの年代にも、面談を成長の機会と感じている人がいるということです。
1万人調査は上司との定期的な面談について尋ねたもので、育成の取り組みや研修の効果は尋ねていません。年代ごとの数字は、回答者の年代で分けて集計したものです。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
部下育成とは、仕事を通じて、部下ができることを増やしていくこと
部下育成とは、仕事を通じて、部下が今はできないことをできるようにしていくことを、上司と部下が一緒に進めることです。新人に仕事を教えることや、研修に送ることだけを指すのではありません。中心になるのは、今任せている仕事を材料にした、任せる範囲を決める・途中で一緒に振り返る・次に任せる範囲を決める、という繰り返しです。
「育成」という言葉には、上司が部下を一方的に育てる響きがあります。けれども、何ができるようになりたいか、どこでつまずいているかは、部下自身のほうがよく知っていることもあります。上司が出せるのは、任せる仕事、仕事の見方や判断の基準、会社の情報です。二人がそれぞれ持っているものを出し合って進めることが、部下育成の中身になります。
仕事は、成果に対してクリアしなければならないものであると同時に、成長にとっての具体的な材料でもあります。育成のための時間を別に探すより、今の仕事の中に育成の機会を見つけるほうが、続けやすい進め方です。
部下育成と、指導・教育・研修・評価との違い
部下育成は、指導や研修、人事評価と重なる部分を持ちながら、それらを今の仕事に結びつけて進めるものです。言葉ごとの違いを、次の表にまとめます。
| 言葉 | 主に指すこと | 部下育成との関係 |
|---|---|---|
| 指導 | 仕事の | 育成の中の、 |
| 教育・研修 | 会社が | 学んだことを |
| 人事評価 | 期の | 評価の |
| 部下育成 | 仕事を通じて、 | 上の |
人事評価の基準は、期末まで取っておかず、普段の面談で話題にするとよいでしょう。何ができるようになれば評価が上がるのかがわかると、育成で目指すことも二人で決めやすくなります。
- 評価シートのこの項目の「お客様に提案できる」は、運用報告書の仕事で言うとどこに当たるか、一緒に考えてみませんか。
部下育成の中身: 任せる、一緒に振り返る、 次の範囲を決める
部下育成の中身は、今の仕事を材料にした3つの繰り返しです。以下では、法人のお客様に毎月の運用報告書を作っている部下と、その上司の例で見ていきます。
1. 任せる仕事と範囲を、 二人で決める
- 来月の運用報告書は、分析のコメントの部分も○○さんにお願いしたいと考えています。どこまでなら一人で進められそうですか。
- 迷いそうなところがあれば、先に教えてください。そこは、最初の1回は一緒に見ます。
- この報告書で、○○さんが特に伸ばしたいと思っていることはありますか。
2. 途中で、一緒に振り返る
決めた日に、上司から途中の状態を一緒に見る時間を取ります。部下がつまずいていることを、上司が先に決めつけないようにします。
- 次に任せる範囲を一緒に考えたいので、途中の状態を見せてもらえますか。今日は、アドバイスがほしいのと、一緒に考えたいのと、どちらが近いですか。
- 今日はアドバイスがほしいとのことなので、私の考えを具体的にお伝えしますね。
- アクセス数が下がった理由の書き方で、迷っているんですね。私なら、先月との違いを最初の1文に書きます。お客様が一番気にしているところだからです。
- 私の案は1つの見方です。○○さんが違うと感じるところがあれば、遠慮なく言ってください。
3. 次に任せる範囲を決める
- 分析のコメントは、次からは○○さんの判断で書いてもらってよいと考えています。○○さんは、どう感じていますか。
- 次の段階として、お客様への説明の場にも同席してもらえますか。
- 今月やってみて、難しかったところはどこでしたか。次の報告書で、私が手伝えることがあれば教えてください。
- お客様への説明は、最初は報告書の要点だけを○○さんにお願いして、残りは私が話します。慣れてきたら、範囲を広げていきましょう。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が毎回またはほぼ毎回、そのあとの行動につながっている人のうち、面談が成長につながっていると感じている人は51.7%でした。半分くらいの回の人では12.8%、ほぼまたは全くつながっていない人では5.7%です。つまり、面談で話したことが次の行動になっている人ほど、成長を実感している割合が高いということです。
面談についての数字ですが、育成に当てはめると、話して決めたことを次の仕事で試してその結果をまた二人で話すところまでが1つの区切りだ、ということになります。試した結果を一緒に見るからこそ、次に任せる範囲を決められます。
部下育成は誰が行うのか: 直属の上司の役割
部下育成の中心を担うのは、その部下の仕事を決められる直属の上司です。任せる仕事や、任せる範囲を変えられるのは、直属の上司だからです。研修や先輩の助けを借りることはあっても、何を任せるかを決める役割は、ほかの人には代われません。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、1on1は、その部下の仕事を決められる直属の上司が行うのがよいと考えています。ただし、上司であっても、部下の仕事を見てもいないなら、上司が行う意味はありません。育成でも、部下の仕事の途中を自分の目で見ることが、上司の役割の出発点になります。
- 先輩の△△さんには、報告書の書き方を教えてもらっていますね。何を任せるかは、私と○○さんで決めていきたいので、困ったことは私にも話してください。
- 来週、お客様への報告の場に私も同席します。○○さんの説明の進め方を見て、あとで気づいたことをお伝えしますね。
部下育成について、よくある誤解
部下育成について、よく見られる誤解は次の5つです。どれも、育成の対象や進め方を、先に狭く決めてしまう考え方です。
- 部下育成は、新人や若手のためのもの。KAKEAIの1万人調査で、上司との面談が成長につながっていると感じている人の割合を年代ごとに見ると、20代の回答では35.6%、50代の回答でも22.1%でした。つまり、年代が上がっても、面談を成長の機会と感じている人はいるということです。育成の対象を年代で決めず、一人ひとりの今の仕事から考えるとよいでしょう。
- 部下育成は、研修や人事に任せるもの。研修で学んだことを仕事で試す場面を決められるのは、仕事を任せる直属の上司です。
- 育成と仕事を分け、育成の時間を別に取る。KAKEAIは、1on1では仕事の話をしない、と決めておくことをおすすめしません。仕事は、成長にとっての具体的な材料でもあるからです。
- 教えるか、質問だけにするかを先に決めておく。KAKEAIは、答えを教えず、質問で本人に気づかせる、と決めておくこともおすすめしません。部下がその回に上司に期待することは、具体的なアドバイスのときも、一緒に考えることのときもあるからです。
- 育成の成果を、研修の受講数や面談の回数で見る。回数は、上司がしたことを表すもので、部下ができるようになったことを表すものではありません。
部下育成がうまく進んでいるかを、 どう振り返るか
部下育成がうまく進んでいるかどうかは、研修の受講数や面談の回数ではなく、任せている仕事と、二人のやり取りの変化で振り返ります。3か月ほどたったら、次の点を振り返ってみてください。
- 3か月前と比べて任せている仕事の範囲が広がっていたら、次に任せる範囲を二人で決めます。変わっていなければ、任せる範囲の決め方から見直します。
- 任せた仕事の途中を上司が自分の目で見る時間が取れていなかったなら、次は途中で一緒に見る日を先に決めておきます。
- 二人で決めたことを次の仕事で試せていたら、その結果を次の面談で話します。試せていなければ、何が妨げになったかを一緒に確認します。
- 上司の関わり方が部下の期待と合っていたかは、上司が一人で判断せず、部下に直接尋ねます。
- この3か月で、お願いする仕事を少しずつ広げてきました。○○さん自身は、何ができるようになったと感じていますか。次に挑戦したいことも教えてください。
- 私の関わり方で、助かったことと、変えてほしいことを1つずつ教えてもらえますか。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
部下の育成を計画しても、日々の仕事の中で何に挑戦し、どこまで進んだのかが二人の間で見えなくなるときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
任せた仕事を話す1on1の実施中に、話題の提案で。
新しく任せた仕事の範囲と期限を、 1on1が終わる前に二人で決めておけます。
右の列の下の球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)か、下のバーの「サイコロをふる」をクリックすると、Kakeai AI が、その回の会話とこれまでの1on1を踏まえて話題を1つ提案します。まだ決まっていない話があると、いつまでに何をするかを二人で決める提案になることがあります。お二人の画面に同じものが表示されます。
残り5分ほどです。今日話した「市場規模の試算」の件がまだ決まっていません。いつまでにどこまで仕上げるかを、お二人でここで一つ確かめておきませんか。
次の1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
前回の1on1のあとに勧められた関わり方を、 次の1on1で続けて試せます。
前回のふりかえりで勧められた一言があると、今回の1on1のどこで使うとよいかと一緒に書かれます。ご自身向けの内容で、部下には部下向けの別の内容が表示されます。
前回(6月9日)のふりかえりでお伝えした「対象国、4か国で進めてもらって大丈夫だった?」という確認を、今日の冒頭に一言入れてみてください。
育成の振り返りや評価の前に、「概要」の画面で。
評価コメントを書く前に、 部下がどの仕事で何に取り組んできたかを、 二人の記録で見返せます。
「概要」の画面のダイジェストは、この半年の二人の1on1を、Kakeai AI がこれまでの流れ、いま途中になっている話とそれが誰の手元にあるか、決まった次の一歩とその実行の順に文章にしたものです。仕事の広がりのような変わり目が、日付と一緒に書かれることもあります。お二人に同じものが表示されます。
6月25日の2回目では、藤本さんが比較表を持ち寄り内容を確認しました。…比較表を作る仕事が、売り方を考える仕事へと踏み込んだ回でした。
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よくある質問
部下育成とは、簡単に言うと何ですか。
部下育成とは、簡単に言うと、仕事を通じて部下ができることを増やしていくことです。上司が一方的に教えるのではなく、任せる仕事と範囲を二人で決める・途中で一緒に振り返る・次に任せる範囲を決める、という繰り返しで進めます。研修や指導は、その中の一部です。
部下育成と人材育成は、 何が違いますか。
人材育成は、会社が研修や配置、評価の仕組みを通じて、社員全体の力を伸ばす取り組みを指すことが多い言葉です。部下育成は、その中でも、直属の上司が一緒に仕事をしている部下に対して、仕事を通じて行う関わりを指します。会社の研修で学んだことも、上司が仕事で試す場面を決めることで、部下育成につながります。
部下育成で、上司がするべきことは何ですか。
部下育成で上司がすることは、任せる仕事と範囲を部下と一緒に決めること、任せた仕事の途中を自分の目で見て一緒に振り返ること、次に任せる範囲を決めることの3つです。振り返りでは、部下がアドバイスを求めているのか、一緒に考えてほしいのかを先に尋ねてから関わり方を選ぶとよいでしょう。評価の基準も、普段の面談で話題にします。
部下育成は、若手だけを対象にすればよいですか。
部下育成は、若手だけを対象にするものではありません。KAKEAIの1万人調査で、上司との面談が成長につながっていると感じている人の割合は、20代の回答では35.6%、50代の回答でも22.1%でした。年代が上がっても、面談で成長を実感している人はいるということです。育成の対象を年代で決めず、一人ひとりの今の仕事から、次に任せる範囲を考えるとよいでしょう。
部下育成に時間が取れないときは、 どうすればよいですか。
部下育成のための時間が取れないときは、育成の時間を別に作ろうとせず、今の仕事の受け渡しの中に育成の機会を見つけることをおすすめします。仕事を頼むときに任せる範囲を一緒に決め、途中で一度だけ状態を一緒に見て、終わったら次に任せる範囲を話す形なら、普段の仕事の中で続けられます。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/what-subordinate-development-means
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: