上司の方へ部下との関わり
やる気のない部下への指導と接し方
先に答え
部下にやる気がないように見えるときは、やる気そのものを高めようとするのではなく、求める仕事の水準と、実際に起きている事実を具体的に伝えてください。「やる気を出して」と求められても、部下は何を変えればよいのかがわからないからです。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の困りごとに「やらされ感・義務感での実施」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は13.1%でした。回答者全体の割合を大きく下回っています。義務感を抱えて面談に臨んでいる人は、成果を感じにくい傾向があります。水準に届いていない仕事があれば事実をもとに話し合い、届いているなら、水準を超える仕事を理由を添えて依頼するとよいでしょう。
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KAKEAIの1万人調査によると、面談の困りごとに「やらされ感・義務感での実施」を挙げた人は、面談が成果につながっていると感じている割合が、回答者全体を大きく下回ります。面談の頻度が低い人ほど、この困りごとを挙げる割合が高い傾向もあります。このページでは、部下にやる気がないように見えるときも「やる気を出して」と言ったり距離を置いたりせず、求める仕事の水準とその理由を上司から言葉にして伝えることをおすすめしています。
- 13.1%
- 1万人調査
- 面談の困りごとに「やらされ感・義務感での実施」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じる人の割合
- 回答者全体では31.9%でした。この困りごとを挙げた人は回答者の14.7%で、その人たちが成果を感じている割合は、調査で尋ねた15の困りごとの中で2番目に低くなっています。義務感で面談に臨んでいる人は、成果を感じにくい傾向があります。
- 8.8%
- 1万人調査
- 上司との面談が週1回以上の人のうち、面談の困りごとに「やらされ感・義務感での実施」を挙げた人の割合
- 2週間〜1か月に1回の人では12.8%、2〜3か月に1回の人では17.0%、半年〜1年に1回の人では22.7%でした。面談の頻度が低い人ほど、やらされ感を挙げる割合が高くなっています。
- 11.3%
- Kakeai AI 1on1 利用データ
- 1on1のあとに部下が感想を送った回のうち、「やる気が出ました」が選ばれた回の割合(複数回答)
- 最も多く選ばれた感想「自分のことや状況を知ってもらえました」の46.2%と比べると、低い割合です。1回の1on1で部下のやる気を引き出すのは、それだけ難しいことだと言えます。
1万人調査は上司との定期的な面談について尋ねたもので、やる気そのものや、普段の仕事ぶりを調べたものではありません。「やる気が出ました」の11.3%も、部下が感想を送ったすべての回の集計で、やる気がないように見える部下との1on1だけを取り出した数字ではありません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
部下にやる気がないように見えるとき、 部下の側で起きていること
部下にやる気がないように見えるとき、部下の側では、仕事を「やらされている」と感じている場合があります。そもそも、やる気(モチベーション、意欲)そのものは、目に見えません。上司に見えているのは、期限を過ぎた仕事や頼まれた範囲で終わる仕事、短い返事などです。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談で困っていることとして、14.7%の人が「やらされ感・義務感での実施」を挙げました。この困りごとを挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は13.1%で、回答者全体の31.9%を大きく下回っています。時間の確保や準備の負担など、調査で尋ねた15の困りごとの中で、成果を感じている人の割合は2番目に低くなっています。「上司との信頼関係がなく安心して話せない」を挙げた人でも、成果を感じている人は25.2%いました。義務感で面談に臨んでいる人は、成果を感じている割合が特に低いと言えます。
「やる気を出してほしい」と言われた部下が意欲的に振る舞っても、言われたからすることが1つ増えただけになりがちです。仕事として部下に求めることができるのは、やる気ではなく、仕事の水準と具体的な行動です。あわせて上司から示せるのは、その水準が必要な理由と、部下に任せる範囲です。
1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データでは、1on1のあとに部下が感想を送った回のうち、「やる気が出ました」が選ばれたのは11.3%でした(複数回答)。1回の1on1で部下のやる気を引き出すのは、それだけ難しいことだと言えます。このページでは、やる気を高めることを目的にせず、仕事そのものについて話す方法を紹介します。
やる気がないように見える部下への指導は、 3つの場面に分けて伝える
「やる気がない」という印象をそのまま伝えても、指導にはなりません。そう言われても、部下は何を変えればよいのかがわからないからです。まず、上司が実際に見た事実と、求めている仕事の水準を書き出し、次の3つの場面のどれに当たるかを考えてみてください。複数に当てはまるときは、表の上の行から順に取り組みます。
| 上司から見えている場面 | 先に振り返ること | 最初にすること |
|---|---|---|
| 求めている | 水準を | 水準と |
| 水準には | 「それ以上」を | 理由と |
| 仕事は | 仕事や | 事実があるときに |
以下では、経費精算の確認を担当している部下を例に説明します。話す場所は、周りに人がいない会議室か、個別のオンライン会議を選びましょう。
求めている水準に届いていないとき
仕事の話として、求める水準と事実をあわせて伝えます。「やる気」「姿勢」といった言葉は使いません。これまで水準をはっきり伝えていなかった場合は、そのことを先に認めるとよいでしょう。
- 経費精算の確認のことで、相談があります。15分ほど時間をもらえますか。
- 申請した人への払い戻しが遅れないように、確認は申請から3営業日以内に終えることを目安にしたいと考えています。この目安を、これまで私からきちんと伝えていませんでした。
- 今月は、確認が3営業日を超えた申請が8件ありました。どのあたりで時間がかかっているのか、教えてもらえますか。
- 来月は、これを2件までに減らせないかと考えています。難しい点があれば、聞かせてください。
- 2週間後の火曜に、進み具合を一緒に見て、次の進め方を相談しませんか。
この場面では、評価についても話しましょう。KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、部下にやる気がないように見えるときも普段の面談で評価の話をしてよい、むしろすべきだと考えています。期末になって初めて「意欲が見えない」と伝えるのではなく、評価基準を二人で見ながら、具体的な項目について話します。
KAKEAIの1万人調査で、上司と週1回以上面談している人どうしを比べると、人事評価の話をしている人の50.8%が、面談が成果につながっていると感じていました。評価の話をしていない人では39.7%で、話をしている人のほうが、成果を感じている割合は高くなっています。
- 評価シートの「期限を守る」の項目を、一緒に見てもらえますか。
- 今のところ、私はこの項目が基準に届いていないと考えています。理由は、3営業日を超えた申請が今月8件あったことです。○○さんは、どう感じていますか。
- 最終的な評価は、私一人で決めるものではありません。期末になって初めてお伝えするのは避けたいので、今の時点でお話ししました。
水準を伝え、進み具合を見る日を決めても状況が変わらないときは、伝えた日付と内容を記録し、今後の進め方を人事の担当者に相談します。処分や降格に関わる対応は、上司だけで判断せず、就業規則を確認したうえで人事の担当者と進めてください。
水準には届いているが、 それ以上のことはしないとき
求めている水準に届いているのであれば、指導が必要な場面ではありません。定時に帰ることも、頼まれた範囲で仕事を終えることも、改める必要のないことです。
水準を超える仕事を望むなら、上司から仕事として依頼します。依頼しないまま「自分から動いてほしい」と待っているなら、先に動くのは上司の側です。なお、等級や役割の基準に定められている仕事は水準に含まれるので、1つ目の場面として扱います。
- 今の担当分は、期限も内容も、お願いしている通りに進めてくれていて、助かっています。
- そのうえで、1つ相談があります。月末にたまりやすい、担当の決まっていない申請の確認を、お願いできないでしょうか。
- 月末の3日間は確認が止まり、営業の方への払い戻しが翌月になる申請が出ているんです。
- 進める順番は、○○さんにお任せします。引き受けるのが難しければ、どういう条件ならできそうか、聞かせてください。
- 今の担当から減らしたほうがよい仕事があれば、相談しながら私のほうで調整します。
会議での発言が少ないことが気になるときも、用意してほしいものを具体的に依頼します。
- 来週の規程の見直しの打ち合わせで、差し戻しの多い項目を3つ挙げてもらえますか。当日の進め方を相談したいので、前日に10分ほど、一緒に内容を見ておきませんか。
返事が「今は難しいです」であっても、やる気がないとは限りません。条件を尋ね、上司が仕事の量を調整してから、改めて相談するとよいでしょう。
仕事は水準に届いているが、 返事や態度が気になるとき
返事が短い、表情が硬い、面談で「特にありません」と答えるといった様子だけであれば、指摘は不要です。伝えるのは、仕事や周囲の人に影響が出た事実があるときです。その場合も、態度ではなく、具体的な行動とその影響について話します。
- 営業の方から、差し戻しの理由がわからないという問い合わせが、今月3件、私のところに来ています。
- 差し戻すときに、修正が必要な箇所を1行添えてもらえますか。「規程の通りに」だけでは、どこを直せばよいのかが相手に伝わりにくいようです。
面談で部下が「特にありません」と答えても、やる気がないとは限りません。Kakeai AI 1on1の利用データでは、1on1の前に選ばれた「業務の進捗や進め方」のテーマの22.2%で、部下が上司に期待することを選んでいませんでした。
疲れているように見える、休みが増えたなど、体調が気になるときは、理由を推測で決めつけないでください。気づいた事実だけを伝え、産業医や医療の専門家への相談につなげます。
- 先週から、午後に休みを取る日が続いていて、少し心配しています。体調のことであれば、産業医に相談できます。相談の方法は、私から人事に確認して、明日お伝えします。
部下にやる気がないように見えるとき、 上司が先に振り返ること
部下にやる気がないように見える理由は、部下の側だけにあるとは限りません。上司と部下は、どちらも当事者です。面談の前に、上司自身について次の3つを振り返ってみてください。
- 求めている水準を数字や日付で部下に伝えてきたでしょうか。
- 部下からの提案や相談に、返事をしていないものはないでしょうか。
- 部下に声をかけるのが、何かを指摘するときだけになっていないでしょうか。
当てはまるものがあれば、指摘より先に、上司からそのことを話します。
- 3月に出してくれた、申請の様式を1枚にまとめる案に、まだ返事をしていませんでした。申し訳ありません。今週中に部長と話して、金曜に、その時点でわかったことをお伝えします。
部下にも、1つお願いしておくとよいでしょう。
- 難しいと感じる期限や、納得できない依頼があれば、その場で教えてもらえると助かります。理由を聞いたうえで、期限や進め方を見直せないか、一緒に考えます。
普段の接し方は、他の部下と変えないようにします。ただし、上司と部下の関係には段階があり、段階によって合う関わり方は変わります。一緒に仕事を始めて日が浅い場合は、水準を超える仕事の依頼は急がず、水準と事実の話から始めることをおすすめします。
やる気がないように見えるときの指導で、 避けたいこと
やる気がないように見える部下への指導で避けたいのは、仕事の話をしないまま、やる気だけを変えようとすることです。
- まず雑談や関係づくりから、と順番を決める。信頼関係ができるまで仕事の指摘は控える、という助言がありますが、KAKEAIは、この進め方をおすすめしません。関係づくりが不要だからではなく、関係は仕事の話を前に進める中でできていくと考えるからです。水準を伝えないまま雑談を重ねても、何を求められているのかは部下に伝わりません。
- 上司は聞き役に徹する、と決めておく。やる気がないように見える部下には聞き役に徹する、という助言もありますが、KAKEAIは、そう決めておくことをおすすめしません。聞くだけで終わる回があってもかまいません。ただ、毎回そうすると決めてしまうと、水準に届いていない仕事があっても、部下は知らないままです。反対に、部下の事情を尋ねずに指摘だけを重ねることも、避けたい対応です。
- 期待するのをやめて、声をかけなくなる。やる気がないように見えるからと、依頼する仕事や、声をかける回数を減らすことは避けましょう。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が週1回以上の人の8.8%が、面談の困りごとに「やらされ感・義務感での実施」を挙げていました。半年〜1年に1回の人では22.7%です。面談の頻度が低い人ほど、やらされ感を挙げる割合が高くなっています。
- 「評価に響きますよ」と、基準を示さずに言う。何を変えれば評価が変わるのかを示さない評価の話は、部下には脅しのように聞こえがちです。評価の結果は上司の一存では決まらないので、保証できない話をすることにもなります。
- 性格や世代のせいにする。「もともとそういう人だから」と決めつけると、水準の伝え方や依頼の仕方など、上司が変えられることに目が向きにくくなります。
やる気がないように見えるときの指導を、 どう振り返るか
指導がうまくいったかどうかは、部下の表情や返事の明るさ、やる気が出たかどうかではなく、話したあとに仕事がどう進んだかで判断するとよいでしょう。次回の面談のあとに、以下の3つの点から二人のやり取りを振り返ってみてください。
- 二人で決めた日に見た進み具合は、話し合った目安に近づいていたでしょうか。
- 依頼した仕事を引き受ける条件や難しい点を、二人で話し合えたでしょうか。
- 部長への相談や仕事量の調整など、上司が引き受けたことを、約束した日までに果たせたでしょうか。
KAKEAIの1万人調査では、面談が毎回またはほぼ毎回その後の行動につながっていると答えた人の61.3%が、成果につながっていると感じていました。行動にほとんど、または全くつながっていないと答えた人では7.0%です。面談が行動につながっている人ほど、成果を感じている割合が高いことがわかります。
2回続けて変化がなければ、水準の伝え方か、依頼した仕事の量を見直してみてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
部下に伝えにくいことの切り出し方に迷うときや、二人で決めたことを次の面談まで覚えておくのが難しいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の前
伝えたいことの
切り出し方や ポイントアドバイス 部下に切り出したいことを「メンバーに伝えたいこと」の欄に入力して保存すると、「1on1前のAIアドバイス」が、その内容を踏まえて書き直されます。入力した内容は、部下の画面には表示されません。
テーマと
期待する 対応の選択 1on1の前に、その回に話したいテーマと、上司にどうしてほしいか(期待する対応)を、部下の側から選べます。設定によっては、上司の側からもテーマを選べます。選んだ内容は、お二人の画面に表示されます。
1on1の実施中
次の
一歩の 候補を 会話から 抽出・ 決定ガイド 会話の中から次の一歩の候補が生まれると、Kakeai AIが候補として表示します。お二人のどちらからも「決定する」をクリックして決められます。決めた一歩は、「MOVE」の画面に追加されます。
日常
要約や
次の 一歩の 一元管理 1on1ごとの要約は「予定・履歴」の画面に、決めた次の一歩は「MOVE」の画面に、お相手ごとにまとまります。あとから見返せます。
1on1ツールの導入や見直しを検討している方は、Kakeai AI 1on1 の資料をご覧ください。
ご利用企業 累計600社以上/
よくある質問
部下に「やる気を出して」「もっと意欲を見せて」と伝えるのは、 指導として効果がありますか。
部下に「やる気を出して」と伝えるだけでは、指導としての効果は期待しにくいでしょう。そう言われても、部下は何をどう変えればよいのかがわからないからです。上司は、「経費精算の確認は申請から3営業日以内に」のように、求める水準を数字や日付で具体的に伝えてください。あわせて、その水準が必要な理由を話し、進み具合を二人で見る日を決めておきましょう。
以前はやる気があった部下が、 最近やる気をなくしたように見えます。 上司はどう声をかければよいですか。
以前と様子が違って見える部下には、「やる気」という言葉を使わず、上司が気づいたことを、いつ頃から何が変わったのかがわかるように伝えるとよいでしょう。たとえば、「先月から、確認にかかる日数が延びているようです。その頃に、何か変わったことはありましたか」と尋ねます。仕事の量や担当の変更がきっかけであれば、上司が調整できることから手を付けてください。
最低限の仕事しかしない部下に、 上司はそれ以上の仕事を求めてもよいですか。
最低限の仕事しかしていないように見える部下にも、上司はそれ以上の仕事を依頼してかまいません。その際は、「自分から動いてほしい」と待つのではなく、依頼の内容と期限と理由を伝え、仕事としてお願いしましょう。求めている水準に仕事が届いているなら、定時に帰ることも含めて、部下が改める必要のあることはありません。
何度伝えても仕事の水準に届かない部下の評価を下げたり、 担当を外したりしてもよいですか。
部下の評価は、事前に伝えてあった基準と、実際に起きた事実をもとに行います。水準に届いていない事実があるなら、期末を待たずに、普段の面談で評価基準を一緒に見ながら、上司の現時点の考えを伝えてください。仕事の割り振りは、本人の考えも聞いて上司が判断できますが、処分や降格に関わる対応は上司だけで決めず、就業規則を確認したうえで人事の担当者に相談します。
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出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/unmotivated-subordinate-guidance
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
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