上司の方へ部下との関わり
部下がクーデターを起こしたときの対応
先に答え
部下がクーデターを起こしたように見えるときは、部下を敵として扱わず、まず上の上司と人事に相談したうえで、部下一人ひとりと話すことをおすすめします。話すときは、上司と部下の間で何が言葉になっていなかったのかを聞きます。部下たちが上司を飛ばして話したのは、上司に直接言えなかったか、言っても伝わらなかったと感じていたからかもしれません。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の困りごととして、本音が話せないなど、上司に言えずにいることに関わるものを挙げた人が21.8%いました。言い出した人を探したり、まとめて叱ったりすることは避けましょう。
数字で見る
KAKEAIの1万人調査では、上司と定期的に面談している人の中にも、上司に言えずにいる困りごとを持つ人が5人に1人を超えていました。上司のふるまいの困りごとで最も多いのは、上司の対応が自分の期待と違うというものです。どちらも面談についての数字ですが、部下たちの動きを敵対と決めつけず、何が言葉になっていなかったのかを一人ひとりに尋ねてみてください。
- 21.8%
- 1万人調査
- 面談の困りごとに、切り出せない・評価が気になり本音が話せない・信頼関係がなく安心して話せない、のどれかを挙げた人の割合
- 上司と定期的に面談している人の中にも、上司に言えずにいる困りごとを持っている人が、5人に1人を超えているということです。話す場を設けていても、部下が上司に言えずにいることはあります。
- 12.9%
- 1万人調査
- 面談の困りごとに「上司の対応が期待するものと違う」を挙げた人の割合
- 上司のふるまいについての5つの困りごとの中で、最も多い答えです。挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は23.4%で、回答者全体の31.9%を下回っています。
1万人調査は、部下が上の上司や人事に訴える場面について尋ねたものではありません。数字は、上司との定期的な面談についての困りごとの答えです。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
部下がクーデターを起こしたとき、 最初に考えること
部下がクーデターを起こしたように見えるときは、部下を敵として扱わず、上司と部下の間で何が言葉になっていなかったのかを、まず考えてみてください。部下たちが上司に直接言わずに上の上司や人事に話したり、まとまって別の進め方を始めたりしたのは、上司に言えなかったか言っても伝わらなかったと感じていたからかもしれません。
部下たちが上の上司や人事に訴えたと知ると、上司は「裏切られた」と感じるかもしれません。けれども、部下たちが求めているのは、上司を追い出すことそのものより、仕事の進め方や決め方が変わることである場合もあります。訴えの中身を知る前に、相手の狙いを決めつけないようにしましょう。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談の困りごと(複数回答)として、言えずにいることに関わる3つのどれかを挙げた人が21.8%いました。3つとは、話したいことを切り出せない・評価が気になり本音が話せない・信頼関係がなく安心して話せない、というものです。上司と話す場があっても、言えずにいる困りごとを持っている人が、5人に1人を超えているということです。
この調査は、上司を飛ばして話す理由を尋ねたものではありません。それでも、話す場があっても上司に言えずにいることはある、と知っておくと、部下たちの話を受け止めやすくなります。
KAKEAIの1万人調査では、上司のふるまいについての困りごとのうち、最も多く挙げられたのは「上司の対応が期待するものと違う」で、12.9%でした。この困りごとを挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は23.4%で、回答者全体の31.9%を下回っています。上司の対応が自分の期待と違うと感じている人は、面談が成果につながっていると感じる割合が低いということです。部下一人ひとりと話すときに、上司に期待していたことも尋ねるのは、このずれを知るためです。
以下では、システム開発のチームで、課長がリリースの日程と担当の割り振りを決めたあと、チームの部下3人が部長に「進め方を見直してほしい」と申し入れた場面を例にします。
最初の数日にすること: 上の上司と人事に相談する
部下たちの動きを知ったら、部下に事情を聞いて回る前に、まず上の上司と人事に相談します。上司一人で対処しようとすると、聞き方によっては、部下たちに「誰が言い出したのかを探している」と受け取られるおそれがあるからです。
| 起きたこと | 最初に相談する相手 | 上司の最初の一言 |
|---|---|---|
| 部長から | 部長 | 「知らせていただき、 |
| 部下たちが | 部長 | 「チームの |
| 人事から、 | 人事 | 「ご連絡 |
部長には、自分の弁明より先に、部下たちがどんな点に困っていたのかを尋ねます。
- 部下たちが部長に話をしたこと自体は、問題だと思っていません。私に直接は言いにくい事情があったのだと思います。
- 誰が言い出したのかは、知らなくてかまいません。どんな点に困っていたのかを知りたいです。
- 私の進め方で見直したほうがよい点があれば、部長からも教えてください。そのうえで、一人ずつ話を聞きたいと考えています。
- チームの仕事に遅れが出ないよう、今週の作業の分担は私が見直します。
訴えの中に、ハラスメントや就業規則に関わる内容が含まれている場合は、会社の決まりと人事の手続きに沿って進めます。この場合、上司が自分で部下に事情を聞くことが、手続きの妨げになることがあります。部下と話す前に、人事に相談してください。
部下一人ひとりと話す: 言葉になっていなかったことを聞く
上の上司や人事と相談したうえで部下と話せることになったら、全員を集めるのではなく、一人ずつ話す時間を取ります。話の最初には、話してくれたことへのお礼を伝えます。上司の側から自分の進め方で思い当たる点を先に話すと、部下も話しやすくなります。
- 部長から、チームの進め方を見直してほしいという話があったと聞きました。率直に伝えてくれたことは、ありがたいと思っています。
- 今日は、私の進め方で困っていたことを教えてもらいたくて、時間を取りました。この話を理由に、私から○○さんを責めることはありません。
- リリースの日程を決めたとき、私は皆さんの見積もりを聞かずに決めてしまいました。あのとき、○○さんはどう感じていましたか。
- 担当の割り振りで、無理があると感じているのはどこですか。
- そこまで負担に感じていたことに、私は気づけていませんでした。どの場面が一番大変でしたか。
部下の話を聞くときは、途中で説明や反論をはさまず、最後まで聞きます。話を聞き終えたら、上司に期待していたことも尋ねます。
- 私にこうしてほしかった、ということがあれば教えてください。言いにくいことでもかまいません。
- 私に直接は言いにくかったとしたら、どんなところが言いにくかったですか。今後のために知っておきたいです。
- 話してくれて、ありがとうございます。日程の決め方は、私が一人で決めすぎていたと思います。
聞いた話を受けて、 上司が変えることと変えないことを伝える
一人ひとりの話を聞いたら、上司が自分の進め方で変えることと、変えないことを、理由と一緒に伝えます。変えないことがあっても、理由を言わずに終えないようにしましょう。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司と部下の関係がうまくいかないときは、上司と部下の両方が当事者だと考えています。上司だけ、部下たちだけに責任を負わせる話にはしないことをおすすめします。上司は自分の進め方で変えることを伝え、部下たちにも、困ったときは早めに伝えてほしいとお願いするとよいでしょう。
- 次のリリースからは、日程を決める前に、皆さんの見積もりを聞く時間を取りたいと考えています。○○さんは、どう思いますか。
- 一方で、お客様と約束している今回のリリース日は、私の判断だけでは動かせません。その代わり、今回の作業の範囲を減らせないか、部長とお客様の窓口の担当者に相談します。
- 私の進め方で気になることがあれば、これからは1on1で直接言ってもらえると助かります。もちろん、部長や人事に相談することも、これまで通りかまいません。
一人ひとりと話したあとで、チーム全体に、何を変えるのかを共有します。誰が何を言ったかには触れず、変える内容だけを話します。
- 皆さんから話を聞いて、日程の決め方を変えることにしました。今日は、その案を一緒に見てもらえますか。
- 案の中で、現場の感覚と合わないところがあれば、この場で言ってください。
部下がクーデターを起こしたときに、 避けたいこと
避けたいのは、部下たちを敵として扱うことと、逆に、上司としての判断をすべて手放してしまうことの両方です。
- 言い出した人を探し、問い詰める。部下たちは、上司に直接話すことを、ますますためらうようになるでしょう。
- 部下を全員集めて、まとめて叱る。自分の正しさを説明する。一人ひとりの話を聞く機会がなくなります。
- 何もなかったように振る舞う。訴えが部長に伝わっていることは、部下たちも知っています。何も変わらなければ、部下たちは、困っていることを上司に話しても変わらないと感じてしまいます。
- 逆に、言われたことをすべて受け入れ、上司としての判断をやめる。お客様との約束のように、上司が判断し、責任を持つべきこともあります。変えないことは、理由と一緒に伝えます。
- 上の上司に、自分の弁明だけをする。部長と話し合いたいのは、自分の正しさではなく、チームの仕事をどう立て直すかです。
- 上の上司にも人事にも相談せず、一人で抱え込む。ハラスメントや就業規則に関わる内容が含まれていた場合、会社の手続きに沿った対応ができなくなります。
部下との関係を立て直せているかの振り返り方
関係を立て直せているかどうかは、部下たちの態度が元に戻ったかではなく、二人の時間と、上司自身の行動で振り返ります。
- 一人ひとりの話を最後まで聞けたら、次は、変えることと変えないことを、理由と一緒に伝えます。
- 変えると伝えたことを次の仕事で行えたら、次の1on1で、部下から見てどうだったかを尋ねてみてください。
- 部下が上司の進め方に意見を言える時間が1on1に無ければ、次の回の最初に設けます。
- 部長や人事に話した内容と、部下に伝えた内容の食い違いに気づいたら、早めに両方へ説明し直しましょう。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
会社の決まりに沿った対応や人事への相談を先にしたうえで、1on1で本人にどう伝え、どう話を聞くかを準備するときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の前に、「メンバーに伝えたいこと」に入力して。
決まりについて伝えたいことを、 どの話題の流れで切り出すかを、 1on1の前に考えておけます。
マネジャー権限でご自身のメンバーと行う1on1では、「予定・履歴」の次の1on1のカードの「メンバーに伝えたいこと」に、切り出したいことを入力できます。保存すると「1on1前のAIアドバイス」が書き直され、どの話題の流れの中で切り出すと自然かが示されます。入力した内容は部下には表示されず、ご自身向けのアドバイスにだけ使われます。
話す1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
伝えたいことを先に示したうえで、 部下の事情を聞く一言を用意して1on1に臨めます。
Kakeai AI が、選ばれたテーマと、部下が選んだ期待する対応、これまでの1on1をもとに、今回どう切り出すとよいかと、最初の一言の案を書きます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。
6月5日の定例で分担の大枠は決まりましたが、今日はその線引きをもう少し具体的に決めてしまいたいと思っています。小野寺さんの担当範囲で、今どこが一番動かしにくいですか。
1on1の終了後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。
注意したあとも、 部下の事情を聞き直すきっかけを次の1on1に持てます。
部下の返事が短いまま次の話に移った場面があると、次の1on1でどう声をかけ直すかの一言の案が書かれることがあります。ご自身向けの内容です。
次回、業務の確認に入る前に「最近、どう?」と一言置いてみると、小野寺さんが自分から話す余地が生まれます。
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よくある質問
部下が上司を飛ばして部長に相談したときは、 どう受け止めればよいですか。
部下が上司を飛ばして部長に相談したときは、相談したこと自体を責めず、上司に直接は言いにくい事情があったのだと受け止めることをおすすめします。まず部長に、どんな点に困っていたのかを尋ね、そのうえで部下一人ひとりと話す時間を取ります。部長や人事に相談することは、これからもかまわないと伝えておきましょう。
部下のクーデターの首謀者は、 突き止めたほうがよいですか。
部下のクーデターでは、言い出した人を突き止めることはおすすめしません。誰が言い出したかを探すと、部下たちは、上司に直接話すことをますますためらうようになると考えられるからです。上司が知る必要があるのは、誰が言ったかではなく、どんな点に困っていたかです。上の上司と人事に相談したうえで、一人ひとりの話を聞きましょう。
部下たちに上司の交代を求められたら、 どうすればよいですか。
上司の交代を決めるのは上司本人や部下たちではなく、部長や人事などの会社の側です。上司ができるのは、上の上司と人事に状況を相談し、部下一人ひとりの話を聞くことです。そのあとで、自分の進め方で変えることを伝え、実際に変えていきます。自分から異動を申し出るかどうかも、一人で決めずに、上の上司と人事に相談しましょう。
部下たちが上司の指示に従わないときは、 どう対応すればよいですか。
部下たちが上司の指示に従わないときは、まず一人ずつ、従えない理由を尋ねます。指示の内容や決め方に無理があったなら、上司が変えることを伝えます。お客様との約束のように変えられないことは、理由と一緒に伝えます。指示に従わない状態が続く場合の扱いは、就業規則と人事の担当に確認したうえで、上の上司と相談して進めてください。
部下のクーデターのあと、 1on1はどう再開すればよいですか。
部下のクーデターのあとの1on1は、上司が変えると伝えたことに、その後どう取り組んでいるかを、上司の側から話すところから再開するとよいでしょう。あわせて、上司の進め方について気になることがあれば、1on1で直接言ってほしいと伝えます。部長や人事に相談することも引き続きかまわないと添えておくと、部下も話しやすくなると考えられます。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/team-members-go-to-senior-manager
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: