上司の方へ部下との関わり
自信がない部下をどう支えるか
先に答え
自信がない部下を支えるには、「自信を持って」と励ます前に、本人が何に確信を持てずにいるのかを分けることをおすすめします。中身は大きく3つに分かれます。判断の材料はあるのに確信がもてない場合、やり方を知らない場合、できていることを本人が自分の実績として見ていない場合で、上司がすることはそれぞれ違います。KAKEAIの1万人調査では、面談のあと行動につながりにくい人が挙げた理由のうち、「判断材料はあるが確信がもてない(不安・恐れ・迷い)」は11.0%でした。「スキルが不足していてできない」の9.1%をやや上回る数字です。上司は代わりに判断するのではなく、判断の基準と上司から見てできていることを言葉にして、次に本人が自分で決めて進めることを1つ一緒に決めてください。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談のあとに動けない理由として、材料はあるが確信がもてないことは、力の不足よりやや多く挙がっていました。「Kakeai AI 1on1」の利用データでは、1on1のあとに「挑戦してみます」が選ばれる回は少なく、1on1で次の一歩まで決めるのは、それだけ難しいことだと考えられます。自信がないように見えるときは、励ますより、判断の基準と、できていることの事実を言葉にすることをおすすめします。
- 11.0%
- 1万人調査
- 面談のあと行動につながりにくい人のうち、理由に「判断材料はあるが確信がもてない(不安・恐れ・迷い)」を選んだ人の割合
- 面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人(6,074人)の数字です。「スキルが不足していてできない」は9.1%でした。動けない理由として、材料があるのに確信がもてないことは、力の不足よりやや多く挙がっています。
- 9.1%
- 1万人調査
- 面談のあと行動につながりにくい人のうち、理由に「スキルが不足していてできない」を選んだ人の割合
- 10の答えの中で下から2番目で、「行動するために必要な情報が揃っていない」15.9%や「時間やコストの制約で動けない」15.4%より少ない数字です。動けない理由として、力の不足を挙げる人は多くないと言えます。
- 8.4%
- Kakeai AI 1on1 利用データ
- 1on1のあとに部下が感想を送った回のうち、「挑戦してみます」が選ばれていた割合
- 最も多く選ばれていたのは「自分のことや状況を知ってもらえました」の46.2%でした。自分のことや状況を知ってもらえたという感想は多くの回で選ばれますが、「挑戦してみます」まで選ばれる回は少なく、1on1で次の一歩まで決めるのは、それだけ難しいことだと言えます。
1万人調査は、上司との面談のあとに行動につながらない理由を尋ねたもので、部下の自信の有無や自己評価は尋ねていません。利用データの感想は、部下が感想を送った回だけの数字で、送らなかった回のことは分かりません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
部下に自信がないように見えるとき、 何に自信がないのかを分ける
部下に自信がないように見えるときは、「自信を持って」と励ます前に、本人が何に確信を持てずにいるのかを分けることをおすすめします。自信がない様子は上司の目に映った結果で、その中身は人によっても、仕事によっても違います。
中身は、大きく3つに分かれます。1つ目は、判断に必要な材料は手元にあるのに、自分の判断でよいのか確信がもてず、上司の確認を待っている場合です。2つ目は、やり方そのものを知らない、または一人でやった経験がない場合です。3つ目は、できている仕事があるのに、本人がそれを自分の実績として見ておらず、自己評価が低くなっている場合です。1つ目と3つ目は、新しい技能を身につけなくても、上司の言葉で変わる余地があります。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談のあとに動けなかった理由を尋ねています。答えたのは、上司との面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人で、理由は5つまで選択できます。「判断材料はあるが確信がもてない(不安・恐れ・迷い)」を選んだ人は11.0%で、「スキルが不足していてできない」の9.1%より多くなっていました。つまり、動けない理由として、材料があるのに確信がもてないことは、力の不足よりやや多く挙がっているということです。面談のあとの行動についての数字ですが、自信がないように見えるときも、同じことが起きていると考えられます。力が足りないのではなく、材料はあるのに確信がもてずに止まっている、という状態です。その場合に上司ができるのは、判断の基準と、自分が見た事実を言葉にすることです。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、仕事は成果に対してクリアしなければならないものであると同時に、成長にとっての具体的な材料でもあると考えています。自信も、仕事の外で付けるものではなく、今の仕事の中で判断を重ね、できた事実を言葉にする中で積み上がっていくものだと考えられます。
以下では、営業の部下が、担当している取引先に価格改定の案内を送り、問い合わせに答える仕事を任されている場面を例にします。本人は案内の文面を何度も見直し、「この文面で大丈夫でしょうか」と上司に確認を繰り返して、送付が遅れています。
自信がないように見えるときの支え方: 判断の基準、 見た事実、 次の一歩
支え方は、何に確信を持てずにいるかに合わせて変えるとよいでしょう。共通するのは、上司が代わりに判断しないことです。本人の判断を先に聞き、次に本人が自分で決めて進めることを1つ、一緒に決めます。
| 確信を持てずにいること | 上司がすること | 最初の一言 |
|---|---|---|
| 自分の | 判断の | 「○○ |
| やり方を | 手順を | 「最初の |
| できていることを | 上司が | 「先月の△△ |
判断に確信がもてないとき: 基準を伝え、 本人の判断を先に尋ねる
「この文面で大丈夫でしょうか」と確認を求められたときは、上司が直して返すのではなく、本人がどう判断しているかを先に尋ねてください。そのうえで、上司の考えを理由とともに伝えます。
- ○○さん自身は、この文面でもう送れると思っていますか。気になっているところがあれば、そこだけ教えてください。
- 私も、この文面でよいと思います。改定の理由と新しい価格と適用日が、最初の3行に入っているからです。
- 確認してほしいのは、金額と適用日の2か所です。ここが合っていれば、文面の言い回しは○○さんの判断で送ってかまいません。
- 前回の案内で○○さんが直したいと言っていた言い回しは、今回の文面では直っていますね。
判断の基準を伝えておくと、次の案内からは、本人が自分で判断して送りやすくなります。基準は、上司が何を見て「よい」と判断しているのかを、そのまま言葉にすれば十分です。
- 案内の文面で私が大事にしているのは、お客様が読んで「いつから、いくらになるか」が一度で分かるかどうかです。
- 迷ったときは、送る前に私に見せてもらってかまいません。ただ、送ってよいかどうかは、○○さんが先に決めてから持ってきてもらえると助かります。
できていることを本人が実績として見ていないとき: 上司が見た事実を言葉にする
自己評価が低いときは、上司が評価に含めている仕事を、本人は実績と思っていないことがあります。「よくやっている」という全体の言葉ではなく、どの仕事の、どこがよかったのかを、具体的な事実として伝えてください。
- 先月、△△社から価格について問い合わせが来たとき、○○さんはその日のうちに改定の理由を説明して返していましたね。あの返し方で、△△社は納得して契約を続けてくれています。
- 担当している取引先の半分以上は、もう案内が終わっていますよね。私は、順調だと思っています。
- ○○さんが「まだまだです」と言った仕事を、私は評価に入れています。どこで見方が違うのか、一度一緒に見てみませんか。
事実を伝えたあとは、本人の受け止め方も尋ねます。上司の言葉で本人の自己評価がすぐに変わるとは限りませんが、二人の見方がどこで違うのかは、その場で分かります。
- 今の話を聞いて、どう感じましたか。私の見方と違うところがあれば、教えてください。
- ○○さんが足りないと感じているところも聞かせてください。そこは、私が一緒に見ます。
やり方を知らないとき: 教えて、最初の1件を一緒にやる
一人でやった経験がない仕事は、自信がないのが当然です。この場合は、励ましより、手順を教えることと、最初の1件を一緒に進めることが支えになります。
- 価格改定の案内は、○○さんは初めてですよね。最初の1件は、私が横で一緒に進めます。
- 2件目からは、○○さんのやり方で進めてみてください。送る前に見せてもらうのは、最初の3件までにしませんか。
- 問い合わせが来て答え方に迷ったら、返事をする前に声をかけてください。一緒に答えを考えます。
「大丈夫」と励ますだけでは、 自信につながりにくい
「大丈夫」「自信を持って」という励ましは、本人を否定しない言葉ですが、何を根拠に大丈夫なのかが伝わらないので、次の判断の材料にはなりにくいものです。励ましの代わりに、できている仕事の事実と判断の基準を伝え、本人が次に自分で決めることを1つ選ぶ時間を取ってください。
1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)では、1on1のあとに部下が送る感想を集計しています。「挑戦してみます」が選ばれていたのは、感想を送った回の8.4%でした。最も多く選ばれていたのは「自分のことや状況を知ってもらえました」で46.2%です。知ってもらえた、という感想で終わる回が多く、1on1で次の一歩まで決めるのは、それだけ難しいことだと言えます。だからこそ、次に何をするかは、本人の言葉で具体的に決めるところまで二人で話すことをおすすめします。
- 次の案内は、送る前に私に見せずに送ってみませんか。何かあれば、私が一緒に対応します。
- ○○さんが一番やりにくいと感じている取引先の分だけ、送る前に一緒に見ましょう。残りは任せます。
- 来週の1on1で、送ったあとの反応を聞かせてください。うまくいった先も、困った先も、どちらも聞きたいです。
自信のなさを支えるときに、 避けたいこと
避けたいのは、本人の判断の場面を上司が取ってしまうことです。逆に、支えを一度に外して、一人で抱える形にすることも避けたいところです。
- 「自信を持って」「もっと堂々と」と言う。自信は、言われただけで持てるものではなく、本人は何を変えればよいのか分からないまま、できていない自分を意識しがちです。
- 確認を求められるたびに、上司が直して返す。直した文面が返ってくるほど、本人は自分の判断を信じにくくなりがちです。まず本人の判断を尋ね、よい点を事実で伝えてください。
- 逆に、「もう任せるから」と確認の機会をすべて外す。支えを一度に外すと、本人は迷ったときに相談しにくくなります。「迷ったら見せてもよい」という道は残しておきます。
- 性格の話にする。「気が弱い」「慎重すぎる」という言葉は、仕事のどこを変えるかにつながりません。話題は、どの判断に確信がもてないかに絞ります。
- できたことを、他の人との比較で伝える。「△△さんより早い」と言われても、本人は自分の仕事の何がよかったのかが分からないままです。比べる相手は、本人の先月の仕事にしてください。
- 評価や昇格を励ましに使う。「この調子なら評価は上がります」は、上司の一存では約束できません。
支え方がうまくいったかを、 どこで見るか
うまくいったかどうかは、本人が明るくなったかではなく、送る前の確認の中身が変わったかを見るとわかります。1か月ほど続けたあとに、自分に問いかけてみるとよいでしょう。
- 確認を求められたとき、上司が直す前に、本人の判断を先に尋ねることができたでしょうか。
- 送る前の確認のやり取りが、「この文面で大丈夫でしょうか」から、「金額と適用日は確認しました。この言い回しだけ迷っています」のように変わってきたでしょうか。
- できていることを、具体的な仕事の名前で伝えた回は、この1か月に何回あったでしょうか。
- 本人が自分で決めて動いた仕事を、次の1on1で一緒に振り返ることができたでしょうか。
自信は、上司が与えるものではなく、本人が判断して動き、その結果を二人で振り返る中で積み上がっていくものだと考えられます。上司ができるのは、判断の基準と見た事実を言葉にして、本人が自分で決めて進める仕事を一緒に選ぶことです。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
部下の元気や自信がないように見えても、何がきっかけなのかがわからず、声のかけ方に迷うときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
元気がないように見える理由を推測で決めつける前に、 部下が話したいことを聞く入り方を考えられます。
Kakeai AI が、選ばれたテーマと、部下が選んだ期待する対応に合わせて、どう関わるとよいかと、最初の一言の案を書きます。たとえば、話を聞いてほしいという部下には、途中で提案を挟まずに聞く入り方が勧められます。ご自身向けの内容です。
「今後のキャリアについて、今どんなことを考えているか、聞かせてもらえますか。」…途中で整理や提案を挟まず、まず話し終えてもらうことで、何を一番伝えたかったのかが見えてきます。
話を聞いてほしいテーマがある1on1の実施中に。
仕事の話だけで時間が終わる前に、 部下が話したいと選んだことに時間を取れます。
部下は「1on1の準備」で、テーマと、上司に期待する対応(「話を聞いてほしい」など)を選べます。右の列の下の球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)をクリックすると、Kakeai AI が、準備されたテーマとその回の会話をもとに話題を1つ提案します。まだ触れていないテーマがあると、そのテーマに時間を取ることを勧める提案になることもあります。
事前テーマに「今後のキャリア」(期待する対応:「話を聞いてほしい」)が挙がっています。今日の会話では競合比較の話が進みましたが、このテーマはまだ触れていません。今日のうちに少し時間を取って、今どんなことを考えているか聞かせてもらえますか?
1on1の終了後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。
「大丈夫です」をそのまま受け取って終わらせず、 次の1on1で話を聞き直すきっかけを持てます。
部下が「大丈夫です」のような短い返事で次の話に移った場面があると、次の1on1でどう声をかけ直すかの案が書かれることがあります。ご自身向けの内容です。
次回、同じ場面に戻るとしたら、「大丈夫」の一言で終わらせず、「月曜の午前が取られると、週の動き出しはどう変わってる?」のように、具体の場面を一つ挙げて聞いてみると、小野寺さんが答えやすくなるかもしれません。
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よくある質問
自信がない部下には、 どう声をかければよいですか。
自信がない部下には、「自信を持って」と励ますより、本人が何に確信を持てずにいるのかを尋ねることをおすすめします。たとえば案内の文面の確認を求められたら、「○○さん自身は、この文面でもう送れると思っていますか」と本人の判断を先に聞き、そのうえで「私もよいと思います。理由は〜です」と上司の考えを理由とともに伝えます。判断の基準が伝わると、次からは本人が自分で判断して進めやすくなります。
自己評価が低い部下に、 上司はどう伝えればよいですか。
自己評価が低い部下には、「よくやっている」という全体の言葉ではなく、上司が評価に含めている仕事を、仕事の名前と事実で伝えてください。たとえば「先月の△△社への問い合わせに、その日のうちに理由を説明して返していましたね。あの返し方で契約が続いています」のように言います。本人が実績と思っていない仕事を一緒に見て、二人の見方がどこで違うのかを話すことが、自己評価を見直すきっかけになります。
自信がない部下に、 仕事を任せてもよいですか。
自信がない部下にも、仕事を任せることをおすすめします。ただし、支えを一度に外すのではなく、本人が自分で決めて進める仕事を1つずつ増やします。たとえば「送る前に見せてもらうのは最初の3件まで」「一番やりにくい取引先の分だけ一緒に見て、残りは任せる」のように、確認の範囲を少しずつ狭めていきます。迷ったときに相談できる道は残しておき、上司が代わりに判断して返すことは減らしていきます。
部下の自信がないのは、 能力が足りないからですか。
部下に自信がないように見えるとき、能力が足りないとは限りません。KAKEAIの1万人調査では、面談のあと行動につながりにくい人が挙げた理由のうち、「判断材料はあるが確信がもてない(不安・恐れ・迷い)」は11.0%でした。「スキルが不足していてできない」の9.1%より、確信がもてないことのほうがやや多く挙がっています。確信がもてずに止まっているなら、上司が判断の基準を伝えることで変わる余地があります。
部下を褒めても自信がつかないときは、 どうすればよいですか。
褒めても部下の自信につながらないときは、褒め言葉の中身を、上司が見た事実に変えます。「すごい」「助かった」ではなく、「案内は半分以上が終わっていて、問い合わせにもその日のうちに返している」のように、どの仕事の何がよかったのかを言います。あわせて、本人が次に自分で決めて動くことを1つ選ぶ時間を取り、その結果を次の1on1で一緒に振り返ります。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/supporting-subordinate-lacking-confidence
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: