上司の方へ部下との関わり

部下へのコーチングのやり方

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

部下へのコーチングは、部下が自分で考えて決められる場面で使うのが基本です。まず部下の考えを尋ね、話を進めるのに必要な情報や判断が上司の側にあるとわかったら、上司から伝えてください。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた人に、その理由を尋ねました。「行動するために必要な情報が揃っていない」を挙げた人は15.9%です。どの話でも「答えは教えない」と先に決めておくことは、おすすめしません。

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KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が行動につながらない理由として、確信がもてないことや、ありたい状態が定まっていないことを挙げた人も、情報や権限の不足を挙げた人もいました。行動に移せない理由は、1つに集中していません。このページでは、コーチングの質問は、部下が自分で考えて決められる場面で使うことをおすすめします。情報や決定権を上司が持っている場面では、上司から先に情報や判断を伝えてください。

11.0%
1万人調査
面談が行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた人のうち、「判断材料はあるが確信がもてない(不安・恐れ・迷い)」を理由に挙げた人の割合
面談が行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた6,074人に、理由を5つまで選んでもらった結果です。「ありたい状態が定まっていない」は16.3%でした。
15.9%
1万人調査
面談が行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた人のうち、「行動するために必要な情報が揃っていない」を理由に挙げた人の割合
「時間やコストの制約で動けない」は15.4%、「裁量や権限がなくできない」は9.4%でした。情報、時間や費用、権限といった、本人が考えるだけでは補いにくいものを理由に挙げた人もいます。
19.2%
Kakeai AI 1on1 利用データ
1on1の前に選ばれた「スキルや力の向上」のテーマのうち、部下が上司に期待することとして「具体的なアドバイスがほしい」を選んでいた割合
「その他」を除くと、このテーマで最も多く選ばれていました。同じテーマで「話を聞いてほしい」が選ばれていた割合は6.9%です。このテーマでは、話を聞いてもらうことよりも、具体的なアドバイスのほうが多く求められています。

面談が行動につながらない理由を尋ねた質問は、コーチングの効果を調べたものではありません。理由を、部下が考えを整理できれば乗り越えやすいものと、上司の側から手を打てるものに分けたのは、このページの考えです。

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。

出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)

部下へのコーチングは、部下が自分で考えて決められる場面で使う

コーチングとは、上司が問いかけることで、部下が自分の考えを言葉にし、次の行動を自分で決めるのを支える関わり方です。部下へのコーチングは、部下が自分で考えて決められる場面で使うことをおすすめします。情報や決定権を上司が持っている場面では、問いかける前に、上司から情報や判断を伝えてください。定期的な面談(1on1、1on1ミーティングとも呼ばれます)でも、普段の短い相談でも同じです。

コーチングは、「答えは部下の中にある。上司は教えずに、質問で引き出す」と説明されることがあります。部下が自分で決める話であれば、その通りです。しかし、展示会の予算の上限を知らない部下に「ブースをどうしたいですか」と尋ねても、答えようがありません。

KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた人に、その理由を5つまで選んでもらいました。「判断材料はあるが確信がもてない(不安・恐れ・迷い)」を挙げた人は11.0%、「ありたい状態が定まっていない」は16.3%です。「行動するために必要な情報が揃っていない」は15.9%、「時間やコストの制約で動けない」は15.4%、「裁量や権限がなくできない」は9.4%でした。最も多かったのは「その時々によって違う」の26.1%で、行動に移せない理由は1つに集中していません。

調査で挙がった理由のうち、確信がもてないことと、ありたい状態が定まっていないことは、部下が自分の考えを整理できれば乗り越えやすいものだと考えられます。こうした理由で止まっているときは、上司の質問が助けになるでしょう。一方、情報や権限の不足と、時間やコストの制約は、上司の側から手を打てるものです。情報、仕事の優先順位、決めてよい範囲は、質問を重ねても部下からは出てきません。

同じ相手でも、行動に移せない理由は回によって違うことがあります。「この部下にはコーチング」と決めず、質問から入るか、上司から伝えるかを、話題ごとに見極めることをおすすめします。

部下へのコーチングで、最初に試したい5つの質問と順番

部下へのコーチングは、次の5つの質問を順に尋ねるところから始めてみてください。順番はあくまで目安で、相手や話に合わせて入れ替えられます。題材は特別に用意しなくても、部下が今取り組んでいる仕事で十分です。

例にするのは、来月の展示会の準備を初めて任された部下との30分の面談です。30分としたのは、1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データで、1回の時間の中央値が29.6分だったためです。

1. 話すテーマを決める質問

進み具合の報告を聞いたあとで、部下が決めかねていることを1つ尋ねます。「最近どうですか」のように広く尋ねると、部下は、何を話すかを選ぶところから始めることになります。

  • 準備の状況を聞かせてくれて、ありがとうございます。その中で、今一番決めかねているのは、どのあたりですか。

2. 部下の考えを尋ねる質問

上司が自分の考えを話す前に、部下がどちらの案に傾いているのかを尋ねましょう。上司が先に意見を言うと、部下は自分の案を、上司の意見に寄せて話しがちになります。

  • 配る資料を3種類にするか、1種類に絞るかで迷っているのですね。○○さんは、今のところどちらがよいと考えていますか。
  • そう考える理由も、聞かせてもらえますか。

3. 案を別の立場から見直す質問

部下の案を、お客様や他の担当者の立場から、二人で見直します。立場を変えて見ると、上司も気づいていなかった点が見つかることがあります。

  • ブースに立ち寄ったお客様には、帰るときに何を覚えていてほしいですか。
  • 1種類に絞った場合、困る人はいそうですか。営業の担当者から見ると、どうでしょうか。

4. 次に取り組むことを決める質問

次に取り組むことは、上司がまとめて言い直すのではなく、部下自身の言葉で決めるとよいでしょう。本人の言葉で決めたことは、次の回に二人で振り返りやすくなります。

  • では、今週はまず何から始めてみましょうか。
  • 下書きができたら、一緒に見ながら相談させてください。いつ頃になりそうですか。

5. 次の回の最初に、試した結果を振り返る質問

コーチングの質問は、行動する前よりも、実際に試したあとのほうが、成長に役立ちやすいと考えられます。うまくいった点やつまずいた点を、部下が自分の経験として話せるからです。

  • 先週は、資料を1種類に絞って下書きを作ってみる、という話でしたね。やってみて、どうでしたか。
  • 最初の考えから変わったところはありますか。
  • 次に同じような準備をするとしたら、最初に何から決めますか。

質問の途中で、上司の考えを伝えるとき

部下の考えを聞いたあとで上司の考えも伝えるかどうかは、部下に尋ねて決めるとよいでしょう。質問だけで進め、部下が自分で決めて終わる回があってもかまいません。

  • 私ならどうするかも、お話ししたほうがいいですか。
  • 私なら1種類に絞ります。立ち止まったお客様に手渡せるのは、1枚だと思うからです。
  • これは私の考えですので、どうするかは○○さんが決めてください。

部下へのコーチングで、場面ごとに使い分ける最初の一言

部下へのコーチングでは、質問から入るか、上司から先に伝えるかによって、最初の一言が変わります。場面ごとの目安は、次の表の通りです。

場面上司の関わり方上司の最初の一言
部下が2つの案で迷っている質問で、迷っている点を言葉にするのを助ける「実演をする案と動画を流す案の、どのあたりで迷っていますか。」
部下が自分の案を持ってきた案を最後まで聞き、気になる点を質問する「その配置だと、当日の人の流れはどうなりそうですか。」
仕事の目的が、部下の中でまだはっきりしていない部下が考える成功の姿を尋ね、上司が考える目的とすり合わせる「展示会が終わった日に、どうなっていたら成功だと思いますか。」
部下から「どうしたらいいですか」と相談された上司の考えを具体的に答え、部下から見て気になる点を尋ねる「私なら、受付を入口の近くに置きます。○○さんから見て、気になる点はありますか。」
初めての作業で、部下がやり方を知らない先にやり方を説明し、質問は試したあとにする「業者への発注は初めてでしたね。発注書の書き方から説明しますね。」
予算や人手など、部下には決められないことで止まっている上司が引き受けて動き、結果をいつ伝えるかを約束する「予算の上限は、私が今日、部長に確認します。明日の朝にお伝えしますね。」
上司から、改善をお願いしたいことがある質問の形にせず、率直に伝える「案内メールのことで、1つお願いしたいことがあります。」
月末で、15分しか時間が取れない質問で進める話題を1つに絞り、他は上司が答える「今日は15分しかないので、配置のことだけ、○○さんの考えを聞かせてもらえますか。」

判断する材料はあっても部下が確信をもてずにいるときは、質問のあとに、傾いている案を後押しする一言を添えましょう。

  • その案で進めてみましょう。うまくいかないところが出てきたら、次の回に一緒に見直せば大丈夫です。

「どうしたらいいですか」という相談が続くときは、答えたあとに、次のようにお願いしてみるのも1つの方法です。

  • 次からは、相談のときに○○さんの考えも一緒に聞かせてもらえると助かります。まとまっていなくても大丈夫です。

部下には、上司のコーチングの質問がどう見えているか

上司の質問は、部下にとって考える手助けになる一方で、試されているように感じられることもあります。質問しているのが、自分を評価する立場の人だからです。上司と部下の関係には段階があり、まだ身構えている段階と、困りごとをためずに言える段階とでは、同じ質問でも届き方が違います。

KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の困りごととして、「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人が9.3%いました。

質問に「わかりません」と返ってきても、部下に考えがないとは限りません。的外れな答えを上司に聞かれたくなくて、そう答えていることもあります。そのようなときは、答えやすいように質問を具体的にしてみてください。

  • 正解を当ててほしいわけではありません。考えている途中のことを、そのまま話してもらえますか。
  • 去年のブースの写真を一緒に見てみましょう。変えたいところを1つ挙げるとしたら、どこですか。
  • 今すぐでなくてもかまいません。明日の朝に5分ほど、続きを聞かせてもらえますか。

質問を具体的にしても答えが出てこないときは、考えるために必要な情報が、部下の手元にないのかもしれません。その場合は、上司の案を先に伝え、部下の意見を尋ねてください。

  • 先に私の案をお話ししますね。無理がありそうなところがあれば、教えてください。

部下へのコーチングで、避けたほうがよいこと

部下へのコーチングで避けたいのは、部下の話や上司への期待を知る前に、関わり方を1つに決めてしまうことです。質問しかしないと決めることも、反対に、部下に案があるのに上司が先に答えを話してしまうことも、これに当たります。特に気をつけたいのは、次の2つです。

「答えは教えない」と先に決めておくこと

「答えを教えず、質問で本人に気づかせる」という助言がありますが、KAKEAIは、どの回もそうすると先に決めておくことをおすすめしません。質問で考えを引き出す進め方は、部下が自分で決める話や既に案がある話には合いますが、どんな話にも合うわけではありません。

KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に最も期待することを1つ選んでもらいました。「具体的なアドバイスがほしい」「意見を聞きたい」「一緒に考えてほしい」のいずれかを選んだ人は、合わせて45.6%です。「話を聞いてほしい」を選んだ人は7.9%でした。上司の考えや関わりを求める人のほうが多いという結果です。

Kakeai AI 1on1の利用データでは、「スキルや力の向上」のテーマのうち、部下が上司に期待することとして「具体的なアドバイスがほしい」を選んでいた割合は19.2%でした。「今後のキャリア」のテーマのうち、「意見を聞きたい」を選んでいた割合は16.6%です。どちらも成長に関わるテーマで、「その他」を除くと、上司の考えを求める選択肢が最も多く選ばれていました。

答えが決まっているのに、質問の形で伝えようとすること

「どう思いますか」と尋ね、部下が上司の考える答えにたどり着くまで質問を重ねると、質問の形をした指示になってしまいます。改善をお願いしたいことが決まっているときは、遠回しに尋ねず、上司から率直に伝えましょう。

部下へのコーチングがうまくいったかを、どう振り返るか

部下へのコーチングがうまくいったかどうかは、面談の場の雰囲気よりも、そのあとの行動に表れます。次の3つの点から、二人の時間を振り返ってみてください。

  • 面談の終わりに、次に取り組むことが部下自身の言葉になっていましたか。
  • 次の回は、試した結果を二人で振り返るところから始まりましたか。
  • 回を重ねるうちに、二人で考えを出し合って話す時間が増えてきましたか。

KAKEAIの1万人調査では、面談が毎回またはほぼ毎回、そのあとの行動につながっていると答えた人の51.7%が、面談が成長につながっていると感じていました。行動にほとんど、または全くつながっていないと答えた人では5.7%です。面談が行動につながっている人のほうが、成長を実感している割合が高いことがわかります。

KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査から、部下へのコーチングがうまくいったかどうかは、質問のうまさよりも面談のあとの行動で判断するものだと考えています。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

質問から入るか、上司から先に伝えるかを面談の前に見極めにくいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。

1on1の前

  • テーマと期待する対応の選択

    1on1の前に、その回に話したいテーマと、上司にどうしてほしいか(期待する対応)を、部下の側から選べます。設定によっては、上司の側からもテーマを選べます。選んだ内容は、お二人の画面に表示されます。

1on1の実施中

  • 次の一歩の候補を会話から抽出・決定ガイド

    会話の中から次の一歩の候補が生まれると、Kakeai AIが候補として表示します。お二人のどちらからも「決定する」をクリックして決められます。決めた一歩は、「MOVE」の画面に追加されます。

日常

  • 要約や次の一歩の一元管理

    1on1ごとの要約は「予定・履歴」の画面に、決めた次の一歩は「MOVE」の画面に、お相手ごとにまとまります。あとから見返せます。

1on1の直後

  • 最終要約と、1on1でのよかった点・改善点、次回の1on1や日常への接続のアドバイス

    1on1を終了すると、Kakeai AIが最終の要約と「1on1後のAIアドバイス」を作ります。アドバイスはご自身向けの内容で、今回よかった点と、次の1on1や日常で試せることが表示されます。お相手には、お相手向けの別の内容が表示されます。

1on1ツールの導入や見直しを検討している方は、Kakeai AI 1on1 の資料をご覧ください。

ご利用企業 累計600社以上/1on1実施 累計300万回以上

よくある質問

部下へのコーチングでは、最初にどんな質問をすればよいですか。

部下へのコーチングでは、今の仕事の中で部下が決めかねていることを1つ尋ねるところから始めるとよいでしょう。たとえば、「展示会の準備で、今一番決めかねているのはどのあたりですか」のように、具体的な仕事の名前を入れます。話すテーマが決まったら、上司は自分の考えを話す前に、部下がどちらの案に傾いているのかを聞いてみてください。

部下の育成で、コーチングとティーチングはどう使い分ければよいですか。

コーチングは、上司が問いかけて部下の考えを引き出す関わり方で、ティーチングは、やり方や知識を教える関わり方です。部下の経験年数で分けるのではなく、話題ごとに使い分けることをおすすめします。部下がやり方を知らない初めての作業では先に教え、質問は部下が実際に試したあとにします。部下が自分で決める話や、既に案がある話では、質問から入ります。

コーチングでは、上司は部下に答えを教えないほうがよいのですか。

上司が「答えは教えない」と先に決めておくことは、おすすめしません。1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データでは、「スキルや力の向上」のテーマのうち、部下が「具体的なアドバイスがほしい」を選んでいた割合は19.2%でした。「その他」を除くと、このテーマで上司に期待することとして最も多く選ばれています。部下が上司の考えを求めている回では、質問のあとに上司の考えも具体的に伝えてください。

部下指導にコーチングを使うと、言うべきことが言えなくなりませんか。

部下の指導にコーチングを取り入れても、改善をお願いしたいことは、質問の形にせず率直に伝えることをおすすめします。コーチングの質問が合うのは、部下が自分で考えて決められる話です。上司が気づいている改善点については、「1つお願いしたいことがあります」と先に切り出しましょう。次からどう変えるかは、そのあとで部下と一緒に考えます。

忙しくて時間が取れない上司でも、部下にコーチングはできますか。

時間が取れないときでも、質問で進める話題を1回に1つに絞れば、部下へのコーチングはできます。15分の面談であれば、進み具合の報告を聞いたあとに、部下が決めかねていることを1つ尋ねてみてください。面談の終わりに、次に取り組むことを部下自身の言葉で決められれば、短い時間でもコーチングになります。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/how-to-coach-your-team-members

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: