上司の方へ部下との関わり

部下の褒め方の基本

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

部下の褒め方の基本は、気の利いた褒め言葉を探すことではなく、報告を受けたときの返事を変えることです。「できました」という報告に「了解です」とだけ返すと、褒める材料になる工夫を知る機会を逃してしまいます。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)として、25.3%の人が「報告したい」を選びました。報告を受けたら、工夫した点を1つ尋ねることをおすすめします。そこで聞いた具体的な行動を、その結果とあわせて伝えると、何がよかったのかが相手にわかる褒め言葉になります。

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KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)として「報告したい」を選んだ人が25.3%で、「話を聞いてほしい」の20.8%を上回りました。1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データでも、同じ傾向が見られます。このサービスでは、部下が1on1の前に、話したいことと上司に期待することを選べます。上司に期待することのうち、「報告したい」は17.1%で、「話を聞いてほしい」より多く選ばれていました。このページでは、報告を受ける場面を、褒める材料を知る機会として生かすことをおすすめします。

25.3%
1万人調査
面談で上司に期待すること(5つまで選択)として、「報告したい」を選んだ人の割合
「話を聞いてほしい」を選んだ人は20.8%でした。面談で上司に報告をしたいと考えている人は、話を聞いてほしいと考えている人より多いことがわかります。
36.8%
1万人調査
面談で上司に最も期待することが「報告したい」の人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
最も期待することが「報告したい」の人は、回答者の9.4%です。この人たちが面談の成果を感じている割合は、回答者全体の31.9%をやや上回っています。
17.1%
Kakeai AI 1on1 利用データ
1on1の前に、部下が話したいことと一緒に選んだ、上司に期待することのうち「報告したい」の割合
「話を聞いてほしい」は11.7%でした。1万人調査と同じく、実際の1on1でも、報告をしたいという期待は、話を聞いてほしいという期待より多く選ばれています。

1万人調査と利用データが対象にしているのは、上司との面談や1on1です。上司が部下を褒めたかどうかや、普段の席やチャットでの報告について、尋ねたり集計したりしたものではありません。

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。

出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)

部下を褒める機会は、報告を受けたときにある

部下の褒め方の基本は、気の利いた褒め言葉を探すことではなく、報告を受けたときの返事を変えることです。部下の工夫や努力は、報告を受けたときに初めてわかることが多いからです。

報告を受ける場面では、次のようなやり取りになりがちです。

  • 部下:受注入力の手順書ができました。共有フォルダに置いてあります。
  • 上司:了解です。助かります。

自分の仕事に集中しているときに、席やチャットで報告を受けると、「了解です」の一言で済ませたくなるものです。ただ、「助かります」はどの仕事にも当てはまる言葉で、何がよかったのかまでは伝わりません。手順書を作る過程で部下が工夫したことも、話題にならないまま終わってしまいます。

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談で上司に期待することを、5つまで選択する形で尋ねました。「報告したい」を選んだ人は25.3%で、「話を聞いてほしい」の20.8%を上回っています。

1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データでも、同じ傾向が見られます。このサービスでは、部下が1on1の前に、話したいことと上司に期待することを選べます。上司に期待することのうち、「報告したい」は17.1%で、「話を聞いてほしい」の11.7%より多く選ばれていました。

調査も利用データも、面談や1on1について調べたもので、普段の席やチャットでの報告は対象にしていません。このページでは、普段の報告も、面談での報告と同じように大事な場面だと考えています。部下が仕上げた仕事の報告を受けたら、「了解です」で終える前に、質問を1つ挟んでみてください。

  • 上司:ありがとうございます。前の手順書と比べて、○○さんが工夫したところはありますか。
  • 部下:返品の章です。昨年入社した2人に聞いたところ、そこで迷ったそうなので、画面の写真を入れました。
  • 上司:書く前に、実際に使う人の話を聞いてくれたんですね。返品の入力は私への質問が一番多いところなので、写真があると新しく入った人も安心だと思います。

急ぎの連絡や、数字の確認だけの報告は、受け取るだけで十分です。質問を挟みたいのは、部下が自分で考えて仕上げた仕事の報告を受けたときです。

部下の褒め方では、行動と結果を具体的に伝える

部下の褒め方で大事なのは、相手の行動とその結果を、あわせて伝えることです。どの仕事で何をしたのかを挙げ、それによって何が起きたのかを添えます。

KAKEAIは、仕事は、成果に対してクリアしなければならないものであると同時に、成長にとっての具体的な材料でもあると考えています。褒めるときも、仕事の中で相手が実際にしたことを材料にします。具体的な行動をもとにすると、褒め方は2通り考えられます。その行動がどんな結果につながったのかを伝える褒め方と、以前の仕事と比べて上達した点を伝える褒め方です。

褒める場面ありがちな褒め言葉行動と結果を伝える褒め言葉
成果物を受け取ったとき「手順書、すごくいいですね」「返品の章に、画面の写真を3枚入れてくれましたね。先週は、返品の入力についての質問が1件も来ませんでした」
進め方がよかったとき「段取りがいいですね」「章を書き終えるたびに、隣の席の人に試してもらって、つまずいた箇所を直していましたね。おかげで、初めての人も手順通りに入力できています」
期限より早く仕上がったとき「いつも早くて助かります」「期限の3日前に下書きを見せてもらえたので、二人で2回見直せました」
依頼していない改善をしてくれたとき「細かいところまでありがとう」「古いままだった値引きの手順を、気づいて直してくれましたね。今月は、値引きの入力の差し戻しが出ていません」
以前より上達したとき「成長しましたね」「春の手順書と比べると、今回は作業の順番通りに章が並んでいて、最後まで迷わずに読めました」

中央の列の言葉はどの仕事にも当てはまりますが、右の列の言葉は、その仕事にしか当てはまりません。上達を伝えるときも、「成長しましたね」より、違いを具体的に挙げたほうが、以前と何が変わったのかが本人に伝わりやすくなります。

褒めるときも、仕事の基準と事実を二人で確認する

行動と結果を伝える褒め言葉に、その仕事で目指していた基準を添えると、評価の話になります。評価の話は、普段の面談でしてもかまいません。仕事の目標や評価シートといった具体的な基準を、一緒に見ながら話すとよいでしょう。

KAKEAIの1万人調査で、面談の頻度が同じ人どうしを比べると、人事評価の話をしている人のほうが、面談が成果につながっていると感じている割合が高くなっていました。たとえば、面談が2週間〜1か月に1回の人では、評価の話をしている人の37.4%が面談の成果を感じていました。評価の話をしていない人では30.8%です。

褒める場面は、評価の話を始めやすい機会にもなるでしょう。うまくいった仕事の話であれば、何を目指していたのかを、二人とも落ち着いて話しやすいからです。

  • この手順書の目標は、「読んだ人が、誰にも聞かずに入力できること」でしたね。
  • 今月入った方は、初日の入力を質問なしで終えていたので、私は目標を達成できたと考えています。
  • ○○さんは、どう感じていますか。

評価の結果や昇給は、上司の一存では決まりません。そのため、褒める流れの中で、よい評価や昇給を約束することは避けてください。上司が約束できるのは、自分自身が行うことまでです。

  • 期末の評価では、この手順書のことを、私から評価コメントに書きます。

基準に触れないまま褒め言葉だけを重ねると、期末の評価が本人の予想より低かったときに、「あれだけ褒められていたのに」という不信感が残りがちです。褒め言葉と評価が、別々の基準で語られていたことになるからです。

部下を褒めたあとに続けたい3つのこと

部下を褒めたあとは、その場で話を終えずに、次の仕事につなげることをおすすめします。続けたいのは次の3つですが、毎回すべてを行う必要はありません。

  1. その行動を選んだ理由を尋ねます。理由がわかると、同じ工夫を次のどの仕事で生かせるのかを、二人で考えやすくなります。
  • 書く前に使う人の話を聞いてみようと思ったきっかけは、何だったんですか。
  1. 同じ工夫を生かせる次の仕事を、二人で決めます。決めるのは、どの仕事で生かすのかまでです。進め方は本人に任せます。
  • 来月の請求の手順書でも、使う人に話を聞くところから始めてみませんか。誰に聞くかは、○○さんにお任せします。
  1. 次の面談で、その後の様子を上司から尋ねます。
  • 前回お話しした、使う人に先に話を聞く進め方ですが、請求の手順書ではどうでしたか。

KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごととして「上司が以前会話したことを覚えていない」を挙げた人が6.2%いました。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は26.4%で、回答者全体の31.9%を下回っています。

前回の話を上司が覚えているかどうかは、面談が成果につながっているという実感と関係があると考えられます。褒めた行動のその後を上司から尋ねれば、覚えていることも一緒に伝わります。次の面談で尋ねられるよう、褒めた日に、その内容を1行メモしておくとよいでしょう。

部下の褒めるところが見つからないときは、何から始めるか

部下の褒めるところが見つからないときは、無理に褒め言葉を作らず、相手の仕事をよく知ることから始めてください。遅れやミス、お客様からの指摘は、報告が必要なので上司の耳に入ります。一方、問題なく終わった仕事は、わざわざ報告する理由がないため、上司には伝わりにくいものです。褒めるところが見つからないのは、上司の知っている事実が、うまくいかなかった仕事に偏っているからかもしれません。

次の3つを、順に試すことをおすすめします。

  1. 問題なく終わった仕事について尋ねます。
  • 今週、順調に終わった仕事を1つ教えてもらえますか。小さなことでかまいません。
  • その仕事で、以前と変えたことはありますか。
  1. 仕事の基準から探します。その仕事で大事にしたい点を挙げ、本人が特に力を入れた点を尋ねます。
  • 受注入力で大事にしたいのは、期日を守ること、入力の正確さ、差し戻しへの対応の早さの3つだと考えています。今月、特に力を入れたところはありますか。
  1. 本人の以前の仕事と比べます。他の人とではなく、本人の先月の仕事と比べると、変わった点に気づくことがあります。
  • 先月は、注文書との照合を入力のあとにしていましたが、今月は入力の前にしていますね。何かきっかけがあったのですか。

3つを試しても見つからないときは、無理に褒める必要はありません。具体的な事実を伴わない褒め言葉は、どの仕事にも当てはまるため、取ってつけたように聞こえやすいからです。改善をお願いしたいことがあれば、その場ではそちらを話すとよいでしょう。

  • 今日は、変えてほしいと思っていることを1つ相談させてください。うまくいっている仕事のことは、私がまだ十分に知らないので、来週あらためて教えてください。

部下の褒め方で避けたいこと

部下の褒め方で避けたいのは、具体的な事実がないまま、褒める回数や型を先に決めてしまうことです。反対に、よい点に気づいていながら何も伝えずにいるのも、同じように避けたいことです。

  • 回数を決めて褒めること。「1日1回は褒める」のように、回数を決めておく助言があります。しかし、回数を先に決めると、よい仕事があった日ではなく、回数が足りない日に褒め言葉を探すことになりがちです。増やしたいのは、報告を受けたときに質問を1つ挟む回数です。
  • 褒め言葉で指摘を挟むこと。褒めて、指摘して、また褒めるという型(サンドイッチ)を勧める助言もありますが、避けたほうがよいでしょう。褒め言葉を指摘の前後に置くと、よかったことと変えてほしいことのどちらが本題なのかが、相手にわかりにくくなりがちです。褒める話と改善の話は、分けて伝えましょう。
  • 報告を面談から外すこと。「面談を報告の場にしない」という助言もありますが、このページではおすすめしません。報告は、部下が自分の仕事を伝え、上司がその工夫を知る機会だからです。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に最も期待することを1つ選ぶ質問で、「報告したい」を選んだ人が9.4%いました。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は36.8%で、回答者全体の31.9%をやや上回っています。
  • 相談に褒め言葉で応じること。部下が迷って相談してきたときに「十分できていますよ」と返すと、相談はそこで終わってしまいがちです。褒めるのはあとにして、まず相談の中身を一緒に考えます。
  • 今迷っているところを、もう少し詳しく聞かせてもらえますか。一緒に考えましょう。

部下の褒め方がうまくいったかどうかを、何で振り返るか

部下の褒め方がうまくいったかどうかは、褒めたときの部下の表情よりも、そのあとの報告のやり取りを見るとわかります。次の3つの点から、普段のやり取りを振り返ってみてください。

  • 一緒に仕事をしている一人ひとりについて、今月よかったと思う仕事を、日付とあわせて1つずつ挙げられますか。
  • 報告のやり取りが、「できました」「了解です」で終わらず、「ここをこう変えました」のように具体的になってきましたか。
  • 仕事の基準が、二人の会話に出てくるようになりましたか(「誰にも聞かずに入力できるように、返品の章を直しました」など)。

3つとも当てはまらないときは、褒め言葉を増やすより先に、報告を受けたときに質問を1つ挟むことから始めるとよいでしょう。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

部下からの報告と、そこで聞いた仕事の工夫を、忘れずに次の面談でも話題にしたいとき、Kakeai AI 1on1では次のことができます。

1on1の前

  • テーマと期待する対応の選択

    1on1の前に、その回に話したいテーマと、上司にどうしてほしいか(期待する対応)を、部下の側から選べます。設定によっては、上司の側からもテーマを選べます。選んだ内容は、お二人の画面に表示されます。

  • メモの事前共有

    話したいことを、1on1の前に「この1on1へのメモ」に書いておけます。書いた内容は、お相手の画面にも表示されます。

1on1の実施中

  • 自分用のメモ

    ご自身だけが見られる「自分用のメモ」を残せます。お相手にも、システム管理者にも表示されません。

日常

  • 要約や次の一歩の一元管理

    1on1ごとの要約は「予定・履歴」の画面に、決めた次の一歩は「MOVE」の画面に、お相手ごとにまとまります。あとから見返せます。

1on1ツールの導入や見直しを検討している方は、Kakeai AI 1on1 の資料をご覧ください。

ご利用企業 累計600社以上/1on1実施 累計300万回以上

よくある質問

部下を褒めるのが苦手で、褒めてもわざとらしくなってしまいます。どう褒めればよいですか。

部下を褒めるのが苦手な上司の方は、「すごい」「さすが」といった感想の言葉を無理に足さず、見た事実だけを伝えるところから始めるとよいでしょう。たとえば、「今朝の受注、納期の欄まで埋めてから回してくれましたね。おかげで、確認の電話を1本減らせました」のように、相手がしたことと、その結果を伝えます。事実を伝えるだけなので、わざとらしく聞こえにくくなります。

部下には、褒めて接するのと厳しく接するのと、どちらがよいですか。

部下に接するときは、褒めるか厳しくするかを先に決めないことをおすすめします。仕事ごとに、目標を達成できた点とまだ達成できていない点を、事実を挙げて二人で確認します。褒めるときも改善をお願いするときも、同じ基準と事実をもとに話すと、上司が何を大事にしているのかが、部下に一貫して伝わりやすくなります。

チャットやメールで部下を褒めてもよいですか。

チャットやメールで部下を褒めてもかまいません。報告を受けてすぐに返信できるうえ、文字として残るので、部下があとで読み返せます。書く内容は、相手がしたことと、その結果の2点で十分です。仕事の基準と結びつけた話や、次の仕事にどう生かすかの話は、文字だけで済ませず、次の面談で直接話すとよいでしょう。

部下を褒めたのに、次の仕事で同じ行動が見られなかったときは、どうすればよいですか。

褒めた行動が次の仕事で見られなかったときは、理由を決めつけずに、今回の進め方を尋ねてみてください。たとえば、「今回の手順書はどのように進めましたか」と尋ねると、時間が足りなかったのか、別の考えがあったのかを聞けます。時間が足りなかったのであれば、仕事の優先順位を二人で見直します。別の考えがあったのであれば、その考えを聞き、今回の仕事にはどちらの進め方が合っていたのかを、二人で話し合うとよいでしょう。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/how-to-praise-subordinates-basics

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: