上司の方へ部下との関わり
部下の業務が多すぎるとき、 どう調整するか
先に答え
部下の業務が多すぎるときは、「優先順位をつけて」と部下に任せず、上司が仕事を減らす判断をしてください。手は「やめる・遅らせる・ほかの人に移す・上司が引き取る」の4つです。まず手元の仕事を期限と一緒に全部並べ、上司が減らせるものを一緒に探します。KAKEAIの1万人調査では、面談のあと行動につながりにくい理由として「時間やコストの制約で動けない」を選んだ人は15.4%でした。「スキルが不足していてできない」は9.1%です。面談についての数字ですが、進まない理由として、力より時間の足りなさを挙げる人のほうが多いということです。忙しい時期も1on1はやめず、短くして続けてください。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、話したことが進まない理由として、本人の力より時間の足りなさを挙げる人のほうが多くいました。また、面談の時間の確保に困っている人でも、面談の成果を感じている割合は全体より高くなっていました。業務が多すぎる部下には、工夫を求めるより上司が減らす判断をし、1on1は短くしても続けることをおすすめします。
- 15.4%
- 1万人調査
- 面談が行動につながりにくい人のうち、理由に「時間やコストの制約で動けない」を選んだ人の割合
- 面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人が、5つまで選んだ理由の1つです。「スキルが不足していてできない」は9.1%でした。話したことが進まない理由として、本人の力より時間の足りなさを挙げる人のほうが多くなっています。
- 23.9%
- 1万人調査
- 上司との面談の困りごと(複数回答)に、「自分自身の実施時間の確保」を挙げた人の割合
- 15の困りごとの中で2番目に多い答えです。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は39.4%で、回答者全体の31.9%より高くなっています。面談の時間の確保に困っている人でも、面談の成果を感じている割合は全体を上回っています。
- 51.6%
- Kakeai AI 1on1 利用データ
- Kakeai AI 1on1で行われた1on1のうち、1回の時間が30分未満だった回の割合
- 1回の時間の中央値は29.6分でした。1on1は、30分より短くても続けられています。業務が多すぎる時期は、短い時間でも、仕事を並べて減らす判断をする時間として続けるとよいでしょう。
1万人調査は、業務の量そのものを尋ねたものではありません。数字は、面談のあと行動につながらない理由と、面談の困りごとについて答えたものです。利用データの1回の時間には、途中で止めて再開した回の間の時間も含まれています。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
部下の業務が多すぎるときの調整は、 上司が減らす判断をすること
部下の業務が多すぎるときの調整とは、部下に「優先順位をつけて進めてください」と言うことではなく、上司が仕事を減らす判断をすることです。減らす手は「やめる・遅らせる・ほかの人に移す・上司が引き取る」の4つです。どれも、その部下の仕事を決められる上司にしかできません。部下と一緒に手元の仕事を並べるのは、その判断の材料をそろえるためです。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人に、その理由を5つまで選んでもらいました。「時間やコストの制約で動けない」を選んだ人は15.4%で、「スキルが不足していてできない」の9.1%より多くなっています。面談についての数字ですが、話したことが進まない理由として、本人の力より時間の足りなさを挙げる人のほうが多いということです。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、1on1は、その部下の仕事を決められる直属の上司が行うのがよいと考えています。ただし、上司であっても、部下の仕事を見てもいないなら、上司が行う意味はありません。業務の量の調整は、この考えがそのまま当てはまる場面です。部下の仕事を見ていて、その仕事を決められる上司だからこそ、減らす判断ができます。
部下の業務が多すぎるかを、 どう見るか:手元の仕事を期限と一緒に全部並べる
部下の業務が多すぎるかどうかは、上司の印象や部下の表情ではなく、手元の仕事を期限と一緒に全部並べて判断します。並べる目的は、部下に順番を決めてもらうことではなく、上司が減らせるものを探すことです。以下では、経理チームで月次の締めを担当している部下(○○さん)と、その上司(課長)を例にします。
- 今、手元にある仕事を、期限と一緒に全部書き出してみませんか。優先順位を付けてほしいのではなく、私が減らせるものを探したいんです。
- 残業で間に合わせている仕事はどれですか。そこを先に見たいです。
- 書き出した中で、○○さんでなくてもできると思うものはありますか。
並べると、次のような表になります。右の列は、上司が決められることです。
| 仕事 | 期限と今の状態 | 上司ができる調整 |
|---|---|---|
| 月次の締め | 毎月5営業日目まで。 | 売上の |
| 新しい | 来月末。 | 期限を |
| 他部署からの | 随時。 | 問い合わせの |
| 前任者から | 期限なし。 | 今期はやめる |
並べてみると、期限のない仕事や、本人でなくてもできる仕事が混ざっていることが少なくありません。残業で間に合わせている仕事がどれかも、並べると見えてきます。
部下の業務を減らす4つの手と、 最初の一言
業務を減らす手は「やめる・遅らせる・ほかの人に移す・上司が引き取る」の4つです。どれを使うかは、上司の考えを理由と一緒に伝えたうえで、部下の考えも聞いて決めます。
やめる
期限がなく、やめても誰も困らない仕事は、上司の判断でやめます。
- 古い帳票の整理は、今期はやめましょう。来期に必要になったら、そのときに私がもう一度考えます。
- やめると決めたことは、私から部長に伝えておきます。○○さんが説明する必要はありません。
遅らせる
ほかの部署やお客様との約束がある仕事を遅らせるときは、交渉を上司が引き受けます。
- 経費精算システムの移行は、期限を1か月遅らせられないか、私が情報システム部門に話します。結果が出るまで、○○さんは月次の締めに集中してもらえますか。
- 遅らせることで○○さんが責められないように、関係する部署には私から説明します。
ほかの人に移す
仕事を移すときは、引き継ぎの時間と、移したあとに質問に答える時間も、部下の仕事として数に入れます。
- 売上の突き合わせは、△△さんに移そうと考えています。引き継ぎに半日ほどかかると思いますが、来週のどこかで時間を取れますか。
- 移したあとも、△△さんから○○さんに聞くことがあると思います。そのときに答える時間も、仕事のうちだと考えてください。
上司が引き取る
手が止まる原因になっている仕事は、上司が引き取ると効果が大きいことがあります。引き取ったあとも、部下にしか分からないことは、まとめて聞く時間を決めます。
- 他部署からの問い合わせは、来月から私に届くようにします。急ぐものだけ○○さんに回して、あとは私が答えます。
- 私が引き取った問い合わせの中で、○○さんにしか分からないものは、週に1回まとめて質問させてください。
どの手を使うときも、減らす判断を上司が一人で決めて通告しないようにします。考えを伝えたあとに、部下の見方を尋ねましょう。仕事を減らすことが、部下の力を低く見ている印に受け取られないよう、理由も言葉にします。
- 仕事を減らすのは、○○さんの力が足りないからではありません。量が一人分を超えていると、私が判断したからです。ここまでの話で、気になることはありますか。
業務が多すぎるときも、 1on1は短くして続ける
部下の業務が多すぎるときに、上司の側で「忙しいだろうから」と1on1を取りやめるのは、避けたい対応です。1on1は、手元の仕事を並べて減らす判断をする場でもあるからです。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談で困っていること(複数回答)として「自分自身の実施時間の確保」を挙げた人は23.9%で、15の困りごとの中で2番目に多い答えでした。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は39.4%で、回答者全体の31.9%より高くなっています。つまり、面談の時間の確保に困っている人でも、面談の成果を感じている割合は全体を上回っているということです。部下の時間を気遣って面談を取りやめる前に、短くして続けることを考えてみてください。
「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)では、1回の時間が30分未満だった回は51.6%でした。1回の時間の中央値は29.6分です。1on1は、30分より短くても続けられています。業務が多すぎる時期は、15分でも、仕事を並べて減らす判断をする時間として使うとよいでしょう。
- 今週は15分しか取れませんが、1on1はやりましょう。手元の仕事を並べて、私が減らせるものを決める時間にしたいです。
- 締めの週は、1on1を締めのあとに動かしましょう。やめるのではなく、ずらします。
部下の業務が多すぎるときの調整で、 避けたいこと
避けたいのは、量の問題を部下の工夫の問題に置き換えることと、逆に上司が黙って全部引き取ることの、両方です。
- 「優先順位をつけて」と部下に任せる。仕事の量を決めたのは、割り振った上司です。部下が一人で変えられるのは順番で、順番を変えても量は減りません。
- 時間の使い方の工夫や研修を勧めるだけで終える。工夫で縮められる時間には限りがあります。並べた仕事のうち、どれを減らすかを上司が決めない限り、状態は変わりません。
- 励ましやねぎらいだけで終える。「いつも助かっている」と伝えることは大切ですが、量が変わらなければ、部下には「このまま続けてほしい」と伝わります。
- 残業で間に合わせることを前提にする。残業や休日の勤務の扱いがどうなるかは、上司が判断して言い切らず、就業規則と人事の担当に確かめてください。面談でできるのは、残業で間に合わせている仕事がどれかを一緒に見て、減らす手を決めるところまでです。
- 逆に、黙って全部引き取る。部下に相談せずに仕事を取り上げると、部下は自分の力を低く見られたと受け取ることがあります。引き取るときも、理由を伝え、部下の見方を聞くことが先です。
- 心身の不調を上司が判断する。眠れない日や休みが続くといった様子が見えるときは、仕事の量の話とは別に、産業医や人事の担当につなぎます。上司が「大丈夫そうだ」「休むほどではない」と判断しないでください。
部下の業務の調整がうまくいったかを、 どこで見るか
業務の調整がうまくいったかどうかは、部下が「楽になりました」と言ったかではなく、減らした仕事が実際に部下の手元から離れたか、残業で間に合わせていた仕事が減ったかで振り返ります。上司の立場から、次の点を振り返ってみてください。
- 手元の仕事の一覧を期限と一緒に二人で見た日があれば、減らす判断の材料はそろっています。
- 「やめる・遅らせる・移す・引き取る」のどれかを上司が決めて部下に伝えていれば、調整は始まっています。
- 遅らせると決めた仕事の交渉を約束した日までに済ませていれば、部下は締めの仕事に集中できます。
- 残業で間に合わせていた仕事が次の月に減っていれば、調整の効果が出ています。
- 業務が増えたときに、部下から期限の前に知らせが届くようになっていれば、二人のやり取りは続いています。
減らした仕事が実際に部下の手元から離れたら、次は、新しい仕事を頼む前に、手元の一覧を一緒に見ることを習慣にしてみてください。頼む前に見ていれば、多すぎる状態になる前に調整できます。
- 先月、問い合わせの窓口を私に移しましたが、○○さんの手元は楽になりましたか。私のほうは、問い合わせの中身が分かって、締めの週の忙しさが前より見えるようになりました。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
仕事を任せたあとの進み具合が見えず、細かく口を出しすぎるか、任せきりになるかで迷うときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
報告を受ける1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
任せた仕事の出来だけでなく、 部下が途中で何を考えて決めたのかを聞いてから、 中身を一緒に確かめられます。
部下が「この1on1へのメモ」に書いた内容や、選んだ期待する対応(「報告したい」など)を踏まえて、報告をどの順で受け取るとよいかが書かれます。部下が自分の判断で加えたことを先に尋ねる、といった入り方が示されることもあります。ご自身向けの内容です。
インドの地元1社が加わっていることも含め、実際に調べてみて変わったことや気づいたことを先に聞いてから、表の中身を一緒に見ていくと、森さんが何を判断して今の形にしたかが見えてきます。
仕事を任せる1on1の実施中に。
任せる仕事の期限を、 部下の考えを聞きながら、 1on1の中で二人で決めておけます。
会話の中から次に取り組むことが出てくると、Kakeai AI が次の一歩の候補を作り、話に出た担当と期限を入れます。期限が決まっていない候補が残っているときに右の列の下の球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)をクリックすると、いつまでにするかを二人で決める提案が出ることがあります。決めるのはお二人で、「決定する」はどちらからもクリックできます。
残り4分ほどです。今日話した「一次調査の報告」の件で、一歩の候補が2つ出ています。「競合調査の表に代理店が日系か現地かの列を追加する」と「試算のやり方に割合の根拠(理由)を書く手順を入れる」、それぞれいつまでにやるかをお二人で一つ確かめて終わりませんか?森さん、いかがでしょう?
任せた1on1の終了後に、「今回よかった点」で。
口を出した場面と任せた場面のそれぞれで何が起きたかを、 具体的な発言で振り返れます。
部下が自分で考えた進め方を受け止めた場面や、ご自身が先に一言添えた場面が、実際の発言とともに書かれます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。
要件表の項目についても「こっちで一回作ってみて」という小野寺さんの進め方を「それでいいと思う」と任せた判断は、相手が動きやすい余白を作っています。
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よくある質問
部下の業務が多すぎるとき、 上司は何から始めればよいですか。
部下の業務が多すぎるときは、まず部下の手元にある仕事を、期限と一緒に全部書き出してもらうことから始めてください。目的は部下に優先順位を付けてもらうことではなく、上司が減らせる仕事を探すことです。並べると、期限のない仕事、本人でなくてもできる仕事、残業で間に合わせている仕事が見えてきます。そのうえで、「やめる・遅らせる・ほかの人に移す・上司が引き取る」のどれかを上司が決めます。
業務が多すぎる部下に「優先順位をつけて」と言うのは、 なぜよくないのですか。
「優先順位をつけて」と言っても、仕事の量は減らないからです。順番は部下が変えられますが、どの仕事をやめるか・遅らせるか・移すかは、割り振った上司が決めることです。KAKEAIの1万人調査では、面談のあと行動につながりにくい理由として「時間やコストの制約で動けない」を選んだ人は15.4%、「スキルが不足していてできない」は9.1%でした。面談についての数字ですが、力より時間を挙げる人のほうが多いということです。
部下の業務を減らすには、 どんな方法がありますか。
部下の業務を減らす方法は「やめる・遅らせる・ほかの人に移す・上司が引き取る」の4つです。期限がなく誰も困らない仕事はやめ、ほかの部署やお客様との約束がある仕事は上司が交渉して遅らせます。ほかの人に移すときは、引き継ぎと質問に答える時間も部下の仕事として数に入れます。手が止まる原因になっている問い合わせ対応などは、上司が引き取ると効果が大きいことがあります。どの方法も、理由を伝えて部下の考えを聞いて決めます。
業務が多すぎる部下との1on1は、 やめたほうがよいですか。
業務が多すぎる部下との1on1は、やめずに短くして続けることをおすすめします。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとに「自分自身の実施時間の確保」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は39.4%でした。回答者全体では31.9%です。時間の確保に困っていても、面談の成果を感じている人の割合は全体より高いということです。15分でも、仕事を並べて減らす判断をする時間として使ってください。
部下の残業が増えているとき、 上司はどこまで対応すればよいですか。
部下の残業が増えているとき、上司が面談でできるのは、残業で間に合わせている仕事がどれかを一緒に見て、やめる・遅らせる・移す・引き取るのどれかを決めるところまでです。残業や休日の勤務の扱いがどうなるかは、上司が判断して言い切らず、就業規則と人事の担当に確かめてください。眠れない、休みが続くなど心身の不調が見えるときは、仕事の量の話とは別に、産業医や人事の担当につなぎます。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/subordinate-overloaded-how-to-adjust-workload
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: