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上司の方へ部下との関わり

部下指導の考え方と方針の立て方

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

部下指導の方針は、「教える」「考えてもらう」といった関わり方の型より、目的・基準・見直し方の3つで立てることをおすすめします。目的は、どの仕事をいつまでに、どこまで一人で進められるようにするかを、仕事の言葉で書きます。基準は、その仕事の「できた」の状態を部下と一緒に決めます。関わり方は方針で1つに決めず、その回に部下が上司に期待することを尋ねて選びます。指導がうまくいったかは、その場の返事ではなく、そのあとの仕事で振り返り、3か月ほどで方針を見直してください。

数字で見る

KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に求める関わり方は人によって分かれていました。それでも、どの関わり方を求める人も、期待していることが特にない人より面談の成果を多く実感していました。また、面談のあと行動につながっているかどうかで、成果の実感は大きく違いました。面談についての数字ですが、指導の方針も、関わり方の型を決めるより、部下の期待を知って指導のあとの行動で見直す形をおすすめします。

46.2%
1万人調査
面談で上司に一番期待することが「一緒に考えてほしい」の人のうち、成果を実感している人の割合
「具体的なアドバイスがほしい」の人では42.7%、「意見を聞きたい」の人では39.9%、「期待していることは特にない」の人では8.4%でした。求める関わり方は違っても、期待がある人のほうが成果を実感しています。
61.3%
1万人調査
面談が毎回またはほぼ毎回、その後の行動につながっている人のうち、成果を実感している人の割合
ほぼ、または全く行動につながっていない人では7.0%で、61.3%はその約8.8倍です。面談のあと行動まで進んでいるかどうかで、成果の実感は大きく違います。

1万人調査は、上司との面談について部下の立場から尋ねたもので、上司の指導方針や指導の進め方は尋ねていません。

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。

部下指導の方針は「目的・基準・見直し方」の3つで立てる

部下指導の方針は、「教える」「考えてもらう」といった関わり方の型から決めるより、目的・基準・見直し方の3つで立てることをおすすめします。何のために指導するのかが目的、何ができればよいのかが基準、うまくいったかをいつ何で振り返るのかが見直し方です。関わり方は方針で1つに決めず、その回ごとに選びます。

ここでは、月次の売上レポートの作成を、これから部下に任せていく場面を例にします。

方針に書くこと書き方の例避けたい書き方
目的月次の売上レポートを、3か月後には○○さんが一人で仕上げられるようにする「主体性を伸ばす」「成長を促す」とだけ書く
基準数字の誤りがなく、前月との違いに理由が一言ずつ添えてある状態を「できた」とする「きちんと作る」「質を上げる」とだけ書く
見直し方レポートを出したあとの毎月の1on1で、迷ったところを二人で振り返り、3か月で方針を見直す期末の評価のときにまとめて振り返る
関わり方方針では決めない。その回に部下が上司に期待することを尋ねて選ぶ「答えは教えず、質問で気づかせる」「最初は全部教える」と決めておく

目的と基準は、上司が部下の仕事を見ていなければ書けません。方針を立てる前に、部下が今どの仕事をどこまで一人で進めているのかを、上司が自分の目で確認しておきましょう。

部下指導の考え方:教えるか、考えてもらうかを方針で決めておかない

部下指導の方針を立てるとき、「答えは教えず、考えてもらう」「まずは丁寧に教える」と、関わり方を先に決めたくなるかもしれません。けれども、部下が上司に求める関わり方は、人によって分かれます。

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談で上司に一番期待することが「一緒に考えてほしい」の人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は46.2%でした。「具体的なアドバイスがほしい」の人では42.7%、「意見を聞きたい」の人では39.9%です。一方、「期待していることは特にない」の人では8.4%でした。求める関わり方は違っても、上司に期待することがある人のほうが、面談の成果をはるかに多く実感しているということです。

KAKEAIの1万人調査では、面談が毎回またはほぼ毎回、その後の行動につながっている人の61.3%が、面談が成果につながっていると感じていました。ほぼ、または全く行動につながっていない人では7.0%です。面談のあと行動まで進んでいるかどうかで、成果の実感が大きく違います。

どちらも面談についての数字ですが、部下指導の方針も、関わり方の型を先に決めるより、部下の求めることを知って指導のあとの行動で見直すことを軸にするほうが合いやすいと考えられます。

KAKEAIは、「答えは教えず、質問で気づかせる」「必ず先に教える」のように、上司の関わり方を方針で1つに決めておくことをおすすめしません。部下が意見やアドバイスを求めている回にも、一緒に考えてほしい回にも、同じ対応になってしまうからです。

部下指導の方針を立てて、部下に伝える進め方

方針は、上司が一人で書いて終わりにせず、部下に伝え、部下の考えも聞いて決めます。目的と基準に部下が納得していなければ、二人が同じ方向に進みにくいからです。

  1. 目的を、任せたい仕事の言葉で伝え、部下の希望を尋ねます。
  • 今期は、月次の売上レポートを○○さんが一人で仕上げられるようになることを、二人の目標にしたいと考えています。
  • ○○さん自身は、このレポートの仕事をどうしていきたいですか。ほかに伸ばしたい仕事があれば、それも教えてください。
  1. 「できた」の基準を、実際のレポートを一緒に見ながら決めます。
  • 先月のレポートを、一緒に見てもらえますか。私が「できた」と考えているのは、数字の誤りがなく、前月との違いに理由が一言ずつ添えてある状態です。
  • この基準で、わかりにくいところや、無理があると感じるところはありますか。
  1. 関わり方は、その回に部下が上司に期待することを聞いて選ぶ、と伝えます。
  • 教えたほうがいいときと、一緒に考えたほうがいいときがあると思っています。迷っているときは、私に何を期待しているかを最初に言ってもらえると、役に立つ話がしやすくなります。
  • 今日は、私の考えを先に聞きたいですか。それとも、一緒に考えたいですか。
  1. 見直す時期と、何を見て振り返るかを二人で決めます。
  • 3か月たったら、この進め方が合っていたかを一緒に振り返りましょう。その間も、合わないと感じたら遠慮なく言ってください。

部下指導の方針を、指導の進み具合に合わせて見直す

方針は、一度決めたら守り続けるものではなく、指導を進めながら、合わなかったところを直していくものです。

KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、部下指導に万能のやり方はなく、仮説を立てて試し、確かめて直していくものだと考えています。

任せ始めたばかりで、迷う場面が多いとき

最初の数回は、部下が迷った場面ごとに、上司が具体的な直し方まで伝えることが合う場合もあります。アドバイスを求められたら、何を、どこから直すかまで具体的に伝えましょう。

  • 前月比の欄は、まず金額の大きい3つの商品から理由を書いてみてください。理由が見つからないときは、営業の週報に手がかりがあります。
  • 迷ったところには、レポートにコメントで印を付けておいてもらえますか。次の1on1で、そこから一緒に見ましょう。

慣れてきて、部下に自分の考えが出てきたとき

部下が自分の案を持っているときは、意見を言う前に、まず部下の考えを尋ねます。そのうえで、上司の考えを理由とともに具体的に伝えるとよいでしょう。

  • 私の考えを言う前に、○○さんは、今月の落ち込みの理由をどう考えていますか。
  • 私は、天候より、新しくできた競合店の影響のほうが大きいと考えています。地域別の数字を見ると、△△地区だけが落ちているからです。

指導しても、レポートの同じところで止まるとき

同じところで止まるときは、部下の努力の問題と決めつけず、方針のほうを見直します。基準が伝わっていなかったのか、必要な情報が部下に届いていなかったのか、上司の関わり方が合っていなかったのかを、部下に尋ねてみてください。

  • 前月比の理由の欄で、毎回時間がかかっているようですね。私の説明で足りなかったところや、手元にない情報があれば教えてもらえますか。
  • 私のほうも、直し方を全部言ってしまっていたかもしれません。次は、○○さんの案を先に聞いてから話すようにします。

部下から、進め方への意見が出たとき

部下から指導の進め方について意見が出たときは、まずお礼を伝え、変えられることはその場で変えましょう。

  • 言ってくれてありがとうございます。毎回の確認が細かすぎると感じていたんですね。来月からは、私が確認するのを数字の欄だけにしてみようと思いますが、どうでしょうか。
  • ほかにも、私の関わり方で変えてほしいところがあれば、教えてください。

部下指導の方針で、避けたいこと

避けたいのは、方針を心がけの言葉だけで書くことと、方針を立てずにその場の判断だけで指導することの両方です。

  • 心がけの言葉だけで方針を書く。「厳しく、しかし温かく」「部下の主体性を尊重する」だけでは、明日の指導で何をすればよいのかが決まりません。
  • 関わり方を1つに決めておく。「答えは教えない」と決めると、アドバイスを求められた回に応えられません。「全部教える」と決めると、部下が自分の案を持っている回に、その案を聞く機会がなくなります。
  • 逆に、方針を立てずに指導する。日によって言うことが変わると、部下は何を基準にすればよいのかがわかりません。
  • 部下の性格や年齢、世代で方針を決める。方針は、その部下が今どの仕事をしていて、どこで迷っているかに合わせます。
  • 方針を部下に伝えない。上司の頭の中にだけある方針では、部下は目的も基準も知らないまま指導を受けることになります。
  • 期末の評価のときにだけ振り返る。指導のあとの仕事の様子は、毎月の1on1で一緒に確認しましょう。

部下指導の方針を立てたあと、二人で振り返る

方針が合っているかは、指導した直後の「わかりました」より、そのあとの仕事で振り返ります。次のような点を、毎月の1on1で二人で話してみてください。

  • レポートの「できた」の基準を二人が同じ言葉で言えていたら、次は、基準に届いた欄と、まだ迷う欄を一緒に分けてみましょう。
  • 1on1の冒頭で、その回に上司に期待することを二人で確認できていたら、次は、その期待に合った関わり方ができたかを部下に尋ねてみます。
  • 前回の1on1で二人で決めた直し方が、次のレポートで使えていたら、次は、上司が確認する範囲を1つ減らしてみましょう。
  • 同じところで止まっていたら、部下の努力不足と考える前に、上司の説明や渡した情報のほうを見直します。

3か月の区切りでは、部下にも方針の感想を尋ね、次の3か月の方針を一緒に決め直すとよいでしょう。

  • この3か月の進め方で、役に立ったことと、変えたほうがいいことを1つずつ教えてもらえますか。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。

本や研修で学んだ育成のやり方を、目の前の部下との会話にどう当てはめればよいか迷うときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。

部下との1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。

一般的なやり方をそのまま当てはめる前に、その部下が今回何を期待しているかに合わせた入り方を考えられます。

Kakeai AI が、選ばれたテーマと、部下が選んだ期待する対応、これまでの1on1でのやり取りをもとに、今回どう関わるとよいかと、最初の一言の案を書きます。ご自身向けの内容で、部下には部下向けの別の内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

加藤さんは「一緒に考えてほしい」と言っているので、答えを渡すより、どこから手をつけるかを一緒に絞る関わりが今日の軸になります。

1on1の終了後に、「今回よかった点」で。

自分の関わり方のうち続けるとよいものを、本の中の一般論ではなく、実際の会話の場面で確かめられます。

「1on1後のAIアドバイス」の「今回よかった点」に、その回のどの場面で、ご自身のどの問いかけや返し方が部下の言葉につながったかが、実際の発言を引用して書かれます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

数字の報告を受け取るだけでなく、担当者がその数字をどう読んでいるかを問う形は、西村さんが自分の判断を持ち込む場を作りました。

1on1の終了後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。

本で読んだ問いかけではなく、その部下との実際の会話から、次の1on1で試す一言を持てます。

「1on1後のAIアドバイス」のご自身向けの欄に、その回の会話をもとに、次の1on1で部下に試せる一言の案が書かれます。部下には別の内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

次回、自動車系列や提案書の軸について藤本さんが実際に動いた結果を聞く場面で、「自動車系列、リストに入れてみてどうだった?」と一問返してみてはいかがでしょうか。

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ご利用企業 累計600社以上/1on1実施 累計300万回以上(2020年から)

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この手引きの数字のもとになった、1万人調査のレポート

1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)

  • 1万人のデータで見る、1on1の頻度・時間・場所・話題の実態
  • 成果・成長の実感を左右するもの(実施理由・上司への期待・困りごと・行動への接続)
  • 明日の1on1からできること(前・最中・直後・日常の4つの場面と、具体的な声のかけ方)

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よくある質問

部下指導の方針は、どのように書けばよいですか。

部下指導の方針は、目的・基準・見直し方の3つを、任せている仕事の言葉で書くことをおすすめします。目的は「月次のレポートを3か月後に一人で仕上げられるようにする」のように、どの仕事をどこまでにするかを書きます。基準はその仕事の「できた」の状態を、見直し方はいつ何を見て振り返るかを書きます。関わり方は方針で1つに決めず、その回の部下の期待に合わせて選びましょう。

部下指導は、厳しくするのと優しくするのと、どちらがよいですか。

部下指導で、厳しくするか優しくするかを方針として先に決める必要はありません。仕事の基準ははっきり伝え、言い方は丁寧にする、という形で両立できるからです。そのうえで、部下が具体的なアドバイスを求めている回には具体的に伝え、一緒に考えてほしい回には、何に困っているのかを把握してから一緒に考えます。厳しさや優しさより、部下がその回に上司に期待することに合っているかに気を配りましょう。

部下指導の方針は、部下に伝えたほうがよいですか。

部下指導の方針は、部下に伝えたほうがよいでしょう。上司の頭の中にだけある方針では、部下は目的も基準も知らないまま指導を受けることになるからです。伝えるときは、目的と「できた」の基準を実際の仕事を一緒に見ながら話し、部下の希望や無理があると感じる点も尋ねます。合わないと感じたら言ってほしいと伝えておくと、あとで見直すときにも話しやすくなります。

部下によって指導の方針を変えてもよいですか。

部下によって、指導の目的や任せる仕事、関わり方が変わるのは自然なことです。部下ごとに、今している仕事も、迷っているところも違うからです。ただし、性格や年齢、世代で方針を決めるのは避けましょう。どの部下にも共通にしたいのは、目的と基準を伝えてから指導することと、指導のあとの仕事で方針を見直すことです。

部下指導の方針がうまくいっているかは、どう判断すればよいですか。

部下指導の方針がうまくいっているかは、指導した直後の返事ではなく、そのあとの仕事で判断します。KAKEAIの1万人調査では、面談が毎回またはほぼ毎回その後の行動につながっている人の61.3%が、面談が成果につながっていると感じていました。面談についての数字ですが、指導も、話したことが次の仕事で使えたかを、毎月の1on1で一緒に振り返るとよいでしょう。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/subordinate-guidance-policy-setting

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: