上司の方へ部下との関わり
部下を指導するときの基本の進め方
先に答え
部下を指導するときは、言い方を工夫する前に、「見る・伝える・試す・振り返る」の4つのステップを最後まで進めることを基本にしてください。まず上司が部下の仕事を自分の目で見ます。そのうえで改善してほしい点を1つに絞り、見た事実と目指す状態、その理由を伝えます。次に部下が実際に試し、その結果を二人で振り返ります。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談について尋ねました。週1回以上面談していても、面談がその後の行動につながっていない人のうち、「面談が成果につながっている」と感じている人は12.7%でした。面談の回数が多くても、行動につながっていない人は、成果を実感しにくい傾向があります。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司と週1回以上面談していても、面談が行動につながっていない人のうち、「面談が成果につながっている」と感じている人は12.7%でした。面談の回数が多くても、行動につながっていない人は、成果を実感しにくいといえます。部下を指導するときは、伝えて終わりにせず、部下が実際に試し、その結果を二人で振り返るところまで進めることをおすすめします。
- 12.7%
- 1万人調査
- 上司と週1回以上面談していて、面談が行動につながっていない人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- 同じ週1回以上でも、面談が行動につながっている人では67.3%でした。面談が2か月に1回より少なくても、行動につながっている人では52.8%です。成果の実感は、面談の頻度よりも、行動につながっているかどうかで大きく違います。
- 32.0%
- 1万人調査
- 面談で上司に期待すること(5つまで選択)として、「具体的なアドバイスがほしい」を選んだ人の割合
- 「意見を聞きたい」を選んだ人は33.6%、「話を聞いてほしい」を選んだ人は20.8%でした。上司に具体的なアドバイスや意見を期待する人は、「話を聞いてほしい」を選んだ人よりも多くなっています。
- 26.4%
- 1万人調査
- 面談の困りごとに「上司が以前会話したことを覚えていない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- 「会話したことを上司が日常にいかさない・約束を守らない」を挙げた人では23.2%でした。どちらも回答者全体の31.9%を下回っています。話したことを上司が覚えていない、約束を守らないと感じている人は、面談の成果を実感しにくい傾向があります。
1万人調査は、上司との定期的な面談について尋ねたもので、指導の場面や、上司が部下の仕事を見ているかどうかは尋ねていません。指導の4つのステップは、調査の分類ではなく、このページでの整理です。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
部下を指導するときの基本の進め方は「見る・伝える・試す・振り返る」の4ステップ
部下の指導の仕方として基本になるのは、指導したいことを1つ決め、「見る」「伝える」「試す」「振り返る」の順に最後まで進める方法です。
| ステップ | すること | 省くと起きやすいこと |
|---|---|---|
| 1. 見る | 上司が、 | 伝聞や |
| 2. 伝える | 上司が、 | 上司が |
| 3. 試す | その場か | 「わかりました」で |
| 4. 振り返る | 上司が | うまくいった |
指導の仕方を言い方や叱り方の問題だと捉えていると、工夫が2番目の「伝える」に偏りがちです。部下の仕事を見ることも、試した結果を見に行くことも、部下と話していない時間に行うため、抜けていても二人とも気づきにくいものです。
KAKEAIの1万人調査では、上司と週1回以上面談していて、面談がその後の行動につながっている人の67.3%が、「面談が成果につながっている」と感じていました。同じ週1回以上でも、行動につながっていない人では12.7%です。一方、面談が2か月に1回より少なくても、行動につながっている人では52.8%でした。成果を実感している人の割合は、面談の頻度よりも、行動につながっているかどうかで大きく違います。
部下の指導では、何度伝えたかより、4つのステップを最後まで進められたかどうかを振り返ることをおすすめします。指導の材料になるのは、部下が今取り組んでいる仕事です。仕事は、成果に対してクリアしなければならないものであると同時に、成長にとっての具体的な材料でもあるからです。
ただし、万能の手順はないため、合わない部分は相手や仕事に合わせて変えてください。ここからは、部下の商談が3件続けて「社内で検討します」で終わり、返事をいただけていない場面を例に説明します。
部下の指導は、 伝える前に部下の仕事を自分の目で見ることから始める
指導の最初のステップは、部下の仕事を上司が自分の目で見ることです。「検討します」が3件続くと、上司は「説明がわかりにくいのだろう」と推測し、そのまま部下に伝えたくなります。しかし、商談を見ていなければ、どこを変えれば話が進むのかは上司にもわかりません。
たとえば1回同席すると、説明は十分で、お客様もうなずいていたことがわかります。気になったのは最後の1分で、次に話す日が決まらないまま商談が終わっていました。見ないまま「説明をわかりやすく」と伝えていたら、的外れな指摘になっていたでしょう。
KAKEAIは、部下の仕事を見てもいないなら、上司が指導を行う意味はないと考えています。仕事の場にいるからこそできる観察があって、はじめて指導の中身が決まるからです。とはいえ、忙しい月には、結果の数字だけをもとに話してしまうこともあるでしょう。だからこそ、伝える前に、指導したい仕事を1つ選んで見ておくことをおすすめします。
KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごととして「上司の話が役に立たない」を挙げた人のうち、「面談が成果につながっている」と感じている人は8.2%でした。回答者全体では31.9%ですから、上司の話が役に立たないと感じている人は、面談の成果を実感しにくいといえます。
指導で役立つ話をするために、部下の今の仕事を先に知っておきたいところです。見方は、仕事の種類によって変わります。
| 仕事の種類 | 見方 | 見る前の一言 |
|---|---|---|
| 形に | 1回同席する。 | 「一緒に |
| 成果物が | 上司が | 「仕上げ方を |
| 離れた | 画面を | 「進め方を |
上司と部下の関係には段階があり、段階によって、同じ一言の届き方が違います。関係ができて間もない時期には、「見せてください」という依頼が、あら探しのように聞こえることもあります。そのため、何のために見るのかを、先に部下に伝えておくとよいでしょう。
- 「検討します」が続いている3件のことを、一緒に考えたいんです。どこで話が進みにくくなるのか、商談を見ていない私にはまだわかりません。
- 木曜の商談では、私は口を挟みません。終わったあとに、気づいたことを1つだけお話しさせてください。
部下への指導では、 改善点を1つに絞り、 見た事実・目指す状態・理由を伝える
部下に伝えるのは、上司が見た事実、目指す状態、そうしてほしい理由の3つです。できれば、見たその日のうちに伝えてください。同席した商談なら、帰り道に話せます。改善してほしい点がいくつか見つかっても、伝えるのは1つに絞りましょう。いくつも伝えると、最も変えてほしい点が埋もれがちです。
- 今日の商談で気づいたことを、1つお話ししてもいいですか。説明のあいだ、お客様はうなずきながら聞いていらっしゃいました。
- 一方で、最後は「ご検討ください」で終わり、次にお話しする日が決まっていませんでした。私は、ここを変えると話が進みやすくなると考えています。
- 目指したいのは、商談を終える前に、次にお話しする日か、お返事をいただく日が決まっている状態です。日が決まっていないと、お返事を待つ間に話が止まってしまうからです。
- ○○さんは、今日の終わり方をどう感じていますか。
目指す状態は、「積極的に」「丁寧に」といった言葉ではなく、見ればわかる形で伝えてください。話題にするのは仕事の進め方であり、人柄や性格には触れません。
改善の方法を上司から示すか、部下の考えを先に尋ねるかは、どちらか一方に固定しないでください。「指導では上司は聞き役に徹し、答えを教えずに質問によって本人に気づかせる」という助言もありますが、どの場面でもそう進めると決めておくことを、KAKEAIはおすすめしません。部下が初めて取り組む仕事では、尋ねられても答える手がかりが少ないからです。反対に、部下に考えがあるのに、上司がやり方を説明し続けるのも考えものです。
KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)として、「具体的なアドバイスがほしい」を選んだ人が32.0%、「話を聞いてほしい」を選んだ人が20.8%でした。上司に具体的なアドバイスを期待する人のほうが多いという結果です。
1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データでは、1on1の前に選ばれた「スキルや力の向上」のテーマのうち、部下が「具体的なアドバイスがほしい」を選んでいた割合は19.2%でした。「業務の進捗や進め方」のテーマでは、「一緒に考えてほしい」が17.0%です。どちらも、そのテーマの中では、「その他」を除いて最も多く選ばれていました。部下が上司に期待することは、話のテーマによって違うことがうかがえます。
目安として、部下が初めて取り組む仕事ではやり方を上司から具体的に示し、本人なりのやり方がある仕事では、まず本人の考えを尋ねてみてください。避けたいのは、相手の状況や期待を知る前に、関わり方を1つに決めてしまうことです。迷ったときは、本人に尋ねてみましょう。
- 商談の終わり方について、私のやり方を先にお話ししましょうか。○○さんに考えがあれば、そちらから聞きたいです。
- 私の場合は、「ご検討には、いつ頃までかかりそうでしょうか。では、15日にお電話いたします」とお伝えしています。
- 日にちを尋ねにくい理由があれば、教えてください。私が知らない事情があるかもしれません。
上司の知らなかった事情がわかったら、言い方を二人で考え直します。
- 急かしているようで、尋ねにくかったんですね。話してくれて、ありがとうございます。
- それなら、「追加で必要な資料があればお持ちします。いつ頃お電話すればよろしいでしょうか」という尋ね方はどうでしょう。
事情によっては、その日は話を聞くだけで終えてもかまいません。
部下に指導したことは、 その場か次の機会に部下自身が試す
指導では、伝えたことを部下が実際に試す時間を、その場か次の機会に二人で取りましょう。「わかりました」と答えた本人にも、試すまでは、できるかどうかはわかりません。聞いて理解することと、実際に口や手が動くことは別だからです。
- 今の終わり方を、ここで一度、声に出して練習してみませんか。私がお客様の役をします。
- 言葉に詰まったら、そこで止めて大丈夫です。そこは私の説明が足りなかったところなので、一緒に考えましょう。
次に試す機会は、日付まで二人で決めておきましょう。
- 来週火曜の商談で、最後の1分に試してみませんか。私も同席していいですか。
- 火曜は、どんな言葉で締めくくってみましょうか。
同席した上司が最後に口を挟んで日程を決めてしまうと、その場は進んでも、部下が自分で試す機会はなくなります。金額の大きい案件などで上司が話すときは、事前に部下にそう伝え、本人が進める回も決めておくとよいでしょう。
- 金曜の案件は金額が大きいので、最後の日程のご相談だけ、私からお話ししてもいいですか。火曜の商談は、決めた通り○○さんにお願いします。
指導のあとは、 部下が試した結果を見て二人で振り返る
部下が試した結果は、上司が自分から見に行き、よかった点と、次に変える点1つを二人で振り返ります。当日か翌日に、3分ほどあれば十分です。
KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごととして「上司が以前会話したことを覚えていない」を挙げた人のうち、「面談が成果につながっている」と感じている人は26.4%でした。「会話したことを上司が日常にいかさない・約束を守らない」を挙げた人では23.2%で、どちらも回答者全体の31.9%を下回っています。話したことを上司が覚えていない、約束を守らないと感じている人は、面談の成果を実感しにくい傾向があります。
結果を見に行くと約束した日には、上司のほうから声をかけてください。うまくいっていたときは、よかった点を、見た事実をもとに伝えます。
- 今日は、商談を終える前に「22日にお電話します」と伝えていましたね。お客様も手帳を開いていらっしゃいました。
- 次の3件は、○○さんにお任せしたいと思います。切り出しにくい場面があったら、チャットで教えてください。また一緒に考えましょう。
うまくいかなかったときは、同じ言葉を繰り返す前に、4つのステップのどこが足りなかったのかを上司の側から見直します。
- 今日は、日程の話まで進めにくかったようですね。どのあたりで言い出しにくくなったのか、よければ教えてください。
- 先方の部長が同席されていて、切り出しにくかったんですね。次回は、最初に私から「最後に次の日程をご相談させてください」とお伝えしておきましょうか。
定期的な1on1では、最後まで進んだことと、次に取り上げることを、二人で確認しましょう。
部下の指導がうまく進んだかどうかを振り返る3つの点
部下の指導がうまく進んだかどうかは、伝えたときの反応よりも、次に同じ仕事をしたときにわかります。次の3つの点から、二人の取り組みを振り返ってみてください。
- 二人で決めたやり方は、次に同じ仕事をしたときに使えたでしょうか。
- 上司は、約束した日に、自分から結果を見に行ったでしょうか。
- 上司は、うまくいった点を、見た場面を挙げて部下に伝えられるでしょうか。
3つ目に答えられないときは、「見る」ステップに戻りましょう。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
指導で伝えたことが伝えたきりになってしまうとき、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の前
伝えたいことの
切り出し方や ポイントアドバイス 部下に切り出したいことを「メンバーに伝えたいこと」の欄に入力して保存すると、「1on1前のAIアドバイス」が、その内容を踏まえて書き直されます。入力した内容は、部下の画面には表示されません。
1on1の実施中
次の
一歩の 候補を 会話から 抽出・ 決定ガイド 会話の中から次の一歩の候補が生まれると、Kakeai AIが候補として表示します。お二人のどちらからも「決定する」をクリックして決められます。決めた一歩は、「MOVE」の画面に追加されます。
日常
MOVE
(次の 一歩と 目標の一覧) 「MOVE」の画面で、1on1で決めた次の一歩と目標を、お相手ごとに一覧で管理できます。目標を「継続テーマ」にしておくと、1on1の準備のときに、テーマの候補として表示されます。
1on1で
生まれた 会話と 前進の集約 「概要」の画面に、直近6か月の1on1で会話されたテーマ、生まれたテーマ、生まれた次の一歩、実行された一歩の数が表示されます。お二人に同じものが表示されます。
1on1ツールの導入や見直しを検討している方は、Kakeai AI 1on1 の資料をご覧ください。
ご利用企業 累計600社以上/
よくある質問
忙しくて部下の仕事を見る時間が取れません。 それでも部下を指導するには、 どうすればよいですか。
部下の仕事を見る時間が取れないときは、全員の仕事をすべて見る必要はありません。今月指導したい仕事を1つ決めて、1回だけ見てください。商談なら1回の同席、書類なら上司が手を入れる前の成果物を3件読む程度で足ります。それも難しい月は、新しい指導を増やさず、以前伝えたことの結果を見て振り返る時間に充てるとよいでしょう。見ていない仕事について新しく指導しても、的外れになりやすいからです。
部下に指導すると嫌がられそうで、 言い出せません。上司はどう切り出せばよいですか。
部下への指導を言い出しにくいときは、人柄には触れず、上司が見た事実を1つだけ伝えるところから始めてみてください。たとえば、「木曜の商談で気づいたことを、1つお話ししてもいいですか」と切り出します。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)として「意見を聞きたい」を選んだ人が33.6%で、選択肢の中で最も多くなっていました。
部下のほうが実務に詳しい仕事や、 年上の部下への指導は、 どう進めればよいですか。
部下のほうが実務に詳しい場合や、部下が年上の場合でも、上司が部下の仕事を見るステップは省かないでください。伝えるのは、やり方よりも、上司が見た事実と、それによって仕事のどこが進めにくくなっているかです。改善の方法は、まず本人の考えを尋ねるところから始めるとよいでしょう。たとえば、「先週の商談は、次にお話しする日が決まらないまま終わりました。どう進めるのがよいと思われますか」と相談します。
部下を指導するとき、 上司が気をつけることは何ですか。
部下を指導するときに上司が気をつけたいことは、3つあります。1つ目は、人柄や性格ではなく、自分が見た仕事の事実を伝えることです。2つ目は、改善してほしい点を1回につき1つに絞ること、3つ目は、伝えたあとの結果を自分から見に行くことです。いずれも、言い方を工夫する以前に、上司が部下の仕事を実際に見ていることが前提になります。
部下に指導したことを、 人事評価と関係づけて話してもよいですか。
指導した内容が人事評価の項目に関わるのであれば、上司は指導のときに、そのことを部下に伝えてください。期末になって初めて知ると、部下には改善する時間が残らないからです。たとえば、「商談の最後に次の日程を決めることは、今期、特に大事にしたいと考えています。評価シートのこの項目です」と、シートを一緒に見ながら話します。評価の決まりは会社によって異なるため、伝える前に人事の担当者に確認しておきましょう。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/subordinate-guidance-basic-steps
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: