上司の方へ部下との関わり
部下の叱り方・注意の仕方
先に答え
部下に注意するか叱るかは、言葉の強さではなく、仕事の基準を事前に伝えてあったかどうかで決めることをおすすめします。基準をまだ伝えていなかった場合は、その場で短く注意します。伝えてあった基準や二人で決めた約束が守られなかったときは、時間を取り、基準と出来事を部下と一緒に確認します。KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司と週1回以上面談している人のうち、面談で人事評価の話をしている人は25.8%でした。叱る前に、仕事の基準を伝えたつもりになっていないかを思い返してみてください。
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KAKEAIの1万人調査では、上司と週1回以上面談している人でも、面談で人事評価の話をしている人は25.8%でした。一方、同じ頻度で面談している人どうしで比べると、評価の話をしている人のほうが、面談が成果につながっていると感じている割合が高くなっています。叱る場面で持ち出す仕事の基準は、普段の面談や仕事のやり取りの中で、先に言葉にして伝えておくとよいでしょう。
- 25.8%
- 1万人調査
- 上司と週1回以上面談している人のうち、面談で人事評価の話をしている人の割合
- 面談が2週間〜1か月に1回の人では35.3%、半年〜1年に1回の人では67.6%でした。面談の頻度が高い人ほど、面談で評価の話をしている人の割合は低くなっています。
- 50.8%
- 1万人調査
- 上司と週1回以上面談し、人事評価の話もしている人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- 同じく週1回以上面談していて、評価の話をしていない人では39.7%でした。同じ頻度で面談している人どうしで比べると、評価の話をしている人のほうが、面談が成果につながっていると感じている人の割合が高くなっています。
- 13.4%
- 1万人調査
- 面談が行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた人のうち、行動につながらない理由(5つまで選択)に「今動く必要性を感じていない(緊急度が低い)」を挙げた人の割合
- 面談がその後の行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた6,074人に尋ねた結果です。「行動するために必要な情報が揃っていない」は15.9%、「時間やコストの制約で動けない」は15.4%でした。挙げられた理由は、いくつかに分かれています。
3つの数字は、いずれも上司との定期的な面談について尋ねたものです。部下が注意された場面や叱られた場面に限った数字ではなく、仕事の基準が部下に伝わっているかどうかを尋ねたものでもありません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
部下を叱るか注意するかは、 基準を事前に伝えてあったかで決める
部下に注意するか叱るかは、仕事の基準を事前に伝えてあったかどうかで決めることをおすすめします。基準をまだ伝えていなかった場合は、気づいたその場で短く注意します。伝えてあった基準や、二人で決めた約束が守られなかったときは、時間を取って叱ります。
基準を知らされていないと、部下は強い口調で言われても、何と比べて足りないのかがわかりません。伝わるのは、上司が怒っているということだけになりがちです。一方、基準が先に共有されていれば、叱る場面は、基準と起きた出来事を二人で照らし合わせる話し合いにしやすくなります。
KAKEAIの1万人調査では、上司と週1回以上面談している人でも、面談で人事評価の話をしている人は25.8%でした。半年〜1年に1回の人では67.6%です。面談の頻度が高い人ほど、評価の話をしている人の割合は低くなっています。
仕事の基準は、上司が「言わなくてもわかっているはず」と思ったまま、言葉にしていないことがあります。普段のやり取りの中で伝わっている基準もあるので、叱る前に、今回の基準を伝えてあったかどうかを思い返してみてください。
取引先に納期を回答する仕事を例に、場面ごとの対応を整理します。
| 場面 | 対応 | 時間と場所の目安 |
|---|---|---|
| 基準を | 注意する。 | 気づいた |
| 伝えてあった | 注意する。 | 気づいた |
| 伝えてあった | 叱る。 | その日のうちに、 |
初めて起きたことでも、取引先に影響が出た場合は、時間を取って話します。その場合も、責めるのではなく、基準を伝えることを目的にしてください。
部下に注意するときは、 その場で出来事・基準・直し方を伝える
部下への注意は、気づいたその場で行い、1分ほどで終えます。伝えるのは、起きた出来事、基準、直し方の3つです。次の面談まで持ち越さないほうがよいでしょう。日がたつと、そのときの状況を部下自身も思い出しにくくなるからです。
1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データには、部下が1on1の前に選んだ、話したいテーマと上司に期待することが記録されています。「業務の進捗や進め方」のテーマのうち、「具体的なアドバイスがほしい」が選ばれていた割合は13.2%で、「話を聞いてほしい」は7.5%でした。仕事の進め方の話では、話を聞いてもらうことより、具体的なアドバイスのほうが多く選ばれています。
注意するときは、どこをどう直すのかまで具体的に伝えるとよいでしょう。
基準をまだ伝えていなかったときの注意
- 納期の回答のことで、1つお願いがあります。C社に回答した納期が、受注の表に入っていませんでした。
- 回答した納期は、その日のうちに表に入力することにしているんです。これは、私が先に伝えていませんでした。申し訳ありません。
- 今日の分から、電話を終えたらすぐに入力してもらえますか。
伝えていなかった基準を理由に叱ることはできません。上司が「私が先に伝えていませんでした」と認めれば、基準を伝えたのは今日が最初だと、二人の間ではっきりします。
伝えてあった基準から少し外れたときの注意
その場で直せる程度のことは、一言で済ませます。理由まで尋ねなくてもかまいません。
- B社の行は、納期の欄がまだ空いているようです。今日中に入力をお願いできますか。
周りに人がいるときの注意
数字や日付の誤りは、席で伝えてかまいません。一方、仕事の進め方についての注意は、席を離れてから伝えます。
- 納期の回答のことで、向こうで1分ほど話せますか。
部下を叱るときは、 時間を取り、 基準と出来事を一緒に確認する
部下を叱るときは、その日のうちに時間を取り、伝えてあった基準と起きた出来事を、部下と一緒に確認します。話題にするのは、部下その人のことではなく、基準と出来事です。取り上げる出来事は1回に1つ、時間は15分以内にしましょう。A社に守れない納期を回答してしまった例で、進め方を示します。順番は、相手や場面に合わせて入れ替えてかまいません。
1. 時間と場所を決める
何の話かを先に伝え、周りに聞こえない場所を選びます。
- A社の納期のことで、話したいことがあります。16時から15分ほど、奥の打ち合わせ席で時間をもらえますか。
2. 基準から話を始める
決めたときのメモがあれば、一緒に見ながら話すとよいでしょう。
- 先月の10日に、納期は製造の担当に確認してから回答しようと、二人で決めました。そのときのメモを、一緒に見てもらえますか。
3. 起きた出来事を伝える
いつの、どの仕事で、何が起きたのかを伝えます。「雑だ」「いい加減だ」のような、人柄を評する言葉は使いません。
- 昨日、A社に「来週の金曜に届きます」と回答していました。製造の担当への確認は、まだだったようです。
- 製造に聞いたところ、最短でも再来週の水曜になるそうです。A社は、来週の金曜に届く前提で準備を進めています。
4. 上司から事情を尋ねる
事情は、部下が話し出すのを待たずに、上司から尋ねてみてください。叱られている場面では、部下は自分から言い出しにくいことがあるからです。上司の側に不備があれば、上司がそれを改めます。ただし、基準そのものは下げません。
- 確認より先に回答したのには、何か事情があったのだと思います。私の知らないことがあれば、教えてください。
- 話してくれてありがとうございます。製造の担当がつかまらないときの対応を決めていなかったのは、私の落ち度です。そのときは、「確認して、今日中に折り返します」と答えてもらえますか。
- そのうえで、確認の前に日付を回答することは、次からは避けてほしいんです。
KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごと(複数回答)として、「話したいこと、話すべきことを切り出せない」を挙げた人が9.7%いました。「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人は9.3%です。
同じ調査では、面談がその後の行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた6,074人に、その理由を5つまで選んでもらいました。「行動するために必要な情報が揃っていない」が15.9%、「時間やコストの制約で動けない」が15.4%、「今動く必要性を感じていない(緊急度が低い)」が13.4%です。挙げられた理由は、いくつかに分かれています。
部下が動けない理由が情報や時間の不足なら、口調を強めても事情は変わりません。直す必要があることは基準と出来事で伝え、事情は部下に尋ねるとよいでしょう。
5. 次にすることと、二人で振り返る日を決める
- A社には、今日中に私と一緒に電話でお詫びをして、納期をお伝えし直しましょう。
- 今月の残りの回答で困ったときは、いつでも声をかけてください。月末に、表を見ながら二人で振り返りましょう。
叱る場面で持ち出す基準は、 普段の面談で先に伝えておく
叱る場面で持ち出す基準は、評価で大事にしていることとして、普段の面談や仕事の話の中で先に伝えておきましょう。
- 今期、納期の回答の仕事で特に大事にしたいと考えていることが2つあります。製造の担当に確認してから回答することと、回答したその日のうちに受注の表に入力することです。どう思いますか。
- 先週の回答は、どれも確認のうえで、その日のうちに表に入っていました。助かっています。
1万人調査で、上司と週1回以上面談している人どうしを比べると、人事評価の話をしている人の50.8%が、面談が成果につながっていると感じていました。評価の話をしていない人の39.7%を上回っています。
KAKEAIは、普段の面談で評価の話をしてよい、むしろすべきだと考えています。具体的な基準をもとに、上司と部下が同じものを見ながら話せるからです。
やってはいけない部下の叱り方と、 パワーハラスメントの確認先
このページでは、次の7つの叱り方をおすすめしません。部下が次に何をすればよいのかわからないまま終わりやすいものと、よく聞く助言のうち採らないものです。強く言いすぎることだけでなく、言うべきことを言わずに済ませることも含まれます。パワーハラスメントに当たるかどうかは、この7つとは別に、就業規則を読んで人事の担当者に確認してください。
- 人柄を評する言葉を使うこと。「だらしない」「やる気がない」と言われても、部下には何を直せばよいのかがわかりません。
- 周りに人がいる場所で叱ること。同僚に聞こえる場所では、部下は事情を話しにくくなりがちです。席や、全員が参加しているチャットも同じです。
- 長い時間をかけて叱ること。基準・出来事・事情・次にすることの4つは、15分あれば話せます。15分を過ぎたら、同じ話を繰り返していないかを振り返り、続きは日を改めましょう。
- ためておいて、まとめて叱ること。忙しい日ほど小さなずれを見送りたくなりますが、見送ると、基準を伝えないまま日がたちます。3つまとめて指摘されると、部下はどれから直せばよいのか迷いがちです。
- 評価の結果や処分を、決まったことのように言うこと。「評価に響く」「次は処分だ」といったことは、上司の一存では決まりません。処分に関わることは、就業規則を読み、人事の担当者に確認します。上司が言えるのは、これから自分が何に注目していくかまでです。
- 質問で本人に気づかせると決めておくこと。基準と出来事を伝えないまま「何が悪かったと思いますか」と尋ね、部下が上司の答えを探すことになる叱り方です。質問で本人に気づかせると決めておくことを、KAKEAIはおすすめしません。部下が上司に期待することは、人によっても回によっても異なるからです。叱る場面では、まず上司から基準と出来事を伝えてみてください。
- 信頼関係ができるまで、叱るのを待つこと。上司と部下の関係には段階があり、段階によって合う関わり方は変わります。まだ身構えている段階と、困りごとをためずに言える段階とでは、同じ一言の届き方が違います。それでも、関係ができるまで伝えずに待つことを、KAKEAIはおすすめしません。関係は、仕事の話を前に進める中でできると考えているからです。相手がまだ身構えているようなら、注意は短くまとめ、改善されていたら、その日のうちにそう伝えるとよいでしょう。
どこからがパワーハラスメントに当たるのかは、上司が一人で判断しないでください。就業規則を読み、人事の担当者に確認してください。自分の言い方に迷いが残るときは、会社の相談窓口も利用できます。そのうえで、上司が自分で決められることが3つあります。部下その人のことではなく基準と出来事を話すこと、周りに聞こえない場所で話すこと、15分以内で終えることです。この3つは面談での話し方についてのおすすめであり、パワーハラスメントに当たるかどうかの線引きではありません。
部下に注意したあと、 叱ったあとは、 次の同じ仕事で振り返る
注意や叱る話のあとに「すみません」「わかりました」と返事があっても、上司の伝え方が十分だったとは限りません。次に同じ仕事をしたあとで、3つの点から二人のやり取りを振り返ってみてください。
- 話の終わりに、次にすることは、部下自身の言葉になっていたでしょうか。
- 注意したあとの最初の納期の回答を一緒に見て、改善されていたことを伝えられましたか。
- 叱ったあと、二人で決めた日に、部下が言い出すのを待たずに上司のほうから声をかけたでしょうか。
- 次の回答から、どう進めるのがよさそうですか。
- C社の納期、その日のうちに表に入っていましたね。助かります。
- 今月の回答を、表を見ながら一緒に振り返りませんか。製造への確認でやりにくかったところがあれば、教えてください。
KAKEAIの1万人調査では、面談がその後の行動につながっているかという質問に、「半分くらいの回でそうなっている」と答えた人が最も多く、40.9%でした。「毎回そうなっている」は9.4%です。
叱った翌日以降も、仕事の話は避けないでください。雑談や食事で埋め合わせをしても、叱られたことに区切りがついたかどうかは伝わりにくいものです。次の納期の回答を表で一緒に見て、改善されていたら、そう伝えましょう。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
注意することや叱ることをどう切り出すかに迷うときや、伝えた基準と二人で決めたことをあとから見返したいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の前
伝えたいことの
切り出し方や ポイントアドバイス 部下に切り出したいことを「メンバーに伝えたいこと」の欄に入力して保存すると、「1on1前のAIアドバイス」が、その内容を踏まえて書き直されます。入力した内容は、部下の画面には表示されません。
1on1の実施中
自分用のメモ
ご自身だけが見られる「自分用のメモ」を残せます。お相手にも、システム管理者にも表示されません。
日常
要約や
次の 一歩の 一元管理 1on1ごとの要約は「予定・履歴」の画面に、決めた次の一歩は「MOVE」の画面に、お相手ごとにまとまります。あとから見返せます。
1on1ツールの導入や見直しを検討している方は、Kakeai AI 1on1 の資料をご覧ください。
ご利用企業 累計600社以上/
よくある質問
部下を叱ることと、 部下に注意することは、 何が違いますか。
部下への注意は、気づいたその場で、起きた出来事・基準・直し方を短く伝えることです。部下を叱ることは、事前に伝えてあった基準や約束が守られなかったときに時間を取り、基準と出来事を一緒に確認しながら話すことです。このページでは、言葉の強さではなく、基準を事前に伝えてあったかどうかで2つを分けています。叱責や指導と呼ばれる場面も、同じ考え方で整理できます。
部下を叱ると、 パワハラと言われないか心配です。 上司は何に気をつければよいですか。
部下への叱り方がパワーハラスメントに当たるかどうかは、上司が一人で判断せず、就業規則を読み、人事の担当者に確認してください。会社の相談窓口も利用できます。上司が自分で決められるのは、部下その人のことではなく基準と出来事を話すこと、周りに聞こえない場所で話すこと、15分以内で終えることの3つです。この3つは、パワーハラスメントに当たるかどうかの線引きではありません。
部下を叱ったあと、 上司はどうフォローすればよいですか。
部下を叱ったあとのフォローは、雑談や食事ではなく、次の同じ仕事の中で行うことをおすすめします。二人で決めた日に上司から声をかけ、その後の仕事を一緒に振り返ります。改善されていたら、「今月の回答は、どれも製造の担当に確認してからでしたね。助かります」のように、その場で伝えましょう。叱られたことに区切りがついたと、仕事の話の中で部下に伝わりやすくなります。
部下を感情的に叱ってしまいそうなとき、 上司はどうすればよいですか。
部下を感情的に叱ってしまいそうなときは、その場では、誤っている数字や日付などの事実の訂正だけを一言で伝えてください。叱るのはその場ではなく、「16時から15分ほど時間をもらえますか」と時間を決めて、その日のうちにします。その時間までに、落ち着いて話せるよう、伝えてあった基準と起きた出来事を紙に1行ずつ書き出しておくとよいでしょう。
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出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/scolding-and-cautioning-subordinates
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: