上司の方へ部下との関わり
部下育成の取り組み例と成功事例
先に答え
部下育成の取り組み例として、新しい制度を増やすより、今任せている仕事1つの中で4つのことを1か月続けることをおすすめします。任せる範囲と確認の日を二人で決める・上司の考えを具体的に伝える・次に取り組むことを本人の言葉で決める・上司がすることも決める、の4つです。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が成長につながっていると感じる人は、面談が毎回またはほぼ毎回その後の行動につながっている人で51.7%でした。面談についての数字ですが、育成の取り組みでも、話したことが部下の次の行動になっているかを見ることをおすすめします。このページには、会社名のついた事例は載せていません。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談が成長につながっていると感じる人は、面談で話したことが行動になっている人と、自分の理由で面談をしている人で高くなっていました。面談についての数字ですが、育成の取り組みでも制度の種類や数より、話したことが本人の行動になっているかと本人に自分の理由があるかを見ることをおすすめします。
- 51.7%
- 1万人調査
- 上司との面談が毎回またはほぼ毎回、その後の行動につながっている人のうち、面談が成長につながっていると感じる人の割合
- 半分くらいの回でつながっている人では12.8%、ほぼ、または全くつながっていない人では5.7%でした。回答者全体では26.7%です。面談で話したことが本人の行動になっている人ほど、成長の実感が高くなっています。
- 34.7%
- 1万人調査
- 自分の仕事・成長・コンディションのために面談をしている人のうち、面談が成長につながっていると感じる人の割合
- 面談の一番の理由が、自分の仕事・成長・コンディションのいずれかの人の数字です。会社や上司から言われているため、または周りがしているからなんとなく、という人では9.1%でした。自分の理由で面談をしている人のほうが、成長の実感が高くなっています。
この調査は、会社や上司がどのような育成の取り組みをしているかは尋ねていません。数字は、上司との定期的な面談について、本人が答えた実感です。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
部下育成の成功事例は、 そのまま写せない
部下育成の成功事例を探している方に、先にお伝えしておきます。このページには、会社名のついた事例や、特定の上司と部下の話は載せていません。他社の事例は、その会社の仕事の中身や部下の経験、上司と部下の関係の段階があって成り立っています。そのまま別の職場に持ってきても、同じ形にはなりにくいと考えられます。
その代わり、このページでは、どの職場でも日常の仕事の中でできる4つの取り組みと、それがうまくいっているかを何で見るかを書きます。成功事例は、他社から探すより、自分の職場で作るほうが近道だと考えられます。一緒に仕事をしている部下1人と、今任せている仕事1つで1か月続けてみると、その実例が手元に残ります。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が成長につながっていると感じる人は、回答者全体の26.7%でした。面談がその後の行動に毎回またはほぼ毎回つながっている人では51.7%、半分くらいの回でつながっている人では12.8%、ほぼ、または全くつながっていない人では5.7%です。面談で話したことが本人の行動になっている人ほど、成長の実感が高いということです。
面談についての数字ですが、育成の取り組みにどんな名前がついていても、話したことが本人の行動になっているかを見ることが要点だと考えられます。
部下育成の取り組み例: 日常の仕事の中でできる4つ
部下育成の取り組みは、制度を新しく作らなくても始められます。今任せている仕事の中で、次の4つを続けることが、取り組みそのものになります。
| 取り組み | 何をするか | いつ |
|---|---|---|
| 任せる | 任せる | 仕事を |
| 上司の | 感想ではなく、 | 成果物を |
| 次に取り組むことを | 上司が | 面談の終わり |
| 上司がすることも決める | 本人の | 面談の終わり |
4つのうち、最後の「上司がすることも決める」は、育成を部下が変わることだと考えていると抜けてしまいます。面談のあとの行動は、上司の側にも必要です。
取り組み例を、1つの仕事で通して見る: データ分析のレポートを任せる1か月
4つの取り組みを、1つの仕事で通して見ます。ここでは、自社の販売データを分析して営業部に向けたレポートを作る仕事を、これまで作っていた上司から部下に任せる場面を例にします。
1週目:任せる範囲と確認の日を二人で決める
- 来月から、営業部向けの販売データのレポートを○○さんにお願いしたいと考えています。まず、今の作り方で分かりにくいところがあれば、教えてください。
- 分析の切り口と見せ方は、○○さんが決めてください。営業部に出す前の確認だけ、私が入ります。
- 進み具合を、来週の水曜に15分だけ一緒に見ませんか。止まっているところがあれば、そこで一緒に手を打ちたいです。
- 営業部から急ぎの依頼が来たら、私に回してください。レポートの時間が削られないようにしたいので。
2週目:上司の考えを具体的に伝える
途中の成果物を見たら、感想ではなく、よい点と気になる点を、理由と一緒に伝えます。本人の考えを先に聞いてから伝えると、上司の気づかなかった点が見つかることもあります。
- 私の意見を言う前に、○○さんが一番工夫したところを教えてもらえますか。
- 地域ごとの比較を最初に置いたのは、営業部の人が自分の担当を探しやすいので、いいと思います。気になったのは、数字の定義が書かれていない点です。営業部では「売上」に返品を含めるかどうかで、読み方が変わるからです。
- 直し方は、○○さんに任せます。どう直すかを決めたら、教えてください。
- 私の指摘が的を外していたら、そう言ってもらって大丈夫です。営業部の人の読み方は、○○さんのほうが近くで見ているかもしれません。
3週目:次に取り組むことを本人の言葉で決める
面談の終わりは、上司がまとめず、本人が次にすることを自分の言葉で話す時間にします。本人が言葉にすることで、二人の認識のずれに、その場で気づきやすくなります。
- 残り5分になりました。次の水曜までに、何から始めてみましょうか。
- 営業部に出す前に私が確認するのは、数字の定義の欄だけにします。ほかは○○さんの判断で進めてください。
- 私のほうは、営業部長に作り手が変わることを伝えておきます。それ以外に、私が動いたほうが早いことはありますか。
4週目:上司がすることも決め、 結果を二人で見る
上司が引き受けたことは、何をいつまでにするかを本人に伝え、次の回の最初に報告します。
- 営業部長には、来月からレポートの作り手が○○さんに変わることを、私から金曜までに話します。質問は○○さんに直接してもらえるよう、営業部長にお願いしておきます。
- 先週お話しした営業部長への連絡は、終わりました。質問が来たら、○○さんに直接届くようになっています。
- 1か月やってみて、○○さんから見て、やりやすかったことと、やりにくかったことを1つずつ教えてください。来月の進め方を、一緒に直したいです。
- 私の確認の入れ方で、やりにくかったところはありませんでしたか。来月は、確認を減らせるところを減らしたいと考えています。
部下育成の取り組みで見るのは、 本人の行動と、 本人に自分の理由があるか
育成の取り組みがうまくいっているかは、制度を使った回数や研修の受講数ではなく、面談で話したことが本人の行動になっているかと、本人に自分の理由があるかで見ることをおすすめします。
KAKEAIの1万人調査では、面談をしている一番の理由を尋ねています。「自分の仕事を進めるため」「成長のため」「コンディションやモチベーションを維持・向上させるため」のいずれかを選んだ人のうち、面談が成長につながっていると感じる人は34.7%でした。会社・組織・上司から言われているため、または周りが実施しているからなんとなく、という人では9.1%です。自分の理由で面談をしている人のほうが、成長を実感している割合が高いということです。
面談についての数字ですが、育成の取り組みも、本人に自分の理由があるかどうかで受け止め方が変わると考えられます。取り組みを始めるときは、本人がこの仕事で何をできるようになりたいかを先に聞き、上司も何のための時間だと考えているかを自分の言葉で伝えるとよいでしょう。
- このレポートの仕事を任せたいのは、○○さんが数字をもとに営業部と話せるようになると、来期の企画にも関われると考えているからです。○○さん自身は、この仕事で何をできるようになりたいですか。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、仕事は成果としてクリアしなければならないものであると同時に、成長の具体的な材料でもあると考えています。育成の取り組みを、仕事と別の場所に作らなくてもよいということです。
部下育成の取り組みで、 避けたいこと
避けたいのは、制度や施策を増やすことで、育成が進んでいると考えることです。
- 他社の成功事例を、そのまま導入する。事例は、その職場の仕事と関係の段階の上に成り立っています。参考にするなら、制度の形ではなく、上司と部下の間で何をしていたかを見るとよいでしょう。
- 研修を受けてもらえば育つと考える。研修で聞いたことが仕事の行動に変わったかどうかは、職場に戻ってからの面談と仕事の中で、はじめて分かります。
- 上司は見守るだけにする。任せる範囲を決め、考えを伝え、上司のすることを決めるのは、どれも上司の行動です。見守るだけでは、4つの取り組みのうち3つが抜けます。
- 逆に、細かく指示して、本人が決める範囲をなくす。任せる範囲がないと、本人が自分で判断する場面がありません。
- うまくいったかどうかを、制度の実施率や研修の回数で判断する。見るのは、本人の行動と、二人の時間の変化です。
育成の取り組みがうまくいったかを、 どこで見るか
育成の取り組みがうまくいったかは、部下を採点するのではなく、二人の時間がどう変わったかで振り返ります。1か月の終わりに、次の点を自分に問いかけてみてください。
- 面談の終わりに、次に取り組むことが、本人自身の言葉になっていたでしょうか。
- 上司が引き受けたことを、約束した日までにして、次の回の最初に伝えられたでしょうか。
- 本人の成果物を見たとき、感想ではなく、よい点と気になる点を理由と一緒に伝えられたでしょうか。
- 1か月前と比べて、二人の間の相談や提案のやり取りは、どう変わったでしょうか。
この4つのうち、気になる点が1つでもあれば、次の1か月は、その1つだけを変えてみてください。取り組みを増やすより、1つを続けるほうが、成功事例と呼べるものに近づきやすいでしょう。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
部下の育成を計画しても、日々の仕事の中で何に挑戦し、どこまで進んだのかが二人の間で見えなくなるときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
任せた仕事を話す1on1の実施中に、話題の提案で。
新しく任せた仕事の範囲と期限を、 1on1が終わる前に二人で決めておけます。
右の列の下の球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)か、下のバーの「サイコロをふる」をクリックすると、Kakeai AI が、その回の会話とこれまでの1on1を踏まえて話題を1つ提案します。まだ決まっていない話があると、いつまでに何をするかを二人で決める提案になることがあります。お二人の画面に同じものが表示されます。
残り5分ほどです。今日話した「市場規模の試算」の件がまだ決まっていません。いつまでにどこまで仕上げるかを、お二人でここで一つ確かめておきませんか。
次の1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
前回の1on1のあとに勧められた関わり方を、 次の1on1で続けて試せます。
前回のふりかえりで勧められた一言があると、今回の1on1のどこで使うとよいかと一緒に書かれます。ご自身向けの内容で、部下には部下向けの別の内容が表示されます。
前回(6月9日)のふりかえりでお伝えした「対象国、4か国で進めてもらって大丈夫だった?」という確認を、今日の冒頭に一言入れてみてください。
育成の振り返りや評価の前に、「概要」の画面で。
評価コメントを書く前に、 部下がどの仕事で何に取り組んできたかを、 二人の記録で見返せます。
「概要」の画面のダイジェストは、この半年の二人の1on1を、Kakeai AI がこれまでの流れ、いま途中になっている話とそれが誰の手元にあるか、決まった次の一歩とその実行の順に文章にしたものです。仕事の広がりのような変わり目が、日付と一緒に書かれることもあります。お二人に同じものが表示されます。
6月25日の2回目では、藤本さんが比較表を持ち寄り内容を確認しました。…比較表を作る仕事が、売り方を考える仕事へと踏み込んだ回でした。
1on1の実態を1万人のデータで見たい方は、無料のレポートをお受け取りください。
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この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)
- 1万人のデータで見る、1on1の頻度・時間・場所・話題の実態
- 成果・成長の実感を左右するもの(実施理由・上司への期待・困りごと・行動への接続)
- 明日の1on1からできること(前・最中・直後・日常の4つの場面と、具体的な声のかけ方)
画面を見ながら説明を聞きたい方は、30分のオンライン説明をご予約いただけます。
よくある質問
部下育成の具体的な取り組み例を教えてください。
部下育成の具体的な取り組みとして、今の仕事の中でできるのは4つです。1つ目は、本人が決めてよい範囲と確認の日を二人で決めること。2つ目は、成果物を見たときに感想ではなく、よい点と気になる点を理由と一緒に伝えること。3つ目は、面談の終わりに次に取り組むことを本人の言葉で決めること。4つ目は、上司がすることも決めて次の回の最初に報告することです。新しい制度を作らなくても、この4つを1か月続けることが取り組みです。
部下育成の成功事例には、 どんな共通点がありますか。
部下育成の成功事例の共通点について、KAKEAIが調査で確かめた数字はありません。このページでおすすめしているのは、今任せている仕事の中で4つのことを1か月続けることです。任せる範囲と確認の日を二人で決める・上司の考えを具体的に伝える・次に取り組むことを本人の言葉で決める・上司がすることも決める、の4つです。うまくいったかどうかは、話したことが本人の行動になっているかで見るとよいでしょう。
部下育成の取り組みを、 何から始めればよいですか。
部下育成の取り組みは、今任せている仕事1つを選び、本人が決めてよい範囲と確認の日を二人で決めることから始めるのがおすすめです。始めるときに、本人がその仕事で何をできるようになりたいかを先に聞き、上司も何のための時間かを自分の言葉で伝えます。面談についての数字ですが、KAKEAIの1万人調査では、自分の理由で面談をしている人のほうが言われているためという人より成長の実感が高くなっています。
部下育成の取り組みがうまくいっているかは、 どう判断すればよいですか。
部下育成の取り組みがうまくいっているかは、制度の実施率や研修の回数ではなく、二人の時間の変化で判断してください。見る点は3つあります。面談で話したことが本人の次の行動になっているでしょうか。上司が引き受けたことを、約束した日までにできたでしょうか。1か月前と比べて、二人の間の相談や提案のやり取りは、どう変わったでしょうか。部下を採点する項目ではなく、二人の時間を振り返る問いとして使うとよいでしょう。
部下育成に、研修やメンター制度は必要ですか。
部下育成に研修やメンター制度が必要かどうかは、職場によって異なります。ただし、研修で聞いたことが仕事の行動に変わったかどうかは、職場に戻ってからの面談と仕事の中ではじめて分かります。制度を入れる場合も、直属の上司が任せる範囲を決め、考えを伝え、次に取り組むことを本人の言葉で決める時間を持つことは変わりません。制度は、その時間の代わりではなく、助けとして選ぶとよいでしょう。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/subordinate-development-practices-and-what-works
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: