すべての方へ部下との関わり
上司と部下のトラブルは、 どう解決すればよいか
先に答え
上司と部下のトラブルを解決するには、どちらが正しかったかを決めるのではなく、起きた出来事を事実として整理し、次からの進め方と約束を二人で決め直してください。その場では事実を確認する言葉にとどめ、落ち着いてから二人で話す場を設け、任せる範囲と確認する範囲を決め直します。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとに約束を守らないなど上司のふるまいについてのことを挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じる人は21.1%でした。決めたことが守られるかどうかは、面談が成果につながっているという実感と関係しています。ハラスメントに当たるかもしれないときは、二人で抱えず、会社の相談窓口や人事に相談してください。
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KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談の困りごとに上司のふるまいに関わるもの(約束を守らないなど)を挙げた人は、面談の成果を実感している割合が低くなっています。時間に関わる困りごとを挙げた人と比べた結果です。また、本音を言えずにいる人は5人に1人を超えています。面談についての数字ですが、トラブルの解決でも、時間を増やすことより、決めたことを二人で残して守ることと、部下の側で言えずにいることがないかを気にかけることが要点になると考えられます。
- 27.3%
- 1万人調査
- 面談の困りごと(複数回答)に、上司のふるまいについての5つのどれかを挙げた人の割合
- この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じる人は21.1%でした。時間についての困りごとを挙げた人(39.6%)では41.7%、回答者全体では31.9%です。時間の困りごとを挙げた人より、約束や前の会話についての困りごとを挙げた人のほうが、面談の成果を実感している割合が低くなっています。
- 21.8%
- 1万人調査
- 面談の困りごと(複数回答)に、本音を言えないことに関わる3つのどれかを挙げた人の割合
- 「切り出せない」「評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」「信頼関係がなく安心して話せない」のどれかを選んだ人です。上司と話す場があっても、言いたいことを言えずにいる人が5人に1人を超えています。
この調査は、上司と部下のトラブルそのものや、その原因を尋ねたものではありません。数字は、上司との定期的な面談についての困りごとと、面談の成果の実感を集計したものです。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
上司と部下のトラブルは、 出来事と人柄を分け、 次の進め方を決め直して解決する
上司と部下のトラブルを解決するとは、どちらが正しかったかを決めることでも、関係を元に戻すことでもありません。起きた出来事を、誰が何をいつ決めたかという事実として整理し、次に同じことが起きないように進め方と約束を決め直すことです。このページは、上司の立場でも部下の立場でも読めるように、場面ごとに両方の側からの言い方を書きます。
トラブルの多くは、どちらかの人柄の問題として語られます。「部下が勝手に進めた」「上司が言うことを変える」という言い方がそれです。けれども、人柄は話し合いで変えられません。変えられるのは、誰が何をいつまでに決めるのか、決めたことをどう残すのか、という進め方のほうです。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談の困りごと(複数回答)として、上司のふるまいについての5つのどれかを挙げた人が27.3%いました。5つとは、対応が期待するものと違う・以前の会話を覚えていない・約束を守らない・実施に前向きではない・話が役に立たない、です。その人たちのうち、面談が成果につながっていると感じる人は21.1%です。一方、時間についての2つ(自分の時間の確保・上司の時間確保や日程調整)のどれかを挙げた人は39.6%いて、その人たちでは41.7%でした。回答者全体では31.9%です。つまり、上司と話す時間が取れないことより、約束が守られない・前の話を上司が覚えていないといった困りごとを挙げた人のほうが、面談が成果につながっていると感じる割合が低くなっています。
面談についての数字ですが、上司と部下のトラブルも、時間が足りないことより、決めたことや前に話したことが二人の間で食い違うところから起きていると考えられます。そのため、解決の中心は、謝る言葉や仲直りの雑談ではなく、何を決めたかを二人で残し、言った通りにすることになります。
トラブルを解決する前に、起きていることがどの種類かを分けます。種類によって、二人で解決できることと、第三者に相談したほうがよいことが違います。
| トラブルの種類 | 例 | 二人で解決できるか・相談先 |
|---|---|---|
| 仕事の | 指示と | 二人で |
| 言い方や態度 | きつい | 二人で |
| 評価や | 評価の | 理由の |
| ハラスメントに | 人柄を | 二人だけで |
4つ目については、ハラスメントに当たるかどうかを二人で判断せず、当たるかもしれないと感じた時点で、上司の側も部下の側も、会社の相談窓口や人事の担当に相談します。記録を残すときも、会社の決まりに沿います。
その場で言い合いになったとき: どちらの側も、 まず事実を確認する
トラブルが起きた直後は、どちらの側も「なぜ」を問いたくなります。けれども、「なぜ勝手に発注したんですか」「なぜ指示を変えたんですか」という問いは、理由の説明ではなく言い訳を引き出すことになりがちです。その場では、何が起きたかを、1つずつ事実として確認してください。
以下では、展示会の出展準備で、部下が上司の指示と違う業者にブースの装飾を発注していた場面を例にします。部下の側は、上司が以前「予算内なら任せる」と言ったと受け止めていました。
上司の側から
- 先に、何が起きたかを確認させてください。発注はいつ、どの業者に、いくらでしたか、教えてもらえますか。
- 「予算内なら任せる」と私が言ったのは、その通りです。装飾の業者は私が決めるつもりでしたが、それを伝えていませんでした。
- 今日は、展示会に間に合わせるために、どう進めるかを決めるところまで話しましょう。
部下の側から
- 私の理解では、予算内なら業者の選定も任せていただいたと受け止めていました。違っていたら、どこから違っていたかを教えていただけますか。
- 発注の取り消しが必要なら、今日中に業者に連絡します。その判断は、お任せしてよいですか。
- 今は、展示会に間に合わせるための相談をさせてください。
その場で決めるのは、仕事を止めないための最初の一手だけです。誰が悪かったかの結論は、その場では出しません。
落ち着いてから:二人で話す場で、 出来事と次の進め方を整理する
トラブルの解決は、その場ではなく、数日のうちに設けた二人の場で進みます。定例の1on1があるなら、その回を使ってかまいません。ここで話すのは、出来事の振り返りと、次の進め方の2つです。
上司の側から
上司は、自分の側で伝えていなかったこと、変えてしまったことがあれば、先に認めます。そのうえで、次からの進め方を一緒に決めます。
- 先週の発注の話に戻らせてください。業者を私が決めるつもりだったことを伝えていなかったのは、私の落ち度でした。
- 次からは、10万円を超える発注は、発注前に二人で確認するようにしたいです。○○さんは、どう思いますか。
- 決めたことは、この場でメモに残して、二人で見られるようにしておきましょう。
部下の側から
部下は、起きたことを、相手を責めずに順に話します。そのうえで、上司に判断してほしいことと、自分の判断で進めてよい範囲を確認します。
- 先週の発注について、改めてお話しさせてください。私は予算内なら任せていただいたと思っていましたが、業者の選定は課長の判断だったと理解しました。
- 今後、私の判断で進めてよい範囲と、課長に確認する範囲を、一緒に決めていただけますか。
- 決めた内容は、私のほうでメモにして、課長にもお送りします。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の困りごと(複数回答)に、本音を言えないことに関わる3つのどれかを挙げた人が21.8%いました。3つとは、切り出せない・評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない・信頼関係がなく安心して話せない、です。つまり、上司と話す場があっても、言いたいことを言えずにいる人が5人に1人を超えています。面談についての数字ですが、トラブルでも、上司が気づく前から部下の側では引っかかりが続いていたことが考えられます。上司の側は「急に」と感じ、部下の側は「ずっと」と感じている食い違いを、どちらも頭に置いて話すとよいでしょう。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司と部下のトラブルは、上司と部下の両方が当事者として解決するものだと考えています。相手が先に変わるのを待つのではなく、自分の側から変えられる進め方を1つ出すことが、解決の始まりになります。
言い方や態度のトラブルは、 中身の話と分けて切り出す
きつい言い方をされた・人前で指摘された・返事がない、といった言い方や態度のトラブルは、仕事の中身の話に混ぜると、どちらの話も進まなくなります。中身の話を先に片づけ、言い方の話は、落ち着いてから別の機会に切り出します。
上司の側から切り出すなら、次のように言います。
- 先週、私の言い方がきつくなっていました。申し訳ありませんでした。中身については、改めて話したいです。
- 私の言い方で言いにくくなっていることがあれば、直したいので教えてください。
部下の側から切り出すなら、次のようになります。
- 先週の打ち合わせでの言い方について、お伝えしたいことがあります。皆の前で指摘を受けると、事情を説明しにくくなります。指摘は個別にいただけると助かります。
- 内容については納得しています。言い方のことだけ、お伝えしておきたかったです。
言い方の話を切り出すことは、部下の側には勇気のいることです。上司の側は、言われたときに理由を聞き返す前に、まず受け止めます。
- 言ってくれて、ありがとうございます。気づいていませんでした。
二人で解決できないとき: 上司の上司、 人事、相談窓口に相談する線引き
二人で話しても進め方が決まらないとき、同じトラブルが繰り返されるとき、評価や処分に関わるときは、二人だけで抱えないでください。ハラスメントに当たるかもしれないと感じるときも同じです。上司の側は自分の上司や人事に、部下の側は上司の上司や会社の相談窓口に相談します。
相談するときは、出来事を日付と一緒に、事実として伝えます。相手の人柄についての言葉は入れません。
- 先月から3回、発注の進め方で食い違いがあり、二人で話しても決まりませんでした。進め方の決め方について、ご相談したいです。
第三者に相談することは、相手を訴えることではなく、進め方を決めるために人を増やすことです。上司の側も部下の側も、相談したことを隠す必要はありません。
上司と部下のトラブルで、 避けたいこと
- その場で、誰が悪かったかを決めようとする。事実がそろう前の結論は、あとで覆り、もう一度トラブルになります。
- 言い方の話と中身の話を、一度にする。どちらの話も中途半端に終わります。
- 関係を直してから仕事の話に戻る、という順番で考える。KAKEAIは、この順番をおすすめしません。関係は、仕事の進め方を決め直して、決めた通りに動く中で戻っていくからです。
- 決めたことを、口約束のままにする。次に食い違ったとき、何を決めたかで再びもめます。二人で見られる形で残します。
- 相手が先に変わるのを待つ。上司も部下も、自分の側から変えられる進め方があります。
- ハラスメントかどうかを、二人の間で決めようとする。当たるかもしれないと感じた時点で、相談窓口や人事に相談します。
トラブルが解決したかを、 どこで見るか
トラブルが解決したかどうかは、謝り合えたかや、雰囲気が戻ったかではなく、そのあとの仕事の進め方で見ます。1か月ほどたったところで、次の点を振り返ってみてください。
決め直した進め方(発注前の確認、任せる範囲)が、実際に守られているでしょうか。守られているなら、トラブルは進め方の問題として解決しています。守られていないなら、決めた内容が、どちらかにとって無理のあるものだったのかもしれません。もう一度二人で見直します。
もう1つは、相手から相談や確認の言葉が来ているかどうかです。部下から「この業者で進めてよいですか」、上司から「あの発注、どこまで進みましたか」といった短い確認が戻ってきていれば、二人のやり取りは続いています。確認が消えて静かになったときは、解決したのではなく、話さなくなっただけかもしれません。その場合は、次の1on1で、上司の側から進め方の話を一度切り出してみるとよいでしょう。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
上司と部下の話がすれ違ったり、一度崩れた信頼関係を立て直したりしたいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
行き違いを話した1on1の後に、「1on1のAI要約」で。
すれ違いの原因を片方だけに置かず、 二人がそれぞれ認めたことを同じ記録として残せます。
Kakeai AI が、二人が話したことを、どちらが何を述べ、何を認めたかという形で要約にします。評価や採点の言葉ではなく、事実の言葉で書くように作られています。
入社5ヶ月を経て、長谷部さんが社内の意思決定の手順(関係者への根回し)に最初戸惑ったことを振り返りました。3月の件については柳瀬さんも説明不足を認めています。
1on1の終了後に、「1on1後のAIアドバイス」で。
関係の立て直しを上司だけ、 部下だけの努力にせず、 二人がそれぞれ次の1on1で試すことを持てます。
上司と部下のそれぞれに、その回のご自身の発言を踏まえた「今回よかった点」と「次の1on1や日常へ向けて」が書かれ、それぞれ本人にだけ表示されます。部下の側にも、次の1on1で自分から一言添えてみる、といった案が書かれることがあります。
次回、西村さんのレポートを見せてもらう場面で、「社内の評価の場面だと緊張の種類が違うので、レポートを書きながら少し慣らしていきたいです」と一言添えてみませんか。自分の言葉で伝えておくと、西村さんも見せ方を考えやすくなります。
次の1on1の前に、「概要」の画面で。
どちらが動く番になっている話なのかを、 二人が同じ文章で確かめられます。
「概要」の画面のダイジェストには、いま途中になっている話と、それが誰の確認待ちになっているかが書かれます。お二人に同じものが表示されます。
石田さんの返答が出るまで長谷部さんは仕様書側を動かさない方針で、現在は柳瀬さんの確認待ちの状態です。
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この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
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よくある質問
上司と部下のトラブルは、 どちらが折れるべきですか。
上司と部下のトラブルは、どちらが折れるかで解決するものではありません。起きた出来事を事実として整理し、次からの進め方と約束を二人で決め直すことで解決します。上司は、伝えていなかったことや変えてしまったことがあれば先に認め、部下は、起きたことを、相手を責めずに順に話します。上司と部下の両方が当事者なので、相手が先に変わるのを待たず、自分の側から変えられる進め方を1つ出してください。
上司とトラブルになったとき、 部下はどう対応すればよいですか。
上司とトラブルになったときは、その場では言い返さず、「私の理解では〜でした。違っていたら、どこから違っていたかを教えていただけますか」のように、事実を確認する言い方にしてください。落ち着いてから、1on1などの二人の場で起きたことを順に話し、自分の判断で進めてよい範囲と上司に確認する範囲を一緒に決めます。繰り返されるとき、評価や処分に関わるとき、ハラスメントに当たるかもしれないときは、上司の上司や会社の相談窓口に相談してください。
部下とトラブルになったとき、 上司はまず何をすればよいですか。
部下とトラブルになったとき、上司がまずすることは、何が起きたかの事実を二人でそろえることです。「なぜ」と理由を問う前に、いつ・誰が・何をしたかを確かめます。そのうえで、自分の側で伝えていなかったことや、途中で変えてしまった指示があれば、先に認めてください。次の進め方(確認の基準、任せる範囲)は二人で決め、二人で見られる形で残します。言い方や態度の話は、中身の話と分けて、落ち着いてから別の機会に切り出します。
上司と部下のトラブルは、 人事に相談してもよいですか。
上司と部下のトラブルは、二人で話しても進め方が決まらないときや同じことが繰り返されるとき、評価や処分に関わるときは、人事や上司の上司に相談してかまいません。相談するときは、出来事を日付と一緒に事実として伝え、相手の人柄についての言葉は入れないようにします。ハラスメントに当たるかどうかは二人の間で決めず、当たるかもしれないと感じた時点で会社の相談窓口や人事に相談してください。
トラブルのあと、 上司と部下の関係はどうやって戻せばよいですか。
トラブルのあとの関係は、仲直りの言葉や雑談で戻すより、決め直した進め方を決めた通りに実行する中で戻していくことをおすすめします。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとに約束を守らないなど上司のふるまいについてのことを挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じる人は21.1%でした。回答者全体では31.9%です。決めたことが守られるかどうかは、面談が成果につながっているという実感と関係しています。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/resolving-trouble-between-manager-and-subordinate
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: