上司の方へ部下との関わり
遅刻や寝坊を繰り返す部下への指導
先に答え
遅刻や寝坊を繰り返す部下への指導は、怒ることでも、黙って様子を見ることでもありません。1回目はその日のうちに事実を短く伝え、繰り返されたときには面談で、回数と影響・会社の決まり・本人の見方・今後の対応を順に話します。理由を問い詰めることはおすすめしません。体調や家庭の事情が関わるときは、上司が判断せず、人事の担当や産業医につないでください。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の困りごとに「話したいこと、話すべきことを切り出せない」を挙げた人は9.7%でした。面談についての数字ですが、体調や家庭に関わる遅刻の理由も、同じように切り出しにくいと考えられます。上司から、話せる範囲で教えてほしいと伝えるとよいでしょう。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談で話したいことを切り出せない人や、評価が気になって本音を話せない人が、それぞれ1割ほどいました。面談についての数字ですが、遅刻の理由のように体調や家庭に関わる話も、同じように切り出しにくいと考えられます。事実と会社の決まりを共有し、理由は話せる範囲で聞き、体調や家庭が関わるなら人事や産業医につなぐ進め方をおすすめします。
- 9.7%
- 1万人調査
- 上司との面談の困りごとに「話したいこと、話すべきことを切り出せない」を挙げた人の割合
- 20代の回答では15.0%でした。上司との面談で、話したいことを切り出せない人が1割ほどいて、20代の回答ではさらに多いということです。
- 9.3%
- 1万人調査
- 上司との面談の困りごとに「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人の割合
- 20代の回答では14.4%でした。上司との面談で、評価や見られ方が気になって本音を話せない人が1割近くいて、20代の回答ではさらに多いということです。
この調査は、遅刻や寝坊について尋ねたものではありません。数字は、上司との定期的な面談で困っていることを尋ねた結果で、このページでは、言いにくい話が切り出されにくいことを示すものとして使っています。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
遅刻や寝坊を繰り返す部下への指導は、 1回目にその日のうちに短く伝えることから始める
遅刻や寝坊を繰り返す部下への指導は、1回目の遅刻から、その日のうちに事実を短く伝えることから始めてください。1回目に何も言わないと、本人には問題にならなかったと受け取られるかもしれません。2回目、3回目と重なってから伝えると、一度に言うことが増え、本人も受け止めにくくなりがちです。
ここでは、配送センターで朝の出荷の仕分けと積み込みを担当している部下が、始業の7時に遅れることが続いている場面を例にします。遅れると、トラックの出発が待たされ、ほかの人が仕分けを代わることになります。
1回目は、責めず、事実と影響だけを言います。
- ○○さん、今朝は20分ほど遅れましたね。1便の積み込みを△△さんが代わりました。何かありましたか。
- 体調は大丈夫ですか。無理をしているなら、そこを先に教えてください。
- 遅れると分かった時点で、一言連絡をもらえると助かります。1便の段取りを変えられるので。
本人が「すみません、寝坊です」と答えたときも、その場で詳しく聞かなくてかまいません。1回目は、事実を伝えたことと、連絡の仕方を頼んだことで十分です。
遅刻の理由を聞くときの言い方: 切り出しにくい話だと考えて聞く
遅刻の理由を聞くときは、本人にとって話しにくい内容が含まれるかもしれないことを前提にしてください。寝坊の背景には、睡眠の不調や家族の世話、通院など、上司に言いにくいことがある場合もあります。職場に来ることへの気の重さが隠れていることもあります。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談で困っていることとして「話したいこと、話すべきことを切り出せない」を挙げた人は9.7%でした。20代の回答では15.0%です。また、「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人は9.3%で、20代の回答では14.4%でした。上司との面談で、言いたいことを切り出せない人、評価が気になって本音を話せない人が、それぞれ1割ほどいるということです。
面談についての数字ですが、遅刻の理由が体調や家庭に関わるものであれば、面談で話したいことを切り出すのと同じように、言いにくいと考えられます。そのため、理由を言うかどうかは本人に任せ、上司は、話せる範囲で教えてほしいと伝えるとよいでしょう。
- 理由を全部話す必要はありません。仕事のことか、仕事以外のことか、どちらに近いかだけでも教えてもらえると、私のほうで考えられることが増えます。
- 体調や家のことが関わっているなら、私に詳しく言わなくて大丈夫です。人事の担当や産業医に相談できる仕組みがあるので、希望があれば私から紹介します。
- 今の時点で、私に知っておいてほしいことはありますか。なければ、それでかまいません。
理由が「前の日に遅くまで仕事をしていて」であれば、話は仕事の量と締め切りに変わります。仕事の量と締め切りを調整するのは、上司の仕事です。
- 前日の退勤が遅くなっているなら、それは私が見ておくべきところでした。先週は何時ごろまで働いていたか、一緒に確認させてください。
遅刻が繰り返されるときの面談の進め方: 事実・影響・決まり・本人の見方・今後の対応
遅刻が繰り返されるときは、その場の注意ではなく、二人だけで話す時間を取り、順番を決めて話します。順番は、事実・影響・会社の決まり・本人の見方・今後の対応の5つです。
- 事実を、回数で伝えます。
- ○○さん、今月は朝の遅れが続いていて、今日で4回目になると思います。私の理解が違っていたら、教えてください。
- 影響を、仕事の言葉で伝えます。
- 遅れた日は1便の出発が15分ほど遅れていて、△△さんが仕分けを代わっています。○○さんを責めたいのではなく、起きていることを一緒に見ておきたいんです。
- 会社の決まりを、上司の意見ではなく決まりとして伝えます。遅刻が人事上の扱いにどうつながるかは、就業規則と人事の担当に確認してから話します。上司が自分の判断で「評価を下げる」「減給になる」とは言いません。
- 遅刻の扱いは、就業規則に決まりがあります。私の判断で何かを決めるのではなく、決まりに沿って進めることになります。私からも人事に確認して、正確なところをお伝えします。
- 本人の見方を聞きます。
- ○○さんから見て、今の状況はどう感じていますか。朝の出勤で、何が一番難しいですか。
- 私のほうで変えられることがあれば、教えてください。シフトの相談は、人事と確認したうえで一緒に考えられます。
- 今後の対応を二人で決めます。上司のすることも決めます。
- 来週から、遅れると分かった時点で、6時半までに私に連絡をもらうことにしませんか。私は1便の段取りを変えて、△△さんに頼まないですむようにします。
- 2週間後の金曜に、もう一度10分だけ時間を取りましょう。変えたことがうまくいっているか、一緒に振り返りたいです。
面談で決めたことは、あとで食い違いが起きないように、その場で二人で確認し、メモに残しておくとよいでしょう。遅刻の記録そのものは、会社の決まりに沿って、人事に相談したうえで扱います。
体調や家庭の事情が関わるときは、 上司が判断せず人事や産業医につなぐ
寝坊の背景に、睡眠の不調や気分の落ち込みがあるかもしれないと感じたとき、上司は病気かどうかを判断しません。産業医や医療の専門家に相談できるよう手続きを確認することと、仕事の調整を人事と相談することが、上司のする仕事です。
- 話してくれて、ありがとうございます。それは、私が判断できることではないので、産業医に相談できるように手続きを確認します。○○さんが望まないことは進めません。
- 当面、朝の1便の担当を外して、9時からの仕事に変えることを人事と相談してみます。○○さんは、どう思いますか。
家族の世話や通院が理由であれば、始業時刻の変更や勤務の形について、会社の制度があるかどうかを人事に確認します。上司の一存で勤務時間を変える約束はしません。
- 始業の時刻を変える制度があるかどうか、人事に確認してお伝えします。確認が取れるまでは今の時刻のままになりますが、分かった時点で、すぐに話します。
遅刻や寝坊を繰り返す部下への指導で、 避けたいこと
避けたいのは、遅刻の理由を上司が決めつけることと、上司の一存で処分や評価を口にすることです。
- 怒れば直ると考えて、強く叱る。遅刻の事実と影響は、強い言葉にしなくても伝わります。叱ることが目的になると、本人は理由を話しにくくなりがちです。
- 理由を問い詰める。「なぜ起きられないのか」と繰り返し尋ねられると、言いにくい理由はかえって話せなくなるものです。話せる範囲で、と伝えるほうが、本人も必要なことを話しやすくなります。
- 何も言わずに様子を見る。1回目に何も言わないと、伝えるときには一度に言うことが増えてしまいます。
- 上司の判断で処分を言う。「次に遅刻したら評価を下げます」「減給です」のように、就業規則と人事の確認なしに言いません。
- ほかの部下の前で注意する。遅刻は皆に見えているので、人前で言いたくなりますが、理由が体調や家庭に関わることもあります。二人のときに伝えます。
- 「若いから」「だらしないから」と人柄の話にする。話すのは、回数と影響、決まり、今後の対応です。
指導のあと、 うまくいっているかを、どこで見るか
遅刻への指導がうまくいっているかは、遅刻の回数だけでなく、二人で決めたことが二人の間で続いているかで振り返ります。次の点を、決めた確認の日に自分に問いかけてみてください。
- 遅れると分かった時点で連絡をもらうという約束は、二人の間で続いているでしょうか。
- 上司が引き受けたこと(段取りの変更、人事への確認、産業医への手続き)を、約束した日までにできたでしょうか。
- 本人が、朝の出勤の難しさや事情を、少しでも話せる場になっているでしょうか。
- 遅刻が減ったとき、それを本人に伝えたでしょうか。
- この2週間、遅れた日がありませんでしたね。朝の連絡も助かりました。何か変えたことがあれば、教えてください。
遅刻が減らないときは、同じ注意を繰り返すのではなく、人事と相談して、会社の決まりに沿った次の段階に進めるかを確認します。その判断を上司が一人で抱え込まないことも、この指導の一部です。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
会社の決まりに沿った対応や人事への相談を先にしたうえで、1on1で本人にどう伝え、どう話を聞くかを準備するときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の前に、「メンバーに伝えたいこと」に入力して。
決まりについて伝えたいことを、 どの話題の流れで切り出すかを、 1on1の前に考えておけます。
マネジャー権限でご自身のメンバーと行う1on1では、「予定・履歴」の次の1on1のカードの「メンバーに伝えたいこと」に、切り出したいことを入力できます。保存すると「1on1前のAIアドバイス」が書き直され、どの話題の流れの中で切り出すと自然かが示されます。入力した内容は部下には表示されず、ご自身向けのアドバイスにだけ使われます。
話す1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
伝えたいことを先に示したうえで、 部下の事情を聞く一言を用意して1on1に臨めます。
Kakeai AI が、選ばれたテーマと、部下が選んだ期待する対応、これまでの1on1をもとに、今回どう切り出すとよいかと、最初の一言の案を書きます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。
6月5日の定例で分担の大枠は決まりましたが、今日はその線引きをもう少し具体的に決めてしまいたいと思っています。小野寺さんの担当範囲で、今どこが一番動かしにくいですか。
1on1の終了後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。
注意したあとも、 部下の事情を聞き直すきっかけを次の1on1に持てます。
部下の返事が短いまま次の話に移った場面があると、次の1on1でどう声をかけ直すかの一言の案が書かれることがあります。ご自身向けの内容です。
次回、業務の確認に入る前に「最近、どう?」と一言置いてみると、小野寺さんが自分から話す余地が生まれます。
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よくある質問
部下が寝坊で遅刻したとき、 上司は最初に何と言えばよいですか。
部下が寝坊で遅刻した1回目は、その日のうちに、責めずに事実と影響だけを短く伝えてください。たとえば「今朝は20分ほど遅れましたね。1便の積み込みを△△さんが代わりました。何かありましたか」のように言い、体調を気にかける一言と、遅れると分かった時点で連絡をほしいという頼みを添えます。1回目に理由を詳しく聞く必要はありません。その日のうちに伝えたことで十分です。
遅刻を繰り返す部下に、 理由を聞いてもよいですか。
遅刻を繰り返す部下に理由を聞くことはかまいませんが、問い詰める形にはしないでください。寝坊の背景には、睡眠の不調や家族の世話など、上司に言いにくいことが隠れている場合もあります。理由を全部話す必要はないと先に伝えたうえで、話せる範囲で聞くとよいでしょう。たとえば「仕事のことか、仕事以外のことか、どちらに近いかだけでも教えてもらえると助かります」と尋ねる言い方があります。
遅刻する部下を、 上司の判断で減給したり評価を下げたりしてよいですか。
遅刻する部下への減給や評価の扱いは、上司が自分の判断で決めたり、口にしたりしないでください。遅刻が人事上の扱いにどうつながるかは、就業規則に決まりがあり、人事の担当に確認してから本人に伝えます。「次に遅刻したら評価を下げます」のように上司の一存で言うと、決まりと食い違ったときに、聞いた話と実際の扱いが違って本人が困ります。評価の話をするときは、基準と事実を一緒に見ながら、上司の考えとして理由と一緒に伝えてください。
部下の寝坊の原因が、 体調や心の不調かもしれないときはどうすればよいですか。
部下の寝坊の背景に体調や心の不調があるかもしれないと感じたとき、上司は病気かどうかを判断せず、産業医や医療の専門家に相談できるよう手続きを確認してください。あわせて、朝の担当を一時的に変えるなどの仕事の調整を、人事と相談します。本人には「話してくれてありがとうございます。私が判断できることではないので、産業医に相談できるように確認します」と伝え、本人が望まないことは進めないようにします。
遅刻が増えた部下を、 ほかの部下の前で注意してもよいですか。
遅刻が増えた部下への注意は、ほかの部下の前ではなく、二人のときに伝えてください。遅刻は周りにも見えているので人前で言いたくなりますが、理由が体調や家庭の事情に関わることもあり、人前では本人が事情を話しにくくなります。周りの不公平感が気になるときは、本人と話したあとで、全員に対して「遅れると分かった時点で連絡をもらう」という決まりを改めて伝える形にするとよいでしょう。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/repeated-lateness-oversleeping-guidance
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: