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上司の方へ部下との関わり

腐ってしまった部下をどう立て直すか

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

部下が腐ってしまったと感じたときは、本人の気持ちを変えようとするより、上司のふるまいのほうを変えることから始めてください。面談では、態度ではなく仕事の中の変化を時期と一緒に伝え、評価や異動などきっかけになった出来事に上司から触れます。変えられないことは正直に言い、上司がこれからすることを約束して守ります。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとが上司との関係のことだけの人のうち、面談が成果につながっていると感じる人は15.6%でした。実務の困りごとだけの人や困りごとのない人と比べて、面談が役に立っていると感じにくい結果です。心身の不調が疑われるときは、上司が判断せず、産業医や人事の担当につないでください。

数字で見る

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談の困りごとが上司との関係のことだけの人は、面談が成果につながっていると感じる割合が低くなっています。実務の困りごとだけの人や、困りごとがない人と比べた結果です。投げやりに見える部下との面談で変えやすいのは、部下の気持ちではなく、上司が何を伝え、何を約束して守るかです。

15.6%
1万人調査
上司との関係の困りごと(上司の姿勢など)だけがある人のうち、面談が成果につながっていると感じる人の割合
実務の困りごとだけがある人では43.2%、困りごとがない人では37.3%でした。上司との関係の困りごとだけがある人は、ほかの2つと比べて、面談が仕事の役に立っていると感じにくくなっています。同じ人たちのうち、面談が成長につながっていると感じる人は12.1%です。
43.2%
1万人調査
実務の困りごと(時間の確保、メモや記録の管理)だけがある人のうち、面談が成果につながっていると感じる人の割合
困りごとがない人の37.3%より高く、上司との関係の困りごとだけがある人の15.6%とは大きく離れています。困りごとがあること自体より、困りごとが上司との関係に関わるものかどうかで、面談の成果の実感は分かれています。

この調査は、部下が投げやりになったかどうかや、そのきっかけを尋ねたものではありません。数字は、上司との面談の困りごとの種類ごとに、面談の成果の実感を比べたものです。

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。

「腐ってしまった」と見える部下に、何が起きているのか

部下が腐ってしまった、と上司が感じるとき、本人の中で起きているのは人柄の変化ではなく、仕事や上司への期待を手放した状態でしょう。「腐った」は上司の目に映った様子を表す言葉で、本人に向けて使う言葉ではありません。以下では、投げやりに見える・最低限の仕事しかしなくなった・何を言っても「はい」とだけ返ってくる、というように、実際に起きていることで言い表します。

こうした状態には、きっかけがあることが少なくありません。評価や昇進の結果に納得できなかった、希望した仕事や異動が認められなかった、担当を外された、などです。指摘が続いたことや、同じ仕事を長く続けて先が見えなくなったことがきっかけになる場合もあります。きっかけが1つではないことも、本人が自分でも言葉にできていないこともあります。

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談の困りごとを2つに分けて集計しています。上司との関係のこと(信頼できず本音が言えない・上司の姿勢・上司の話が役に立たない)と、実務のこと(時間の確保・メモや記録の管理)です。上司との関係の困りごとだけがある人のうち、面談が成果につながっていると感じる人は15.6%でした。実務の困りごとだけがある人では43.2%、困りごとがない人では37.3%です。つまり、上司との関係の困りごとだけがある人は、ほかの2つと比べて、面談が仕事の役に立っていると感じにくくなっています。

面談についての数字ですが、投げやりに見える状態は、上司との関係に困りごとを抱えた状態と重なるところがあると考えられます。上司が「立て直す」と考えるとき、先に変えられるのは部下の気持ちではなく、上司のふるまいのほうです。本人の気持ちは直接は動かせませんが、上司が何を伝え、何を約束して守るかは、上司が変えられます。

もう1つ、見分けておきたいことがあります。遅刻や欠勤が増えた・表情が暗い・眠れていないようだ、といった様子があるときは、気持ちの問題ではなく心身の不調の可能性があります。上司が判断せず、産業医や人事の担当につないでください。この場面の言い方は、あとの見出しで書きます。

立て直す前に:上司が「腐った」と決めつけると、何が起きるか

上司が部下を「腐った」と見なすと、その見方は本人に伝わりやすいものです。重要な仕事から外す・確認の回数を増やす・周りに愚痴を言うといった動きは、本人には、上司がもう期待していない印として受け取られがちです。期待を手放した部下が、上司からも期待されていないと感じれば、状態はそのまま固まりやすくなります。

KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、部下の立て直しは、上司と部下の両方が当事者として進めるものだと考えています。部下だけに「やる気を取り戻してほしい」と求めることも、上司だけが悪いと思い込むことも、立て直しにはつながりにくいでしょう。

避けたいことを4つ挙げます。

  • 「やる気を出してほしい」「腐らないでほしい」と気持ちに向けて言う。本人は、何を変えればよいのかがわかりません。仕事の事実で話します。
  • しばらく放っておいて様子を見る。上司から話さない期間が長くなると、本人には、見限られたように受け取られかねません。
  • きっかけになった出来事(評価、異動、担当の変更)に触れないまま、仕事の話だけをする。本人が最も引っかかっていることを避けると、話が深まりにくくなります。
  • 信頼関係を取り戻してから仕事の話をする、という順番で考える。KAKEAIは、この順番をおすすめしません。関係は、仕事の話を前に進める中で戻っていくものだからです。

立て直しの進め方:最初の面談で、上司が言うこと、聞くこと

以下では、お客様向けセミナーの運営を長く任せてきた部下が、昇格を逃したあとに準備を最低限しかしなくなった場面を例にします。面談は、態度を注意する場ではありません。きっかけに上司から触れ、上司がこれからすることを伝える場にします。

1. 気になっている変化を、仕事の事実と時期で伝える

態度や表情ではなく、仕事の中で見えた変化を、いつからかと一緒に伝えます。責める形にならないよう、尋ねる形にします。

  • 先月のセミナーから、準備の確認メールが前日に届くようになりましたね。以前は1週間前に来ていたので、気になっていました。何か変わったことはありましたか。
  • 私の見え方が違っていたら、そう言ってください。
  • 責めたいわけではありません。○○さんがやりにくくなっていることがあれば、それを知りたいんです。

2. きっかけになった出来事に、上司から触れる

評価や異動の結果が関係していそうなら、本人が切り出すのを待たず、上司から触れます。伝えていなかったことがあれば、先に認めます。

  • 昇格の結果をお伝えしたあと、私からきちんと話を聞く時間を取れていませんでした。今日は、○○さんがあの結果をどう受け止めたのかを聞きたいです。
  • 結果は、この場では変えられません。ただ、何が足りなかったと私が考えたのかは、具体的にお話しします。

本人の言い分を聞いたら、まず受け止めます。すぐに反論したり、会社の事情を説明し始めたりしないでください。

  • 話してくれて、ありがとうございます。そう受け止めていたとは、知りませんでした。

3. 変えられないことと、上司が変えられることを分けて伝える

評価の結果や会社の決定は、上司の一存では変えられません。そこは正直に言ったうえで、上司が自分の裁量でできることを具体的に伝えます。

  • 今期の結果を変えることは、私にはできません。ただ、来期は月に1回、その時点での私の考えをお伝えします。期末に初めて聞く形にはしません。
  • 次の昇格に何が必要だと私が考えているかを、評価シートの項目で一緒に見てもらえますか。私の考えなので、○○さんの見方が違えば聞かせてください。

昇格や評価の結果を約束することはできませんが、上司の考えと、上司がすることは約束できます。

4. 今の仕事の中で、本人が判断する範囲を広げる

投げやりに見える状態から戻るきっかけになりやすいのは、励ましの言葉より、仕事の中で自分の判断が生きる場面でしょう。本人が長く担当してきた仕事の中で、上司の確認を外す範囲や、本人に決めてもらう範囲を1つ広げます。

  • セミナーの当日の進行は、○○さんが一番わかっています。次回から、進行表は私の確認なしで確定してもらえますか。
  • 来期のセミナーの年間の回数と内容は、○○さんの案から考えたいです。来週、たたき台を一緒に見る時間をもらえますか。
  • 私が口を出しすぎていたところがあれば、教えてください。どこまで任せてよいかを、一緒に決めたいです。

5. 次に取り組むことを、本人の言葉で決めて終える

面談の終わりは、上司がまとめるのではなく、本人が次にすることを自分の言葉で話す時間にします。上司が引き受けたことも、いつまでにするかを言います。

  • 次回までに、○○さんは何から手をつけますか。
  • 私は、評価の項目の確認を金曜までに済ませて、来週の1on1で一緒に見ます。
  • 今日話したことで、私の理解が違っているところがあれば、あとからでも言ってください。

きっかけ別:部下の様子と、上司の最初の一言

きっかけによって、上司が先に触れることと、上司が自分の裁量で変えられることが違います。

きっかけ部下の様子の例上司の最初の一言
評価や昇進の結果に納得していない「どうせ評価は変わらないので」と言う。目標の話を避ける「結果を伝えたあと、話を聞けていませんでした。どう受け止めたかを教えてもらえますか」
希望した仕事や異動が認められなかった今の仕事への関心が薄れたように見える「希望が認められなかった理由を、私が知っている範囲でお話しします。そのうえで、今の仕事の中でできることを一緒に考えたいです」
指摘が続いた自分から案を出さなくなった。確認ばかり求める「ここ数か月、私からの指摘が続いていました。最近は、どんなところがやりにくいですか」
同じ仕事を長く続けて、先が見えない手順通りにはこなすが、改善の提案が止まった「この仕事は○○さんが一番わかっています。来期に向けて、変えたいところがあれば、○○さんの案から考えたいです」
心身の不調が疑われる遅刻や欠勤が増えた。表情が暗い「最近、体調はどうですか。無理をしているように見えて、気になっていました」

心身の不調が疑われるときは、上司が判断せず、産業医や人事につなぐ

遅刻や欠勤が増えた・眠れていないようだ・集中が続いていないように見える、といった様子があるときは、心身の不調が隠れている可能性があります。不調かどうかの判断は、上司にはできません。会社の決まりに沿って、産業医や人事の担当に相談できることを伝えます。本人が望めば、一緒に窓口を確認します。

  • 最近、体調はどうですか。無理をしているように見えて、気になっていました。
  • 話してくれて、ありがとうございます。産業医や人事に相談できる窓口があるので、必要なら一緒に確認しましょう。仕事の調整は、そのあとで考えます。

この場面では、仕事の話や立て直しの話をいったん置きます。体調の話を聞いた直後に仕事の調整に入ると、本人には、仕事のために体調を聞かれたと受け取られかねません。

立て直しがうまくいっているかを、どこで見るか

立て直しがうまくいっているかどうかは、本人の表情や口調ではなく、仕事と二人のやり取りで見ます。1か月ほどたったところで、次の点を振り返ってみてください。

部下との間で、相談や頼みごとのやり取りが戻ってきているでしょうか。「この進行で問題ないですか」の一言でも、二人のやり取りが戻ってきた印です。戻っていなければ、上司が面談で約束したことを言った通りに実行できているかを先に振り返ります。評価の見通しを月に1回伝える、進行表の確認を外す、といった約束です。上司の約束が守られていれば、次は、本人に決めてもらう範囲をもう1つ広げます。

面談の終わりに、次に取り組むことが本人の言葉になっていたかも見ます。上司がまとめて終わっている回が続くなら、終わりの5分を本人が話す時間に戻してください。立て直しは、一度の面談で終わるものではなく、上司が言ったことを言った通りにする回を重ねる中で進んでいきます。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。

部下の元気や自信がないように見えても、何がきっかけなのかがわからず、声のかけ方に迷うときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。

1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。

元気がないように見える理由を推測で決めつける前に、部下が話したいことを聞く入り方を考えられます。

Kakeai AI が、選ばれたテーマと、部下が選んだ期待する対応に合わせて、どう関わるとよいかと、最初の一言の案を書きます。たとえば、話を聞いてほしいという部下には、途中で提案を挟まずに聞く入り方が勧められます。ご自身向けの内容です。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

「今後のキャリアについて、今どんなことを考えているか、聞かせてもらえますか。」…途中で整理や提案を挟まず、まず話し終えてもらうことで、何を一番伝えたかったのかが見えてきます。

話を聞いてほしいテーマがある1on1の実施中に。

仕事の話だけで時間が終わる前に、部下が話したいと選んだことに時間を取れます。

部下は「1on1の準備」で、テーマと、上司に期待する対応(「話を聞いてほしい」など)を選べます。右の列の下の球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)をクリックすると、Kakeai AI が、準備されたテーマとその回の会話をもとに話題を1つ提案します。まだ触れていないテーマがあると、そのテーマに時間を取ることを勧める提案になることもあります。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

事前テーマに「今後のキャリア」(期待する対応:「話を聞いてほしい」)が挙がっています。今日の会話では競合比較の話が進みましたが、このテーマはまだ触れていません。今日のうちに少し時間を取って、今どんなことを考えているか聞かせてもらえますか?

1on1の終了後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。

「大丈夫です」をそのまま受け取って終わらせず、次の1on1で話を聞き直すきっかけを持てます。

部下が「大丈夫です」のような短い返事で次の話に移った場面があると、次の1on1でどう声をかけ直すかの案が書かれることがあります。ご自身向けの内容です。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

次回、同じ場面に戻るとしたら、「大丈夫」の一言で終わらせず、「月曜の午前が取られると、週の動き出しはどう変わってる?」のように、具体の場面を一つ挙げて聞いてみると、小野寺さんが答えやすくなるかもしれません。

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よくある質問

腐ってしまった部下を立て直すには、何から始めればよいですか。

投げやりに見える部下を立て直すときは、本人の気持ちに働きかけるより、上司が面談で何を伝えるかを変えることから始めてください。最初の面談では、態度ではなく仕事の中で見えた変化を時期と一緒に伝え、評価や異動などきっかけになった出来事に上司から触れます。そのうえで、変えられないことは正直に言い、上司がこれからすること(評価の見通しを月に1回伝える・本人が決める範囲を広げる)を約束して、言った通りに実行します。

評価や昇進に納得できずに腐っている部下には、どう話せばよいですか。

評価や昇進の結果に納得できていない部下には、上司から結果の話に触れ、本人がどう受け止めたかを先に聞いてください。結果そのものは上司の一存では変えられないので、「この場では変えられません」と正直に伝えます。そのうえで、何が足りなかったと上司が考えたのかを評価の項目で具体的に話し、来期は月に1回、その時点での上司の考えを伝えると約束します。期末に初めて結果を聞く形にしないことが、同じことを繰り返さないための要点です。

腐った部下は、放っておいたほうがよいですか。

投げやりに見える部下を放っておくことは、おすすめしません。上司から話をしない期間が長くなると、本人には、上司が見限ったように受け取られかねません。時間がたつのを待つより、上司から、仕事の事実をもとに切り出してください。最初の面談では、仕事の中で見えた変化を時期と一緒に伝え、評価や異動などきっかけになった出来事に上司から触れます。

腐っているのか、体調が悪いのか、見分けがつかないときはどうすればよいですか。

投げやりになったのか心身の不調なのかは、上司には判断できません。遅刻や欠勤が増えた・眠れていないようだ・集中が続かないように見える、といった様子があるときは、気持ちの問題と決めつけないでください。会社の決まりに沿って、産業医や人事の担当に相談できることを伝えます。本人が望めば、一緒に窓口を確認します。この場面では、立て直しや仕事の調整の話はいったん置き、体調の話を聞いた直後に仕事の話に入らないようにします。

部下を立て直そうとしても変わらないとき、見切ってもよいですか。

部下を立て直そうとしても変わらないと感じたときは、見切る前に、上司が面談で約束したことを言った通りに実行できているかを振り返ってください。評価の見通しを月に1回伝える、確認を外す範囲を広げる、といった約束が守られていなければ、本人には上司が変わったと伝わりません。約束を守ったうえで変化が見えないなら、今の仕事で何が引っかかっているのかを本人にもう一度尋ねます。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/rebuilding-a-subordinate-who-has-given-up

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: