上司の方へ部下との関わり
プライドが高い部下を、 どう指導すればよいか
先に答え
プライドが高いと感じる部下を指導するときは、上司が正解を示して直してもらう形にこだわらないことをおすすめします。本人の意図を先に聞き、上司の考えを理由と一緒に伝えて、直し方を二人で考える形も選べるようにしておきましょう。人前で指摘せず、人柄ではなく仕事の事実で話すことも欠かせません。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に一番期待することが「一緒に考えてほしい」の人の46.2%が、面談が成果につながっていると感じていました。一番の期待として選べる答え(「その他」を除く7つ)の中で、最も高い割合です。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査で、面談で上司に一番期待することとして「一緒に考えてほしい」を選んだ人は、面談の成果を実感している割合が最も高い人たちでした。「その他」を除く7つの答えの中での比較です。また、面談の場でも、自分への評価や見られ方を気にして本音を話せない人がいます。どちらも面談についての数字で、指導の場面を尋ねたものではありません。
- 46.2%
- 1万人調査
- 面談で上司に一番期待することが「一緒に考えてほしい」の人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- 回答者全体では31.9%でした。一番の期待として選べる答えのうち「その他」を除く7つの中で、成果を実感している割合が最も高いのが、この答えを選んだ人です。上司と一緒に考えることを求める人は、成果を実感している割合が高いことがわかります。
- 13.2%
- 1万人調査
- 面談で上司に一番期待することとして「一緒に考えてほしい」を選んだ人の割合
- 最も多い答えは「その時々によって違う」の20.9%でした。上司に一番期待することは人によって分かれていて、一緒に考えてほしいという期待も、その中の1つとしてはっきり選ばれています。
- 9.3%
- 1万人調査
- 面談の困りごと(複数回答)として「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人の割合
- この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は32.7%で、回答者全体の31.9%と並んでいます。評価や見られ方を気にしながら面談に臨み、成果も感じている人たちだということです。
1万人調査は、部下の性格や、上司からの指導をどう受け取ったかを尋ねたものではありません。数字は、部下の立場で答えた、上司との定期的な面談についてのものです。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
プライドが高い部下の指導では、 直し方を一緒に考える形も選べるようにする
プライドが高いと感じる部下を指導するときは、上司が正解を示して直してもらう形だけにこだわらないことをおすすめします。本人の意図を先に聞き、上司の考えを理由と一緒に伝えたうえで、どう直すかを二人で考える形も選べるようにしておきましょう。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談で上司に一番期待することとして「一緒に考えてほしい」を選んだ人が13.2%いました。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は46.2%で、回答者全体の31.9%を上回っています。一番の期待として選べる答え(「その他」を除く7つ)の中で、最も高い割合です。上司と一緒に考えることを求めて面談に臨む人は、面談の成果を実感している割合が最も高いということです。
KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごと(複数回答)として「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人も9.3%いました。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は32.7%で、回答者全体と並んでいます。評価や見られ方を気にしながらも、面談の成果は感じている人たちがいるとわかります。
どちらも面談についての数字ですが、指導の場面にも、問題を二人で検討する形のほうが受け取りやすい人や、指摘を自分の評価の話として受け取りやすい人がいると考えられます。
「プライドが高い」は、上司の目に映った様子です。部下の側には、自分の仕事に基準を持っていて、その基準と違う直し方を言われると納得しにくい、という事情があるのかもしれません。人柄の問題として扱わず、仕事の基準のどこが二人で違っているのかに目を向けてください。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司も部下も、両方が当事者だと考えています。指導がうまく進まないときも、部下のプライドだけを理由にせず、上司の伝え方や、伝えていなかった基準がなかったかも振り返ってみてください。
以下では、部下が部長会議に出す新サービスの企画書を書き、上司が費用の見積もりと資料の構成について直してほしいと考えている場面を例にします。
プライドが高い部下への指導で、 場面ごとの最初の一言
指導の場面は、大きく4つに分けられます。部下の側で起きていることが違うので、上司の最初の一言も変わります。
| 場面 | 部下の側で起きていると考えられること | 上司の最初の一言 |
|---|---|---|
| 仕事の | 自分では | 「費用の |
| やり方を | 今の | 「この構成にした |
| 助言に | 自分の | 「その前提は、 |
| 失敗が | 失敗を | 「まず、 |
プライドが高い部下を指導するときの進め方と、 発言の例
- 指摘の前に、部下の意図と、もとにした資料を尋ねます。人前では指摘せず、二人で話せる時間を取ってください。
- チームの打ち合わせでは触れませんでしたが、企画書の費用の見積もりについて、あとで15分ほど話せますか。
- 打ち合わせで私が言いかけたことは、二人のときに改めて話させてください。
- 外注費を、どの見積もりをもとに出したのか教えてもらえますか。私が知らない前提があるかもしれません。
- 部下の仕事でよいと思った点を、具体的に伝えます。指摘をやわらげるための前置きではなく、本当にそう思う点だけにします。
- 競合のサービスと比べた表は、このまま部長会議に出せると思います。あの整理は、私にはできていませんでした。
- 上司の考えを、理由と一緒に伝えます。決めつけず、部下の見方も尋ねます。
- 私は、外注費をもう少し多めに見ておきたいと考えています。昨年の似た企画で、途中から追加の費用が出たからです。
- ○○さんから見て、違うと感じるところはありますか。
- 私の考えが正しいと決めつけるつもりはありません。違う前提があれば、そちらを優先したいです。
- どう直すかを、二人で考えます。部下が何に困っていて、どうしたいのかを把握したうえで、一緒に案を出します。
- 部長会議までに、どこを直すかを一緒に決めませんか。私も、昨年の費用の記録を探しておきます。
- 外注費を2通り書いて、部長に選んでもらう形もありそうです。○○さんはどう思いますか。
- 今一番気になっているのは、費用と構成のどちらですか。そちらから一緒に手をつけましょう。
- 部下の説明に理由があったときは、上司の考えを変えます。変えないときも、理由と一緒に伝えます。
- 話を聞いて、外注先が今年から変わったことがわかりました。その前提なら、○○さんの数字のほうが妥当だと思います。
- それでも、費用の内訳は1枚目に置きたいと考えています。前回の部長会議でも、最初の質問は費用についてでした。
失敗が明らかになったときは、原因を本人だけに求めず、上司の側の確認の不足も認めると、部下も事実を話しやすくなるでしょう。
- 見積もりがずれたのは、途中で私が前提を確認しなかったことも理由です。次は、どの時点で一緒に見直すかを決めておきませんか。
- 部長への説明には、私も一緒に行きます。どこから話すかを、先に二人で決めておきましょう。
評価への影響を尋ねられたときは、上司が一人では約束できないことを約束しないでください。上司として今どう考えているかを伝えます。
- 評価がどうなるかは、私一人では決められません。ただ、今期私が特に大事にしたいと考えているのは、前提を早めに確認して進めることです。今回の企画書でも、そこを一緒に見ていきたいです。
助言に言い返されたときは、その場で言い負かそうとせず、部下の考えの中身にまず答えます。
- なるほど、その見方はありませんでした。どちらの前提で進めるかは、数字を並べて一緒に決めましょう。
プライドが高い部下を指導するときに、 避けたいこと
避けたいのは、プライドを折ろうとすることと、プライドを気にして何も言わないことの両方です。
- 立場の違いで押し切る。「私が上司なので、言う通りにしてください」と言われても、部下はどこをなぜ直すのかがわかりません。直してほしい理由を、仕事の言葉で伝えましょう。
- 関係が悪くなるのを恐れて、指摘を控える。KAKEAIは、信頼関係ができるまで直してほしいことを伝えない、と決めておくことをおすすめしません。指摘を控えているあいだも仕事は進み、部長会議の直前に大きく直すことになりかねないからです。
- 人前で指摘する。同僚の前での指摘は、仕事の中身より、見られ方の話として受け取られやすいと考えられます。
- 褒めてから指摘する、と手順を決めておく。決まった前置きの褒め言葉は、部下にも前置きだとわかります。褒めるのは、本当によいと思った点があるときだけにしましょう。
- あえて失敗させて、気づかせようとする。上司が問題に気づいていながら黙っていたとわかると、部下は上司を信頼しにくくなるでしょう。
- 「評価には響かないから」と言って安心してもらおうとする。評価は上司一人では決められないため、約束できないことを言うことになります。
- 人柄や性格の話にする。「もう少し素直になってください」と言われても、部下は次に何を変えればよいのかがわかりません。
プライドが高い部下への指導は、 どう振り返ればよいか
指導がうまくいったかどうかは、部下がその場で「わかりました」と言ったかではなく、そのあとの二人のやり取りで振り返ります。
- 部下が、直してほしい点について自分の意図や前提を話してくれたなら、次は、仕上げる前の段階で一緒に見直す時点を決めておくとよいでしょう。
- 話し合いの中で部下の案のよい点を取り入れられたなら、どこを取り入れたのかを部下に伝えてみてください。
- 指摘のあと、部下が上司を避けているように感じたら、上司の伝え方を振り返り、上司から声をかけます。
- 部下のほうから迷っている点を早めに相談してくれるようになってきたら、次は、上司の考えを伝える前に部下の考えを聞く時間を少し長めに取ってみます。
- 先週の企画書の話で、私の伝え方に、受け取りにくいところはありませんでしたか。次の企画も、早めに一緒に見られると助かります。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
部下からの反論や強い言い方を、その場でどう受け止めればよいか迷い、あとから関係がぎくしゃくしてしまうときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
反対の意見が出た1on1の最中と後に、「1on1のAI要約」で。
部下の反論を感情のぶつかり合いとしてではなく、 1つの意見として記録に残し、 あとから二人で同じ言葉に立ち返れます。
部下が述べた意見は、誰が何を述べたかという形で「1on1のAI要約」に残ります。評価の言葉ではなく、事実の言葉で書くように作られています。
石田さんは「要件が固まらないまま試作の日程だけが決まっている」のは順番としておかしいと述べた。
1on1の終了後に、「今回よかった点」で。
部下の意見を、 言葉で受け止めるだけでなく、 その場で引き取った動きとして示せていたかを振り返れます。
部下の指摘や懸念を受けて、ご自身がその場で次の動きを引き取った場面があると、その返し方が、実際の発言とともに書かれることがあります。ご自身向けの内容です。
石田さんへの確認を引き取ると伝えたことで、長谷部さんが「両方の工程を用意しておきます」と自分の一歩を言語化するところまで進みました。
次の1on1の前に、前回の「次の1on1や日常へ向けて」で。
口数が少なくなった部下に、 次の1on1でどの話の流れから声をかけるかを準備できます。
部下が短い返事で話を終えた場面について、次回どの話の流れで、どんな一言で尋ねるとよいかが書かれることがあります。たとえば、同じ問いを繰り返すのではなく、部下が自分から持ち込んだ話の続きとして尋ねる案が示されます。
次回、…「主幹として動いてみて、何か引っかかっていることはありますか。」と一言置いてみてください。前回と同じ問いを繰り返すのではなく、今日の会話で石田さんが自分から持ち込んだ「進め方がおかしい」という言葉の延長として聞くと、業務の話として入りやすくなります。
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よくある質問
プライドが高い部下に、 ミスをどう指摘すればよいですか。
プライドが高い部下にミスを指摘するときは、人前を避け、二人で話せる時間を取ってください。最初に、どの資料や前提をもとに進めたのかを尋ね、上司の知らない事情がないかを確かめます。そのうえで、直してほしい点を、人柄ではなく仕事の事実として、理由と一緒に伝えます。上司の側に確認の不足があったなら、それも先に認めると、部下も事実を話しやすくなるでしょう。
プライドが高い部下が、 上司のアドバイスを聞き入れないときはどうすればよいですか。
上司のアドバイスを部下が聞き入れないときは、言い方を強める前に、部下が今のやり方を選んだ理由を尋ねてみてください。上司の知らない前提があれば、上司の考えを変えます。考えが変わらないときは理由と一緒に伝え、どう直すかを二人で考えます。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に一番期待することが「一緒に考えてほしい」の人の46.2%が、面談が成果につながっていると感じていました。
プライドが高い部下には、 褒めてから指摘するとよいですか。
プライドが高い部下に、褒めてから指摘すると手順を決めておくことは、おすすめしません。決まった前置きの褒め言葉は部下にも前置きだとわかり、本当に評価している点まで軽く受け取られかねないからです。褒めるのは、本当によいと思った点があるときだけにして、具体的に伝えます。指摘はそれとは分けて、仕事の事実と理由で伝えます。
プライドが高い部下に、 失敗を認めてもらうにはどうすればよいですか。
部下に失敗を認めてもらうことを、話し合いの目的にしないことをおすすめします。まず、何が起きたかを二人で整理し、上司の側の確認の不足があれば、それも認めます。そのうえで、次はどの時点で一緒に見直すかを決めます。失敗を認めると評価が下がると感じている部下もいるので、責めるための話ではないことを、最初に伝えておくとよいでしょう。
プライドが高い部下との関係を悪くしないために、 指導を控えたほうがよいですか。
部下との関係を悪くしないために指導を控えることは、おすすめしません。指導を控えているあいだも仕事は進み、あとで大きく直すことになりかねないからです。控えるのではなく、伝え方を変えます。人前を避け、部下の意図を先に聞き、上司の考えを理由と一緒に伝えてから、どう直すかを二人で考えます。関係は、こうした仕事のやり取りの中でつくられていくと考えられます。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/proud-subordinate-guidance
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: