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人事評価のデメリットと弊害

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

人事評価のデメリットや弊害としてよく挙がるのは、測れるものだけに人が動く・本音が言いにくくなる・記憶で点が付く・評価が真ん中に集まる・同僚どうしで競う・評価のための仕事が増える、の6つです。このうち記憶で点が付くこと・評価が真ん中に集まること・本音が言いにくくなることは、評価について話すのが期末だけになっていると大きくなりやすいと考えられます。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとに「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人は9.3%で、その人たちの面談の成果の実感は全体と並んでいました。弊害を小さくするには、評価の話を減らすより、期の途中に基準を一緒に見て上司の考えを伝えることをおすすめします。

数字で見る

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、評価を気にして本音を控えている人は一定数いる一方、その人たちの面談の成果の実感は回答者全体と並んでいました。また、面談の間があくほど、困りごとに義務感を挙げる人の割合は高くなっていました。

9.3%
1万人調査
上司との面談の困りごと(複数回答)として、「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人の割合
20代の回答では14.4%でした。評価を気にして本音を控えている人は一定数います。ただし、この人たちのうち面談が成果につながっていると感じている人は32.7%で、回答者全体の31.9%と並んでおり、評価を気にしている人の面談の成果の実感が低いわけではありません。
22.7%
1万人調査
上司との面談が半年〜1年に一度の人のうち、面談の困りごとに「やらされ感・義務感での実施」を挙げた人の割合
週1回以上の人では8.8%でした。面談の間があくほど、面談を義務のように感じている人の割合が高くなる、という傾向です。

この調査は、人事評価の制度やその弊害について尋ねたものではありません。数字は、上司との定期的な面談の困りごとと、面談の成果の実感を集計したものです。

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。

人事評価のデメリットと弊害として、よく挙がる6つ

人事評価のデメリットや弊害として挙がるものは、おおむね6つに整理できます。測れるものだけに人が動く・本音が言いにくくなる・記憶で点が付く・評価が真ん中に集まる・同僚どうしで競う・評価のための仕事が増える、の6つです。どれも実際に起きうることですが、評価の仕組みがあること自体から出るものと、評価について話すのが期末だけになっていることから出るものが混ざっています。

弊害どう起きるか主にどこから来るか
測れるものだけに人が動く件数や数字の目標だけを見て、数字に表れない仕事が後回しになる基準が数字だけで書かれていること
評価を気にして本音が言いにくくなる評価者の前で、困っていることや失敗を言わなくなる評価者と相談相手が同じ人であること
評価者の負担が大きく、記憶で点が付く期末にまとめて思い出すので、最近のことと目立ったことに偏る評価が期末の1回の作業になっていること
評価が真ん中に集まる理由を聞かれない真ん中の点に、評価者も本人も落ち着く期の途中に根拠を話す機会がないこと
同僚どうしで競う形になる協力より自分の数字を優先したくなる人数の枠を決めて評価する方式と、協力した仕事が基準に入っていないこと
評価のための仕事が増える書式の記入や面談の準備が、本来の仕事の時間を圧迫する書式と手順が多いこと

6つのうち、記憶で点が付くこと・評価が真ん中に集まること・本音が言いにくくなることの3つは、評価について話すのが期末の面談だけになっていると、大きくなりやすいと考えられます。期の途中に、基準に照らした上司の考えを部下が聞く機会があれば、小さくしやすい弊害です。制度そのものの形(方式・書式・処遇への反映)に関わる判断は人事と経営のもので、就業規則と評価制度の資料で確認します。以下では、上司と部下の間で小さくできる弊害を取り上げます。

人事評価の弊害について、1万人調査の数字から分かること

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査は、人事評価の制度やその弊害を尋ねたものではありません。ただ、上司との面談の困りごとと成果の実感の数字から、評価を気にして本音を控える人について分かることがあります。

1万人調査では、上司との面談の困りごと(複数回答)として「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人は9.3%でした。20代の回答では14.4%で、評価を気にして本音を控えている人は一定数います。一方、この人たちのうち、「面談が成果につながっている」と感じている人は32.7%で、回答者全体の31.9%と並んでいます。つまり、評価を気にして本音を控えることが、面談の成果の実感の低さにそのまま表れているわけではありません。

評価を気にする人がいるからといって、面談で評価の話を避ける必要はないと考えられます。言いにくさを小さくするために上司と部下ができることは、次の見出しから取り上げます。

同じ調査では、面談の困りごとに「やらされ感・義務感での実施」を挙げた人の割合は、面談が週1回以上の人で8.8%、半年〜1年に一度の人で22.7%でした。面談の間があくほど、義務感を挙げる人の割合は高くなっています。やらされ感とは別に集計した数字ですが、面談が半年に一度の人では、69.8%が面談で人事評価の話をしていました。評価の話は、間のあいた面談に集まっているということです。2つの数字は、評価の話が義務感の原因だと示すものではありません。

評価の話は、期末の面談だけにまとめず、月に1回の面談でも少しずつしておくとよいでしょう。期末にまとめて思い出す負担や、結果を見て初めて驚くことを減らしやすくなるからです。

人事評価の弊害を小さくするために、上司にできること

上司にできるのは、評価について話すのを期末だけにしないことです。具体的には、基準を数字だけにしない・期の途中に自分の考えを伝える・根拠を事実で残す、の3つです。以下では、ソフトウェアのテストを担当し、リリースの前に不具合を見つけて報告している部下と、その上司を例にします。

基準を、数字だけにしないとき

見つけた不具合の件数だけを目標にすると、件数を増やしやすい軽い不具合を探す動きが出て、お客様に影響の大きい不具合を見つける仕事が後回しになることがあります。基準に、数字に表れない仕事も書き足しておくと、そうした仕事が後回しになりにくくなります。

  • 今期の基準を一緒に見てもらえますか。不具合の件数だけで見るつもりはありません。リリースの前に、お客様に影響の大きい不具合を見つけられていたか、という点を一緒に大事にしたいと考えています。
  • 件数に表れない仕事で、評価に入れてほしいものがあれば教えてください。テストの手順を見直した、再現の条件をまとめた、といった仕事も入れたいです。

期の途中に、自分の考えを伝えるとき

  • 今の時点での私の考えをお伝えします。今期のテストは、リリースの前に影響の大きい不具合を2件見つけてくれていて、基準で言うと「期待通り」に当たると考えています。○○さんは、どう感じていますか。
  • 期末に結果だけを渡すのは、私も本意ではありません。月に1回、こうして私の考えをお伝えするので、違うと感じたときは、その場で言ってください。
  • 先月、再現の条件が足りなかった報告のあと、報告の書き方を変えてくれましたね。ああいう工夫も、期末を待たずに一緒に振り返っていきたいと思っています。

本音が言いにくい、という弊害に向き合うとき

評価する人と相談相手が同じ人であることは、変えられません。上司にできるのは、相談や失敗の報告を、評価の材料として受け取る形にしないと伝え、実際にそうすることです。

  • テストで見落としがあったとき、早く言ってもらえると、一緒にリリースの前に手を打てます。見落としを言ったことで評価が下がる、という扱いは、私はしません。
  • 困っていることを話してくれたことは、相談の内容として受け取ります。そのうえで、テストの進め方をどう変えるかを一緒に考えましょう。

人事評価の弊害を小さくするために、部下にできること

部下にできるのは、評価の結果を期末に受け取るだけにせず、期の途中に上司の考えを聞くことと、数字に表れない仕事を自分から伝えることです。

  • 今の時点で、私のテストの仕事は基準のどのあたりにあるとお考えですか。期末まで待たずに知りたいです。
  • 不具合の件数には表れない仕事で、評価に入れていただきたいものがあります。再現の条件をまとめた資料を作って、開発の担当に渡していました。
  • 先月、テストの見落としがありました。原因は再現の手順の確認が足りなかったことで、今は手順を1つ足して進めています。評価に響くかもしれないと思って言いにくかったのですが、早くお伝えしたほうがよいと考えました。
  • 評価の結果に納得できないときの相談先を、教えていただけますか。人事にも確認してみます。

評価を気にして言わないことが増えると、上司は本人の仕事の事情を知らないまま評価を考えることになります。言いにくいことを言うには、勇気が要ります。上司の側にできるのは、「言ったことで評価を下げない」と約束し、実際に守ることです。

KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、普段の面談で評価の話をしてよく、むしろするべきだと考えています。評価の話を半年に一度の面談に閉じ込めず、期の途中にも、具体的な基準を上司と部下が一緒に見ながら話す機会を持つとよいでしょう。人事評価の弊害として挙がるもののうち、期末にまとめて評価することで大きくなる弊害は、こうした話し合いを重ねることで小さくしやすくなります。

人事評価のデメリットについて、おすすめしないこと

おすすめしないのは、弊害を理由に評価の話を減らすことです。評価の話を減らしても、期末にまとめて思い出す負担や、結果を見て初めて驚くことは減らないと考えられるからです。

  • 弊害があるから、面談で評価の話をしない。評価の話を期末だけにすると、記憶で点が付くことも、結果を見て初めて驚くことも、増えやすくなります。期の途中にも話すことをおすすめします。
  • 人事が1on1の記録の中身を読んで、評価の材料にする。KAKEAIは、人事が1on1の記録の中身を読むことをおすすめしません。記録が評価に使われると知れば、部下は面談で困っていることを言いにくくなり、「本音が言いにくい」という弊害が大きくなりがちです。
  • 1on1や面談の実施率を、管理職の目標にする。KAKEAIは、実施率を管理職の目標にすることもおすすめしません。実施した回数で評価されると、面談は行うこと自体が目的になりやすく、評価のための仕事をさらに増やすことにもなります。
  • 基準を、件数や数字だけで書く。数字に表れない仕事が後回しになりがちです。数字に表れない仕事も、基準に書き足します。
  • 評価をなくすべきかどうかを、上司と部下の面談で議論する。制度の形は人事と経営が決めることです。面談で変えられるのは、評価の話を期末だけにしないことです。制度への意見は、人事に伝えます。

人事評価の弊害が小さくなったかを振り返るには

人事評価の弊害が小さくなったかどうかは、期末の結果だけでなく、期の途中の面談を振り返るとわかりやすくなります。上司の側からは、次の4つを手がかりにしてみてください。

  • 期の途中に基準に照らした考えを部下に伝えられたら、次は、部下の見方と違っていた点を、次の面談で一緒に見直します。
  • 見落としや困っていることを面談で話してもらえたら、次は、その話をもとにどう手を打ったかを部下に伝えます。
  • 評価の根拠を期の途中に二人で話した事実から挙げられたら、次は、その事実を面談のメモに二人で残しておくと、期末に思い出す負担が減ります。
  • 数字に表れない仕事を基準に書き足せたら、次は、その仕事の進み具合を面談の話題にしてみてください。

期の途中に上司の考えを聞く機会がなかったなら、次の期は、月に1回の面談で上司が「今の時点での考え」を一言伝えるところから始めてみてください。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。

評価の基準や段階の意味を、普段の1on1で上司と部下が確かめたいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。

普段の1on1の準備をするとき。

評価について話したことのうち、まだ決まっていないことを、1on1を終える前に二人で確かめるきっかけができます。

「1on1の準備」でテーマを選び、「この1on1へのメモ」に、確かめたい評価の項目や段階の意味を書いておけます。テーマとメモはお相手の画面にも表示され、期待する対応は部下の側から選べます。1on1の実施中に「1on1実施中」の画面の右の列の下にある球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)をクリックすると、その日の会話でまだ決まっていない話を挙げて、どうするかを確かめる一言が出ることがあります。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

残り2分ほどです。今日話した「中間面談・評価」の件で、西村さんへプロジェクト対応分を伝える一歩がまだ期限未定のままです。いつまでに渡すかを一つ決めて終わりませんか。柳瀬さん、いかがでしょう?

普段の1on1で評価の話をしたとき。

評価の項目や書き方について二人で確かめたことを、あとから二人とも同じ記録で見返せます。

Kakeai AIが会話の中身を、話のまとまりごとの見出しと要点に書き直し続け、終了時に確定したものがそのまま履歴になります。採点の口調を使わず、二人が話した事実の言葉で書かれ、お二人に同じ内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

課の進捗と面談シート 7月の中間面談シートについて、藤本さんがすでに書き始めており、上期の新規ゼロはそのまま書き、種をまいたと書くよう西村さんが伝えた。

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よくある質問

人事評価のデメリットには、どんなものがありますか。

人事評価のデメリットとしてよく挙がるものは、6つに整理できます。測れるものだけに人が動く・本音が言いにくくなる・記憶で点が付く・評価が真ん中に集まる・同僚どうしで競う・評価のための仕事が増える、です。このうち、記憶で点が付くこと・評価が真ん中に集まること・本音が言いにくくなることの3つは、評価について話すのが期末だけになっていると大きくなりやすいと考えられます。期の途中に上司の考えを聞く機会があれば、小さくしやすい弊害です。

人事評価があると、部下は本音を話さなくなりますか。

人事評価を気にして本音を控える人は、一定数います。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の困りごとに「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人は9.3%でした。ただし、この人たちの32.7%は面談が成果につながっていると感じており、回答者全体の31.9%と並んでいます。上司にできるのは、相談や失敗の報告を評価の材料にしないと伝え、実際にそう扱うことです。

人事評価の弊害をなくすには、評価をやめるべきですか。

人事評価をやめるかどうかは、処遇の決め方や会社の方針に関わる人事と経営の判断で、上司と部下の面談の中で決められることではありません。弊害のうち、記憶で点が付くこと・評価が真ん中に集まること・本音が言いにくくなることは、評価をやめなくても小さくしやすくなります。期の途中に基準を一緒に見て、上司の考えを伝えることで減らしやすいからです。制度の形への意見は、就業規則と評価制度の資料を読んだうえで、人事の担当に伝えてください。

人事評価の弊害を小さくするために、上司は何をすればよいですか。

上司が人事評価の弊害を小さくするためにできるのは、評価の話を期末だけにしないことです。基準には、数字に表れない仕事も書き足しておくとよいでしょう。月に1回、基準に照らして「今の時点での私の考え」を伝え、本人の見方も尋ねてみてください。見落としや困っていることの報告は評価の材料にしないと伝え、その通りに扱います。人事が面談の記録を評価に使うことや、実施率を管理職の目標にすることも、弊害を大きくしがちです。

人事評価のデメリットを、部下の立場で減らす方法はありますか。

部下の立場で人事評価のデメリットを減らすには、結果を期末に受け取るだけにせず、期の途中に上司の考えを聞くことと、数字に表れない仕事を自分から伝えることが有効です。「今の時点で、私の仕事は基準のどのあたりにあるとお考えですか」と尋ねておくと、結果を見て初めて驚くことが減りやすくなります。言わずにいると、自分の仕事の事情を上司が知らないまま評価が決まりやすくなります。言いにくいことも早めに伝えるとよいでしょう。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/performance-evaluation-drawbacks-side-effects

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: