上司の方へ評価の面談

全員が同じ・平均的な評価になってしまうとき

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

部下の評価が全員同じ・平均的になるのは、真ん中の評価だけが、部下からも自分の上司からも理由を尋ねられにくいからです。無理に差をつける前に、一人ひとりについて、今期の評価の根拠になる事実を2つ書けるかを試してみることをおすすめします。全員分を書けて、それでも同じ水準なら、同じ評価のままでかまいません。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の時間のうち、平均47.2%が「具体的な仕事」の話に使われていました。評価の対象でもある仕事の話は、普段の面談の中で多く交わされています。来期は面談のたびに事実を1行書き留め、月に1回、今の時点での評価を部下に伝えていきましょう。

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KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の時間の半分近くが、具体的な仕事の話に使われていました。1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データでも、1on1の前に選ばれたテーマで最も多いのは、「業務の進捗や進め方」です。また、1万人調査で面談の頻度が同じ人どうしを比べると、人事評価の話もしている人のほうが、面談の成果を実感している割合が高くなっています。このページでは、評価の根拠になる事実を普段の面談で書き留め、評価についての考えも期の途中から伝えていくことをおすすめします。

47.2%
1万人調査
上司との面談の時間のうち、「具体的な仕事」の話が占める割合(回答者の答えの平均)
「人事評価」の話は平均14.0%でした。面談の時間は、人事評価の話よりも、評価の対象でもある仕事そのものの話に多く使われています。
37.4%
1万人調査
上司との面談が2週間〜1か月に1回で、人事評価の話もしている人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
同じ頻度で、評価の話をしていない人では30.8%でした。面談の頻度が同じ人どうしで比べると、評価の話もしている人のほうが、成果を実感している割合が高くなっています。
43.7%
Kakeai AI 1on1 利用データ
Kakeai AI 1on1の利用データで、1on1の前に選ばれたテーマのうち「業務の進捗や進め方」の割合
初めから用意されているテーマの中で次に多い「今後のキャリア」は11.4%でした。1on1の前に選ばれるテーマの中では、「業務の進捗や進め方」が最も多くなっています。

47.2%と14.0%は、面談の時間に占める話題ごとの割合を回答者に尋ね、その答えを平均したものです。調査の数字も利用データの数字も、面談や1on1全般についてのもので、評価のつけ方そのものを調べた数字ではありません。

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。

出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)

全員が同じ・平均的な評価になるとき、何が起きているのか

部下の評価が全員真ん中に並ぶのは、真ん中の評価だけが、誰からも理由を尋ねられにくいからです。上司に一人ひとりの違いを見る力がないから、とは限りません。

人事評価が真ん中の段階に集まり、部下の間で差がつかなくなることを、中心化傾向(中央化傾向)といいます。5段階評価なら3、S・A・B・C・DならBに全員が並ぶ状態です。このページでは、真ん中の段階を「標準」と呼びます。

高い評価をつけると自分の上司や人事から、低い評価をつけると部下本人から、理由を尋ねられます。提出期限が迫り、全員の半年分の仕事を思い出しきれないとき、どちらからも尋ねられにくい標準を選びたくなるのは、自然なことでしょう。

KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の時間のうち「具体的な仕事」の話が占める割合は、平均47.2%でした。「人事評価」の話は平均14.0%です。1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データでも、1on1の前に選ばれたテーマの43.7%が「業務の進捗や進め方」でした。調査でも利用データでも、最も多いのは仕事の話です。

評価の根拠になる事実は、こうした仕事の話の中にあります。ただ、評価項目と結びつけて書き留めていなければ、期末に残るのは印象だけです。印象では差の理由を説明できず、評価は標準に集まりやすくなります。

全員が同じ評価になる場面は、次の4つに分けられます。見分けるには、一人ひとりの今期の事実を2つ書き出してみてください。事実とは「いつ、何をして、どうなったか」のことで、「まじめ」「協力的」といった印象は含めません。

場面見分け方最初にすること
根拠になる事実が手元にない事実を2つ書こうとしても思い出せない提出前に、本人に10分ほど話を聞く
差の理由を伝えにくい事実は書けるが、つけた評価と合っていない評価を事実に合わせ、提出前に本人に伝える
評価基準があいまい1つ上の評価に何が必要かを説明できない項目ごとに、1つ上の評価の基準を言葉にする
本当に同じ水準全員分の事実を書けて、どれも同じ段階の基準に当てはまる同じ評価で提出し、理由は一人ずつ伝える

全員が上位の評価に並ぶ寛大化傾向も、見分け方は同じです。

全員が同じ評価を受け取った部下には、どう見えているか

全員が同じ評価だと、部下は、自分の仕事のどこを見てもらえていたのかがわかりません。成果を上げた人は「頑張っても同じだ」と、課題のある人は「今のままでよい」と受け取るおそれがあります。

KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に一番期待することとして、「具体的なアドバイスがほしい」「意見を聞きたい」「一緒に考えてほしい」のいずれかを選んだ人が、合わせて45.6%いました。「話を聞いてほしい」を選んだ人は7.9%です。上司との面談では、上司の考えや関わりを求める人のほうが多くなっています。

評価は、上司の考えを最もはっきり伝えられる機会です。理由を添えずに同じ評価を伝えるだけでは、その機会を生かせません。

全員が同じ評価になりそうなとき、評価の提出前にできること

提出期限が近くても、場面ごとにできることがあります。分布を見て評価を上げ下げする前に、一人ひとりの評価の根拠を確かめましょう。提出前や期の途中の評価をどこまで本人に伝えてよいかは会社によって異なるため、上司は先に人事の担当者に確認してください。

根拠になる事実が手元にないとき:提出前に本人に話を聞く

事実を2つ書けなかったときは、印象で評価をつけず、把握できていなかったと認めて本人に尋ねましょう。

  • 評価シートを書く前に、今期の仕事について教えてほしいことがあります。10分ほど時間をもらえますか。
  • この半年で一番力を入れた仕事と、一番成果が出た仕事を、1つずつ教えてください。
  • その中で、○○さんが自分で判断して進めたのは、どの部分ですか。
  • 申し訳ないのですが、その仕事は私が十分に把握できていませんでした。当時の様子を知っている方を、教えてもらえますか。

聞いた内容は、成果物か当時の記録を1つ、本人と一緒に確認してから評価項目に当てはめます。本人の説明だけで決めると、説明の得意な人ほど評価が高くなりやすいためです。

差の理由を伝えにくいとき:評価を事実に合わせて先に伝える

書き出した事実が基準に届いていないのに標準をつけているなら、評価を事実に合わせてください。そのうえで、評価面談を待たずに、その評価と理由を本人に伝えます。

  • 評価を提出する前に、お伝えしたいことがあります。評価シートの△△の項目を、一緒に見てもらえますか。
  • 私は今のところ、標準より1つ下だと考えています。□□の納期に2回間に合わなかったことと、引き継ぎの内容が先方に伝わっていなかったことが理由です。
  • ○○さんは、どう感じていますか。私が知らないことがあれば、木曜までに教えてもらえると助かります。

標準より高く評価したい人を標準にとどめている場合は、自分の上司に示す理由を先に文章にしてみましょう。

  • ○○さんは、標準より1つ上で提出したいと思っています。理由は、△△の案件を一人で立て直したことと、後輩2人に手順を教えたことです。

本当に同じ水準のとき:理由は一人ずつ伝える

全員分の事実を書けて、どれも同じ段階の基準に当てはまるなら、同じ評価でかまいません。変えるのは伝え方で、評価に続けて、その人だけの理由を話します。

  • 今期の評価は、標準となりました。評価シートを一緒に見ながら、私がそう考えた理由をお話しします。
  • △△は、期を通して基準を満たしていました。□□は、期の後半から基準に届くようになりましたね。
  • 1つ上の評価には、□□が期の初めからできていることが必要だと思います。○○さんの考えも、聞かせてもらえますか。

全員が同じ・平均的な評価のとき、言いにくい場面での最初の一言

評価に差をつけるときも、全員に同じ評価を伝えるときも、難しいのは最初の一言です。

部下から「どうせ全員同じですよね」と言われたとき

  • そう感じさせていたなら、私の説明不足です。他の方の評価はお話しできませんが、○○さんの評価の理由は具体的にお話しできます。聞いてもらえますか。

これまで全員を同じ評価にしてきて、今期から変えるとき

  • 今期から、評価の伝え方を変えたいと思っています。これまでは、評価の理由を説明できるだけの事実を、私が書き留めていませんでした。
  • これからは月に1回、今の時点での考えをお伝えするつもりです。期末に初めて聞く、ということをなくしたいんです。○○さんは、どう思いますか。

標準を下回りそうだと、期の途中で初めて伝えるとき

  • 評価シートの△△の項目を一緒に見ながら、今の時点での考えをお話ししてもいいですか。
  • このままだと、この項目は標準に届かないのではないかと心配しています。□□が期限に2回間に合わなかったからです。○○さんは、どう感じていますか。
  • 期末まで3か月あります。これからできたことは、私も事実として書き留めます。何から始めるか、一緒に考えませんか。

自分の上司や人事から「差をつけてほしい」と言われたとき

  • まず、一人ひとりの評価の根拠になる事実を、2つずつお出しします。事実に差があれば、その通りに評価をつけ直します。
  • 差がなければ、同じ評価のまま提出させてください。理由は一人ずつ書き添えます。

評価の段階ごとに人数の枠がある会社でも、順番は同じです。先に全員分の事実を書き出し、基準を上回る事実がはっきりしている人から枠に当てはめます。枠の運用は、上司が人事の担当者に確認してください。

来期、評価が平均に寄らないように普段の面談でできること

来期は、期末に半年分を思い出そうとするのをやめましょう。評価の準備は、普段の面談(1on1)の中で少しずつ進めていきます。次の3つから始めるとよいでしょう。

1. 期の初めに、1つ上の評価の基準を言葉にして伝える

評価基準があいまいな場合は、ここから始めます。

  • 評価シートのこの項目を、一緒に見てもらえますか。私は、依頼された期限に提出できていれば標準、依頼される前に次の段取りまで提案できていれば1つ上、と考えています。○○さんの理解と違うところはありますか。

会社の評価基準の解釈に迷う項目は、上司が人事の担当者に確認してから伝えるとよいでしょう。

2. 面談のたびに、事実を1行書き留める

面談の直後の1分ほどで、日付と、部下が取り組んだ仕事とその結果、関係する評価項目を1行にまとめます。上司の知らない仕事もあるので、部下にも尋ねてみてください。

  • 今日の話の中で、評価の記録に残しておきたいことはありますか。

3. 月に1回、最後の5分で今の時点での評価を伝える

  • 最後に5分ほど、評価について今の時点での考えをお話しします。△△の項目は、標準の基準を満たしていると思います。□□の項目は、先月の提案があったので、標準より1つ上に届きそうだと感じています。
  • ○○さん自身は、どう思いますか。

KAKEAIの1万人調査で、上司と2週間〜1か月に1回面談している人どうしを比べました。人事評価の話もしている人では、37.4%が、面談が成果につながっていると感じています。評価の話をしていない人では30.8%で、話している人のほうが高くなっています。

全員が同じ評価になるとき、やらないほうがよいこと

全員を標準にしておくことも、先に分布を整えることも、根拠になる事実がなければ、理由を説明できない点は同じです。次の4つは、おすすめしません。

  • 先に人数を決めて、差を割り振る。「上位を1人、下位を1人」と決めてから人を当てはめると、理由は後づけになります。
  • 評価エラーの名前を覚えるだけで済ませる。中心化傾向という言葉を知っていても、手元に事実がなければ、標準以外に選べる評価がありません。
  • 評価の話を、期末の評価面談まで取っておく。「普段の1on1では評価の話をしない」という助言もありますが、KAKEAIは、評価の話を期末まで取っておくことをおすすめしません。差の理由を期末に初めて伝えると、説明の負担が1回の面談に集中し、次の期も標準を選びたくなるからです。
  • 「皆さんよく頑張ってくれたので」とだけ伝える。全員への感謝は、朝会などでも伝えられます。評価面談の時間は、その人の仕事の話に使いましょう。

KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査から、評価の差は期末の採点でつくるものではなく、普段の面談で話してきた仕事の中身から見えてくるものだと考えています。

全員が同じ評価になる状態から抜け出せたかを振り返る

抜け出せたかどうかは、評価に差がついたかではなく、次の3つを振り返るとわかります。

  • 評価を提出する前に、一人ひとりについて、根拠になる事実を2つ書けていたか。
  • 評価面談で伝えた評価が、部下にとって初めて聞く話になっていなかったか。
  • 評価面談の終わりに、次の1か月で取り組むことが、部下自身の言葉になっていたか。

KAKEAIの1万人調査では、面談が毎回またはほぼ毎回、その後の行動につながっていると答えた人の61.3%が、面談が成果につながっていると感じていました。ほとんど、または全くつながっていないと答えた人では7.0%です。面談が行動につながっている人ほど、成果を感じています。

評価に差がついても、次に取り組むことが二人の間で決まらなければ、評価面談は以前と変わりません。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

評価の根拠になる仕事の話を、期末まで記録に残しておきたいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。

1on1の前

  • テーマや話題ごとの対話履歴ダイジェスト

    お相手ごとの「概要」の画面で、この半年の1on1をKakeai AIが文章にまとめたダイジェストと、テーマごとに話してきた内容を見返せます。お二人に同じものが表示されます。

日常

  • 要約や次の一歩の一元管理

    1on1ごとの要約は「予定・履歴」の画面に、決めた次の一歩は「MOVE」の画面に、お相手ごとにまとまります。あとから見返せます。

1on1の実施中

  • 自分用のメモ

    ご自身だけが見られる「自分用のメモ」を残せます。お相手にも、システム管理者にも表示されません。

1on1の前

  • 伝えたいことの切り出し方やポイントアドバイス

    部下に切り出したいことを「メンバーに伝えたいこと」の欄に入力して保存すると、「1on1前のAIアドバイス」が、その内容を踏まえて書き直されます。入力した内容は、部下の画面には表示されません。

1on1ツールの導入や見直しを検討している方は、Kakeai AI 1on1 の資料をご覧ください。

ご利用企業 累計600社以上/1on1実施 累計300万回以上

よくある質問

人事評価の中心化傾向とは何ですか。なぜ起きるのですか。

中心化傾向とは、人事評価が真ん中の段階に集まり、部下の間で評価に差がつかなくなることです。評価をつける上司は、高い評価については自分の上司や人事から、低い評価については部下本人から、理由を尋ねられます。真ん中の評価はどちらからも尋ねられにくいため、根拠になる事実が手元にないときほど選ばれがちです。評価のつけ方を変えるより先に、上司が普段から事実を書き留めておくことをおすすめします。

部下の評価が全員同じになってしまいます。上司は無理にでも差をつけたほうがよいですか。

部下の評価が全員同じになっても、上司が無理に差をつける必要はありません。まず、一人ひとりについて、今期の評価の根拠になる事実を2つ書き出してみてください。全員分を書けて、どれも同じ段階の基準に当てはまるなら、同じ評価のまま提出してかまいません。事実を2つ書けなかった部下については、評価を提出する前に本人に10分ほど話を聞き、わかった事実をもとに評価を見直します。

低い評価をつけると部下との関係が悪くなりそうで、つい真ん中にしてしまいます。どう切り出せばよいですか。

低い評価をつけるときは、評価面談の日を待たずに、上司から本人に先に伝えることをおすすめします。「評価シートのこの項目を一緒に見てもらえますか」と声をかけ、理由になる事実を2つ添えて「私は今のところ、標準より1つ下だと考えています」と話します。続けて、部下自身がどう感じているかを尋ねてください。評価面談の前に伝えてよいかどうかは、上司が人事の担当者に確認しておきましょう。

テレワークで部下の仕事ぶりが見えず、評価が全員同じになります。上司は何を見ればよいですか。

テレワークで働く様子が見えないときは、上司は、部下が作成した成果物と、部下が自分で判断して進めたことに目を向けるとよいでしょう。月に1回の面談で「今月の仕事の中で、評価の記録に残しておきたいものはありますか」と尋ねてみてください。挙がった成果物には上司も目を通し、事実として1行書き留めておきます。

部下の評価に差をつけると、チームの雰囲気が悪くなりませんか。上司はどうすればよいですか。

評価に差をつけるときに上司ができるのは、差の理由が本人にきちんと伝わるようにすることです。評価を伝えたら、その理由になった事実を2つ挙げ、1つ上の評価には何が必要かまで話してください。他の人の評価には触れないようにします。一方、全員を同じ評価にすると、成果を上げた部下に、自分の仕事を見てもらえていたのかどうかが伝わりません。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/evaluation-everyone-same-rating

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: