上司の方へ部下との関わり
上司から部下へのメール・LINEは、 どう書けばよいか
先に答え
上司から部下へのメールやLINEは、読んだ部下がすぐに動ける形で、短く書くことをおすすめします。最初の2行に用件と期限を書き、上司が引き受けることも書きます。返事の仕方(確認の一言でよいのか、意見がほしいのか、判断を待っているのか)も1行で添えます。注意や評価、体調の話は文字で済ませず、会って話してください。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談が行動につながりにくい人に理由を尋ねています。理由は人によってさまざまですが、「スキルが不足していてできない」より「行動するために必要な情報が揃っていない」を挙げた人のほうが多くなっていました。面談のあとに動けない理由として、スキルの不足より、必要な情報が揃っていないことを挙げる人のほうが多いということです。また、面談の困りごととして、決められた書式への事前入力などの準備の負担を挙げた人は12.6%でした。
- 15.9%
- 1万人調査
- 面談が行動につながりにくい人のうち、理由に「行動するために必要な情報が揃っていない」を挙げた人の割合
- 同じ人たちが挙げた理由のうち、「スキルが不足していてできない」は9.1%でした。面談のあとに動けない理由として、スキルの不足より、必要な情報が揃っていないことを挙げた人のほうが多い、という意味です。
- 12.6%
- 1万人調査
- 面談の困りごと(複数回答)として「決められた書式やフォーマットへの事前入力など準備の負担」を挙げた人の割合
- この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じる人は32.8%で、回答者全体の31.9%と並んでいます。準備の負担は、面談の成果を感じているかどうかにかかわらず、手間として挙がる困りごとだと考えられます。
この調査は、上司との定期的な面談について部下の立場で答えたもので、メールやLINEでの連絡については尋ねていません。行動につながらない理由は、面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人だけに尋ねています。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
上司から部下へのメール・LINEは、 読んだ部下がすぐ動ける形で短く書く
上司から部下へのメールやLINEで大事なのは、文章の丁寧さや長さではなく、読んだ部下がそのまま動けるかどうかです。用件・期限・返事の仕方・上司がすることの4つが入っていれば、文は短くてかまいません。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人に、その理由を尋ねています(5つまで選択)。理由は人によってさまざまで、最も多かったのは「その時々によって違う」でした。具体的な理由のうち、「行動するために必要な情報が揃っていない」を挙げた人は15.9%で、「スキルが不足していてできない」の9.1%より多くなっています。つまり、面談のあとに動けない理由として、スキルの不足より、必要な情報が揃っていないことを挙げた人のほうが多いということです。面談についての数字ですが、文字の連絡でも、必要な情報が揃っていないと、部下は動きにくいと考えられます。
書く側で起きやすいのは、上司の頭の中では決まっていることを、文に書き忘れることです。「カタログ、確認お願いします」だけでは、何をどこまで確認して、いつまでに何を返せばよいのかが部下には分かりません。
送る前に、次の4つが入っているかを見ます。
| 入れるもの | 書き方の例 | 抜けたときに部下の側で起きること |
|---|---|---|
| 用件 | 校正紙の、 | 何を |
| 期限 | 木曜の | 急ぎかどうかの |
| 返事の仕方 | 問題がなければ | 返事の |
| 上司がすること | 印刷会社への | 上司が |
上司から部下へのメールの書き方: 依頼・確認・お礼の例文
ここでは、商品カタログの校正と印刷会社への入稿を部下が担当している場面を例にします。上司は、校正の確認を頼み、進み具合を尋ね、終わったあとにお礼を伝えます。
仕事を頼むメール
最初の2行に用件と期限を書き、返事の仕方を添えます。頼む理由を1文入れると、部下はほかの仕事との優先順位を決めやすくなります。
- カタログの校正紙が届きました。価格の欄だけ、木曜の午前中までに確認してもらえますか。先週の値上げが反映されているかを見てほしいんです。
- 問題がなければ「確認しました」の一言で大丈夫です。直す箇所があれば、ページ番号と内容を箇条書きで送ってください。印刷会社への連絡は私がします。
急ぐときは、急ぐことと、いつまでに返事がほしいかを最初に書きます。
- 急ぎです。印刷会社から、今日の15時までに表紙の紙の種類の返事を求められています。前回と同じ紙でよいか、14時までに○○さんの考えを教えてもらえますか。
報告でよいのか、意見がほしいのか、判断を待っているのかを書く
部下に任せている仕事では、上司が何を待っているのかを書きます。報告だけでよいのか、意見を聞きたいのか、判断は上司がするのかが分かれば、部下は返事の中身で迷いません。
- 表紙の色は、○○さんの判断で決めてもらって大丈夫です。決めたら一言知らせてください。
- 掲載する商品の順番は、私も考えを持っておきたいので、案を2つほど見せてもらえますか。どちらにするかは、金曜に話して決めましょう。
- 印刷の部数は予算に関わるので、私が決めます。判断の材料として、去年の在庫の数を教えてもらえると助かります。
進み具合を尋ねるメール
催促と受け取られないように、尋ねる理由と、上司ができることを添えます。
- 入稿の準備は、どのあたりまで進んでいますか。印刷会社から日程の確認が来ているので、今日の時点の状況を教えてもらえると助かります。
- 遅れていてもかまいません。間に合いそうにない部分があれば、私が先に印刷会社と日程を調整します。
終わったあとのお礼のメール
お礼は、部下がしてくれたことを具体的に1つ入れると、形だけの文になりません。
- 入稿、ありがとうございました。価格の欄の誤りを2か所見つけてくれたおかげで、刷り直しにならずに済みました。
- 今回の進め方で、やりにくかったところがあれば、次の1on1で教えてください。来年のカタログに生かしたいです。
1on1で決めたことを、 その日のうちに残すメール
面談で決めたことは、その日のうちに数行で送っておくと、二人の認識のずれにあとで気づけます。長いまとめは要りません。
- 今日の1on1で決めたことです。○○さん:来週の水曜までに、校正の最終版を印刷会社に送る。私:部長に部数の承認をもらい、火曜までに伝える。違っていたら教えてください。
上司から部下へのLINE・チャットの書き方と、 メールとの使い分け
LINEやチャットは短いやり取りに向いていて、メールは、あとで読み返す用件に向いています。使い分けの目安は、その連絡を部下があとで探して読み返すかどうかです。
| 連絡の中身 | 向いている道具 | 書き方の目安 |
|---|---|---|
| 短い | LINE・ | 1〜2文。 |
| 依頼、 | メール、 | 用件・ |
| 注意、 | 文字では | 文字で |
LINEやチャットの文は、短くても敬意のある言い方にします。
- お疲れさまです。校正紙を机に置いておきました。急ぎではないので、明日見てもらえれば大丈夫です。
- 返事をもらえていたのに、見落としていました。すみません。内容は確認しました。
- 15時から10分だけ、カタログの表紙について話せますか。難しければ、都合のよい時間を教えてください。
- さっきの話の続きです。価格の欄は、○○さんの言う通り旧価格のままでした。印刷会社には私から連絡します。
スタンプや絵文字は、職場の慣習に合わせます。上司から先に多く使うと、部下は返し方に迷うことがあります。
個人のLINEを仕事の連絡に使うかどうかと、業務時間外に連絡を送るかどうかは、会社の決まりに従います。決まりがはっきりしない場合は、人事の担当に確認したうえで、二人の間の連絡の仕方(急ぐときはどうするか、返事はいつまでにするか)を決めておくとよいでしょう。
- 連絡の仕方について、一度決めておきたいです。急ぐときは電話、それ以外はメールで、返事は翌営業日まで、という形でどうでしょうか。○○さんのやりやすい形があれば、教えてください。
上司から部下へのメール・LINEで、 書かないほうがよいこと
避けたいのは、文字の連絡を、会って話すべきことの代わりにすることです。逆に、丁寧さを足して文が長くなり、用件が埋もれることも避けたいところです。
- 注意や指摘を文字で済ませる。文字だけでは、部下は事情を言えず、上司は部下の受け取り方が分かりません。文字で送るのは、「校正の進め方について、少し話したいことがあります。今日の16時か明日の朝、どちらが都合がよいですか」のような、話す日時の相談までにします。
- 評価や処遇に触れる。「この調子なら評価は心配ないです」のような一言は、上司の一存で約束できないことです。文字で残ると、そのまま受け取られます。
- 前置きと説明を長くする。「お忙しいところ恐縮ですが」から始まる長い文は、部下が用件を探す手間になります。用件を先に書き、理由は1文にとどめます。
- 返事の書式を細かく決める。一言で済む返事にまで書式を求めると、部下が書く手間が増えます。メールについて尋ねた数字ではありませんが、KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごととして「決められた書式やフォーマットへの事前入力など準備の負担」を挙げた人が12.6%いました。
- 個別の依頼を一斉送信で送る。全員に向けた文では、誰が動くのかが決まりません。個別の依頼は、個別に送ります。
- 送った直後に返事を催促する。急ぐときは、最初から急ぐことと期限を書きます。
メールやLINEの連絡がうまく回っているかの振り返り方
連絡がうまく回っているかは、返事の早さや言葉の丁寧さではなく、送ったあとに仕事が進んだかで振り返るとよいでしょう。次の点を振り返り、次の連絡に生かしてみてください。
- 送ったメールやLINEで、用件・期限・返事の仕方・上司がすることのどれかが抜けていたら、次に送る前に、上の表で抜けを見直します。
- 部下からの返事に確認の質問が付いて戻ってくることが多いなら、その答えを、次からは最初の文に書いておきます。
- 「私がします」と書いたことが済んだら、結果を一言、部下に伝えます。間に合わないときは、その日のうちに知らせます。
- 注意や体調の話を文字だけで済ませてしまったら、話す日時を相談する連絡を送り、会って話す時間を取ります。
- 連絡の仕方(道具、急ぐときの決まり、業務時間外の扱い)をまだ話していなければ、次の1on1で部下と一緒に決めるとよいでしょう。
KAKEAIは、1on1に万能のやり方はなく、型や手順を守ることは目的ではないと考えています。メールやLINEの書き方も、型を守ることより、送ったあとに仕事が進んだかを見て直していくほうがよいでしょう。やりにくさを感じたら、次の1on1で部下に尋ねてみてください。
- 私からの連絡で、分かりにくかったものはありましたか。メールとLINEの使い分けも、やりやすい形があれば教えてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
呼び方や食事の誘い、LINEのやりとりといった日ごろの付き合い方とは別に、1on1の場で部下の話を聞きたいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の開始直後に、Kakeai AI のメッセージ欄で。
その回にどう関わってほしいかを、 言葉で確かめるところから1on1を始められます。
Kakeai AI が、準備されたテーマと、部下が選んだ期待する対応を挙げ、前回の一歩があればその担当の方に、無ければテーマを選んだ方に、最初の一言を向けます。期待する対応が選ばれていない回には、どう関わってほしいかを尋ねることもあります。期待する対応は、部下の側だけが選べます。
長谷部さん、このテーマを今日はどう関わってほしいですか?話を聞いてほしいのか、一緒に考えてほしいのか、具体的なアドバイスが欲しいのか、一言教えていただけますか?
1on1の終了後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。
相談を待つだけでなく、 その回に決まった仕事の話から、 部下が困りごとを言い出しやすい問いを用意できます。
「1on1後のAIアドバイス」のご自身向けの欄に、困りごとを広く尋ねた問いに部下が短く返した場面があると、その回に決まった仕事に結びつけて尋ね直す一言の案が書かれることがあります。部下には別の内容が表示されます。
次回、同じ問いをもう少し絞って出してみることが一手になります。たとえば「仕様書の番号の件、石田さんと話した後で、長谷部さんが動きにくいことが出てきたら教えてください」のように、今日決まった動きに紐づけた形で聞くと…
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この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)
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よくある質問
上司が部下にメールを送るとき、 敬語を使ったほうがよいですか。
上司が部下にメールやLINEを送るときは、丁寧な話し言葉(です・ます)で書くことをおすすめします。「確認してもらえますか」「教えてもらえると助かります」のように、頼む形で書き、「確認しておくこと」のような命令の形は避けます。かしこまった敬語を重ねる必要はありませんが、文字は口調が伝わらないので、話すときより少し丁寧に書くと、きつく受け取られることが減ります。
部下への注意や指摘は、 メールやLINEで伝えてもよいですか。
部下への注意や指摘は、メールやLINEで済ませず、会って話すことをおすすめします。文字だけでは、部下は事情を言えず、上司も部下の受け取り方が分かりません。文字で送るのは、「校正の進め方について、少し話したいことがあります。今日の16時か明日の朝、どちらが都合がよいですか」のような、話す日時の相談までにします。評価や処遇に触れる一言も、上司の一存で約束できないことなので、文字では書きません。
上司から部下に、 業務時間外にLINEを送ってもよいですか。
上司から部下に業務時間外にLINEやメールを送ってよいかどうかは、会社の決まりに従ってください。就業規則などで業務時間外の連絡について決めている会社もあります。個人のLINEを仕事の連絡に使ってよいかどうかも、会社の決まりを確認してください。決まりがはっきりしない場合は、人事の担当に確認したうえで、急ぐときはどうするか、返事はいつまでにするかを二人で決めておくとよいでしょう。
部下からメールの返事が来ないとき、 上司はどうすればよいですか。
部下からメールの返事が来ないときは、催促する前に、送った文に用件・期限・返事の仕方・上司がすることの4つが入っていたかを見直してください。抜けていたら、「問題がなければ『確認しました』の一言で大丈夫です。木曜の午前中までにお願いします」のように、返事の仕方と期限を書いて送り直します。それでも返事がない状態が続くときは、文字で催促を重ねず、直接話す時間を取ります。
部下へのメールと、 LINEやチャットは、 どう使い分ければよいですか。
部下へのメールとLINEやチャットは、その連絡を部下があとで探して読み返すかどうかで使い分けることをおすすめします。短い確認や、場所と時間の連絡はLINEやチャットに向いています。依頼や期限のある用件、1on1で決めたことのまとめは、メールか、チャットの中であとで探せる場所に残します。注意や評価、体調に関わる話は、どちらでも送らず、会って話します。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/manager-email-line-to-subordinates
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: