上司の方へ部下との関わり
コンプライアンス意識の低い部下を、 どう指導するか
先に答え
コンプライアンス意識が低いと感じる部下には、「意識」や人柄ではなく、気になった行動を1つ取り上げて話すことをおすすめします。その行動に規則違反のおそれがあるときは、上司が面談で判断せず、就業規則を確認したうえで人事や法務の担当に相談してください。手順を知らない、省いているといった場合は、本人の事情を先に尋ね、決まりがなぜあるのかを上司が自分の言葉で伝えます。
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KAKEAIの1万人調査では、上司との面談で会社や組織の方針を話題にしている人は、話題の中で3番目に多くなっていました。「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)では、会社や部署の方針のテーマで、上司に期待することとして「意見を聞きたい」が最も多く選ばれていました。会社の方針は面談でよく出る話題で、その話では、部下は上司の考えを聞きたいと考えていることが多いということです。
- 36.7%
- 1万人調査
- 上司との面談の話題(複数回答)として、「会社や組織の方針」を挙げた人の割合
- 「具体的な仕事」76.7%、「人事評価」43.4%に次いで、3番目に多い話題でした。会社の方針の話は、上司との面談で珍しくないということです。
- 27.1%
- Kakeai AI 1on1 利用データ
- 「会社や部署の方針」のテーマのうち、部下が上司に期待することとして「意見を聞きたい」を選んでいた割合
- 「その他」を除くと、このテーマで最も多い期待でした。「報告したい」は4.8%、「話を聞いてほしい」は4.9%です。方針の話では、上司の考えを聞きたいという期待が多く選ばれています。
1万人調査は上司との面談の話題を尋ねたもので、コンプライアンスや規則違反については尋ねていません。利用データの割合は、部下がテーマごとに選んだ、上司に期待することの集計です。期待が選ばれていないテーマも、分母に入っています。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
部下のコンプライアンスが気になるとき、 指導は「意識」ではなく行動の話から始める
コンプライアンス意識が低いと感じる部下を指導するときは、「意識」や人柄を話題にせず、気になった行動を1つ取り上げて話すことをおすすめします。「意識が低い」は上司の受け取り方を表す言葉で、本人には何を変えればよいのかが伝わりにくいからです。
取り上げる行動が決まったら、それが次の3つの場面のどれに近いかを考えます。場面によって、上司がすることは大きく変わります。ここでは、展示会で集めたお客様の名刺の情報を、部下が一覧にまとめている仕事を例にします。
| 場面 | 名刺の一覧の仕事での例 | 上司がすること |
|---|---|---|
| 規則違反の | 一覧の | 面談で |
| 決まりや | 一覧の | 決まりが |
| 決まりが | 会場で | 守りにくい |
1つの行動に、2つの場面が重なることもあります。迷ったときは、規則違反のおそれがある場面として扱い、先に人事や法務の担当に相談するとよいでしょう。
規則違反のおそれがあるときは、 就業規則と人事・法務の担当に委ねる
規則違反のおそれがある行動については、上司が面談で違反かどうかを判断しないでください。就業規則や社内の規程を確認したうえで、人事や法務、コンプライアンスの担当の部署に相談します。処分や評価への影響も上司の一存では決められないので、面談では口にしません。
面談で上司がするのは、本人から事情を聞くことと、このあとの流れを伝えることです。
- 展示会の名刺の一覧について、確認したいことがあって時間をもらいました。先週、ファイルをご自宅のメールに送っていたと聞いたのですが、そのときの状況を教えてもらえますか。
- 責めるために聞いているのではありません。何があったのかを、まず正確に知りたいんです。
- 会社の決まりに当たるかどうかは、私だけでは判断できないので、人事に相談します。わかったことは、私から直接お伝えします。
- ファイルの扱いは、情報管理の担当の指示に沿って進めたいと考えています。指示が出るまでは、今の状態のまま触らずにおいてもらえますか。
本人から処分や評価のことを聞かれたときも、上司の考えで答えず、決まるまでの流れを確認してから伝えます。
- 今の時点で、私から処分や評価についてお話しできることはありません。決まるまでの流れを人事に確認して、明日までにお伝えします。
事実の記録が必要かどうかも、会社の決まりに沿って、人事に相談したうえで判断します。面談の内容を、チームのほかのメンバーに話すことも避けましょう。
決まりの理由を上司が自分の言葉で伝える、 コンプライアンスの指導の進め方
決まりや手順を知らない、省いている場面では、決まりがなぜあるのかを、上司が自分の考えとして伝えます。規則の文面を読み上げたり、研修の受講を勧めたりするだけで終えないようにしましょう。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の話題(複数回答)として「会社や組織の方針」を挙げた人は36.7%でした。「具体的な仕事」76.7%、「人事評価」43.4%に次いで、3番目に多い話題です。つまり、会社の方針の話は、上司との面談で珍しくないということです。
1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」では、1on1の前に部下がテーマを選び、テーマごとに上司に期待することを選べます。「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)では、「会社や部署の方針」のテーマのうち、部下が「意見を聞きたい」を選んでいた割合は27.1%でした。「その他」を除くと、このテーマで最も多く選ばれた期待です。「報告したい」は4.8%、「話を聞いてほしい」は4.9%でした。方針の話では、上司の考えを聞きたいという期待が多く選ばれているということです。
どちらも会社の方針についての数字で、社内の決まりについて尋ねたものではありません。ただ、社内の決まりも、会社の方針に沿って作られているものです。決まりの話をするときも、上司が自分の言葉で理由を話すようにしましょう。進め方は、次の4つの段階に分かれます。
- 気になった行動を、事実として伝えます。
- 名刺の一覧のファイルが、パスワードを付けずに共有フォルダに置かれていました。今日は、その扱いについて話したいと思っています。
- 本人の考えと事情を、先に尋ねます。
- 先に、○○さんの考えを教えてもらえますか。パスワードを付けなかったのには、何か理由がありましたか。
- 付け方がわかりにくい、手間がかかる、といったことがあれば、それも遠慮なく言ってください。
- 決まりがなぜあるのかを、上司の言葉で伝えます。
- お客様の名刺の情報は、もし外に出てしまうと、お客様にご迷惑がかかります。会社としても、お詫びと報告が必要になります。私は、そこを一番避けたいと考えています。
- 規程の文面だけだとわかりにくいので、私なりの理解でお話ししました。違うと感じるところがあれば、教えてください。
- 次からの手順を、一緒に決めます。
- 来週の展示会の分から、共有する前にパスワードを付ける手順にしませんか。付け方は、最初の1回を一緒にやってみましょう。
- 手順で迷ったときは、作業の前に声をかけてもらえると助かります。早めにわかれば、一緒に確認できます。
決まりを守ることは、部下だけの責任ではありません。上司が手順をきちんと伝えてきたか、上司自身が手順を省いていないかも、あわせて振り返ります。KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司も部下も、両方が当事者だと考えています。
- 共有の手順を、私から伝えきれていませんでした。私も同じ手順で進めます。
決まりが仕事の進め方に合っていないときは、 上司が見直しを相談する
決まりを守りにくい事情が出てきたら、その事情は仕事の進め方の問題として、上司が引き取ります。見直しが決まるまでは、今の決まりの通りに進める方法を二人で考えます。
- 会場で入力したいのに、パソコンの持ち出しの申請に3日かかる、ということですね。教えてもらって助かりました。
- 申請が間に合わないことは、私から情報管理の担当に相談します。手続きを早められないか、聞いてみます。
- 見直しが決まるまでは、今の決まりの通りに進めてもらえますか。申請が間に合いそうにないときは、日程の組み方を一緒に考えましょう。
- ほかにも、決まりの通りに進めにくい手続きがあれば教えてください。まとめて相談します。
規則に関わる話は、部下の側から切り出しにくいかもしれません。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の困りごと(複数回答)に「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人が9.3%いました。評価や見られ方を気にして、本音を控えている人が1割近くいるということです。部下が自分から話してくれたときは、まずお礼を伝えましょう。
- 話しにくいことを、早めに教えてくれてありがとうございます。今の時点でわかって、本当によかったです。
部下のコンプライアンスが気になるときに、 避けたいこと
避けたいのは、人柄を責めることと、見過ごすことの両方です。
- 「意識が低い」と人柄を責める。部下には、どの行動を変えればよいのかが伝わりません。話題は、具体的な行動と手順に絞ります。
- 研修やeラーニングの受講だけで終える。決まりを知る機会にはなりますが、本人の仕事の場面に置き換えた話は、別に必要です。
- 面談で、上司が違反かどうかを判断する。処分や評価に触れる言葉も含め、判断は就業規則と人事・法務の担当に委ねます。
- 逆に、小さなことだからと見過ごす。気づいたのに何も言わなければ、部下は今の手順で問題ないと受け取るかもしれません。
- チームの前で、名前を出して注意する。本人は事情を話しにくくなります。全員に手順を伝え直すときは、誰の行動だったかがわからない形にします。
指導のあと、 二人のやり取りがどう変わったかを振り返る
指導がうまくいったかどうかは、部下が「わかりました」と言ったかではなく、そのあとの二人のやり取りで振り返ります。
- 気になった行動を「意識」や人柄の言葉で話してしまったと気づいたら、次は、どの仕事のどの手順の話かを具体的に話します。
- 決まりの理由を先に伝えてしまい、部下の考えと事情を尋ねていなかったときは、次の1on1で改めて尋ねてみてください。
- 手順で迷っていたことが作業のあとになって分かる、ということが続くなら、作業の前に声をかけやすい時間を二人で決めておきます。
- 上司が引き取った手続きの見直しは、結果が出たら、その週のうちに部下に伝えます。
見直しの結果がまだ出ていないなら、途中の状況だけでも、次の1on1で伝えてみてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
会社の決まりに沿った対応や人事への相談を先にしたうえで、1on1で本人にどう伝え、どう話を聞くかを準備するときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の前に、「メンバーに伝えたいこと」に入力して。
決まりについて伝えたいことを、 どの話題の流れで切り出すかを、 1on1の前に考えておけます。
マネジャー権限でご自身のメンバーと行う1on1では、「予定・履歴」の次の1on1のカードの「メンバーに伝えたいこと」に、切り出したいことを入力できます。保存すると「1on1前のAIアドバイス」が書き直され、どの話題の流れの中で切り出すと自然かが示されます。入力した内容は部下には表示されず、ご自身向けのアドバイスにだけ使われます。
話す1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
伝えたいことを先に示したうえで、 部下の事情を聞く一言を用意して1on1に臨めます。
Kakeai AI が、選ばれたテーマと、部下が選んだ期待する対応、これまでの1on1をもとに、今回どう切り出すとよいかと、最初の一言の案を書きます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。
6月5日の定例で分担の大枠は決まりましたが、今日はその線引きをもう少し具体的に決めてしまいたいと思っています。小野寺さんの担当範囲で、今どこが一番動かしにくいですか。
1on1の終了後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。
注意したあとも、 部下の事情を聞き直すきっかけを次の1on1に持てます。
部下の返事が短いまま次の話に移った場面があると、次の1on1でどう声をかけ直すかの一言の案が書かれることがあります。ご自身向けの内容です。
次回、業務の確認に入る前に「最近、どう?」と一言置いてみると、小野寺さんが自分から話す余地が生まれます。
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よくある質問
コンプライアンス違反をした部下を、 上司はどう注意すればよいですか。
部下の行動にコンプライアンス違反のおそれがあるときは、上司が面談で違反かどうかを判断せず、就業規則を確認したうえで人事や法務の担当に相談します。面談では、責めるためではないことを伝えて本人から事情を聞き、人事に相談することと、わかったことを上司から伝えることを話します。処分や評価への影響は上司の一存では決められないので、その場では口にしません。
部下にコンプライアンスを意識してもらうには、 何から始めればよいですか。
部下にコンプライアンスを意識してもらうには、気になった行動を1つ取り上げ、その決まりがなぜあるのかを上司が自分の言葉で伝えるところから始めるとよいでしょう。「意識が低い」という言い方では、本人には何を変えればよいのかが伝わりにくいからです。理由を伝える前に本人の考えと事情を尋ねておくと、手順を省いた理由や、決まりを守りにくい事情がわかることもあります。
コンプライアンス研修を受けてもらえば、 部下の意識は変わりますか。
コンプライアンス研修は、会社の決まりを知る機会になります。ただし、研修で聞いた内容を、本人が自分の仕事の場面に置き換えられるとは限りません。研修のあとの1on1で、本人の仕事の中で迷いやすい手順を1つ取り上げ、決まりの理由と進め方を一緒に確認するとよいでしょう。研修の受講だけで指導を終えることは、おすすめしません。
決まりを守りにくいと部下から言われたら、 上司はどうすればよいですか。
決まりを守りにくいと部下から言われたら、まず話してくれたことにお礼を伝え、どの手続きが、どの仕事の場面で間に合わないのかを具体的に聞いてください。手続きの見直しは、上司が担当の部署に相談します。見直しが決まるまでは、今の決まりの通りに進める方法を二人で考え、間に合わないときの段取りも一緒に決めておきます。
部下の規則違反に気づいたとき、 上司は記録を残すべきですか。
部下の規則違反に気づいたときに記録が必要かどうかは、会社の決まりに沿って、人事に相談したうえで判断してください。上司が自分で残しておくとよいのは、本人に何をどう伝えたか、上司が何を引き受けたかのメモです。あとで二人の認識が食い違わないよう、面談で決めた手順は、その場で二人で確認しておきます。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/low-compliance-awareness-subordinate-guidance
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: