上司の方へ部下との関わり
部下に説教してよいか、 説教の注意点
先に答え
部下に説教してよいかと迷ったときは、直してほしいことは伝え、説教の形にはしない、と考えてください。上司が自分の考えや直してほしいことを伝えるのは仕事の話で、避ける理由はありません。避けたいのは、話が仕事の事実から離れて人柄や過去や一般論に向かい、長くなり、部下が返事をできないまま終わることです。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとに「上司の話が役に立たない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じる人は8.2%でした。つまり、上司の話が役に立たないと感じている人は、面談の成果も感じにくい傾向があります。伝える中身は出来事と今日から変えることの1つに絞り、部下の事情を聞く問いで終えることをおすすめします。
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上司との面談で「上司の話が役に立たない」と感じている人は、面談が成果につながっているという実感も低くなっています。一方で、上司の考えや関わりを求める人は多くいます。説教してよいかと迷ったときは、言うか言わないかより、出来事と今日から変えることに絞って話し、部下の事情を聞く問いで終えることをおすすめします。
- 8.2%
- 1万人調査
- 上司との面談の困りごとに「上司の話が役に立たない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- 回答者全体では31.9%でした。この人たちの成果の実感は、集計に並ぶ15の困りごとの中で最も低い数字です。上司の話を役に立たないと感じている人では、面談が成果につながっているという実感も低くなっています。
- 59.8%
- 1万人調査
- 面談で上司に期待すること(5つまで選択)に、具体的なアドバイス・意見・一緒に考えることのどれかを選んだ人の割合
- 「話を聞いてほしい」だけを選んだ人は3.2%でした。上司に聞き役だけを求める人は少なく、上司の考えや関わりを求める人が多いことがうかがえます。
- 6.4%
- 1万人調査
- 20代の回答で、上司との面談の困りごとに「上司の話が役に立たない」を挙げた人の割合
- 30代では8.2%、40代では8.4%でした。50代では8.8%、60代では8.3%で、上司の話を役に立たないと感じる人の割合に、年代による大きな差は見られません。
「上司の話が役に立たない」は、上司との定期的な面談についての困りごとを尋ねた質問の選択肢で、説教そのものについて尋ねたものではありません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
部下に説教してよいか: 直してほしいことは伝え、 説教の形にはしない
部下に説教してよいかと迷ったときの答えは、「直してほしいことは伝える。ただし、説教の形にはしない」です。上司が自分の考えや直してほしいことを部下に伝えることは、仕事を前に進めるために必要で、避ける理由はありません。避けたいのは、話が仕事の事実から離れて人柄や過去や一般論に向かうこと、長く続くこと、部下が返事をできないまま終わることです。以下では、この3つがそろった話し方を「説教」と呼び、同じ中身を仕事の話として伝える言い方と分けて書きます。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談の困りごと(複数回答)も尋ねています。困りごとに「上司の話が役に立たない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は8.2%でした。回答者全体の31.9%より低く、集計に並ぶ15の困りごとの中で最も低い数字です。つまり、上司の話を役に立たないと感じている人は、ほかの困りごとを挙げた人よりも、面談が仕事の成果につながっているという実感が低くなっています。
一方で、上司の考えを求める部下は多くいます。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)に「具体的なアドバイスがほしい」「意見を聞きたい」「一緒に考えてほしい」のどれかを選んだ人が59.8%いました。「話を聞いてほしい」だけを選んだ人は3.2%で、上司に聞き役だけを求める人は少ないということです。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司と部下の面談は、仕事を前に進める時間として正面から使ってよいと考えています。直してほしいことを伝えることも、その仕事の話の一部です。説教になるかどうかは、言うか言わないかではなく、どう言うかで分かれます。
以下では、取引先からの納期の問い合わせに、受注担当の部下が2日間返事をしていなかった場面を例にします。
説教と指摘は、 どこで分かれるか
説教と指摘を分けるのは、言葉の厳しさではありません。同じ「返事が遅れた」という出来事でも、話の向かう先と終わり方によって、部下に届くものが変わります。
| 言いたいこと | 説教になりやすい言い方 | 仕事の話として伝わる言い方 |
|---|---|---|
| 返事が | 「社会人として、 | 「木曜の |
| 前にも | 「前にも | 「先月も |
| 直してほしいこと | 「もっと責任感を | 「納期の |
| 上司自身のこと | 「私が | 「先方から |
左の列は、出来事から離れています。向かう先は人柄(責任感)や過去(前にも言った)、一般論(社会人として)や上司の昔話です。右の列は、今回の出来事と、今日からどう変えるかにとどまっています。もう1つの違いは終わり方です。左の列の話は、部下が「すみません」と言うまで続きがちです。右の列の話は、部下の事情を聞く問いで終わります。
説教と受け取られやすいもう1つの理由は、上司が何を基準に言っているのかを、部下が知らないことです。「当日中に一度返事をする」という決まりが二人の間になければ、部下には、上司の機嫌で怒られたように見えることがあります。基準は、できれば出来事の前に、遅くともその場で言葉にしておくとよいでしょう。
説教にならない伝え方: 最初の一言から、 部下の言い分まで
直してほしいことを伝えるときは、次の5つの順で進めるのも1つの方法です。事実から始め、部下の言い分を聞き、直してほしいことと上司がすることを決め、次に確認する日で終えます。この順に進めると、話は長くなりにくく、部下が話す時間もできます。
- 起きたことを、1つだけ短く言います。
- 木曜に来た納期の問い合わせに、今日まで返事が出ていないようです。私の見落としでなければ、状況を教えてもらえますか。
- 直してほしいことを言う前に、部下の事情を聞きます。
- 返せなかった事情があれば、先に教えてください。製造部に確認が取れなかった、ということもあるかと思います。
- 私の理解が違っていたら、言ってください。
- 直してほしいことを1つ、理由と一緒に伝えます。
- 納期の問い合わせには、答えが出ていなくても当日中に「確認中です。明日までに返します」と一度返してもらえますか。先方が待っている間に、別の会社に発注してしまうことがあるからです。
- 今回は、先方が2日間納期を待つことになり、社内の予定を立てにくかったのではないかと思います。
- 上司がすることも、その場で決めます。
- 製造部に納期を聞いても返事が遅いときは、私に言ってください。私から製造部長に話します。
- 問い合わせが多い週は、私が一部を引き取ります。
- 次に確認する日を決めます。
- 来週の1on1で、この1週間の問い合わせがどう回ったかを、一緒に見てみませんか。
- うまく回らなかったら、やり方のほうを変えましょう。
話が長くなりそうだと自分で気づいたときは、途中で切り上げてかまいません。
- 私が長く話しすぎました。言いたかったのは1つで、問い合わせには当日中に一度返してほしい、ということです。
- ここまでで、○○さんはどう思いますか。
部下が黙ってしまったときは、その場で答えを求めず、時間を置きます。
- 今すぐ答えなくて大丈夫です。来週の1on1までに、考えておいてもらえますか。
説教をしてしまったあとに、 できること
説教になってしまったと気づいたら、翌日までに短く謝り、伝えたかったことを1つに絞って言い直します。長く謝る必要はありません。
- 昨日は、仕事の話を超えて、○○さんの姿勢のことまで言ってしまいました。言い過ぎでした。
- 直してほしいことは1つだけです。問い合わせには当日中に一度返事をする、ということです。昨日のほかの話は、気にしないでください。
- 昨日の話で納得できなかったところがあれば、教えてもらえますか。私の思い違いがあれば直します。
同じ出来事について、何日も繰り返して言わないことも大切です。伝えたことが変わらないときは、言い方を強くするより、何が引っかかっているのかを1on1で尋ねるほうが、次につながります。
説教がハラスメントに当たるか心配なとき
大声で言う・人格を否定する言葉を使う・長時間にわたる・人前で言う・同じことを繰り返すといった言い方が、パワーハラスメントに当たるかどうかは、このページでは判断しません。会社の就業規則とハラスメントに関する指針を読み、人事の担当に確かめてください。部下から「ハラスメントだと感じた」と言われたときも、その場で否定も肯定もせず、上司のほうから人事に相談します。
- そう感じさせてしまったことは、申し訳ありません。私の言い方については、人事にも相談して、確かめます。
- 仕事の話は、人事に相談したあとで、あらためて時間を取らせてください。
説教の受け取り方は、 部下の年代で変わるか
「今の若い部下は説教を嫌うから、言い方を変える」という助言があります。KAKEAIの1万人調査は説教そのものを尋ねていませんが、面談の困りごとに「上司の話が役に立たない」を挙げた人は、20代の回答で6.4%でした。30代では8.2%、40代では8.4%、50代では8.8%、60代では8.3%です。20代の回答で、上司の話を役に立たないと感じている人の割合が、ほかの年代より高いわけではないということです。年代で言い方を変えるより、どの年代にも、仕事の事実と今日から変えることで話すことをおすすめします。
説教にならずに伝えられたかの振り返り方
伝えられたかどうかは、部下が「すみません」と言ったかではなく、その日の二人の時間と、次の1週間で振り返ります。
- 上司が話す時間が長く、部下が話す時間が短かったと感じたら、次は上司の話を1つに絞り、部下の事情を聞く時間を先に取ってみてください。
- 話の中身が今回の出来事と今日から変えることにとどまっていたら、次に伝えるときも同じ範囲で話します。人柄や過去の話に広がってしまったら、翌日までに言い直しましょう。
- 部下が次に変えることを二人で1つ決められたら、上司がすることも1つ決めて、来週の1on1で一緒に振り返ります。
- 次の週も、報告や相談のやり取りがこれまで通り続いていたら、その伝え方を続けてかまいません。
部下からの報告や相談が減ったと感じたら、言い方を強くするより、言いにくくなっていないかを上司から尋ねるのがよいでしょう。
- 先週の私の言い方で、相談しにくくなっていませんか。気になることがあれば、教えてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
注意や指摘を伝える必要があるのに、切り出し方に迷って先送りしたり、伝えたあとに受け止めてもらえたのかがわからなかったりするときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の前に、「メンバーに伝えたいこと」に入力して。
注意したいことを、どの話題の流れで切り出すかを、 1on1の前に考えておけます。
マネジャー権限でご自身のメンバーと行う1on1では、「予定・履歴」の次の1on1のカードの「メンバーに伝えたいこと」に、切り出したいことを入力できます。保存すると「1on1前のAIアドバイス」が書き直され、どの話題の流れの中で切り出すと自然かが示されます。入力した内容は部下には表示されず、ご自身向けのアドバイスにだけ使われます。
伝える1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
伝える中身だけでなく、 部下が何を求めているかに合わせた切り出し方を、 1on1の前に考えておけます。
Kakeai AI が、部下が選んだ期待する対応(「具体的なアドバイスが欲しい」など)とこれまでの1on1を踏まえて、どう切り出すとよいかと、最初の一言の案を書きます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。
競合の範囲と情報源については、自分がやってきた中でこういう切り方をしていた、という話をまず共有しますね。そのうえで、森さんが今どこで迷っているかを聞かせてもらえますか。
伝えた1on1の終了後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。
言いっぱなしになった指摘や問いに、 次の1on1でどう戻るかを、 具体的な一言で準備できます。
ご自身の返し方で部下の話が途中で終わった場面や、部下が答えに詰まったまま次の話に移った場面があると、次の1on1でその話にどう戻るかの一言の案が書かれることがあります。言い方が悪かったという指摘ではなく、次に試すこととして書かれます。ご自身向けの内容です。
加藤さんが何を怖れているのか、もう少し聞ける余地が残っています。…次回、昇格試験の準備状況を確認するタイミングで、「社内の評価の場面って、具体的にどんなときが一番きつい?」と一問戻してみませんか。
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よくある質問
部下に説教するのは、 パワハラになりますか。
部下への説教がパワーハラスメントに当たるかどうかは、このページでは判断しません。大声で言う・人格を否定する言葉を使う・長時間にわたるといった言い方が心配なときは、会社の就業規則とハラスメントに関する指針を読み、人事の担当に確かめてください。部下から「ハラスメントだと感じた」と言われたときは、その場で否定も肯定もせず、人事につなぐことをおすすめします。
部下に説教しても響かないのは、 なぜですか。
部下に説教しても響かないと感じるときは、話が今の仕事の事実から離れて、人柄や過去や一般論に向かっていることが考えられます。伝える中身を、今回の出来事と今日から変えることの1つに絞り、部下の事情を聞く問いで終えてみてください。
説教と指導の違いは何ですか。
説教と指導の違いは、言葉の厳しさではなく、話の向かう先と終わり方にあります。説教は、出来事から離れて人柄や過去や一般論に向かい、部下が「すみません」と言うまで続きがちです。指導は、今回の出来事と今日からどう変えるかにとどまり、部下の事情を聞く問いで終わります。同じ「返事が遅れた」という出来事でも、「責任感を持ってほしい」と言うか、「問い合わせには当日中に一度返事をしてほしい」と言うかで、部下に届くものが変わります。
部下に説教してしまったあと、 どうフォローすればよいですか。
部下に説教してしまったと気づいたら、翌日までに短く謝り、伝えたかったことを1つに絞って言い直してください。「昨日は仕事の話を超えて、姿勢のことまで言ってしまいました。言い過ぎでした。直してほしいことは1つだけです」という程度で十分です。長く謝る必要はありません。あわせて、納得できなかったところがあれば教えてほしいと伝え、部下の言い分を聞く時間を取るとよいでしょう。
部下に説教しない上司は、 甘いと思われませんか。
部下に説教しないことと、直してほしいことを言わないことは別です。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)に、具体的なアドバイス・意見・一緒に考えることのどれかを選んだ人が59.8%いました。つまり、面談で上司の考えや関わりを求める人は多くいます。直してほしいことを事実と理由と一緒に伝えることも、上司の考えを伝えることの1つです。避けたいのは、言わないことではなく、人柄や過去に向かう長い話です。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/lecturing-subordinates-and-cautions
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: