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上司の方へ部下との関わり

部下育成のフレームワークの使い方

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

部下育成のフレームワークは、部下を段階や型に分類する物差しとして使うより、仕事の進み具合と次にすることを二人で見るための共通の言葉として使うことをおすすめします。使う場面は、任せる範囲を決めるとき、振り返りのとき、関わり方を選ぶときの3つです。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談のあと行動につながりにくい人が挙げた理由のうち、「スキルが不足していてできない」は9.1%でした。情報が揃っていない、時間やコストの制約といった理由より少ない答えです。行動につながりにくい理由として、スキル不足を挙げる人は多くありません。部下の段階は上司が一人で判定せず、仕事ごとに二人で確認し、足りない情報や判断は上司が引き受けるとよいでしょう。

数字で見る

KAKEAIの1万人調査では、上司との面談のあと行動につながりにくい人が挙げる理由は1つに決まらず、スキル不足を挙げる人は、情報や時間を挙げる人より少なくなっています。Kakeai AI 1on1の利用データでは、部下が上司に期待することで最も多いのは「一緒に考えてほしい」ですが、それでも2割に届かず、期待は1つに偏っていません。フレームワークは、部下を分類する道具としてではなく、仕事ごとに二人で使う共通の言葉として使うとよいでしょう。

9.1%
1万人調査
面談のあと行動につながりにくい人が挙げた理由(5つまで選択)のうち、「スキルが不足していてできない」を選んだ人の割合
「行動するために必要な情報が揃っていない」15.9%、「時間やコストの制約で動けない」15.4%より少ない答えです。面談のあと行動につながりにくい理由として、スキル不足を挙げる人は多くないということです。
19.4%
Kakeai AI 1on1 利用データ
部下が1on1の前に選んだ、上司に期待することのうち、「一緒に考えてほしい」が選ばれた割合
2番目は「意見を聞きたい」18.9%でした。「話を聞いてほしい」は11.7%で、最も少ない答えです。最も多い答えでも2割に届かず、部下が上司に期待することは1つに偏っていません。

1万人調査の理由の数字は、面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人だけが答えたものです。利用データの割合は、上司に期待することが選ばれていたテーマの中での内訳で、会話の内容を示すものではありません。

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。

出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)

部下育成のフレームワークは、部下を測る物差しではなく、二人で使う共通の言葉

部下育成のフレームワークは、上司が部下を段階や型に分類し、関わり方を決める道具として紹介されることが多いものです。ただ、部下の仕事が止まる理由はスキルのほかにもあり、部下が上司に期待する関わり方も、「教える」「引き出す」の2つだけではないと考えられます。フレームワークは、部下を測るためではなく、仕事の進み具合と次にすることを二人で見るための共通の言葉として使うことをおすすめします。

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査を見ます。上司との面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人に、その理由を5つまで選んでもらいました。「スキルが不足していてできない」を選んだ人は9.1%でした。「行動するために必要な情報が揃っていない」15.9%、「時間やコストの制約で動けない」15.4%、「今動く必要性を感じていない(緊急度が低い)」13.4%より少ない答えです。最も多かったのは「その時々によって違う」26.1%、次が「特にない」23.4%でした。つまり、面談のあと行動につながりにくい理由として、スキル不足を挙げる人は少なく、理由は1つに決まらないということです。面談についての数字ですが、仕事が止まる理由を考えるときも、スキルのほかに、情報や時間が足りているかを一緒に見ておきたいところです。

スキルの段階だけで部下を分類すると、情報や時間や優先順位の問題を、本人の力の問題として扱ってしまうおそれがあります。フレームワークは、分類の結果を上司が持つためではなく、仕事ごとに二人で見るために使います。

よく知られたフレームワーク一般に知られた中身二人で使うときの形
習熟度に合わせて関わり方を変える考え方仕事に慣れていない段階では指示を細かく、慣れるにつれて任せる範囲を広げる段階を上司が判定せず、仕事ごとに「どこまで一人でできているか」を二人で確認する
経験から学ぶサイクル経験したことを振り返り、そこから教訓を取り出して、次の実践に生かす振り返りの問いを部下自身が使えるようにし、上司は足りない情報を足す
目標・現状・選択肢・意思の順に進む問いかけの型目指す状態、今の状態、取れる手、やると決めることを順に話す順番を守ることより、部下が止まっているところから入る
意欲と力の2軸で見る表意欲と力の高さの組み合わせで、関わり方を変える部下を4つの箱に入れる道具にせず、その仕事で何が足りないかを二人で言葉にする
教える・一緒に考える・引き出すの使い分け相手や場面によって、教えるか、問いかけるかを変える上司が1つに決めず、その回に部下が期待することに合わせて選ぶ

以下では、経理部で月末の請求書の発行業務を部下に任せていく場面を例に、フレームワークを二人で使う形を書きます。

任せる範囲を決めるとき:段階を上司が判定せず、仕事ごとに二人で確認する

習熟度に合わせて関わり方を変える考え方は、任せる範囲を決めるときに役立ちます。ただし、「この部下は第2段階」と上司が一人で判定して関わり方を決める使い方は、おすすめしません。同じ部下でも、仕事によって一人でできる範囲は違い、上司の目に入っていない仕事もあります。段階は、仕事ごとに二人で確認してください。

  • 請求書の発行で、定型のお客様の分は、もう一人で仕上げられていますね。私の確認を外しても大丈夫そうですか。
  • 値引きや分割払いが入るお客様の分は、まだ私が一度見たいと考えています。○○さんは、どこまで一人で進められそうだと感じていますか。
  • どの作業から私の確認を外していくか、一緒に順番を決めませんか。

一人でできる範囲が広がったら、任せる範囲を広げたことを言葉で伝えます。黙って手を離すと、部下には放っておかれたように見えることがあります。

  • 来月から、定型の請求書は○○さんの判断で発行してもらえればと考えています。何かあれば、発行の前でも後でも声をかけてください。一緒に見ます。
  • 任せる範囲を広げたからといって、相談を減らしてほしいわけではありません。迷ったときは、これまで通り聞いてください。

振り返りのとき:経験から学ぶサイクルを、部下自身の問いにする

経験から学ぶサイクルは、仕事が終わったあとの振り返りに使えます。使うときは、上司が「何を学びましたか」と尋ねて答えを求める形ではなく、部下自身が振り返りの問いを使えるようになることを目指します。

  • 今月の請求書の発行で、うまくいったことと、手間がかかったことを、1つずつ教えてもらえますか。
  • 手間がかかったのは、やり方の問題、情報の不足、時間の不足のどれに近いと感じていますか。
  • 来月、1つだけ変えるとしたら、何を変えますか。私が用意したほうがよい情報があれば、それも教えてください。

振り返りで出てきた「足りなかったもの」が情報や判断であれば、それは上司の側で用意するものです。部下の学びにするだけで終えないよう、上司が引き受ける分を分けて伝えます。

  • 営業部からの値引きの連絡が遅れて手戻りになったのは、○○さんの問題ではありません。営業部との連絡の仕組みは、私が営業部長と相談します。
  • 今月うまくいったやり方は、来月も続けましょう。手順のメモに、○○さんの言葉で書き足してもらえますか。

関わり方を選ぶとき:教える・一緒に考える・引き出すを、部下の期待で決める

関わり方を「教える(ティーチング)」と「引き出す(コーチング)」に分けるフレームワークは、上司が自分の関わり方を見直すきっかけになります。ただし、部下によって、または上司の好みで、どちらかに固定する使い方はおすすめしません。部下が求める関わりは、人によっても回によっても違います。

「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)で、部下が1on1の前に選んだ、上司に期待することを見ます。最も多かったのは「一緒に考えてほしい」19.4%で、次が「意見を聞きたい」18.9%でした。「話を聞いてほしい」は11.7%で、選べる6つの中で最も少ない答えです。最も多い答えでも2割に届かず、部下が上司に期待することは1つに偏っていないと言えます。

「一緒に考えてほしい」は、教えるか引き出すかのどちらか一方では応えにくい期待だと考えられます。関わり方を選ぶ方法の1つとして、面談の最初に、その日に上司に期待することを部下に尋ねる方法もあります。

  • 今日の請求書の話は、私から進め方を説明したほうがよいですか。それとも、○○さんの案を聞いてから一緒に考えましょうか。
  • 分からないところがあれば、遠慮なく聞いてください。私にも分からないことは、一緒に調べましょう。

「一緒に考えてほしい」と言われたときは、先に部下の案を聞くという手順にこだわらず、何に困っていて、どうしたいのかを把握することから始めてください。

  • 一緒に考えましょう。今、一番引っかかっているのはどこですか。どうなっていれば、発行まで進めそうですか。
  • 私の考えも途中でお伝えしますが、どうするかは二人で決めましょう。
  • 今の話は、役に立ちましたか。的を外していたら、遠慮なく言ってください。

部下育成のフレームワークの使い方で、避けたいこと

避けたいのは、フレームワークを部下に当てはめる道具にすることです。反対に、枠組みを何も持たずにその場の思いつきで関わり方を変えたり、任せたまま様子を見なかったりすると、部下は迷いやすくなります。

  • 部下をタイプや段階に分けて、関わり方を固定する。分類の結果は、上司の目に入った仕事の範囲でしか当てはまらないことがあります。仕事ごとに二人で確認すれば、上司の目に入っていない仕事の様子も分かります。
  • 1つの型を、どの部下にも、どの場面にも当てはめる。KAKEAIは、1つの型や手順をどの場面にも当てはめることをおすすめしません。万能のやり方はなく、仮説を立てて試し、確かめて、直すことが育成の中身です。
  • 答えを教えず、質問で気づかせると決めておく。KAKEAIは、このやり方を決めておくこともおすすめしません。部下が止まっている理由には、情報や判断のように、上司の側にしかないものが含まれることがあるからです。
  • フレームワークの表を上司だけが埋めて、部下には見せない。育成計画の表が上司の手元にだけあると、部下は自分がどう見られているかを知らないまま、関わり方だけが変わります。表に書くことは、面談で部下と話した内容にします。
  • 研修で学んだ順番を、そのまま面談に持ち込む。問いかけの型は、部下が止まっているところから入るほうが役に立ちます。順番通りに全部の問いを使うことは目的ではありません。

KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、仕事は成果に対してクリアしなければならないものであると同時に、成長にとっての具体的な材料でもあると考えています。育成のフレームワークも、仕事を離れた型としてではなく、今の仕事を材料にして二人で使うことで、仕事の話につながる言葉になります。

部下育成のフレームワークが役に立っているかの振り返り方

フレームワークが役に立っているかどうかは、表が埋まったかではなく、面談のあとの二人の動きを振り返るとわかります。

  • 任せる範囲が広がったことを部下に言葉で伝えられたら、次は、その範囲で迷ったときにどう相談するかを二人で決めておきます。
  • 振り返りで上司の側が用意するものが分かったら、次の月末までに用意し、そのことを部下に伝えます。
  • 関わり方が部下の期待と合っていないと感じたら、次の回は、話の途中でも「今の話は役に立っていますか」と尋ねてみてください。
  • 振り返りで二人が次にすることを決められたら、次は、使った問いを手順のメモに書き足しておきます。

フレームワークの表は埋まっているのに、面談のあとに任せる範囲も進め方も変わっていないなら、表を置いて、今の仕事で部下が止まっているところを1つ尋ねるところから始めてみてください。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。

本や研修で学んだ育成のやり方を、目の前の部下との会話にどう当てはめればよいか迷うときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。

部下との1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。

一般的なやり方をそのまま当てはめる前に、その部下が今回何を期待しているかに合わせた入り方を考えられます。

Kakeai AI が、選ばれたテーマと、部下が選んだ期待する対応、これまでの1on1でのやり取りをもとに、今回どう関わるとよいかと、最初の一言の案を書きます。ご自身向けの内容で、部下には部下向けの別の内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

加藤さんは「一緒に考えてほしい」と言っているので、答えを渡すより、どこから手をつけるかを一緒に絞る関わりが今日の軸になります。

1on1の終了後に、「今回よかった点」で。

自分の関わり方のうち続けるとよいものを、本の中の一般論ではなく、実際の会話の場面で確かめられます。

「1on1後のAIアドバイス」の「今回よかった点」に、その回のどの場面で、ご自身のどの問いかけや返し方が部下の言葉につながったかが、実際の発言を引用して書かれます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

数字の報告を受け取るだけでなく、担当者がその数字をどう読んでいるかを問う形は、西村さんが自分の判断を持ち込む場を作りました。

1on1の終了後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。

本で読んだ問いかけではなく、その部下との実際の会話から、次の1on1で試す一言を持てます。

「1on1後のAIアドバイス」のご自身向けの欄に、その回の会話をもとに、次の1on1で部下に試せる一言の案が書かれます。部下には別の内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

次回、自動車系列や提案書の軸について藤本さんが実際に動いた結果を聞く場面で、「自動車系列、リストに入れてみてどうだった?」と一問返してみてはいかがでしょうか。

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よくある質問

部下育成のフレームワークには、どんなものがありますか。

部下育成のフレームワークとしてよく知られているのは、習熟度に合わせて関わり方を変える考え方と、経験から学ぶサイクルです。目標から意思へ順に進む問いかけの型、意欲と力の2軸で見る表、教えると引き出すの使い分けも、よく使われます。どれも、部下を分類して終わる道具ではなく、仕事の進み具合と次にすることを二人で見るための共通の言葉として使うと役に立ちます。

部下育成のフレームワークは、どれを選べばよいですか。

部下育成のフレームワークは、1つを選んで全部の場面に使うより、場面ごとに使い分けることをおすすめします。任せる範囲を決めるときは習熟度の考え方、仕事のあとには経験から学ぶサイクル、関わり方を選ぶときは教える・一緒に考える・引き出すの使い分け、という形です。どの場面でも、分類の結果を上司が持つのではなく、仕事ごとに部下と一緒に確認する形で使います。

部下をタイプ別に分けて育成するのは、よい方法ですか。

部下をタイプ別に分けて関わり方を固定する方法は、おすすめしません。分類の結果は上司の目に入った仕事の範囲でしか当てはまらないことがあり、同じ部下でも仕事によって一人でできる範囲は違います。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談のあと行動につながりにくい人が挙げた理由のうち、「スキルが不足していてできない」は9.1%でした。情報が揃っていないことを挙げた15.9%より少なく、スキル不足を挙げる人は多くないということです。

コーチングのフレームワークだけで、部下は育ちますか。

コーチングのフレームワーク(問いかけで部下の考えを引き出す型)だけで部下が育つとは限りません。部下が止まっている理由には、情報や判断のように、上司の側にしかないものが含まれることがあるからです。Kakeai AI 1on1の利用データでは、部下が上司に期待することで最も多いのは「一緒に考えてほしい」19.4%でした。この期待には、問いかけるだけでも教えるだけでも応えにくいので、その回の期待を尋ねてから関わり方を選ぶのも1つの方法です。

部下育成のフレームワークを使っても効果が出ないときは、どうすればよいですか。

部下育成のフレームワークを使っても効果が出ないときは、表を埋めることを一度やめて、今の仕事で部下が止まっているところを1つ尋ねることから始めてみてください。止まっている理由が情報や判断であれば、それは上司の側で用意するものです。フレームワークが役に立っているかどうかは、面談のあとに任せる範囲や進め方が変わったかを見るとわかります。表が埋まっていても、二人の動きが変わっていなければ、使い方を変える合図です。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/how-to-use-frameworks-for-developing-subordinates

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: