上司の方へ部下との関わり
部下を守るために、 リーダーは何をすべきか
先に答え
部下を守るためにリーダーがすべきことは、問題が起きたときに盾になることだけではありません。部下が抱えている無理を早いうちに知り、上司の立場で引き受けられるものを引き受けられるよう、普段から話せる時間をつくっておくことです。期限・人手・権限の無理は上司が引き受け、お客様や他部署からの強い要求には、部下の話を聞いたうえで上司が窓口に立ちます。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の話題として「心身の状態」を挙げた人が22.9%いました。体調の話は面談で出ることのある話題であり、話が出たときは受け止め、産業医や人事の担当につなぎましょう。守るつもりで、部下から情報や仕事を取り上げることは避けます。
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KAKEAIの1万人調査では、面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ない人の理由に、時間や権限といった仕事の条件も挙がっていました。また、面談の時間全体で見ると、心身の状態の話に使われている時間はわずかでした。部下を守るために、仕事の条件の無理を上司が引き受け、心身の状態の話が出たときは受け止めて専門家につなぐことをおすすめします。
- 15.4%
- 1万人調査
- 面談が行動につながりにくい理由(5つまで選択)として、「時間やコストの制約で動けない」を挙げた人の割合
- 尋ねた相手は、面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人です。「裁量や権限がなくできない」は9.4%でした。どちらも、意欲ではなく、仕事の条件によって動けないという答えです。
- 22.9%
- 1万人調査
- 上司との面談の話題(複数回答)として、「心身の状態」を挙げた人の割合
- 面談の時間のうち、心身の状態の話が占める割合は、回答者全体の平均で4.5%でした。話題にしていない人も含めた平均で、面談の時間全体から見ると、心身の状態の話に使われている時間はわずかだということです。
1万人調査は、上司が部下を守る行動について尋ねたものではありません。話題の割合は、上司との定期的な面談で話している話題を、複数回答で尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
部下を守るためにリーダーがすべきことは、 部下の無理が上司に届く状態をつくること
部下を守るためにリーダーがすべきことは、問題が起きたときに盾になることだけではありません。部下が抱えている無理を早いうちに知り、上司の立場で引き受けられるものを引き受けられるよう、普段から話せる時間をつくっておくことです。問題が大きくなってから守ろうとしても、上司にできることは限られてしまうからです。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、1on1は、その部下の仕事を決められる直属の上司が行うのがよいと考えています。ただし、上司であっても、部下の仕事を見てもいないなら、上司が行う意味はありません。部下を守ることも同じで、部下の仕事を見ていなければ、何から守ればよいのかがわかりません。
以下では、お客様からの問い合わせに答える窓口(カスタマーサポート)で、部下がお客様と社内の各部署の間に立って対応している場面を例にします。普段から、たとえば次のように声をかけておくとよいでしょう。
- 困っていることは、小さなことでも1on1で話してください。私が動けることは、その場で引き受けます。
- 先週、窓口の応援に入ってみて、問い合わせが重なる時間帯の大変さがよくわかりました。
部下を何から守るのかは、大きく4つに分けられます。
| 何から守るか | 起きていること(例) | 上司ができること |
|---|---|---|
| 仕事の | 問い合わせが | 期限や |
| 外からの | お客様からの | 上司が |
| 心身の不調 | 体調や | 話を |
| ハラスメント | お客様や | 会社の |
仕事の条件の無理から部下を守る: 期限・人手・権限を上司が引き受ける
仕事の条件の無理から部下を守るには、期限・人手・権限のうち、部下が一人では変えられないものを上司が引き受けます。部下が無理を言い出す前に上司の側から尋ねると、無理が早く見つかりやすくなります。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人に、その理由を尋ねています(5つまで選択)。「時間やコストの制約で動けない」を挙げた人は15.4%、「裁量や権限がなくできない」は9.4%でした。どちらも、意欲ではなく、仕事の条件によって動けないという答えです。
面談についての数字ですが、部下から無理の相談を受けたときも、本人の努力の問題にせず、期限や人手といった条件の側から一緒に見直すとよいでしょう。
- 今週は問い合わせが多いようですね。回答の期限に無理が出ているものはありますか。
- 期限を延ばしてもよいものは、私から関係する部署に相談します。どれから相談しましょうか。
- 返金のように○○さんの権限を超える判断は、私に回してください。その場で答えられなくても、上司から折り返しますとお伝えしてかまいません。
- 人手が足りない状態が続くなら、部長に相談します。いつ頃から、どのくらい足りないと感じていますか。
- 新しい商品についての問い合わせで、回答に迷うものがあれば教えてください。答え方の資料は、私が担当の部署に頼みます。
お客様や他部署からの強い要求から部下を守る
お客様や他部署からの強い要求から部下を守るときは、上司が窓口に立つことを考えます。ただし、部下に黙って上司が引き取らず、まず部下の話を聞き、部下がどうしたいかを尋ねてから決めることをおすすめします。
- 昨日のお客様とのやり取りは、大変でしたね。どんな話だったか、教えてもらえますか。
- 次にそのお客様から連絡があったときは、私が代わって対応することもできます。○○さんは、どうしたいですか。
- 他部署からの急な依頼は、今後は私に先に連絡をもらうよう、先方の課長にお願いしようと考えています。○○さんは、どう思いますか。
部下の対応にも直すべき点があった場合は、お客様への対応を先に済ませ、原因の話は落ち着いてから二人で振り返ります。ほかの部署に対しては、部下一人に責任を負わせる形にせず、上司が事実を説明します。
- まず、お客様へのおわびは私が一緒に行きます。どうしてこうなったかは、落ち着いてから二人で振り返りましょう。
- 品質管理の部署には、私から経緯を説明します。説明の前に、私の理解が違っていたら教えてください。
- 先方の課長と決めたことは、今日のうちに○○さんにもお伝えします。
お客様や他部署の人の言動が、人格を否定するようなものであったり、繰り返されたりしている場合は、ハラスメントに当たる可能性もあります。当たるかどうかは上司が判断せず、会社の決まりに沿って、人事の担当や社内の相談窓口に相談してください。
心身の不調から部下を守る: 話を受け止め、 専門家につなぐ
心身の不調から部下を守るには、体調や睡眠の話が少しでも出たときに聞き流さず、まず受け止めてください。受診や休み、働き方の配慮は上司が判断せず、産業医や人事の担当、医療の専門家につなぎます。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の話題(複数回答)として「心身の状態」を挙げた人は22.9%でした。面談の時間のうち、心身の状態の話が占める割合は、回答者全体の平均で4.5%です。面談の時間全体で見ると、心身の状態の話に使われている時間はわずかだということです。
- 最近、帰りが遅い日が続いていますね。体調はいかがですか。話せる範囲でかまいません。
- 話してくれて、ありがとうございます。無理をしてほしくないと思っています。
- 産業医の方に相談できる窓口があります。一人で連絡しにくければ、人事の担当に私から連絡することもできます。○○さんは、どうしたいですか。
- 仕事の量をどう調整するかは、○○さんの体調を一番に考えて、改めて一緒に決めましょう。
部下から聞いた心身の状態の話を、ほかの人に伝える必要があるときは、本人の了解を得たうえで、会社の決まりに沿って扱います。
部下を守るつもりで、 避けたいこと
避けたいのは、守るつもりで部下から情報や仕事を取り上げることと、逆に、任せたからといって部下を一人で矢面に立たせることの両方です。
- 問題が起きたら、上司が全部をかぶって、部下には何も伝えない。部下は何が起きたのかを知らないまま、次も同じ状況に立つことになります。
- お客様や他部署からの厳しい声を、部下を守るつもりで伝えない。部下が自分の仕事を見直す材料がなくなります。伝えるときは、相手の言葉をそのまま繰り返すのではなく、事実と、上司がどう考えているかを分けて伝えます。
- 失敗を避けようとして、難しい仕事を部下から取り上げる。部下が力をつける機会がなくなります。
- 部下の代わりに交渉したことを、本人に知らせない。部下は、お客様や他部署と何が決まったのかを知らないまま対応することになります。
- 逆に、「現場で対応して」と任せきりにして、部下一人をお客様や他部署の前に立たせ続ける。無理が上司に届かないまま、大きくなってしまうおそれがあります。
部下を守れているかの振り返り方
部下を守れているかどうかは、問題が起きたときの上司の対応だけでなく、普段の二人の時間からも振り返ることができます。振り返ったあとに次にすることの例です。
- 部下の仕事を自分の目で見る機会が少なかったと感じたら、次の1on1の前に、仕事の様子を見に行く時間を取ってみてください。
- 1on1の中で、部下が無理を感じていることを話す時間が取れなかったら、次の回は早めにその話を尋ねてみてください。
- 上司が引き受けると言ったこと(期限の相談、他部署への説明など)が済んだら、その結果を部下に伝えます。
- 守るつもりで部下に伝えないまま決めたことがあれば、次の1on1で経緯を話し、部下の考えを尋ねましょう。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
上司と部下の話がすれ違ったり、一度崩れた信頼関係を立て直したりしたいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
行き違いを話した1on1の後に、「1on1のAI要約」で。
すれ違いの原因を片方だけに置かず、 二人がそれぞれ認めたことを同じ記録として残せます。
Kakeai AI が、二人が話したことを、どちらが何を述べ、何を認めたかという形で要約にします。評価や採点の言葉ではなく、事実の言葉で書くように作られています。
入社5ヶ月を経て、長谷部さんが社内の意思決定の手順(関係者への根回し)に最初戸惑ったことを振り返りました。3月の件については柳瀬さんも説明不足を認めています。
1on1の終了後に、「1on1後のAIアドバイス」で。
関係の立て直しを上司だけ、 部下だけの努力にせず、 二人がそれぞれ次の1on1で試すことを持てます。
上司と部下のそれぞれに、その回のご自身の発言を踏まえた「今回よかった点」と「次の1on1や日常へ向けて」が書かれ、それぞれ本人にだけ表示されます。部下の側にも、次の1on1で自分から一言添えてみる、といった案が書かれることがあります。
次回、西村さんのレポートを見せてもらう場面で、「社内の評価の場面だと緊張の種類が違うので、レポートを書きながら少し慣らしていきたいです」と一言添えてみませんか。自分の言葉で伝えておくと、西村さんも見せ方を考えやすくなります。
次の1on1の前に、「概要」の画面で。
どちらが動く番になっている話なのかを、 二人が同じ文章で確かめられます。
「概要」の画面のダイジェストには、いま途中になっている話と、それが誰の確認待ちになっているかが書かれます。お二人に同じものが表示されます。
石田さんの返答が出るまで長谷部さんは仕様書側を動かさない方針で、現在は柳瀬さんの確認待ちの状態です。
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よくある質問
部下を守るリーダーとは、 どんな人ですか。
部下を守るリーダーとは、問題が起きたときに盾になるだけでなく、部下が抱えている無理を早いうちに知り、上司が引き受けられるものを引き受ける人だと考えられます。そのためには、部下の仕事を自分の目で見ていることが前提になります。一方で、守るつもりで部下から情報や仕事を取り上げると、部下が力をつける機会が減ってしまいます。任せきりにして、部下を一人で矢面に立たせることも避けましょう。
部下のミスでお客様が怒っているとき、 上司はどう部下を守ればよいですか。
部下のミスでお客様が怒っているときは、まずお客様への対応を上司が一緒に引き受け、原因の話は落ち着いてから二人で振り返ることをおすすめします。ほかの部署への説明も、部下一人に責任を負わせる形にせず、上司が事実を説明します。説明の前には、部下から経緯を聞き、上司の理解が違っていないかを尋ねておきましょう。
他部署から部下に無理な依頼が来るときは、 どうすればよいですか。
他部署から部下に無理な依頼が続くときは、上司が先方の上司に話し、今後は依頼を上司に先に連絡してもらうようお願いする方法があります。ただし、部下に黙って決めず、まず部下の話を聞き、どの依頼に無理があるのかを尋ねてから動きましょう。上司が先方と決めたことは、部下にも伝えます。
部下が体調の不安を話してきたとき、 上司は何をすればよいですか。
部下が体調の不安を話してきたときは、まず「話してくれて、ありがとうございます」と受け止め、すぐに仕事の調整の話に入らないようにしましょう。受診や休み、働き方の配慮は上司が判断せず、産業医や人事の担当、医療の専門家につなぎます。聞いた話をほかの人に伝える必要があるときは、本人の了解を得たうえで、会社の決まりに沿って扱います。
部下を守ろうとして、 過保護になっていないか心配です。
部下を守ろうとして過保護になっていないかは、部下から情報や仕事を取り上げていないかで振り返ることができます。厳しい声を伝えない・難しい仕事を任せない・代わりに交渉したことを知らせない、といったことが続いていれば、部下が力をつける機会や自分で判断する材料が減っているかもしれません。守ることと任せることを、部下と話して決めましょう。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/how-leaders-protect-their-team
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: