部下の方へ部下との関わり
放置する・無関心な上司のもとでどうするか
先に答え
放置する・無関心な上司のもとでは、上司が関心を持つのを待つより、部下の側から仕事を見てもらう機会を作るほうが、状況は動きやすくなります。放置の中身は3つに分けられます。任せているつもりで何も言わない、接点が少ない、仕事を見ていない、です。どの場合も、面談を自分から頼み、仕事の実物を持ち込んでみてください。そのうえで、判断がほしいのか、意見を聞きたいのか、報告だけなのかを先に伝えます。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が2か月に1回より少ない人でも、面談が行動につながっている人の52.8%が、面談が成果につながっていると感じていました。つまり、接点の少なさより、面談で話したことが行動につながっているかどうかのほうが、成果の実感と強く関係しています。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談の困りごとに「上司が実施に前向きではない」を挙げた人の成果の実感は、回答者全体より低くなっていました。一方、面談の頻度が低くても、話したことが行動につながっている人の成果の実感は高く、「期待していることは特にない」を選んだ人では低くなっています。どれも面談についての数字で、普段の仕事での放置を尋ねたものではありません。放置されていると感じたときも、上司に期待することを自分から伝え、仕事を見てもらう機会を部下の側から作ることをおすすめします。
- 20.4%
- 1万人調査
- 面談の困りごとに「上司が実施に前向きではない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- この困りごとを挙げた人は3.9%です。成果の実感は回答者全体の31.9%より低く、上司が面談に前向きでないと感じている人は、面談の成果を感じにくい傾向があります。
- 52.8%
- 1万人調査
- 上司との面談が2か月に1回より少なく、面談が行動につながっている人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- 週1回以上面談していても、行動につながっていない人では12.7%でした。接点の少なさそのものより、話したことが行動に移っているかどうかのほうが、成果の実感と強く関係しています。
- 8.4%
- 1万人調査
- 上司に期待することを尋ねた質問で、「期待していることは特にない」を選んだ人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- 回答者全体では31.9%でした。つまり、上司に期待することが特にない人は、面談が成果につながっていると感じにくくなっています。
「上司が実施に前向きではない」は面談についての困りごとで、普段の仕事で上司が放置しているかどうかを尋ねたものではありません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
放置する・無関心な上司のもとで、 まず「放置」の中身を分ける
上司に放置されている、関心を持たれていないと感じるとき、起きていることは1つではありません。まず、自分の状況が次の3つのどれに近いかを見分けてください。部下にできることが、少しずつ違います。
| 放置の中身 | よくある場面 | 部下にできること |
|---|---|---|
| 任せているつもりで、 | 仕事を | 進め方と |
| 接点そのものが少ない | 上司が | 期間を |
| 仕事を | 何をしているか | 仕事の |
注意されないことは、問題がないことと同じではありません。上司が任せているつもりの場合、部下の側から「ここを見てほしい」と言わないかぎり、直してほしい点は伝わってこないことがあります。
放置されていると感じるときに見たい数字: 接点の少なさより、 行動につながっているか
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談の困りごと(複数回答)に「上司が実施に前向きではない」を挙げた人は3.9%でした。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は20.4%です。回答者全体の31.9%より低く、上司が面談に前向きでないと感じている人は、面談の成果を感じにくい傾向があります。
同じ調査では、上司との面談が2か月に1回より少ない頻度でも、面談が行動につながっている人のうち、成果を実感している人は52.8%でした。一方、週1回以上面談していても、行動につながっていない人では12.7%です。接点の少なさそのものより、少ない接点で話したことが行動に移っているかどうかのほうが、成果の実感と強く関係しています。
同じ調査で、上司に期待することを尋ねた質問に「期待していることは特にない」を選んだ人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は8.4%でした。回答者全体の31.9%を大きく下回っています。上司に期待することが特にないまま面談を受けている人は、面談が成果につながっていると感じにくいということです。
接点が少ないと感じるときも、上司に何を期待するかを決めて言葉にし、面談で話したことを行動に移すところから始めるとよいでしょう。
KAKEAIは、1on1は、その部下の仕事を決められる直属の上司が行うのがよいと考えています。ただし、上司であっても、部下の仕事を見てもいないなら、上司が行う意味はありません。仕事を見てもらう機会は、上司が関心を持つのを待つのではなく、部下の側から作ってかまいません。
放置する上司に、 部下から仕事を見てもらう頼み方(発言の例)
以下では、購買の部署で、発注の管理表の見直しを一人で任されている部下の場面を例にします。頼み方は5つの段階に分かれます。面談を頼んで仕事の実物を持ち込み、上司に期待することを言います。そのあと、直してほしい点を尋ね、話したことの結果を次の面談で見せます。
1. 期間を決めて、 面談を自分から頼む
- 発注の管理表の見直しについて、一度、30分ほどお時間をいただけますか。ここまでの進め方を見ていただきたいです。
- もし可能なら、見直しが終わるまでの3か月間、月に1回、同じ形で見ていただけると助かります。
2. 仕事の実物を持ち込む
- 今の管理表と、見直した案の両方をお持ちしました。変えたのは、発注の締め日の欄と、取引先ごとの単価の見方の2点です。
- 5分で説明しますので、気になったところで止めていただいてかまいません。
口で説明するだけより、実物を一緒に見るほうが、上司は何が起きているかをつかみやすくなります。上司が仕事の中身を知らない場合も、実物があれば、判断や意見を出しやすくなります。
3. 上司に期待することを言う
- この案で進めてよいか、課長のご判断をいただきたいです。取引先への連絡が関わるので、私だけでは決められません。
- 単価の見方については、課長のご意見を聞きたいです。私はこの形がよいと考えていますが、ほかの部署の使い方は分かっていません。
- 締め日の変更は、ご報告だけさせてください。経理には確認済みです。
判断してほしいのか、意見を聞きたいのか、報告だけなのかを先に言うと、上司は何を返せばよいかが分かりやすくなります。反応が薄い上司でも、求められていることがはっきりしていれば、答えやすくなります。
4. 直してほしい点を、自分から尋ねる
- ここまでの進め方で、直したほうがよい点があれば教えていただけますか。注意を受けたことがないので、このまま進めてよいのか、一度確かめたいです。
- 課長から見て、私がまだ知らずにいる課のやり方や事情があれば、教えてください。
- もし私の仕事で気になることがあれば、面談を待たずに声をかけていただけると助かります。
5. 話したことを実行し、 結果を次に見せる
- 先月ご判断いただいた締め日の変更は、今月から一部の取引先で始めました。発注の漏れは、今のところ出ていません。
- 取引先からは、締め日が分かりやすくなったと言われました。
- 次は単価の欄を直します。来月の面談で、結果をお見せします。
接点が少なくても、話したことの結果を上司に伝えておくと、上司の側も次の判断がしやすくなります。
無関心に見える上司の側の事情
上司が放置しているように見えるとき、上司の側に、部下からは見えにくい事情があるかもしれません。別の部署や自分の担当の仕事を抱えている、部下の人数が多い、といった時間の事情もあれば、任せたつもりで口を出さないのがよいと考えている場合もあります。何を聞けばよいか分からない、ということもあります。関心がないと決めつける前に、上司が何を抱えているかを一度尋ねてみるのも1つの方法です。
- 課長は、今、何を一番優先されていますか。私の仕事で、そこに関わることがあれば知っておきたいです。
上司が「任せているから」と答えたときは、任されている範囲を一緒に確認しておきましょう。
- 任せていただいている範囲を確認したいです。取引先への連絡まで私の判断で進めてよいでしょうか。それとも、連絡の前にご相談したほうがよいでしょうか。
1on1のような改まった場を持たなくてよい関係もあります。ただし、それを上司が決めると間違うことがあります。上司の目には問題なく見えていても、部下の側に伝えたいことがたまっていることがあるからです。場が要ると感じているなら、部下から頼んでかまいません。
放置が続いて、 仕事や体調に影響が出ているとき
面談を頼んでも仕事を持ち込んでも返事がなく、仕事が止まり続けるときは、上司の上司か人事の担当に進め方の相談として持ち込んでください。上司を責める形ではなく、判断が要る案件が止まっているという仕事の話として伝えると、相談しやすくなります。
- ○○課長にご相談している発注の管理表の見直しが、2か月ほど判断待ちになっています。進め方について、ご相談させていただけますか。
放置されていると感じる状態が長く続き、眠れない、出勤がつらいなど体調や生活に影響が出ているときは、面談の工夫より先に産業医や人事の担当に相談してください。上司の対応がハラスメントに当たるかどうかは、自分で判断せず、就業規則と人事の担当に確かめてください。
放置されている感じが変わってきたかを振り返る
放置されている感じが変わってきたかどうかは、上司が声をかけてくれる回数ではなく、自分の仕事が上司に届き、判断や意見が返ってくるようになったかで振り返ります。
- 面談で自分の仕事の実物を見てもらえたら、次は、そこで出た意見をどう生かしたかを持ち込んでみてください。
- 上司に期待すること(判断がほしい・意見を聞きたい・報告だけ、など)を先に伝えられたら、次の面談でも最初にそれを伝えます。
- 面談で決めたことを実行できたら、結果を次の面談で伝え、次の判断や意見につなげます。
- 直してほしい点を上司から聞けたら、どう直したかを次の面談で見せると、上司からの意見も返ってきやすくなります。
3か月ほど続けても、判断や意見が返ってこず、仕事が止まったままなら、上司の上司や人事への相談を考えてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
上司の関わり方に不満や不安があっても、自分から何をどう伝えればよいかわからないときに、会社でKakeai AI 1on1を利用している場合は次のことができます。
1on1の前に、「1on1の準備」と「1on1前のAIアドバイス」で。
上司の関わり方を待つだけでなく、 その回の1on1をどう使うかを自分から決めて臨めます。
「1on1の準備」で、テーマと、上司に期待する対応(「話を聞いてほしい」「一緒に考えてほしい」など)を選べます。選んだ内容は上司の画面にも表示されます。「1on1前のAIアドバイス」には、ご自身向けに、その回をどう使いたいかを最初に上司へ伝える一言の案が書かれることがあります。上司には、上司向けの別の内容が表示されます。
何を話したいかを最初に伝えることで、柳瀬さんも一緒に考えやすくなりますし、今日この場をどう使うかが自分で決められます。
1on1の終了後に、「1on1後のAIアドバイス」で。
上司に考えが伝わっていないと感じるときに、 自分の側から返し方を1つ変えて試せます。
ご自身向けに、その回に自分から話せた場面と、次の1on1で試せる一言が書かれます。「承知しました」のような短い返事が続いた場面があると、次に自分がすることを一言添える言い方が示されることもあります。上司には別の内容が表示されます。
次回、同じ場面になったとき、「承知しました。まず長谷部さんに確認します」のように、次に自分がする一手を一言添えてみてください。…
上司と決めた次の一歩をやり終えたとき。
上司に仕事を見てもらえていないと感じるときも、 やり終えたことが二人の同じ記録に残ります。
「MOVE」(1on1で決めた次の一歩と目標を、相手ごとに一覧にする画面)で、担当がご自身の一歩はクリックすると実行済みになります。実行済みになった一歩は、「概要」の画面のダイジェストにも、いつ実行されたかが書かれます。MOVE もダイジェストも、上司と同じものが表示されます。
なお、6月9日の1回目から決まっていた一次調査(競合3社の拠点・代理店・力を入れている国を表にする)は、6月19日に森さんが実行済みです。
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この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)
- 1万人のデータで見る、1on1の頻度・時間・場所・話題の実態
- 成果・成長の実感を左右するもの(実施理由・上司への期待・困りごと・行動への接続)
- 明日の1on1からできること(前・最中・直後・日常の4つの場面と、具体的な声のかけ方)
よくある質問
上司が部下に無関心なのは、 なぜですか。
上司が部下に無関心に見えるとき、上司の側に、部下からは見えにくい事情があることも考えられます。別の部署や自分の担当の仕事を抱えている、部下の人数が多い、任せたつもりで口を出さないのがよいと考えている、などです。KAKEAIの1万人調査は上司の関心の有無を尋ねていないので、理由を数字で示すことはできません。関心がないと決めつける前に、上司が今何を優先しているかを尋ね、自分の仕事がそこにどう関わるかを伝えてみてください。
放置されているとき、部下から上司に面談をお願いしてもよいですか。
放置されていると感じるときは、部下から上司に面談を頼んでかまいません。1on1のような改まった場を持たなくてよい関係もありますが、それを上司が決めると、部下が伝えたいことをためていることに気づけないことがあります。頼むときは「発注の管理表の見直しについて30分ほどお時間をいただけますか」のように、何の話をしたいかと必要な時間を添えると、上司も予定を取りやすくなります。
上司から注意されないのは、 問題がないということですか。
上司から注意されないことは、問題がないことと同じではありません。上司が任せているつもりの場合や、仕事の中身を見ていない場合、直してほしい点があっても伝わってこないことがあります。面談で「ここまでの進め方で、直したほうがよい点があれば教えていただけますか」と自分から尋ね、仕事の実物を一緒に見てもらうと、直してほしい点があるかどうかを確かめられます。
放置する上司より、 先輩やメンターに相談するほうがよいですか。
先輩やメンターに相談することは助けになりますが、上司への相談の代わりにはなりません。仕事の割り振りや判断、評価は、その部下の仕事を決められる直属の上司にしかできないことだからです。先輩やメンターには進め方のアドバイスを求め、判断や評価に関わることは上司に持ち込む、と相談の中身を分けることをおすすめします。上司に持ち込むときは、仕事の実物と、判断してほしい点を添えると、反応が薄い上司でも答えやすくなります。
放置が続いて困るとき、 誰に相談すればよいですか。
放置が続き、面談を頼んでも判断や意見が返ってこず、仕事が止まり続けるときは、上司の上司か人事の担当に進め方の相談として持ち込んでください。上司を責める形ではなく、判断が要る案件が止まっているという仕事の話として伝えます。体調や生活に影響が出ているときは、産業医や人事の担当に先に相談してください。上司の対応がハラスメントに当たるかどうかは、自分で判断せず、就業規則と人事の担当に確かめてください。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/hands-off-indifferent-boss-what-subordinates-can-do
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
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