上司の方へフィードバック
上司が部下にフィードバックをする目的と効果は何か
先に答え
上司が部下にフィードバックをする目的は、部下が次の仕事で何を続け、何を変えるかを決められるようにすることです。上司が伝えること自体や、部下に反省を求めることは目的ではありません。KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談が毎回その後の行動につながっていると答えた人の68.1%が、面談が成長につながっていると感じていました。回答者全体の26.7%を大きく上回っています。フィードバックの効果は、伝えた日の反応ではなく、次の仕事で何が変わったかで判断することをおすすめします。フィードバックの目的は、「来週の見積もりを一度で通すための話です」のように、話の最初に部下へ伝えましょう。
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KAKEAIの1万人調査では、面談が行動につながりにくい理由として、スキルの不足よりも、必要な情報がそろっていないことを挙げた人のほうが多くいました。また、面談が行動につながっている人ほど、面談が成長につながっていると感じています。フィードバックでは、上司が見た事実と考えを伝え、次の仕事で何を続け、何を変えるかを二人で決めるとよいでしょう。
- 15.9%
- 1万人調査
- 面談が行動につながりにくいと答えた人のうち、理由に「行動するために必要な情報が揃っていない」を挙げた人の割合
- 面談が行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた人に、その理由を5つまで選んでもらった結果です。「スキルが不足していてできない」は9.1%で、スキルの不足よりも、情報の不足を挙げた人のほうが多くなっています。
- 68.1%
- 1万人調査
- 面談が毎回その後の行動につながっていると答えた人のうち、面談が成長につながっていると感じている人の割合
- 「全くそうなっていない」と答えた人では5.2%、回答者全体では26.7%でした。面談が行動につながっている人ほど、面談が成長につながっていると感じています。
- 18.9%
- Kakeai AI 1on1 利用データ
- 1on1の前に部下が選んだ、上司に期待することのうち、「意見を聞きたい」が占める割合
- 「具体的なアドバイスがほしい」は15.1%、「話を聞いてほしい」は11.7%でした。上司の意見や助言を求める選択が、話を聞いてほしいという選択を上回っています。
1万人調査は、上司との定期的な面談全体について尋ねたもので、フィードバックだけを取り出して尋ねたものではありません。部下の意欲や離職への影響も、調査では尋ねていません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
上司が部下にフィードバックをする目的は、 部下の次の仕事をよりよくすること
上司が部下にフィードバックをする目的は、部下が次の仕事で何を続け、何を変えるかを決められるようにすることです。ここでいうフィードバックとは、部下の仕事について、上司が見た事実と自分の考えを本人に伝えることです。1on1(上司と部下が1対1で定期的に行う面談)でも、評価後のフィードバック面談でも、席での短い声かけでも、この目的は変わりません。
フィードバックの目的は、「部下の成長のため」「気づきを与えるため」「やる気を引き出すため」と説明されることがよくあります。どれも間違いではありませんが、漠然としていて、明日部下に何を伝えればよいかが決まりません。目的を「次の見積もりで、内訳を3つの項目に分けて書く」という具体的な行動まで絞ると、何を伝え、どこまで話せばよいかがはっきりします。
- 今日お伝えしたいことは1つです。次の見積もりから、内訳を3つの項目に分けて書いてもらえないでしょうか。
フィードバックには、続けてほしいことを伝えるものと、変えてほしいことを伝えるものがあります。褒めることも指摘することも、部下が次の仕事で取り組むことを決めるための手段です。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、フィードバックの目的は上司が伝えることではなく、部下の次の仕事が変わることにあると考えています。
部下へのフィードバックは、 なぜ必要なのか
部下へのフィードバックが必要なのは、部下自身では知ることのできない情報があるからです。その情報を上司が伝えることが、フィードバックの役割です。
部下は、自分の仕事を外から見ることができません。お客様が見積もりを見てどう反応したか、会議での説明を関係者がどう受け取ったかは、上司の耳には入っても、本人には届かないことがあります。上司が伝えなければ、部下はそれを知らないまま、次の見積もりを作ることになります。
KAKEAIの1万人調査では、面談がその後の行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた6,074人に、その理由を5つまで選んでもらいました。「スキルが不足していてできない」を挙げた人は9.1%です。一方、「ありたい状態が定まっていない」(16.3%)や「行動するために必要な情報が揃っていない」(15.9%)など、下の表の4つの理由は、いずれもスキルの不足より多く挙がりました。最も多かった回答は、「その時々によって違う」の26.1%です。行動につながらない理由はスキルの不足とは限らず、回によっても変わると言えます。
1万人調査では、どのような情報が足りないのかまでは尋ねていません。このページでは、下の表のように、上司の立場だから見えていることを伝えるのが、フィードバックの役割だと考えます。部下の能力や姿勢を正すことは、役割の中心ではありません。
| 1万人調査で挙がった、面談が行動につながらない理由 | フィードバックで伝えること | 伝え方の例 |
|---|---|---|
| 「行動するために | 上司から | 先週の |
| 「ありたい | どこまで | 先方が |
| 「今動く | なぜ今変えるのかという理由 | 来週、 |
| 「判断材料はあるが | 今の | 納期の |
表の4つのうちどれが必要かは、相手や状況によって異なります。そのとき必要な1つを伝えるとよいでしょう。続けてほしいことを伝えるのは、部下の気分をよくするためというより、今のやり方に確信を持てるようにするためです。
上司の意見や助言は、部下の側からも求められています。1万人調査では、面談で上司に最も期待することとして、「具体的なアドバイスがほしい」を選んだ人が18.3%、「話を聞いてほしい」を選んだ人が7.9%でした。
1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データにも、同じ傾向が表れています。1on1の前に部下が選んだ、上司に期待することのうち、「意見を聞きたい」は18.9%、「具体的なアドバイスがほしい」は15.1%でした。「話を聞いてほしい」は11.7%です。
ただし、部下が話を聞いてほしい回もあります。フィードバックの前に、話したいことと上司に期待することを尋ねてみてください。
- 見積もりの件で、私からも話したいことがあります。その前に、○○さんが今日話したいことを聞かせてもらえますか。
- 今日は、話を聞いてほしいのか、私の意見も聞きたいのか、どちらに近いですか。
フィードバックの効果について、 調査から言えることと言えないこと
フィードバックの効果についてKAKEAIの1万人調査から言えるのは、面談後の行動と、成果や成長の実感との関係までです。
同じ調査で、面談が成長につながっていると感じている人は、回答者全体の26.7%でした。この割合は、面談がその後の行動につながっているかどうかで大きく変わります。「毎回そうなっている」と答えた人では68.1%、「半分くらいの回でそうなっている」と答えた人では12.8%、「全くそうなっていない」と答えた人では5.2%でした。面談が成果につながっていると感じている人も、行動に毎回つながっていると答えた人では75.5%、全くつながっていないと答えた人では6.0%です。面談が行動につながっていると答えた人ほど、成長も成果も感じています。
面談の困りごとに「上司の話が役に立たない」を挙げた人は、回答者の8.2%でした。この人たちのうち、面談が成長につながっていると感じている人は4.7%で、回答者全体の26.7%を大きく下回ります。上司が話をしていても、その話が役に立たないと感じている人では、成長を実感している人はごくわずかです。
一方で、この調査から言えないことが3つあります。
- 調査で尋ねたのは、上司との定期的な面談全体についてです。フィードバックだけの効果を示す数字はありません。
- 部下の意欲、離職、上司との関係がどう変わるかは、調査では尋ねていません。
- 調査が示しているのは、行動と実感の関係です。フィードバックを増やせば成果が上がる、とまでは言えません。
フィードバックの効果は、部下の意欲や表情の変化ではなく、次の仕事で部下の行動が1つでも変わったかどうかで判断することをおすすめします。
フィードバックの目的を、 部下にどう伝えるか
フィードバックをするときは、この先のどの仕事のための話なのかを、最初に一言で部下に伝えるとよいでしょう。部下にとって上司は、自分を評価する立場の人でもあります。何のための話かがわからないままだと、部下は、評価に関わる話なのか、叱られているのかを探りながら聞くことになります。
「あなたのためを思って」「期待しているから」という言葉は、フィードバックの目的の説明にはなりません。どの仕事を、どうするための話なのかが含まれていないからです。
変えてほしいことを伝える前
- これからお話しするのは、来週の見積もりを一度で通すための話です。
- 終わったことを責めたいわけではありません。次の見積もりをどう作るかを、一緒に考えたいんです。
続けてほしいことを伝える前
- ぜひ続けてほしいと思ったことが、1つあります。火曜の見積もりで、納期の前提を1行目に書いていた点です。
- 先方にもすぐに伝わったので、次もぜひあの書き方でお願いします。
これからフィードバックを増やそうと決めたとき
- これからは、気づいたことを、その週のうちにお伝えしようと思います。期末にまとめて伝えるのは、やめるつもりです。
- 次の仕事に生かせるうちに、話しておきたいからです。よかった点も、同じように伝えますね。
- 私の理解が違っていたら、その場で教えてください。この進め方で、やりにくいことはありませんか。
部下に「これは評価に響きますか」と聞かれたとき
評価の結果は、上司の一存では約束できません。伝えられるのは、上司として何を大事にしたいかです。
- 評価にどう反映されるかは、私一人では決められないので、ここでは約束できません。
- 私が大事にしたいと考えているのは、次の見積もりをよりよいものにすることです。今日の話は、そのためのものです。
期末のフィードバック面談を始めるとき
- 今日は、2つのことをしたいと思います。半期の評価をお伝えすることと、次の半期に取り組むことを一緒に決めることです。
- 時間は次の半期の話に多く使いたいのですが、いかがですか。
月末などで時間が取れない週でも、何のための話かと、変えてほしいことを1つ伝えるだけなら数分で済みます。
フィードバックの目的がずれると、 何が起きるか
フィードバックの目的がずれると、話し終えたときに上司が気にすることが、部下の次の行動から別のものに変わります。伝え終えたかどうか、部下が謝ったかどうか、気まずくならなかったかどうかばかりが気になるときは、目的がずれていないかを振り返ってみてください。
「伝えた」という事実を残すことが目的になったとき
上司が伝え終えた時点で話が終わるため、次に何を変えるのかを二人で話さないままになります。次の見積もりが変わらなかった場合、上司は同じ話をより強い言葉で繰り返すことになりがちです。
- 今の話を踏まえて、次の見積もりでは何から変えてみましょうか。
反省を求めることが目的になったとき
話が「なぜ確認しなかったのか」という原因の追及に集中し、部下が謝った時点で終わってしまいます。その結果、次の見積もりで何を変えるかは決まりません。
- 原因の話はここまでにしましょう。次の見積もりをどう進めるかを、一緒に考えたいです。
評価の理由を説明することが目的になったとき
上司は、気づいたことを評価の根拠として、期末まで持ち越してしまいます。期末に初めて聞いても、部下は終わった見積もりを直せません。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が半年に1回の人のうち、69.8%が人事評価の話をしていました。また、上司に期待することを尋ねた質問で「期待していることは特にない」を選んだ人は、半年に1回の人では25.6%で、回答者全体の15.6%を上回っています。
気づいたことは、期末のフィードバック面談まで待たず、その週のうちに伝えることをおすすめします。
- 期末まで待たずに、今のうちに話しておきたいことがあります。先週の見積もりの件です。
部下に嫌われないことが目的になったとき
褒め言葉や遠回しな表現が増え、変えてほしいことがあいまいになります。「少し気になったけれど、大丈夫だと思う」と言われても、部下には、変えたほうがよいのかが伝わりません。
- お願いしたいことを、はっきりお伝えしますね。次の見積もりから、内訳を3つの項目に分けて書いてもらえますか。
上司の正しさを示すことが目的になったとき
話題が、上司自身の過去の経験や当時のやり方に移ってしまいます。部下は聞き役に回り、自分の仕事で何を変えるかを考える時間がなくなります。
- すみません、私の昔の話が長くなりました。○○さんの次の見積もりの話に戻りましょう。
フィードバックが目的を果たしたかを、 何で判断するか
フィードバックが目的を果たしたかどうかは、伝えた日の部下の返事ではなく、次の仕事でわかります。次の3つの点から、二人のやり取りを振り返ってみてください。
- 話の終わりに、次の見積もりで続けることと変えることが、部下自身の言葉になっていたか。
- 次の見積もりに、二人で決めたことが反映されていたか。
- 変化に気づいたとき、上司はその週のうちに本人に伝えられたか。変わっていなかったときは、事情を尋ねられたか。
- 今回の見積もりは、内訳が3つの項目に分かれていましたね。おかげで、先方からの確認の電話はありませんでした。
- 先週話した内訳の件、やってみてどうでしたか。やりにくかったところがあれば、教えてください。
Kakeai AI 1on1の利用データには、1on1のあとに部下が付ける「すっきり度」(0〜5の6段階)の記録があります。初めに表示される3から点数を動かして送った回のうち、99.0%は4以上の点数でした。すっきり度が表すのは、1on1を終えた時点の部下の気持ちです。
面談直後の「ありがとうございました」「わかりました」という返事も、同じように考えるとよいでしょう。フィードバックが役に立ったかどうかは、次の見積もりを見ながら、二人で確かめてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
フィードバックを伝えて終わりにせず、部下の次の仕事につなげたいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の前
伝えたいことの
切り出し方や ポイントアドバイス 部下に切り出したいことを「メンバーに伝えたいこと」の欄に入力して保存すると、「1on1前のAIアドバイス」が、その内容を踏まえて書き直されます。入力した内容は、部下の画面には表示されません。
テーマと
期待する 対応の選択 1on1の前に、その回に話したいテーマと、上司にどうしてほしいか(期待する対応)を、部下の側から選べます。設定によっては、上司の側からもテーマを選べます。選んだ内容は、お二人の画面に表示されます。
1on1の実施中
次の
一歩の 候補を 会話から 抽出・ 決定ガイド 会話の中から次の一歩の候補が生まれると、Kakeai AIが候補として表示します。お二人のどちらからも「決定する」をクリックして決められます。決めた一歩は、「MOVE」の画面に追加されます。
日常
要約や
次の 一歩の 一元管理 1on1ごとの要約は「予定・履歴」の画面に、決めた次の一歩は「MOVE」の画面に、お相手ごとにまとまります。あとから見返せます。
1on1ツールの導入や見直しを検討している方は、Kakeai AI 1on1 の資料をご覧ください。
ご利用企業 累計600社以上/
よくある質問
部下へのフィードバックは、 なぜ必要で、なぜ重要だと言われるのですか。
部下へのフィードバックが必要なのは、部下が自分の仕事を外から見ることができないからです。お客様や関係者の反応は、上司の耳には入っても、本人には届かないことがあります。上司が、自分の見た事実や目指す水準、今のやり方でよいという考えを伝えると、部下は次の仕事で何をするかを決めやすくなります。
上司がフィードバックをすると、 部下のモチベーションや成果は上がりますか。
フィードバックをすれば部下の意欲や成果が上がるとは、KAKEAIの1万人調査からは言い切れません。調査でわかっているのは、面談が行動につながっている人ほど成果を感じている、という関係です。面談が毎回行動につながっていると答えた人の75.5%が、面談が成果につながっていると感じていました。全くつながっていないと答えた人では6.0%です。意欲への影響は、調査では尋ねていません。
仕事ができていて特に問題のない部下にも、 上司からのフィードバックは必要ですか。
仕事に問題のない部下にも、上司からのフィードバックは必要です。この場合に伝えるのは、直してほしい点よりも、続けてほしい点です。自分のやり方でよいのかどうかは、本人には判断しにくいことがあります。「納期の前提を1行目に書くやり方は、とてもわかりやすいと思います」のように、どこがよいのかを具体的に伝えるとよいでしょう。
フィードバックの目的を「あなたの成長のため」と部下に伝えるのは、 よくないのでしょうか。
「あなたの成長のため」という説明だけでは、どの仕事の何を変える話なのかが部下に伝わりません。フィードバックの目的は、「来週の見積もりを一度で通すための話です」のように、この先のどの仕事のための話なのかがわかる形で伝えることをおすすめします。成長という言葉は、仕事の進め方が変わったあとで、二人で振り返るときに使えば十分です。
フィードバックの目的と、 評価面談で評価結果を伝える目的は同じですか。
フィードバックの目的と、評価面談で評価結果を伝える目的は異なります。評価面談では、決まった評価の結果とその理由を上司が部下に伝えます。一方、フィードバックは、部下が次の仕事で何を続け、何を変えるかを決めるために行うものです。気づいたことはその週のうちに伝え、評価面談で部下が初めて聞く話がないようにしておくとよいでしょう。
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出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/feedback-purpose-and-effect
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: