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人事・経営の方へ評価の面談

評価者ごとのばらつき・甘辛をそろえる方法

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

評価者ごとのばらつき・甘辛をそろえるには、期末の調整会議で点を動かす前に、評価者が使う材料と基準の解釈をそろえることが必要です。基準を等級ごとの具体的な仕事の例に置き換え、期の途中に見た事実と伝えた見通しを書き留め、調整会議では点ではなく根拠を読み合わせます。KAKEAIの1万人調査では、面談で人事評価の話をしている人は、上司と週1回以上面談している人では25.8%、半年〜1年に一度の人では67.6%でした。評価の話は、間隔の長い面談に集まっている、ということです。期の途中に評価の見通しが言葉になっていなければ、調整で動いた点の理由も部下に伝わりにくくなります。点が動いたときは、上司がどこまでが自分の考えでどこからが調整かを部下に伝えてください。

数字で見る

KAKEAIの1万人調査では、面談で評価の話をしている人は、間隔の長い面談に集まっていました。面談で話したことを上司が覚えていないことを、困りごとに挙げる人もいます。評価者ごとの差を小さくするには、基準を仕事の例に置き換え、期の途中の記録を残し、調整会議では根拠を並べることをおすすめします。

25.8%
1万人調査
上司と週1回以上面談している人のうち、面談で人事評価の話をしている人の割合
半年〜1年に一度の人では67.6%でした。面談の間隔が長い人ほど評価の話をしている割合が高く、評価の話は間隔の長い面談に集まっている、という結果です。週1回以上会っていても、面談で評価の話をしている人は多くありません。
6.2%
1万人調査
上司との面談で困っていること(複数回答)として、「上司が以前会話したことを覚えていない」を挙げた人の割合
割合は大きくありませんが、面談で話したことが上司の記憶に残っていないと感じている部下がいる、という結果です。部下の側から見た困りごとで、評価者の材料について尋ねたものではありません。

1万人調査は、上司との定期的な面談について尋ねたもので、評価者どうしの甘辛の差や調整会議については尋ねていません。数字は、面談で評価の話をしているか、面談で何に困っているかについての部下の側の回答です。

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。

評価者のばらつき・甘辛はなぜ起きるのか:性格より、材料と基準の解釈の差

評価者による甘い・辛いの差は、評価者の人柄や性格の違いというより、評価者ごとに手元の材料と基準の解釈が違うことから生まれると考えられます。同じ基準の文言を読んでも、「期待通り」の線を頭の中でどこに引くかは評価者ごとに違い、点をつけるときに思い出せる仕事も違います。甘辛をそろえるには、点を動かす前に、この2つの差を小さくする必要があります。

たとえば、受注した製品の納期を社内で調整し、お客様に回答する仕事を、2人の課長が評価する場面を考えます。一方の課長は回答の速さを見てAをつけ、もう一方の課長は回答したあとの納期の変更の少なさを見てBをつけました。2人とも基準の「正確で迅速な顧客対応」という文言を読んでいますが、見ている事実が違います。この差は、評価者研修で「甘くつけないように」と伝えるだけでは小さくなりにくいでしょう。2人が見ている事実そのものがそろっていないからです。

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司と週1回以上面談している人のうち、面談で人事評価の話をしている人は25.8%でした。半年〜1年に一度の人では67.6%です。つまり、評価の話は、半年に一度のような間隔の長い面談に集まっている、ということです。週1回以上会っている人でも、面談で評価の話をしている人は多くありません。期の途中に上司の見通しを聞いていなければ、調整で点が動いたとき、部下はその結果を期末に初めて聞くことになりかねません。

1万人調査では、上司との面談で困っていること(複数回答)として「上司が以前会話したことを覚えていない」を挙げた人が6.2%いました。割合は大きくありませんが、面談で話したことが上司の記憶に残っていないと感じている部下がいるということです。

部下の側の困りごとの数字ですが、上司の側でも、期末に記憶だけを材料にして点をつけると、思い出せた仕事の多さで点が変わりかねません。評価者ごとの差も、そこから広がりやすいものです。期の途中の記録をおすすめするのは、このためです。

ばらつきの元を3つに分けると、人事ができることが見えてきます。

ばらつきの元評価の現れ方人事ができること
基準の解釈が評価者ごとに違う同じ仕事に、課ごとに違う点がつく等級ごとに、基準を具体的な仕事の例に置き換えた文書を作り、評価者で共有する
材料が記憶に頼っている目立つ出来事や直近の仕事で点が決まる期の途中に、見た事実と伝えた見通しを評価者が書き留める決まりにする
点だけを調整している調整で動いた理由を、上司が部下に説明できない調整会議で点ではなく根拠を並べ、動いた理由を記録する

評価者の甘辛をそろえる3つの方法:基準の例、期中の記録、調整会議の順番

甘辛をそろえる方法は、期末の調整会議より前に2つあります。基準を具体的な仕事の例に置き換えることと、期の途中の記録を残すことです。調整会議は、この2つがあってはじめて、点ではなく根拠を見比べる場になります。

1. 基準を、等級ごとの具体的な仕事の例に置き換える

評価の基準は、「正確で迅速な顧客対応」「主体的に業務を改善する」のような言葉で書かれています。この言葉のまま評価者に渡すと、線をどこに引くかは評価者に任されます。人事は評価者を集めて、「この等級でBに当たるのは、納期回答の仕事で言えばどんな状態か」を言葉にし、評価者の間で例をそろえておくことをおすすめします。

人事から評価者に伝える言い方の例です。

  • 基準の文言を、皆さんの部署の仕事に置き換えた例を作りたいと考えています。この等級の「期待通り」は、納期回答の仕事で言うとどんな状態ですか。
  • 課によって違う例が出てかまいません。違いが見えたところが、評価者の間で解釈がずれているところです。
  • この例は評価者だけのものにせず、期の初めに部下の皆さんにも見てもらう前提で作ります。

2. 期の途中に、評価者が見た事実と伝えた見通しを書き留める

期末に記憶から点をつけるのをやめるには、期の途中の記録が要ります。ただし、部下の言動を証拠として集める記録ではなく、評価者自身が何を見て、どの時点でどんな見通しを部下に伝えたかの記録です。人事がこの記録の中身を読む必要はありません。調整会議で、評価者が根拠として自分の手で出すためのものです。

KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、評価の話は普段の面談で進めるものだと考えています。評価の話を半年に一度の面談だけで済ませず、上司と部下が具体的な基準を一緒に見ながら話す、ということです。評価者のばらつきも、期末に点を動かしてそろえるより、期の途中に上司と部下の間で評価の見通しが言葉になっていることで小さくなると考えられます。

評価者が、期の途中で部下に見通しを伝える言い方の例です。

  • 今の時点での私の考えをお伝えしたいので、この等級の基準の例を一緒に見てもらえますか。納期回答の仕事は、今のところ「期待通り」に当たると私は考えています。○○さんは、どう感じていますか。
  • 回答のあとで納期が変わった案件が、この2か月で3件ありました。私はここが気になっています。○○さんから見て、変わった理由はどこにありそうですか。
  • 納期回答のほかに、私がまだ知らない仕事があれば教えてもらえますか。見ていないものを評価から落としたくないんです。

3. 調整会議は、点ではなく根拠をそろえる場にする

基準の例と期中の記録がそろうと、調整会議で見比べるものが点から根拠に変わります。進め方は、次の見出しで説明します。

評価の調整会議(甘辛調整)の進め方:点を近づける前に、根拠を並べる

調整会議では、評価者が出した点を見比べる前に、点の根拠になった事実を同じ形で並べることをおすすめします。点の分布だけを見て「この課は甘い」と判断すると、本当に成果の高い課の点まで下げてしまうことがあります。

調整会議の進め方の例です。

  1. 評価者は、各項目の点と一緒に、根拠にした仕事の事実を1〜2行で出します。
  2. 同じ等級・同じ項目で点が分かれている人を見つけ、根拠を読み合わせます。
  3. 根拠を見ても点が分かれるときは、基準の例のどこが違って読まれているかを確認し、例を直します。
  4. 点が動いた人については、動いた理由を記録し、評価者が部下に説明できる言葉にします。

調整者(人事や上位の管理職)が、評価者に尋ねる言い方の例です。

  • Aをつけた根拠になった仕事を、1つ挙げていただけますか。基準の例のどこに当たるかも、あわせて伺いたいです。
  • ○○課とこの課で、同じ等級のBの中身が違って見えます。それぞれ、どんな状態をBとしているかを教えてください。
  • 点を動かすかどうかは、根拠を読み合わせてから決めたいと思っています。分布は、そのあとで見ることにしませんか。
  • この点を下げる場合、○○さんにどう説明できるかを一緒に考えさせてください。説明できない調整はしたくないんです。

評価者の側から、調整者に伝える言い方の例です。

  • 私は、納期の変更が3件あったことを根拠にBとしました。ほかの課では、変更の件数は見ていますか。
  • 本人には、期の途中で「期待通り」と伝えてきました。調整で下がるなら私から理由を説明しますので、その理由をここで言葉にしておきたいです。

調整で評価が動いたとき、上司は部下にどう伝えるか

調整で点が動いたときは、上司は、どこまでが自分の考えで、どこからが調整かを部下に伝えることをおすすめします。自分の考えと最終の結果を混ぜて「私の評価はBです」と伝えると、部下は上司の見方そのものが変わったと受け取りかねません。

  • 今日は、今期の評価の結果と、そこに至った経緯をお話ししたいと思います。私自身の考えは、期の途中でお伝えしてきた通り、Aに近いものでした。評価者の間で何をAとするかの線をそろえる話し合いがあり、最終の結果はBになっています。
  • 調整の理由は、この等級のAを「回答後の納期の変更がほとんど無い状態」とそろえたことです。○○さんの案件では、変更が3件ありました。
  • 私の伝え方にも、途中で足りない部分がありました。変更の件数が評価にどう関わるかを、もっと早く話しておくべきでした。
  • 納得できない点があれば、教えてください。評価に異議を申し立てる仕組みがあるかは、人事に確認してお伝えします。
  • 来期は、基準の例を期の初めに一緒に読みませんか。どんな状態がAなのかを、二人で同じ言葉にしておきたいんです。

部下の側からも、調整の有無を尋ねてかまいません。

  • 今回の結果のうち、課長ご自身のお考えで決まった部分と、評価者の間の調整で決まった部分は、どのように分かれているか教えていただけますか。
  • 来期は、期の途中でその時点でのお考えを伺う機会をいただけますか。期末に初めて聞くと、どこを変えればよいかがわからないままになってしまいます。

評価者のばらつき・甘辛をそろえるときに、おすすめしないこと

おすすめしないのは、点の分布だけを見て、評価者か点のどちらかを直そうとすることです。

  • 評価者を「甘い人」「辛い人」として研修で矯正する。甘い・辛いの多くは、その評価者が見ている材料と基準の解釈の違いによるものでしょう。人を直すより、例と記録をそろえるほうが早く、評価者の納得も得やすくなります。
  • 分布を先に決めて、点を機械的に当てはめる。各段階の人数を決めておくこと自体は、会社の制度としてありえます。ただし、根拠を見ずに分布だけで点を動かすと、上司は部下に理由を説明しにくくなります。
  • 調整会議で点だけを見比べて動かす。点の裏にある事実を並べなければ、どちらの評価者の解釈が基準に近いのかは判断できません。
  • 評価者の主観をなくそうとする。評価は、人が人の仕事を見るものなので、見方は必ず入ります。なくそうとするより、見方の根拠を言葉にして、見比べられるようにします。
  • 調整があることを部下に伏せる。調整を伏せると、部下は上司の見方が急に変わったと受け取り、上司への信頼のほうが揺れてしまいかねません。

KAKEAIは、人事が1on1の記録の中身を読むことをおすすめしません。このページで勧めた、評価者が期の途中に書き留める記録も、同じ考えで扱います。評価者自身が調整会議で根拠として出すためのものなので、人事がその記録を読んで評価者を点検する材料にはしないでください。

評価者のばらつきが小さくなったかを、どこで見るか

ばらつきが小さくなったかどうかは、点の分布がそろったかではなく、調整会議と評価面談の中身を振り返るとわかります。

  • 調整会議で、点より先に根拠が並んでいたでしょうか。
  • 同じ等級のBについて、評価者の間で同じような仕事の例が挙がっていたでしょうか。
  • 点が動いた部下と上司の間で、上司自身の考えと調整の違いが話されていたでしょうか。
  • 期の途中に、上司と部下の間で評価の見通しが言葉になっていたでしょうか。

4つのうち最初の2つがまだであれば、次の期は、基準を仕事の例に置き換える作業から始めることをおすすめします。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。

評価の根拠を期の途中の事実に置きたいが、1on1の記録を人事が読む運用にはしたくないときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。

導入の前に、記録の見え方を確かめるとき。

1on1の記録が誰に見えるかを、上司と部下に前もって伝えられます。

文字起こし、「1on1のAI要約」、ダイジェスト、「MOVE」(1on1で決めた次の一歩と目標の一覧の画面)は、1on1をするお二人の画面に表示され、システム管理者には表示されません。ご契約によっては、要約をほかの方に共有する機能もあります(共有した相手はお二人とも確認できます)。要約やアドバイスの文章は、人を評価・採点する言葉を使わず、話された事実の言葉で書くように作られています。

評価の時期に、上司へ案内を出すとき。

上司が、期末の記憶ではなく期の途中の1on1の記録をもとに評価をつける運用を、人事が記録の中身を読まずに進められます。

上司は、部下ごとに、履歴のカードの「1on1のAI要約」、「概要」の画面のダイジェスト、「MOVE」(1on1で決めた次の一歩と目標の一覧の画面)で、その期に二人で話したことと、決めた次の一歩とその実行を見返せます。これらはシステム管理者には表示されないため、人事が中身を読まずに、見返してから評価をつけるよう勧められます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

決まった一歩は2件、実行済みは1件です。…小野寺さんが海外仕様の要件表…を6月15日までに作成することが決まり、6月15日に実行済みとなっています。…

Kakeai AI 1on1 の導入を検討している方は、サービス資料をお受け取りください。

ご利用企業 累計600社以上/1on1実施 累計300万回以上(2020年から)

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よくある質問

人事評価の評価者によるばらつきは、なぜ起きるのですか。

人事評価の評価者によるばらつきは、評価者の性格の甘い・辛いというより、評価者ごとに手元の材料と基準の解釈が違うことから生まれると考えられます。同じ「期待通り」という文言でも線を引く場所は評価者ごとに違い、期末に記憶から点をつけると、思い出せた仕事の多さでも点が変わりかねません。性格を直そうとするより、基準を具体的な仕事の例に置き換え、期の途中の記録を残すほうが、差は小さくなりやすいでしょう。

人事評価の甘辛調整は、どのように進めればよいですか。

人事評価の甘辛調整(調整会議)は、評価者の点を見比べる前に、点の根拠になった仕事の事実を同じ形で並べることから始めるとよいでしょう。同じ等級・同じ項目で点が分かれている人の根拠を読み合わせ、それでも分かれるときは、基準の例のどこが違って読まれているかを確認します。点が動いた人については、理由を記録し、評価者が部下に説明できる言葉にしておきます。

人事評価の属人化や主観を防ぐには、どうすればよいですか。

人事評価の属人化や主観を防ぐには、主観をなくそうとするより、評価者の見方の根拠を言葉にして見比べられるようにすることをおすすめします。基準の文言を等級ごとに具体的な仕事の例に置き換えて評価者で共有し、期の途中に評価者が見た事実と部下に伝えた見通しを書き留めておくと、期末の判断が記憶や印象だけに頼らなくなります。評価は人が人の仕事を見るものなので、見方は必ず入ります。

評価の調整で部下の評価が下がったとき、上司はどう伝えればよいですか。

評価の調整で部下の評価が下がったときは、上司は、どこまでが自分の考えで、どこからが評価者の間の調整かを分けて伝えることをおすすめします。「私自身の考えは、期の途中でお伝えした通りAに近いものでした。評価者の間で何をAとするかの線をそろえる話し合いがあり、最終の結果はBになっています」のように、調整の理由も具体的に話します。異議を申し立てる仕組みがあるかは、人事に確認して部下に伝えてください。

評価者研修をすれば、評価のばらつきは小さくなりますか。

評価者研修だけで評価のばらつきを小さくすることは難しいでしょう。ばらつきは、評価者ごとに手元の材料と基準の解釈が違うことから生まれやすく、「甘くつけないように」と伝えても、見ている事実や線を引く場所はそろいにくいものです。研修を行うなら、基準を自分の部署の仕事の例に置き換える作業と、期の途中に見た事実と伝えた見通しを書き留める決まりを、研修の中身に含めることをおすすめします。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/evaluator-leniency-strictness-calibration

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: