上司の方へ部下との関わり
上司が部下を可愛がることは、 よいことか
先に答え
上司が部下を可愛がること、つまり部下を気にかけて声をかけること自体は、よいことです。気をつけたいのは、可愛がる相手が話しやすい部下に偏ることと、直してほしい点を言わないといった甘さに寄ることです。KAKEAIの1万人調査で、上司に一番期待することを尋ねた質問で「期待していることは特にない」を選んだ人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は8.4%でした。上司に期待することが特にない人は、面談の成果を感じにくいということです。可愛がる相手を偏らせないためにも、自分から話しかけてくる部下だけでなく、全員に上司から仕事の話題を出してみることをおすすめします。
数字で見る
KAKEAIの1万人調査では、上司に期待することが特にない人は、面談の成果を感じにくくなっていました。「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)では、部下が上司に期待することとして、上司の考えや関わりを求めることが多く選ばれています。どちらも、上司が部下の全員とどう関わるかを考えるときの材料として紹介します。
- 8.4%
- 1万人調査
- 「期待していることは特にない」を選んだ人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- 上司に一番期待することを尋ねた質問で、この答えを選んだ人は15.6%でした。回答者全体の31.9%を大きく下回り、上司に期待することが特にない人は、面談の成果を感じにくい傾向があります。
- 11.7%
- Kakeai AI 1on1 利用データ
- 部下が選んだ、上司に期待することのうち、「話を聞いてほしい」が占める割合
- 選べる6つの中で最も少なく、最も多いのは「一緒に考えてほしい」19.4%、次が「意見を聞きたい」18.9%でした。聞いてもらうことより、上司の考えや関わりを求める期待が多く選ばれています。
どちらの数字も、上司が部下を可愛がっているかどうかを尋ねたものではありません。利用データの割合は、1on1の前に選ばれたテーマのうち、上司に期待することが選ばれたものだけを分母にしています。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
上司が部下を可愛がることは、 よいことか:気にかけることと特別扱いを分ける
上司が部下を可愛がること、つまり部下を気にかけ、関心を持って声をかけること自体は、よいことです。気をつけたいのは、可愛がる相手が一部の部下に偏ることと、可愛がり方が、甘くすることや仕事の外の付き合いに寄ることです。「可愛がる」という言葉には、この両方が含まれています。まず、どちらの意味で考えているのかを分けてみてください。
ここでは、店舗で季節ごとの売り場づくりを進めている3人の部下と、店長である上司を例にします。
| 可愛がることの中身 | よい形 | 気をつけたい形 |
|---|---|---|
| 声を | 全員に、 | 話しやすい |
| 仕事の | 理由を | 理由を |
| 気づいたことを伝える | 直してほしい点も、 | 嫌われたくなくて、 |
| 仕事の | 誘うなら、 | 一部の |
同じ声かけでも、相手によって受け取り方は違います。KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司と部下の関係には段階があり、段階によって合う関わり方は変わると考えています。まだ身構えている段階の部下には、可愛がるつもりの声かけが、負担に感じられることもあります。
可愛がる相手が、 話しかけてくる部下に偏っていないか
上司から見ると、よく相談に来る部下や話の合う部下ほど、声をかけやすいものです。気にかける相手を、話しかけてくる部下だけにしないようにしましょう。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談で一番期待することを尋ねた質問で、「期待していることは特にない」を選んだ人が15.6%いました。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は8.4%で、回答者全体の31.9%を大きく下回っています。上司に期待することが特にない人は、面談の成果を感じにくいということです。
面談についての数字ですが、可愛がる相手の偏りに当てはめると、上司に期待することが特にないとき、部下は自分から話しかけてくることも少ないと考えられます。話しかけてこない相手にも、上司から仕事の話題を1つ出してみてください。
- △△さん、夏の売り場の飾り付け、一人で進めてくれていますね。今、どのあたりまで進んでいますか。
- 私から声をかけることが少なかったかもしれません。進めていて迷っているところがあれば、教えてもらえますか。
- 特に相談がなくても大丈夫です。今日は私から、気になったことを1つお話ししてもいいですか。
- 先週変えた照明について、売り場で気づいたことがあれば教えてください。お客様の反応が気になっています。
- 次の1on1では、△△さんが考えている秋の売り場の案を、一緒に見ながら考えたいです。
可愛がることを、甘くすることにしない
気にかけている部下にこそ、気づいたことを理由と一緒に伝えます。可愛がるつもりで、話を聞くだけにしたり、直してほしい点を言わずにおいたりすると、上司の考えを求めている部下には物足りないかもしれません。
1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」では、1on1の前に部下がテーマを選び、テーマごとに上司に期待することを選べます。「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)では、部下が選んだ、上司に期待することのうち、「話を聞いてほしい」は11.7%でした。選べる6つの中で最も少なく、最も多いのは「一緒に考えてほしい」の19.4%、次が「意見を聞きたい」の18.9%です。部下が上司に期待することとしては、聞いてもらうことより、上司の考えや関わりを求めるものが多く選ばれているということです。
ただし、「話を聞いてほしい」が選ばれる回もあります。その回は、まず聞くことが合っています。
- 秋の売り場の案、よく考えてくれていますね。色の組み合わせは、通りかかったお客様の目を引きそうで、いいと思います。
- 気になった点も1つ、率直にお伝えしてもいいですか。
- 通路側の棚が高くなっていて、お客様から奥の商品が見えにくくなりそうです。私は、手前を低くするほうがよいと考えています。○○さんは、どう思いますか。
- 私の意見なので、違うと思ったら遠慮なく言ってください。
部下から意見を求められたときは、上司の考えを言う前に、部下自身の考えを尋ねます。
- 私の意見を言う前に、○○さんが一番迷っているところを教えてもらえますか。
- その2案なら、私は、通路から全体が見渡せるほうを選びます。週末のお客様の動きを考えると、そのほうが立ち止まってもらいやすいからです。
特定の部下を可愛がっていると見られたときの、 仕事の任せ方と伝え方
同じ部下に仕事を続けて任せていると、上司にそのつもりがなくても、ほかの部下からは特別扱いに見えることがあります。誰に何を任せるかは理由を添えて伝え、ほかの部下の希望も尋ねます。
- 年末の売り場を○○さんにお願いしたのは、去年の年末に同じ売り場を作ってもらった経験があるからです。
- △△さんにも、春の売り場をお願いしたいと考えています。どの売り場をやってみたいか、希望があれば教えてください。
- 私の声のかけ方に偏りがあると感じたら、遠慮なく言ってください。気づいていないことがあるかもしれません。
可愛がられているように見える部下も、周りの目を気にしていたり、仕事が集まって負担になっていたりすることがあります。
- ○○さんにお願いが続いていて、負担になっていませんか。ほかの人にも分けられないか、考えているところです。
仕事の外で誘うときは、全員に同じように声をかけ、断りやすい形にします。
- 金曜の売り場の入れ替えが終わったら、皆で食事に行きませんか。予定がある人は、もちろん気にしないでください。
評価の話は、可愛がっているかどうかとは切り離し、評価の基準に沿って、どの部下とも同じように話します。
上司が部下を可愛がるときに、 避けたいこと
避けたいのは、可愛がる相手を偏らせることと、公平にしようとして誰にも関心を示さなくなることの両方です。
- 話しやすい部下にだけ声をかける。自分から相談することが少ない人とは、話す機会がないまま時間が過ぎてしまいます。
- 気にかけている部下に、直してほしい点を言わない。部下には、上司の考えを聞く機会が減ります。
- 一部の部下との食事や雑談の場で、仕事のことを決める。その場にいなかった部下には、決まった理由がわかりません。
- 逆に、公平にしようとして、誰にも関心を示さない。声をかけないことで、全員が同じように話しにくくなることがあります。
- 可愛がるつもりで、私生活のことを繰り返し尋ねる。家族や休日の話は、本人が話したいときに聞く話題です。
部下との関わり方を、 自分に問いかけて振り返る
可愛がり方がよかったかどうかは、特定の部下と親しくなったかではなく、一緒に仕事をしている部下の全員と、仕事の話ができているかで振り返ります。
- この1か月で、一緒に仕事をしている部下の全員と仕事の話ができていたら、次は、その中で気づいたことを一人ひとりに伝えてみてください。
- 気にかけている部下に、直してほしい点をまだ伝えていないなら、次の1on1で理由と一緒に伝えてみましょう。
- 任せた理由を説明しにくい仕事があったら、次に任せるときは、理由を本人とほかの部下に伝えるとよいでしょう。
- 自分から相談に来ることが少ない部下とも、上司から話題を出して話す時間をつくりましょう。
最近話していない部下の顔が浮かんだら、次の1on1で、その部下の仕事の話から始めてみてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
上司と部下がそれぞれ何を担い、どこまで踏み込んでよいのかを、毎回の1on1の中で確かめたいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の開始直後に、Kakeai AI のメッセージ欄で。
その回に部下が上司に何を期待しているかを、 二人が同じ画面で確かめてから話し始められます。
Kakeai AI が、準備されたテーマと、部下が選んだ期待する対応を挙げます。前回決まった次の一歩があれば、それも挙げます。
準備されたテーマは「競合調査と市場規模の試算」×「報告したい」の1つです。 前回決まった次の一歩は「競合3社の一次調査(拠点・代理店・力を入れている国)を表にする」の1つでした。
1on1のあとに、「概要」と「MOVE」の画面で。
上司も次の一歩の担当になることがあり、 二人の分担を同じ一覧で確かめられます。
「MOVE」(1on1で決めた次の一歩と目標を、相手ごとに一覧にする画面)には、上司と部下のどちらが担当する一歩も、同じ一覧に並びます。「概要」の画面のダイジェストには、どの話が誰の手元に残っているかが書かれます。どちらも、お二人に同じものが表示されます。
6月16日の1on1から、柳瀬さんが持つ持ち越しが二つあります。…
1on1の実態を1万人のデータで見たい方は、無料のレポートをお受け取りください。
ご利用企業 累計600社以上/
無料の資料
この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)
- 1万人のデータで見る、1on1の頻度・時間・場所・話題の実態
- 成果・成長の実感を左右するもの(実施理由・上司への期待・困りごと・行動への接続)
- 明日の1on1からできること(前・最中・直後・日常の4つの場面と、具体的な声のかけ方)
画面を見ながら説明を聞きたい方は、30分のオンライン説明をご予約いただけます。
よくある質問
上司が特定の部下を可愛がるのは、 よくないことですか。
上司が部下を気にかけ、関心を持つこと自体は、よいことです。問題になりやすいのは、声をかける相手や仕事を任せる相手が特定の部下に偏り、その理由がほかの部下に伝わっていないときです。誰に何を任せたかは理由を添えて伝え、ほかの部下にも希望を尋ねます。自分から相談に来ることが少ない部下にも、上司から話題を出すとよいでしょう。
部下を可愛がっていると、 ほかの部下からひいきと思われませんか。
同じ部下に仕事を続けて任せていると、上司にそのつもりがなくても、ほかの部下からはひいきに見えることがあります。仕事を任せるときは「去年同じ仕事をした経験があるから」のように理由を伝え、ほかの部下には、次にやってみたい仕事の希望を尋ねてください。声のかけ方に偏りがあると感じたら言ってほしい、と上司から伝えておくのも1つの方法です。
可愛がっている部下に、 厳しいことを言いにくいときはどうすればよいですか。
気にかけている部下ほど、直してほしい点を伝えにくいものです。ただ、言わずにおくと、部下が上司の考えを聞く機会が減ってしまいます。よいと思った点を具体的に伝えたうえで、直してほしい点を上司の意見として理由と一緒に伝え、「○○さんは、どう思いますか」と相手の考えも尋ねるとよいでしょう。
部下を食事に誘うなど、 仕事の外で可愛がるのは問題ありませんか。
部下を食事に誘うこと自体は問題ではありませんが、誘うなら一部の部下だけにせず、全員に同じように声をかけ、断りやすい誘い方にするとよいでしょう。一部の部下との食事の場で仕事の進め方を決めると、その場にいなかった部下には、決まった理由がわかりません。仕事のことは、職場や1on1の場で、関係する人と話して決めます。
部下を可愛いと思えない、 関心を持てないと感じるときは、 どうすればよいですか。
部下を可愛いと思えないと感じても、それだけで上司として困るわけではありません。必要なのは、好き嫌いの気持ちより、一緒に仕事をしている部下の全員と、仕事の話をする時間を持つことです。部下の仕事の様子を自分の目で見て、気づいたことを伝え、上司に期待することを尋ねてください。関心を持てない理由が、上司自身の忙しさや疲れにあることもあります。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/boss-favoring-subordinates-good-or-bad
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: