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上司と部下は利害関係にあたるのか
先に答え
上司と部下は、利害関係にあたります。上司の判断は部下の仕事と評価と収入に影響し、部下の仕事の成果はチームの目標の達成を左右するからです。ただし、利害は仕事の成果では重なり、評価と割り振りでは分かれます。KAKEAIの1万人調査では、評価や見られ方が気になり本音が話せない、という困りごとを挙げた人の32.7%が、面談が成果につながっていると感じていました。回答者全体の31.9%と並び、評価が気になる人でも成果の実感は低くありません。利害が分かれる話は隠さず、決める前に基準と希望を二人で話すことをおすすめします。規程上の「利害関係者」の範囲は、就業規則と人事の担当に確かめてください。
数字で見る
上司との面談の困りごとに、自分への評価や見られ方が気になり本音が話せないことを挙げた人は、回答者の9.3%でした。ただし、その人たちでも、面談が成果につながっているという実感は全体と並んでいます。また、週1回以上面談している人どうしで比べると、評価の話を普段の面談でしている人のほうが、面談の成果を実感している割合が高くなっています。
- 32.7%
- 1万人調査
- 評価や見られ方が気になり本音が話せない、という困りごとを挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- この困りごとを挙げた人は、回答者の9.3%でした。回答者全体では31.9%で、ほぼ同じ割合です。評価が気になって本音を控えている人でも、面談の成果の実感は全体と比べて低くありません。
- 50.8%
- 1万人調査
- 上司と週1回以上面談していて、面談で人事評価の話をしている人のうち、「面談が成果につながっている」と感じている人の割合
- 同じ週1回以上の人で、評価の話をしていない人では39.7%でした。同じ頻度の人どうしで比べると、評価の話をしている人のほうが、面談の成果を実感している傾向があります。
1万人調査は、上司と部下が利害関係にあるかどうかを直接尋ねたものではありません。評価の話の数字は、面談の頻度が週1回以上の人の中で比べたものです。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
上司と部下は利害関係にあたるのか: 仕事の割り振りと評価を通じて、 利害関係にある
上司と部下は、利害関係にあたります。「利害関係」とは、一方の判断や行動が、もう一方の利益や不利益に影響する関係のことです。上司は、部下の仕事の割り振りと評価に関わり、昇給や昇格の推薦にも意見を出します。上司の判断は部下の仕事と評価と収入に影響し、部下の仕事の成果はチームの目標の達成を左右します。この関係をないものとして扱うより、利害がどこで重なり、どこで分かれるのかを二人で知っておくほうが、仕事を進めやすいと考えられます。
ただし、会社の規程で「利害関係者」として扱われる範囲は、会社によって違います。贈り物や接待・金銭の貸し借り・ハラスメントの相談先・公正な評価の手続きなどに関する規程に、上司と部下の関係がどう書かれているかは、就業規則と人事の担当に確認してください。このページでは、規程上の定義には触れず、利害関係にある二人がどう接するかを書きます。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司と部下は、どちらも仕事と成長を前に進める当事者だと考えています。上司だけ、部下だけに責任を負わせるものではありません。利害関係にあることと、同じ仕事の当事者であることは、両立します。
以下では、営業チームで、来期の担当顧客の割り振り(大口の顧客を誰が担当するか)を決める場面を例にします。上司と部下のどちらが読んでも使えるように、立場ごとに分けて書きます。
上司と部下の利害は、 どこで重なり、 どこで分かれるか
上司と部下の利害は、仕事の成果では重なり、評価と割り振りでは分かれることがあります。重なる部分と分かれる部分を分けて見ると、利害関係を隠したり恐れたりせずに扱いやすくなります。
| 利害が重なるところ | 利害が分かれることがあるところ |
|---|---|
| 担当する | 大口の |
| 失注や | 上司が |
| 部下が | 忙しい |
| チーム全体の | 昇給や |
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談の困りごと(複数回答)として「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人は9.3%でした。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は32.7%で、回答者全体の31.9%と並んでいます。つまり、評価が気になって本音を話しにくいと感じていても、面談の成果の実感が低いわけではありません。
面談についての数字ですが、評価のように利害が分かれる話が気になっていることと、面談を仕事の成果に役立てることは、両立すると考えられます。
利害が分かれる話を、 上司はどう切り出すか
利害が分かれる話(割り振り・評価・昇格の推薦)は、上司が一人で決めて結果だけを伝えると、部下には理由の分からない不利益に見えやすくなります。決める前に、何を基準に決めるのかを伝え、部下の考えを聞いてから決めるのがよいでしょう。
割り振りを決める前に、基準を伝えます。
- 来期の担当顧客を決める前に、何を基準にするかをお話ししたいです。大口の2つの顧客は、今期の対応の内容と、来期に増やしたい提案の種類で決めようと考えています。
- 私の考えを言う前に、○○さんはどの顧客を担当したいか、理由も含めて教えてください。
- 担当の希望は、言ってもらって大丈夫です。希望の通りにできないこともありますが、知らないまま決めたくないんです。
決めたあとは、理由と、上司がすることを伝えます。
- 大口の△△社は、□□さんにお願いすることにしました。○○さんには、新規の顧客3件をお願いしたいです。理由は、来期に新しい業種への提案を増やしたいからです。
- 新規の顧客は、最初の提案に私も同行します。○○さんが大口を持つ時期については、半年後にあらためて話しましょう。ほかに気になっていることはありますか。
評価については、期末に初めて伝えるのではなく、普段の1on1で上司の考えを伝えておきます。
- 今の時点で、私は○○さんの提案の進め方を高く評価しています。一方で、見積もりの提出が2回遅れたことは、評価の中で気になっている点です。○○さん自身は、どう感じていますか。
- 評価シートのこの項目を、一緒に見てもらえますか。この項目で私が大事にしていることを、先にお伝えしておきたいんです。
希望に応えられなかったときは、そのことを言葉にして、次の機会の話をします。
- 希望に応えられず、すみません。来期に△△社を担当するために何ができていればよいかを、一緒に考えたいです。
KAKEAIの1万人調査では、上司と週1回以上面談している人のうち、面談で人事評価の話をしている人の50.8%が、「面談が成果につながっている」と感じていました。評価の話をしていない人では39.7%です。週1回以上の人どうしで比べると、評価の話を普段の面談でしている人のほうが、成果を実感している人の割合が高くなっています。KAKEAIは、評価の話を普段の面談から切り離すことをおすすめしません。
利害が分かれる話を、 部下はどう切り出すか
部下の側からは、割り振りや評価の話は切り出しにくいものです。けれども、希望を伝えないままでいると、上司は部下の希望を知らないまま決めることになります。希望と理由を仕事の言葉で伝え、決める基準を尋ねるのがよいでしょう。
割り振りについて、希望を伝えます。
- 来期の担当顧客について、希望をお伝えしてもよろしいでしょうか。△△社を担当したいと考えています。今期の提案で、業界のことを調べてきたからです。
- 担当を決める基準を、教えていただけますか。
評価について、上司の考えを尋ねます。
- 今の時点で、私の仕事をどう評価されているか、途中でもうかがえますか。期末に初めて聞くより、直せるところを早く知りたいです。
- 評価シートのこの項目で、何を見ていらっしゃるのかを教えていただけますか。
- 自己評価をつける前に、課長が見ている点を一度うかがってもよろしいですか。
忙しい時期の仕事の量についても、我慢を続けるより、事実を添えて伝えます。
- 今月は訪問の件数が増えていて、残業が続いています。配分を見直していただくことはできますか。
希望がかなわなかったときは、理由を尋ねたうえで、次の機会について話します。
- 理由を教えていただき、ありがとうございます。大口の顧客を担当するために、来期に何ができていればよいかを、ご相談できますか。
上司と部下の利害関係で、 避けたいこと
避けたいのは、利害関係をないものとして扱うことと、利害関係だけで二人の関係を見ることです。
- 「1on1は評価と関係ない時間です」と宣言する。上司が部下の評価に関わることは、宣言しても変わりません。関係ないと言われるより、何を基準に評価するのかを聞いたほうが、部下は話しやすいと考えられます。
- 割り振りや評価を、一人で決めて結果だけを伝える。基準を知らないままでは、部下には、なぜそう決まったのかが分かりません。
- 逆に、割り振りを部下の希望だけで決める。チーム全体の成果と部下の成長を見て決めるのは、上司の仕事です。部下の希望を聞くことと、希望の通りに決めることは別です。
- 利害が分かれるからと、部下が希望を言わない。上司は、部下の希望を知らないまま決めることになります。希望がかなわないことがあっても、希望と理由を伝えておく価値はあります。
- 贈り物や食事のおごり、金銭の貸し借りを、二人の間だけで決める。会社の規程に関わることがあります。判断に迷ったら、就業規則と人事の担当に確認してください。
- 利害関係だけで、相手を見る。上司と部下は、仕事の成果という共通の利害も持っています。分かれる部分だけを見ると、同じ仕事の当事者であることが見えなくなります。
上司と部下の利害関係とうまく付き合えているかを振り返る
利害関係とうまく付き合えているかどうかは、利害の対立がないかではなく、利害が分かれる話を二人で話せているかで振り返ります。
- 割り振りや評価の基準を、決める前に二人で話せたら、次は、決めたあとの理由も同じように話してみてください。
- 部下の希望と理由を決める前に聞けていなかったら、次の割り振りでは、上司から希望を尋ねるのも1つの方法です。
- 評価についての上司の考えを期末より前に話せたら、次は、部下の自己評価との違いを一緒に見ます。
- 希望がかなわなかったときに次の機会を話せたら、その機会が来る前に、もう一度その話を取り上げます。
- 利害が分かれる話のあとに共通の目標の話に戻れたら、次に取り組むことを二人で決めておきます。
利害が分かれる話を避けずに話せる関係は、一度にはできません。関係には段階があり、段階によって合う関わり方は変わります。まず、次の割り振りか評価の話を、決める前に二人で話すことから始めてみてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
言葉の定義や相性の診断とは別に、目の前の上司と部下がそれぞれ何を担うかを、1on1のたびに確かめたいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の開始直後に、Kakeai AI のメッセージ欄で。
その回に部下が上司に何を期待しているかを、 二人が同じ画面で確かめてから話し始められます。
Kakeai AI が、準備されたテーマと、部下が選んだ期待する対応を挙げます。前回決まった次の一歩があれば、それも挙げます。
準備されたテーマは「次世代コントローラの海外展開(10月量産)」×「意見を聞きたい」の1つです。 前回決まった次の一歩は「競合3社(スウェーデン・ドイツ・台湾)の製品比較。機能の一覧に、お客さんが選んだ理由を付ける」の1つでした。
1on1のあとに、「概要」と「MOVE」の画面で。
上司も次の一歩の担当になることがあり、 二人の分担を同じ一覧で確かめられます。
「MOVE」(1on1で決めた次の一歩と目標を、相手ごとに一覧にする画面)には、上司と部下のどちらが担当する一歩も、同じ一覧に並びます。「概要」の画面のダイジェストには、どの話が誰の手元に残っているかが書かれます。どちらも、お二人に同じものが表示されます。
6月16日の1on1から、柳瀬さんが持つ持ち越しが二つあります。…
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よくある質問
上司と部下は利害関係者ですか。
上司と部下は、利害関係にあたります。上司の判断は部下の仕事と評価と収入に影響し、部下の仕事の成果はチームの目標の達成を左右するからです。ただし、会社の規程で「利害関係者」として扱われる範囲(贈り物、金銭の貸し借り、相談先の指定など)は会社によって違います。規程上の扱いは、就業規則と人事の担当に確かめてください。
上司と部下の利害は、 対立するものですか。
上司と部下の利害は、仕事の成果では重なり、評価と割り振りでは分かれることがあります。担当する顧客の売上が上がることや、失注や苦情が減ることは、二人にとって共通の利益です。一方で、大口の顧客を誰が担当するか、上司がつける評価と部下の自己評価が合うかどうかでは、利害が分かれます。対立するかどうかを一言で決めるより、重なる部分と分かれる部分を二人で知っておくと、利害が分かれる話もしやすくなります。
上司と部下に利害関係があると、 部下は上司に本音を言えないのですか。
利害関係があっても、部下が本音を言えなくなるとは限りません。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとに「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人は9.3%でした。その人たちのうち面談が成果につながっていると感じる人は32.7%で、回答者全体の31.9%と並んでいます。上司が評価の基準を先に伝え、部下が希望と理由を仕事の言葉で伝えることで、利害関係があっても話せる範囲は広がると考えられます。
上司と部下の利害関係は、 評価にどう影響しますか。
評価は、上司と部下の利害が最もはっきり分かれる場面です。だからこそ、期末に結果だけを伝えず、普段の1on1で評価の基準と上司の考えを伝えておくことをおすすめします。KAKEAIの1万人調査では、上司と週1回以上面談している人のうち、面談で人事評価の話をしている人の50.8%が「面談が成果につながっている」と感じていました。評価の話をしていない人の39.7%より、高い割合です。
上司と部下の間で、 食事のおごりや贈り物は利害関係の問題になりますか。
上司と部下の間の食事のおごりや贈り物、金銭の貸し借りが問題になるかどうかは、会社の規程によって違います。贈り物や接待、金銭の貸し借りに関する規程に上司と部下の関係がどう書かれているかを、就業規則で確かめ、迷ったら人事の担当に相談してください。二人の間だけで決めず、会社の決まりに沿って判断することをおすすめします。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/are-manager-and-subordinate-in-conflict-of-interest
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: