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部下の方へ部下との関わり

上司のミスを部下が謝るのは、おかしくないか

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

上司のミスで部下が謝ることになったとき、会社としてお客様や他部署にお詫びするのは窓口の役割なので、担当者がすること自体はおかしくありません。一方、原因が自分にあると認めるのは別のことで、上司の判断が原因なら、部下がこれを引き受けるのはおかしいと言えます。お客様の前では、会社としてのお詫びと訂正の対応を先に済ませ、原因の説明は「社内で確認して改めてご説明します」と持ち帰ってください。社内では、起きたことを順に話し、原因の説明を誰がどう伝えるかを、仕事の相談として上司に確認します。上司が部下にだけ謝らせることが繰り返されるときや、評価や処分に関わるときは、就業規則と人事の相談窓口に確認してください。

上司のミスを部下が謝るのは、おかしくないか:お詫びと原因を認めることは別

上司のミスで部下が謝ることになったとき、おかしいと感じるのは当然です。ただし、「謝る」には2つの違うことが混ざっています。1つは、会社としてお客様や他部署にお詫びをすることです。これは担当の窓口の役割で、原因が誰にあっても、担当者がすること自体はおかしくありません。もう1つは、原因が自分にあると認めることです。上司の判断が原因なら、部下がこれを引き受けるのはおかしいと言えます。

この2つが混ざるのは、お客様の前で原因の説明まで部下が背負うとき、社内で上司が自分の判断だったと言わないとき、上司が部下にだけ謝らせるときです。このページでは場面を4つに分けて、部下の側で何を引き受けて何を引き受けないか、上司にどう言うかを書きます。

上司の側にも事情があります。上司は、会社としてのお詫びと原因の説明の区別がついていないまま「とりあえず謝っておいて」と言っていることがあります。自分の判断ミスだと認める言い方を持っていない上司もいます。部下の側から、2つを分けて話すと、上司も動きやすくなります。

以下では、お客様に出す見積書の単価を上司が最終確認で書き換え、その数字が誤っていたために、送付した部下がお客様から指摘を受けた場面を例にします。

場面部下が引き受けること部下が引き受けないこと
お客様や他部署に、窓口としてお詫びする会社としてのお詫びと、直した見積書を出すこと「私の確認不足でした」と、原因が自分にあると言うこと
上司の判断が原因なのに、原因の説明まで求められる事実の説明(いつ、どの数字が変わったか)原因が自分にあるかのように説明すること
上司が自分のミスを部下の責任にして、謝らせるその場で言い返さず、事実を順に話すこと自分のミスだと認める言葉を書面やメールに残すこと
上司の指示通りに進めた結果のミスで、上司が何も言わない社内で、原因と再発防止を誰が説明するかを上司に確認すること上司が謝るまで仕事を止めること

どの場面でも、部下が最初にすることは同じです。お客様や相手の仕事を止めないための対応を先に済ませ、原因と責任の話は社内に持ち帰ります。

お客様や他部署の前では、会社としてお詫びし、原因の説明は持ち帰る

お客様の前で部下がすることは、会社としてのお詫びと、お客様の仕事を止めないための対応です。原因の説明は、その場で求められても、確認してから改めて伝えるようにします。「上司が間違えました」とその場で言う必要はありませんし、「私の確認不足でした」と原因を自分に引き受ける必要もありません。

  • このたびは、見積書の単価に誤りがあり、ご迷惑をおかけしました。申し訳ございません。訂正した見積書を、本日中にお送りします。
  • 誤りの原因は、社内で確認したうえで、改めてご説明させてください。
  • 発注のご判断に影響が出ていないか、確認させていただけますか。
  • ご説明の日程は、明日までにご連絡します。

お客様から「誰が間違えたのか」と聞かれたときも、人の名前ではなく、社内の確認の手順として答えます。

  • 社内の最終確認の段階で数字が変わっており、その確認の手順に不備がありました。手順は見直します。

原因の説明をお客様に正式に伝えるときは、誰がどう伝えるかを上司と決めてから行います。上司が同席する、上司からお客様に連絡する、という選択も含めて相談します。

社内では、原因と再発防止を誰が説明するかを上司と決める

社内に戻ったら、起きたことを、上司を責めるのではなく事実の順に話します。そのうえで、お客様への原因の説明と再発防止の説明を、誰がするかを上司に確認します。

  • お客様から、単価の誤りについて指摘がありました。先にお詫びと訂正の見積書の送付は済ませています。
  • 単価は、課長の最終確認で変わった数字でした。お客様への原因のご説明は、どなたから、どう伝えますか。
  • 再発防止として、最終確認で数字を変えたときは変えた人が送付前に一言添える、という決まりにしませんか。
  • もし今お時間がなければ、この話は今日の夕方か次の1on1でご相談させてください。

上司に「課長の判断でした」と言うのは、言いにくいことです。KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談の困りごと(複数回答)として「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人が9.3%いました。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じる人は32.7%で、回答者全体の31.9%と並んでいます。つまり、評価や見られ方が気になって本音を控えている人がいて、その人たちも面談の成果の実感は全体と並んでいます。言い出しにくさがあっても、面談の成果は実感されている、ということです。面談についての数字ですが、上司のミスについても、評価への影響を気にして言い出しにくい部下がいると考えられます。

そのため、「誰のミスか」ではなく、「原因の説明をどうするか」という仕事の相談として切り出します。相談として切り出せば、上司の判断だったという事実を、上司を責めずに伝えられます。

上司が自分の判断だったと認めたときは、それを受け止めて、次の進め方に話を移します。

  • ありがとうございます。では、お客様への原因のご説明は課長からお願いしてよいですか。訂正の見積書は私から送ります。

上司が原因に触れないまま「よろしく」で終わらせようとするときは、もう一度、仕事の相談として戻します。

  • 原因のご説明を私からすることになると、確認の手順を私が変えたように聞こえてしまいます。課長からお伝えいただくか、同席していただくことはできますか。

上司の側の事情と、上司が言えるとよいこと

上司が謝らない、原因を言わないのは、部下に責任を押しつけようとしているからとは限りません。自分の判断が原因だと気づいていない、会社としてのお詫びと原因の話を分けて考えていない、部下の前で自分のミスを認める言い方を持っていない、といった事情があります。

KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、ミスのあとの対応は、上司と部下の両方が当事者として進めるものだと考えています。上司の側が言えるとよいのは、次のような言葉です。部下の側が仕事の相談として切り出すと、上司の側もこうした言葉を言いやすくなります。

  • 単価を変えたのは私です。お客様への説明は私からします。送付の手間をかけて、申し訳ありませんでした。
  • 次からは、最終確認で数字を変えたときは、私から一言添えるようにします。
  • 原因の説明を○○さんに任せてしまっていました。言ってくれて、ありがとうございます。

こうした言葉が上司から出てきたら、部下の側はそれを受け止めて、次の仕事の話に移ります。上司のミスを何度も持ち出さないことも、二人の仕事を前に進めるために部下の側でできることです。

  • ありがとうございます。では、再発防止の手順は私のほうで文章にして、次の1on1で一緒に見てもらえますか。

上司が自分のミスを部下の責任にして謝らせるときは、事実を残し、相談先を確認する

上司が、自分の判断ミスを部下の確認不足として扱い、部下にだけ謝らせることがあります。この場面では、その場で言い返すより、事実を順に話すことを優先します。そのうえで、自分のミスだと認める言葉を、書面やメールに残さないようにします。

  • お詫びは私からお伝えします。ただ、単価は最終確認で変わった数字なので、原因の説明は、事実の通りに伝えたいです。
  • 今回の経緯を、私のほうでメモにまとめて、課長にもお送りします。認識が違うところがあれば教えてください。

経緯のメモは、証拠を集めるためではなく、あとで食い違いが起きないように、二人で同じ事実を見るためのものです。同じことが繰り返されるとき、評価や処分に関わるときは、就業規則と人事の相談窓口に確認します。

上司のミスで謝ることになったとき、避けたいこと

  • お客様の前で「私の確認不足でした」と、原因を自分に引き受ける。会社としてのお詫びと、原因を認めることは別です。原因の説明は持ち帰ります。
  • お客様の前で「上司が間違えました」と言う。社内の人の名前を出す説明は、お客様にとっても使いにくい情報です。確認の手順として説明します。
  • 上司に「課長のミスですよね」と、責める言い方で切り出す。上司は身構え、原因の話が進みにくくなります。原因の説明を誰がするかという相談として切り出します。
  • 自分のミスだと認める言葉を、メールや報告書に残す。事実と違うことを書面に残すと、あとで訂正しにくくなります。
  • 上司が謝るまで、お客様への対応を止める。お客様の仕事を止めないことが先です。原因と責任の話は、そのあとで社内に持ち帰ります。
  • 謝ったことを、ずっと引きずる。上司が原因を認め、次の進め方が決まったら、次の仕事に移ります。

上司とのやり取りが変わったかを、どこで見るか

上司のミスで謝ることになったあと、どうなれば解決したと言えるかは、上司が謝ったかどうかではなく、そのあとの仕事の進め方で見ます。1か月ほどたったところで、振り返ってみてください。

お客様への原因の説明を、上司と決めた通りに済ませられたでしょうか。済んでいれば、お詫びと原因の話は分けて扱えたということです。再発防止として決めたこと(数字を変えた人が送付前に一言添える)が守られているかも見ます。守られていれば、同じ謝罪を繰り返すことは減ります。

もう1つは、上司に判断を求めることを続けられているかどうかです。上司のミスのあと、上司に確認するのをやめて自分だけで進めるようになると、次のミスは上司に届かなくなります。見積書の数字を変えるときは誰が確認するのか、という決め方を上司と確認し続けることが、同じことを繰り返さないための部下の側の一歩になります。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。

上司の関わり方に不満や不安があっても、自分から何をどう伝えればよいかわからないときに、会社でKakeai AI 1on1を利用している場合は次のことができます。

1on1の前に、「1on1の準備」と「1on1前のAIアドバイス」で。

上司の関わり方を待つだけでなく、その回の1on1をどう使うかを自分から決めて臨めます。

「1on1の準備」で、テーマと、上司に期待する対応(「話を聞いてほしい」「一緒に考えてほしい」など)を選べます。選んだ内容は上司の画面にも表示されます。「1on1前のAIアドバイス」には、ご自身向けに、その回をどう使いたいかを最初に上司へ伝える一言の案が書かれることがあります。上司には、上司向けの別の内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

何を話したいかを最初に伝えることで、柳瀬さんも一緒に考えやすくなりますし、今日この場をどう使うかが自分で決められます。

1on1の終了後に、「1on1後のAIアドバイス」で。

上司に考えが伝わっていないと感じるときに、自分の側から返し方を1つ変えて試せます。

ご自身向けに、その回に自分から話せた場面と、次の1on1で試せる一言が書かれます。「承知しました」のような短い返事が続いた場面があると、次に自分がすることを一言添える言い方が示されることもあります。上司には別の内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

次回、同じ場面になったとき、「承知しました。まず長谷部さんに確認します」のように、次に自分がする一手を一言添えてみてください。…

上司と決めた次の一歩をやり終えたとき。

上司に仕事を見てもらえていないと感じるときも、やり終えたことが二人の同じ記録に残ります。

「MOVE」(1on1で決めた次の一歩と目標を、相手ごとに一覧にする画面)で、担当がご自身の一歩はクリックすると実行済みになります。実行済みになった一歩は、「概要」の画面のダイジェストにも、いつ実行されたかが書かれます。MOVE もダイジェストも、上司と同じものが表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

なお、6月9日の1回目から決まっていた一次調査(競合3社の拠点・代理店・力を入れている国を表にする)は、6月19日に森さんが実行済みです。

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よくある質問

上司のミスなのに、部下の私が謝るのはおかしくないですか。

上司のミスで部下が謝ることには、2つの違うことが混ざっています。会社としてお客様や他部署にお詫びすることは担当の窓口の役割なので、部下がすること自体はおかしくありません。一方で、原因が自分にあると認めることは別で、上司の判断が原因なら、部下がそれを引き受けるのはおかしいと言えます。お客様の前では会社としてお詫びし、原因の説明は持ち帰って、誰がどう説明するかを上司と決めてください。

上司のミスについて、お客様から原因を聞かれたら、何と答えればよいですか。

上司のミスについてお客様から原因を聞かれたときは、人の名前ではなく、社内の確認の手順として答えてください。「社内の最終確認の段階で数字が変わっており、その確認の手順に不備がありました。手順は見直します」のように伝え、正式な説明は社内で確認してから改めて行うと伝えます。「私の確認不足でした」と原因を自分に引き受ける必要も、「上司が間違えました」とその場で言う必要もありません。

上司のミスを、上司に「あなたのミスです」と言ってもよいですか。

上司のミスを上司に伝えるときは、「課長のミスですよね」と責める形ではなく、「単価は課長の最終確認で変わった数字でした。お客様への原因のご説明は、どなたからどう伝えますか」と、仕事の相談として伝えることをおすすめします。相談として伝えれば、上司の判断だったという事実を、上司を責めずに伝えられます。上司に言いにくいと感じるのは自然なことなので、言い方を先に用意しておくとよいでしょう。

上司が自分のミスを私の責任にして謝らせます。どうすればよいですか。

上司が自分のミスを部下の責任にして謝らせるときは、その場で言い返すより、起きたことを事実の順に話してください。お詫びは引き受けても、自分のミスだと認める言葉を書面やメールに残さないようにします。経緯は、あとで食い違いが起きないよう、メモにして上司にも送ります。同じことが繰り返されるとき、評価や処分に関わるときは、就業規則と人事の相談窓口に確認してください。

上司のミスで謝ったあと、上司との関係が気まずいです。どうすればよいですか。

上司のミスで謝ったあとの気まずさは、謝罪の話を繰り返すより、次の仕事の進め方を決めることで薄れていきます。再発防止として決めたこと(数字を変えた人が送付前に一言添える、など)を二人で確認し、上司に判断を求めることを続けてください。上司への確認をやめて自分だけで進めるようになると、次のミスは上司に届かなくなります。上司が原因を認めたら、それを受け止めて次の仕事に移ることも、部下の側でできることです。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/apologizing-for-your-managers-mistake

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: