「面談の質」が成婚率を変える。結婚相談所「パートナーエージェント」が実践した顧客体験改革

「面談の質」が成婚率を変える。結婚相談所「パートナーエージェント」が実践した顧客体験改革

(左から)タメニー株式会社 婚活事業本部 事業推進部 鶴岡美保さん、同事業本部 CS推進部 部長 阿部愛美さん、同事業本部 本部長 柳田一樹さん、同事業本部 PA事業部 CCグループ 東日本CCエリア シニアマネジャー 川上啓子さん、同事業本部 PA事業部 CCグループ 東日本CCエリア マネジャー 笹原良昭さん

社名
タメニー株式会社
業界
サービス業
従業員規模
101~500人
タイプ
導入ご決裁者の声
導入目的
その他

タメニー株式会社が運営する結婚相談所「パートナーエージェント」では、専任のコンシェルジュが定期的な面談を通じて会員の婚活をサポートしています。

この面談は「成婚を左右する要」でありながら、メールでの日程調整が双方の負担となっていたほか、会員の相談に対し、限られた時間の中で、より質の高い対話をするためにどうすべきかといった課題を抱えていました。

同社は課題解消に向けて、顧客面談向けにカスタマイズした「Kakeai for お客様面談」を導入しました。会員が簡単に予約でき、相談内容を事前にコンシェルジュに共有できる仕組みを整備したことで、全店舗で面談実施率が向上、会員からもポジティブな声が届いているといいます。

この面談変革について、事業本部長、CS推進部・事業推進部、現場コンシェルジュ、それぞれの視点から詳しく聞きました。

課題
  • 面談の日程調整における担当者と顧客双方の負担
  • 面談の質を高めるための具体的な改善策の不足
  • 店舗間でのノウハウ蓄積・共有の難しさ
成果
  • 全店舗での面談実施率向上と日程調整の効率化
  • 相談内容の事前把握による面談の質と顧客満足度の向上
  • 面談データの可視化により、成功事例が店舗間で共有可能に

Q:婚活支援というサービスの中で、お客様との"対話"をどのように位置づけていますか。

婚活のPDCAサイクルを回すための重要な接点

柳田さん:婚活支援において、お客様との対話は非常に重要です。私たちは、お客様との対話を単なる情報のやり取りではなく、婚活のPDCAサイクルを回すための重要な接点だと考えています。対面での面談はもちろんのこと、Kakeaiのようなツールも活用することで、お客様が話しやすい「余白」を意図的に作り出し、対話の質を高めています。お客様の心に寄り添い、本音の部分を汲み取ることが、質の高いサポートを提供するために不可欠です。

Q:Kakeaiを導入された背景やご期待を教えてください。

面談における二つの壁と、自社開発の限界

鶴岡さん:私たちは「成婚率」に、とことんこだわって結婚相談所のサービスを運営しています。「成婚」という人生の一大イベントを一緒に創り上げるためには、コンシェルジュと呼ばれる担当スタッフのサポートが本当に大切です。中でも、お客様と顔を合わせてお話しする「面談」、成婚を左右する、まさに要の部分だと位置づけています。

しかし、その重要な面談を進める上で、二つの大きな壁がありました。一つは、面談の日程調整が、お客様にとっても担当スタッフにとっても大きな負担になっていたことです。もう一つは、「どうすればもっと面談の質を高められるだろうか?」という、漠然とした課題を抱えていて、具体的な改善のきっかけが見つけられずにいました。

柳田さん:以前から1on1ツールの自社開発の可能性を検討していましたが、新しいツールをゼロから開発するのは工数がかかります。また、社内では既存システムの改修に多くのリソースが割かれており、新たに自社開発へ踏み出す判断が難しい状況でした。そこで、Kakeaiを導入することで使える外部の知見を活用し、社内のエンジニアのリソースに依らず、コンシェルジュがよりお客様との対話に集中できる環境を整備することを目指しました。具体的には、Kakeaiの導入を機会に、日程調整の手間を削減したり、面談前にニーズを把握したりすることで、面談そのものの質を向上させたいと考えていました。

Q:自社開発や他ツールと比較する中で、Kakeaiを選ばれた決め手は何でしたか。

「シンプルさ」と事前のニーズ把握機能

鶴岡さん:私たちにとって、とても大切な観点だったのが「シンプルでわかりやすい」ことでした。担当スタッフも、そしてお客様も、誰もが「これなら簡単!」と感じるツールが絶対に必要だと思っていたんです。Kakeaiは、面談の日程調整が驚くほど簡単にできるので、担当スタッフも、お客様も、双方の負担がグッと軽減される点が、本当に魅力的でした。

日程調整の負担が減っただけでなく、面談の前にボタン一つで「今回の面談テーマ」を設定できることも面談の質の向上に繋がると感じました。これまでは「お客様は今回、何を一番話したいのだろう?」と、正直手探りの部分もありました。でも、Kakeaiのおかげで事前にニーズを把握できるようになり、スタッフが自信を持って面談に臨めるようになったのは、大きな変化だと感じています。

Q:現在、Kakeaiの顧客面談システムをどのように活用されていますか。

データに基づく品質管理と店舗間連携の促進

阿部さん:今は主に、面談の「品質管理」で活用しています。具体的には、3カ月に1回行っている定期面談の実施率や、お客様の満足度といったデータを細かく把握できるようになりました。そして、そのデータを元に、エリアごと、店舗ごとに違いがないかを分析しています。

例えば、これまでは近くに他の店舗がないエリアだと、どうしてもノウハウの蓄積や共有が難しい部分がありました。

でも、Kakeaiで客観的なデータが見えるようになったことで、毎月開催している店舗責任者の会議で、「この店舗ではこういう結果が出ているから、こんな風に取り組んでみよう」といった具体的な話ができるようになりました。店舗間のコミュニケーションが本当に活発になったと感じています。

Q:Kakeaiによって、コンシェルジュの対応や現場の雰囲気に変化はありましたか。

面談実施率の向上と、お客様主導の相談増加

阿部さん:一番大きな変化は、特定の店舗に偏ることなく、面談の実施率が本当に一律で上がったことです。担当スタッフからも「今まであまり店舗に来てくださらない会員様が、面談で足を運んでくれるようになったんですよ!」という嬉しい声をもらっています。

お客様側も、面談の日程調整がスムーズになったことで、3カ月に1回の定期面談以外でも、「ちょっと相談したいな」と思った時に気軽に面談ができるようになったと言う声をいただいています。お客様のペースで、「今、話したい」という気持ちを見逃さずに対応できるようになったのは、成婚をご支援するためにも非常に良い傾向だと感じています。

柳田さん:KakeaiのUI/UXは、対話の質を重視する弊社のサービスと相性が良く、コンシェルジュがお客様との対話をデザインしやすくなったと感じています。

これにより、一つひとつの業務設計を立てやすくなり、結果として現場の雰囲気が前向きなものになりました。コンシェルジュがお客様と向き合う時間を最大限に確保できるようになったことで、より質の高いサービス提供につながっていると実感しています。

お客様からの反応としては、「コンシェルジュが面談前に、準備をしっかりしてくれている」というお声をいただくことが増えました。Kakeaiを通じて事前にニーズを把握することで、面談の満足度が向上し、成婚率にも良い影響が出ていると感じています。

Q:現場でのKakeai活用をスムーズに進めるうえで、マネジメント層として工夫されていることはありますか。

「人が資産」という考えのもと、働き方改革とサービス品質を両立

柳田さん:現場での活用をスムーズに進めるために、私たちは「人が資産である」という考え方を大切にし、働き方改革を推進しています。サービス品質を突き詰めるだけでなく、コンシェルジュが働きやすい環境を整えることが重要だと考えています。

具体的には、コンシェルジュが面談に集中できるよう、他の業務にかかる工数を削減する工夫をしています。また、Kakeaiのようなツールは、経験の浅いコンシェルジュが迷ったときの活動サポートツールにもなりうると考えています。コンシェルジュのノウハウを蓄積し、ビッグデータ化することで、属人化を防ぎながら、サービス品質を維持・向上させていきたいと考えています。

Q:普段、お客様とのご面談やご案内では、どのような点を大切にされていますか。

お客様が安心して本音を話せる雰囲気作り

川上さん:お客様が安心して本音を話せる雰囲気作りを最も大切にしています。婚活には、楽しいことばかりではなく、ネガティブな気持ちになることも少なくありません。そんなアップダウンのある状況だからこそ、私たちは「お客様の味方、応援団」として、どんなことがあっても否定せずに寄り添う姿勢を心がけています。

お客様自身も気づいていない本音を引き出すために、お話のペースを尊重し、時には共感を示すリアクションも大切にしています。また、面談後には「また頑張ろう」と前向きな気持ちになっていただけるよう、具体的なアドバイスや今後の見通しをしっかりお伝えすることで、お客様が安心して婚活を続けられるように伴走することを意識しています。

Q:Kakeaiを使ってみて、お客様との会話の中で「これは役立った」と感じた場面はありますか。

事前のテーマ共有で、限られた時間で深い対話が可能に

川上さん:特に役立ったと感じたのは、面談のテーマを事前に共有いただけるようになったことです。以前は、面談の当日に初めてお客様の悩みを聞くことが多く、1時間という限られた時間の中で深い話をするのが難しい場面もありました。

Kakeaiを導入してからは、お客様が予約時にテーマを入力してくださるため、事前に準備をして面談に臨めるようになりました。

今まではこちらが想定している内容をもとにお客様にご提案していたのですが、事前にテーマを設定していただくことで、お客様の状況や気持ちを面談前に確認することができるようになりました。

テーマが事前にある場合とない場合とでは大きく違い、今はお客様が本当に聞きたいことを深く掘り下げることができ、面談の満足度が大きく向上したと感じています。

また、日程調整がとても楽になったことも大きなメリットです。これまでは、メールでのやりとりが多かったのですが、何度もやり取りする必要もなくなり、お客様が都合の良い日時を選ぶだけで簡単に予約できるようになり、予約の手軽さが面談のハードルを下げてくれました。

Q:Kakeai導入前と比べて、お客様との対話の量や質や、自分自身の関わり方に変化はありましたか。

お客様主導の面談増加と、チーム全体の品質向上

笹原さん:導入前は、こちらからお客様に定期面談を促すことが多かったのですが、導入後はお客様の方から自発的に面談を予約してくださるケースが格段に増えました。これにより、対話の量が増えただけでなく、お客様が本当に話したいタイミングで相談に乗れるようになったため、対話の質も向上したと感じています。

また、お客様が事前に伝えてくれるテーマと、「具体的なアドバイスがほしい」のか「意見を聞きたい」のかといったご要望も把握できるようになったため、より的確なアドバイスを提供できるようになりました。これは、お客様に寄り添い、一人ひとりに合わせたサポートを提供する上で非常に大きな変化です。

コンシェルジュチーム全体で見ても、経験値の差に左右されることなく、全員が一定以上の質の高いサポートを提供できるようになったと感じています。Kakeaiが、お客様との対話の質を保つための土台になっていると思います。

Q:同じような課題を持つ企業に向けて、Kakeaiの価値をどのように伝えたいですか。

お客様に寄り添う「伴走者」を支える心強い味方

阿部さん:私たちは、お客様である会員様を「主人公」として、その背中をそっと、でも力強く押す「伴走者」でありたいと願っています。そのためには、定期的な面談を通じてお客様とのつながりを増やしていくこと、そしてお客様が「会いたい」と思った時にいつでも会えるような関係性を築くことが何よりも大切です。

お客様に寄り添う「伴走者」として、私たちのように面談を非常に重視している企業やサービスにとって、日程調整の負担を軽減し、さらに「対話の質」を向上させてくれるKakeaiというサービスは、本当に頼りになる、心強い味方になってくれると思います。


※上記事例に記載された内容は、2025年06月取材当時のものです。閲覧時点では変更されている可能性があります。ご了承ください。

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