人事・経営の方へ評価の面談
人事評価の結果を本人に開示するべきか
先に答え
人事評価の結果は、評価の段階(AやBなど)と、その根拠(どの仕事をどの基準で見たか)までを本人に開示することをおすすめします。調整会議で誰がどう発言したかという過程は、開示しません。開示は人事からの通知で済ませず、直属の上司が評価面談で根拠と一緒に伝え、期の途中の面談でも上司の見通しを話しておくとよいでしょう。KAKEAIの1万人調査では、面談の頻度が同じ人どうしで比べると、どの頻度でも、面談で評価の話をしている人のほうが「面談が成果につながっている」と感じる割合が高くなっていました。ただし、評価の開示そのものを尋ねた数字ではありません。法律に関わる点は、会社の規程と専門家に確かめてください。
数字で見る
KAKEAIの1万人調査で、面談で評価の話をしている人としていない人を、面談の頻度が同じ人どうしで比べました。どの頻度でも、評価の話をしている人のほうが「面談が成果につながっている」と感じる割合が高くなっていました。評価が気になって本音が話せないという困りごとを挙げた人でも、成果の実感は回答者全体と比べて低くはありません。
- 20.9%
- 1万人調査
- 面談が半年〜1年に一度で、面談で評価の話をしている人のうち、成果の実感がある人の割合
- 同じ頻度で評価の話をしていない人では17.8%でした。2〜3か月に一度の人でも28.4%と26.0%です。頻度を4つに分けたどの中でも、評価の話をしている人のほうが、面談が成果につながっていると感じています。
- 32.7%
- 1万人調査
- 「評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人のうち、成果の実感がある人の割合
- 回答者全体の31.9%と比べて、低くはありません。この困りごとを挙げた人は回答者の9.3%です。評価が気になって本音が話せないと感じている人でも、面談の成果の実感が低いわけではありません。
この調査は、人事評価の結果を本人に開示しているかどうかを尋ねたものではありません。数字は、上司との定期的な面談で評価の話をしているか、面談で何に困っているかを尋ねた結果です。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
人事評価の結果を本人に開示するべきか: 段階と根拠は開示し、 調整の過程は開示しない
人事評価の結果は、評価の段階(AやBなど)と、その根拠(どの仕事を、どの基準で見たか)までを本人に開示することをおすすめします。開示しないほうがよいのは、評価の調整会議で誰がどう発言したかという過程です。「開示するか、しないか」の二択で考えると、どちらを選んでも不満が残ります。開示するものを分けて考えてください。
| 開示するもの | 開示するか | 誰が、いつ伝えるか |
|---|---|---|
| 評価の | 開示する | 直属の |
| 根拠 | 開示する | 直属の |
| 他の | 開示しない | 調整があったことと、 |
開示を一律に義務づける法律があるかどうか、個人情報の開示請求との関係がどうなるかは、会社の規程と専門家に確かめてください。このページでは法律の判断ではなく、開示するなら何を、誰が、どう伝えるかを扱います。
人事評価を開示しない理由として挙がるものと、 調査の数字
開示しない理由として挙がるのは、「低い評価を知るとやる気が下がる」「評価が気になって本音を話さなくなる」「上司が根拠を説明できない」「相対評価の調整を説明できない」の4つです。最初の2つは本人の受け止め方についての心配ですが、評価の開示そのものを尋ねた数字はありません。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査で、面談で人事評価の話をしている人としていない人を、面談の頻度が同じ人どうしで比べました。頻度を4つに分けたどの中でも、評価の話をしている人のほうが「面談が成果につながっている」と感じる割合が高くなっていました。たとえば面談が半年〜1年に一度の人では20.9%と17.8%、2〜3か月に一度の人では28.4%と26.0%です。差は数ポイントですが、面談で評価の話をしている人のほうが、面談が成果につながっていると感じる傾向があります。
また、上司との面談の困りごと(複数回答)として「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人は9.3%でした。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は32.7%で、回答者全体の31.9%と比べて低くはありません。評価が気になる人でも、面談の成果の実感が低いわけではありません。
ここまでの数字は、面談で評価の話をすることについてのもので、評価の開示がやる気や本音にどう影響するかまでは示していません。やる気や本音についての心配は、開示をやめる理由とするより、伝え方を整えるきっかけとして扱うことをおすすめします。残る2つの理由、「上司が根拠を説明できない」「調整を説明できない」も、開示しない理由ではなく、開示の前に整えておく仕事です。根拠を説明できない評価でも、昇給額や賞与の差として本人に伝わりがちです。そうなると本人は、評価の段階を知らされないまま、処遇から自分の評価を推し量ることになります。
人事評価の結果を開示するなら、 誰が、いつ、どう伝えるか
評価の結果は、人事からの通知で済ませず、直属の上司が評価面談で根拠と一緒に伝えてください。評価の結果だけが先に届くと、本人は根拠を知らないまま結果を受け止めることになります。そのあとの評価面談も、すでに出た結果を説明するだけの場になりがちです。
伝える順番は3つです。上司の考えとして評価を言い、根拠を仕事の事実で示し、本人の見方を尋ねます。以下では、社内のヘルプデスクで問い合わせ対応を担当している部下の例で示します。
- 評価シートを、一緒に見てもらえますか。今期の評価は、私はBだと考えています。
- 理由は2つあります。問い合わせへの一次回答の早さは、今期かなり上がりました。一方で、回答の内容があとから訂正になった問い合わせが続いた月がありました。
- 私から見えていた範囲での考えです。○○さんの見方と違うところがあれば、教えてください。
評価が調整会議で変わった場合は、変わったことと、相談先だけを伝えます。会議の中身は開示しません。
- 私が出した評価と、最終の結果は違っています。部門全体の調整があったためです。調整の中身は私からは説明できませんが、私の評価の理由は今お話しした通りです。
- 結果に納得できない場合の相談先は、人事に確認してお伝えします。
開示が受け止められるかどうかは、評価面談の伝え方だけでは決まりません。期の途中に上司が自分の考えとして見通しを話していれば、期末の結果は初めて聞く話ではなくなります。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、評価の話は半年に一度の面談に閉じ込めず、普段の面談でもするほうがよいと考えています。評価シートの具体的な基準を、普段の面談で上司と部下が一緒に見ながら話すということです。期末の開示は、その積み重ねの最後の一回に当たります。
- 今の時点での私の考えをお伝えしておきます。一次回答の早さは十分だと考えています。訂正が出た問い合わせの原因は、一緒に見ておきたいです。
- 期末に初めて聞く話にならないように、月に一度はこの話をしませんか。
開示したあとに、 本人から質問や反論が来たときの受け方
開示のあとに質問や反論が来ても、開示が失敗したとは限りません。本人が根拠をもっと詳しく知りたいと考えていることもあります。上司は言い返さず、まず本人の見方を聞いてください。
- そう感じた理由を教えてもらえますか。どの仕事のことかも分かると、私も考えやすいです。
- 私が知らなかった仕事があれば、評価を考え直したいので教えてください。
- 今日うかがった内容を踏まえても、私の考えは変わっていません。理由は、訂正が出た問い合わせが、今期の評価基準の「回答の正確さ」に当たるからです。
上司が相談先を答えられるように、人事は、評価に納得できないときの相談の窓口と手順を、先に上司に配っておいてください。
- 人事から上司の皆さんへ。評価の結果を伝えたあとに、本人から納得できないと言われたときの相談先は、人事の○○です。面談の場で、その旨をお伝えください。
人事評価の開示の仕組みを整えるときに、 おすすめしないこと
- 評価の結果だけを通知する。システムやメールで結果だけが届くと、本人は根拠を知らないまま受け止めることになります。開示は、根拠と一緒に、直属の上司から伝えます。
- 調整会議の中身まで開示する。誰がどう発言したかを本人に伝えると、評価会議で率直な議論ができなくなります。伝えるのは、調整があったことと、相談先です。
- 開示して終わりにする。結果を伝えた面談で、次の期に何をするかが決まっていなければ、本人の手元には評価の結果だけが残ります。
- 人事が1on1の記録の中身を読んで、評価の根拠を集める。KAKEAIは、人事が1on1の記録の中身を読むことをおすすめしません。記録が評価の材料に使われると知った部下は、面談で話す内容を選び、言いにくいことを話さなくなると考えられます。評価の根拠は、上司が自分の目で見た仕事と、上司自身が残した記録から出してください。
人事評価の開示がうまくいっているかを振り返る点
開示がうまくいっているかどうかは、不満の申し立ての数ではなく、評価面談のあとに上司と部下の間で何が決まっているかで振り返るとよいでしょう。人事と上司が、次の点を振り返ってみてください。
- 評価面談で、上司は評価の根拠を仕事の事実で説明し、本人の見方も聞けたでしょうか。
- 期の途中に、上司が今の時点での考えを部下に伝えた回があったでしょうか。
- 評価の結果と一緒に、次の期に取り組むことが二人の間で決まったでしょうか。
- 納得できないときの相談先を、上司がその場で答えられたでしょうか。
評価面談のあとに次の期に取り組むことが決まっていなければ、開示の仕方より先に、期の途中の面談で評価の話をしているかを見直してみてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
評価の根拠を期の途中の事実に置きたいが、1on1の記録を人事が読む運用にはしたくないときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
導入の前に、記録の見え方を確かめるとき。
1on1の記録が誰に見えるかを、 上司と部下に前もって伝えられます。
文字起こし、「1on1のAI要約」、ダイジェスト、「MOVE」(1on1で決めた次の一歩と目標の一覧の画面)は、1on1をするお二人の画面に表示され、システム管理者には表示されません。ご契約によっては、要約をほかの方に共有する機能もあります(共有した相手はお二人とも確認できます)。要約やアドバイスの文章は、人を評価・採点する言葉を使わず、話された事実の言葉で書くように作られています。
評価の時期に、上司へ案内を出すとき。
上司が、期末の記憶ではなく期の途中の1on1の記録をもとに評価をつける運用を、 人事が記録の中身を読まずに進められます。
上司は、部下ごとに、履歴のカードの「1on1のAI要約」、「概要」の画面のダイジェスト、「MOVE」(1on1で決めた次の一歩と目標の一覧の画面)で、その期に二人で話したことと、決めた次の一歩とその実行を見返せます。これらはシステム管理者には表示されないため、人事が中身を読まずに、見返してから評価をつけるよう勧められます。
決まった一歩は2件、実行済みは1件です。…小野寺さんが海外仕様の要件表…を6月15日までに作成することが決まり、6月15日に実行済みとなっています。…
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よくある質問
人事評価の結果は、 本人に開示する義務がありますか。
人事評価の結果の開示を一律に義務づける法律があるかどうかや、個人情報の開示請求との関係は、会社の規程と専門家に確かめてください。法律上の義務とは別に、評価の段階と根拠までを、直属の上司が本人に伝えることをおすすめします。根拠を知らされないままでも、評価は昇給や賞与の差となって本人に伝わりやすいからです。
人事評価を本人に開示しない会社があるのは、 なぜですか。
人事評価を開示しない理由として挙がるのは、低い評価でやる気が下がる・本音を話さなくなる・上司が根拠を説明できない・相対評価の調整を説明できない、の4つです。最初の2つは、評価を知った本人の受け止め方への心配です。残りの2つは、評価を説明する準備が整っていないことへの心配で、開示しない理由というより、開示の前に整えておく仕事だと考えられます。
人事評価の結果を本人に見せると、 やる気が下がりませんか。
評価の結果を見せることでやる気が下がるかどうかを、KAKEAIの1万人調査は尋ねていません。評価の結果を伝えるときは、根拠も一緒に伝えることをおすすめします。結果だけが届くと、本人はどの仕事がどう評価されたのかが分からないままになるからです。
評価の調整会議の内容まで、 本人に開示するべきですか。
評価の調整会議で誰がどう発言したかは、本人に開示しないことをおすすめします。伝えるのは、上司が出した評価と最終の結果が違う場合に「調整があったこと」と、納得できないときの相談先です。上司自身の評価の理由は、調整の有無にかかわらず、上司が本人に説明します。
人事評価の結果は、 誰が本人に伝えるのがよいですか。
人事評価の結果は、人事からの通知ではなく、その部下の仕事を決められる直属の上司が、評価面談で根拠と一緒に伝えることをおすすめします。結果だけが先に届くと、本人は根拠を知らないまま受け止めることになります。上司が相談先を答えられるように、人事は納得できないときの相談の手順を先に上司に配っておきます。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/disclose-performance-review-results
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: