人事・経営の方へ評価の面談
AIで人事評価をするメリットとデメリット
先に答え
AIで人事評価をするメリットは、評価者が忘れていた仕事を記録から拾え、根拠が文章で残ることです。デメリットは、材料が記録に残った仕事に偏ること、AIの点の案をそのまま使うと上司が根拠を説明できなくなること、記録が評価に使われると知った部下が、面談で話す中身を選ぶようになることです。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとに「上司が以前会話したことを覚えていない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は26.4%でした。全体では31.9%です。上司が前の会話を覚えていないと感じている部下では成果の実感も低く、記録を整えて忘れないようにすることは、AIに任せやすい部分です。AIに任せるのは記録の整理と下書きまでにし、点の決定と本人への説明は上司が行い、何を材料にして誰が読めるかを先に本人に伝えてください。
数字で見る
面談で上司が以前の会話を覚えていないことに困っている人は、面談が成果につながっていると感じている割合が低いという結果でした。一方、記録を残す負担を挙げた人は少なく、その人たちの成果の実感は全体より高くなっています。面談についての数字ですが、部下の側で面談の成果の実感が低かったのは、記録の手間を挙げた人ではなく、上司が前の会話を覚えていないことを挙げた人でした。AIを人事評価に使うメリットは、手間の削減より、忘れないことと根拠が文章で残ることに置くことをおすすめします。何を材料にし、誰が読み、何に使うかを決めて、本人に先に伝えてください。
- 6.2%
- 1万人調査
- 面談の困りごと(複数回答)に「上司が以前会話したことを覚えていない」を挙げた人の割合
- この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は26.4%で、回答者全体の31.9%を下回ります。上司が前の会話を覚えていないと感じている部下は、面談が成果につながっていると感じている割合も低い、という結果です。
- 5.0%
- 1万人調査
- 面談の困りごと(複数回答)に「会話のメモ等の記録を残す負担」を挙げた人の割合
- 挙げた人は少なく、この人たちの成果の実感は41.6%と、全体の31.9%より高くなっています。記録の手間に困っている人でも、面談が成果につながっていると感じている人は全体より多い、という結果です。
1万人調査は、上司との定期的な面談について尋ねたもので、人事評価へのAIの利用については尋ねていません。数字は、面談で何に困っているかについての部下の側の回答です。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
AIで人事評価をするとは、 何をAIに任せることか: 3つの形
AIで人事評価をすると言うとき、AIに任せている中身は会社によって違います。大きく分けると、記録の整理と要約、評価コメントの下書き、点の提案や判定の3つです。メリットとデメリットは、この3つのどこまでをAIに任せるかで変わるので、まずどの形の話をしているのかを分けて考えることをおすすめします。
| AIに任せる形 | AIがすること | 人がすること |
|---|---|---|
| 記録の | 面談や | 要約の |
| 評価コメントの下書き | 記録と | 文章を |
| 点の | 記録や | 点を |
3つのうち、点の提案や判定をAIに任せる形は、慎重に扱う必要があります。評価の決定にAIを使うことについては、個人情報の扱いや本人への説明の義務が法令や社内の規程に関わるので、人事の担当と専門家に確認してください。このページでは、どの形であっても最終の判断と本人への説明は上司が行う、という前提で書いています。
AIで人事評価をするメリット: 忘れない、文章になる、ばらつきが見える
AIを人事評価に使う一番のメリットは、評価者が忘れていた仕事を記録から拾えることです。手間が減ることは、その次に置くのがよいでしょう。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談で困っていること(複数回答)として「上司が以前会話したことを覚えていない」を挙げた人が6.2%いました。この人たちのうち、「面談が成果につながっている」と感じている人は26.4%で、回答者全体の31.9%を下回ります。つまり、上司が前の会話を覚えていないと感じている部下は、面談が成果につながっていると感じている割合も低い、ということです。面談についての数字ですが、評価の場面でも、期末に記憶だけで点をつければ、思い出せなかった仕事は評価から落ちます。記録を期ごと・項目ごとに整えておくことは、AIに任せやすい部分です。
一方、記録の手間そのものは、部下の側では大きな困りごとになっていません。同じ調査で「会話のメモ等の記録を残す負担」を挙げた人は5.0%で、この人たちの成果の実感は41.6%と、全体より高くなっています。つまり、記録の手間に困っていても、面談が成果につながっていると感じている人は少なくない、ということです。この2つの数字を合わせると、部下の側で成果の実感が低かったのは、記録の手間を挙げた人ではなく、上司が前の会話を覚えていないことを挙げた人でした。AIのメリットは、手間の削減より、忘れないことと根拠が文章で残ることに置くことをおすすめします。
メリットを3つにまとめると、次の通りです。
- 忘れない。期の初めの仕事も、期末の仕事と同じ重さで評価の材料に残ります。目立つ出来事や直近の記憶で点が決まる偏りが、小さくなります。
- 根拠が文章になる。「頑張ってください」で終わるコメント欄が、どの仕事のどこを見たのかが書かれた文章になりやすくなります。
- 評価者の間のばらつきが見える。同じ基準の項目について、評価者ごとにどんな仕事を根拠にしているかを並べて見られます。基準の読み方がずれている場所を、調整会議の前に見つけられます。
AIで人事評価をするデメリット: 材料が偏る、 根拠を言えなくなる、 本音が出にくくなる
AIを人事評価に使うデメリットは、AIの精度の問題というより、AIに渡る材料と、AIが入ることで変わる人の行動にあります。
- 材料が、記録に残った仕事に偏る。AIが知っているのは、記録に残った仕事だけです。記録に残らない仕事(同僚を手伝った、トラブルを事前に防いだ)は、AIにも見えません。上司が見ていない仕事は、AIを入れても評価に入りません。
- 点の根拠を、本人に説明できなくなる。AIが出した点の案をそのまま使うと、上司は「なぜその点なのか」を自分の言葉で言えなくなります。本人が納得できない評価になりやすい点です。
- 部下が、面談で話す中身を選ぶようになる。面談の記録が評価の材料になると知った部下は、言葉を選ぶようになると考えられます。1万人調査では、上司との面談で「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人が9.3%いました。つまり、面談で評価を気にして本音を話せない人が、もともと一定数いる、ということです。そのうえで面談の記録が評価に使われる前提になれば、言わないことはさらに増えると考えられます。
- データの扱いが、本人にわからない。面談の音声や文字起こしがどこに保存され、誰が読め、AIの学習に使われるのかが本人に説明されていなければ、不安だけが残ります。
部下が話す中身を選ぶようになることと、データの扱いが本人にわからないことは、AIの性能では解決しません。何を記録し、誰が読み、何に使うかを会社が決めて、本人に先に伝えることで小さくなるデメリットです。
AIを人事評価に使うときに決めておくこと、 本人に伝えること
AIを人事評価に使うときは、使い始める前に次の4つを決め、評価される本人に伝えることをおすすめします。
- 何を材料にするか。評価の材料にするのは、本人が提出した報告や自己評価、上司が書き留めた事実までにするのか、1on1や面談の記録まで含めるのか。
- 誰が読めるか。面談の記録や要約を、上司と部下の二人だけが読めるのか、人事や上位の管理職も読めるのか。
- AIの出力をどう扱うか。下書きとして上司が直すのか、点の案として参考にするのか、そのまま使うことはあるのか。
- データの扱い。音声は保存されるのか、文字起こしや要約はいつまで残るのか、AIの学習に使われるのか。
KAKEAIは、人事が1on1の記録の中身を読むことをおすすめしません。AIが要約した1on1の記録を、人事が評価の材料として読む形も同じです。1on1の記録は、上司と部下の二人が次に動くための材料であって、評価の証拠ではありません。評価の材料は、本人が提出したものと、上司が自分で見て書き留めた事実にし、AIはその整理に使う形をおすすめします。
人事から社員に、AIの使い方を説明する言い方の例です。営業部門で、商談の記録をAIが要約する仕組みを入れる場面です。
- 来期から、商談の記録をAIが期ごとに要約し、評価者が見返せるようにします。評価の材料にするのは、皆さんが入力した商談の記録と、上司が書き留めた事実です。1on1の会話の記録は、評価の材料にしません。
- AIが出すのは要約と下書きまでで、点を決めるのは上司です。上司は、AIの文章をそのまま使わず、自分の言葉で根拠を説明します。
- 商談の記録の要約は、本人と上司の二人が読めます。人事が中身を読むことはありません。
- 音声は保存しません。文字起こしと要約は残す期間を決めていて、AIの学習には使いません。詳しくはこの文書に書いてあるので、わからない点はいつでも聞いてください。
- AIの要約に入っていない仕事があれば、評価の面談で上司に直接伝えてください。記録に残っていない仕事を評価から落とさないために、上司からも尋ねることにしています。
上司が、部下にAIの要約を使って評価の話をするときの言い方の例です。
- 今期の商談の記録を、AIが項目ごとにまとめたものがあります。一緒に見ながら、私が見落としている案件がないかを確認したいんです。
- 要約には、4月の△△社の案件が入っていませんね。記録に残っていないだけで、私はあの対応を評価の根拠にしたいと考えています。○○さんから見て、他に入っていない仕事はありますか。
- この項目は、今のところBだと私は考えています。AIの下書きではなく、私の考えです。理由は、提案から受注までの期間が、この等級で求められている水準より長かった案件が3件あったからです。
- 私の見方が違っていたら、教えてください。要約に出ていることだけで判断したくないんです。
- この要約は、私と○○さんの二人だけが読めるものです。人事に渡るのは、評価シートに私が自分の言葉で書いたものだけです。
部下の側から、人事や上司に確認する言い方の例です。
- AIが要約した記録は、誰が読めるのでしょうか。1on1の内容も、評価の材料に含まれるのかを教えていただけますか。
- 評価の点は、AIの案がそのまま使われることがあるのでしょうか。最終的に決めるのは誰かを確認したいです。
- 要約に入っていない仕事があるので、面談で直接お伝えしてもよいでしょうか。
- 商談の記録の書き方で、評価の材料として残しておいたほうがよい項目があれば教えていただけますか。
AIで人事評価をするときに、 おすすめしないこと
おすすめしないのは、AIの出力をそのまま評価にすることと、本人に知らせないまま面談の記録を評価の材料にすることです。
- AIが出した点の案を、そのまま確定する。上司が根拠を自分の言葉で言えない評価は、本人が納得しにくく、異議が出たときにも答えられません。
- 1on1の記録を、AIや人事が評価のために読む。KAKEAIは、1on1の記録を評価の材料にすることもおすすめしません。読まれる前提の1on1では部下が話す中身が変わり、かえって上司が本人の状況を知る機会が減りかねません。
- 本人に知らせずに、記録を評価に使う。何が材料になるかを知らないまま評価されると、本人は結果の根拠をたどれません。
- AIの下書きを、そのまま本人に読ませる。下書きの言葉は、上司が自分の言葉に直してから伝えます。「AIがこう書いている」は、根拠の説明になりません。
- 評価の全項目を、記録だけで埋める。記録に残らない仕事は、本人に尋ねなければ出てきません。AIを入れても、面談で「私が知らない仕事はありますか」と尋ねる時間は残します。
AIを人事評価にうまく使えているかを、 どこで見るか
AIをうまく使えているかどうかは、評価にかかる時間が減ったかではなく、評価の面談の中身を振り返るとわかります。
- 上司が、AIの要約に入っていない仕事を、本人に尋ねていたでしょうか。
- 評価の根拠を、上司がAIの文章ではなく自分の言葉で説明していたでしょうか。
- 何が評価の材料になり、誰が記録を読めるのかを、面談の前に部下に伝えていたでしょうか。
- AIを入れたあとも、面談で話される中身が以前と変わっていないか、部下に直接尋ねてみたでしょうか。
部下に尋ねて、変わっていないと言い切れないなら、まず、1on1の記録を評価の材料から外すことを本人に伝えるところから始めてみてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
評価の根拠を期の途中の事実に置きたいが、1on1の記録を人事が読む運用にはしたくないときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
導入の前に、記録の見え方を確かめるとき。
1on1の記録が誰に見えるかを、 上司と部下に前もって伝えられます。
文字起こし、「1on1のAI要約」、ダイジェスト、「MOVE」(1on1で決めた次の一歩と目標の一覧の画面)は、1on1をするお二人の画面に表示され、システム管理者には表示されません。ご契約によっては、要約をほかの方に共有する機能もあります(共有した相手はお二人とも確認できます)。要約やアドバイスの文章は、人を評価・採点する言葉を使わず、話された事実の言葉で書くように作られています。
評価の時期に、上司へ案内を出すとき。
上司が、期末の記憶ではなく期の途中の1on1の記録をもとに評価をつける運用を、 人事が記録の中身を読まずに進められます。
上司は、部下ごとに、履歴のカードの「1on1のAI要約」、「概要」の画面のダイジェスト、「MOVE」(1on1で決めた次の一歩と目標の一覧の画面)で、その期に二人で話したことと、決めた次の一歩とその実行を見返せます。これらはシステム管理者には表示されないため、人事が中身を読まずに、見返してから評価をつけるよう勧められます。
決まった一歩は2件、実行済みは1件です。…小野寺さんが海外仕様の要件表…を6月15日までに作成することが決まり、6月15日に実行済みとなっています。…
Kakeai AI 1on1 の導入を検討している方は、サービス資料をお受け取りください。
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- 1on1の前・最中・あとに、Kakeai AI が上司と部下それぞれに出すもの
- 導入の進め方と、ご利用企業の事例
- 料金の考え方
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よくある質問
AIで人事評価をするメリットは何ですか。
AIで人事評価をするメリットは、評価者が忘れていた仕事を記録から拾えること、評価の根拠がコメント欄に文章として残ること、評価者の間で根拠にしている仕事のばらつきが見えることの3つです。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとに「上司が以前会話したことを覚えていない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は26.4%でした。全体では31.9%です。記録を整えて忘れないようにすることは、AIに任せやすい部分です。
AIで人事評価をするデメリットや危険は何ですか。
AIで人事評価をするデメリットは、AIの精度よりも、材料と人の行動にあります。AIが知っているのは記録に残った仕事だけで、上司が見ていない仕事はAIを入れても評価に入りません。AIの点の案をそのまま使えば、上司は根拠を自分の言葉で説明できなくなります。面談の記録が評価の材料になると知った部下は、面談で言葉を選ぶようになりかねません。このうち部下の側に起きることは、何を材料にし誰が読むかを先に決めて本人に伝えることで小さくなります。
AIに人事評価の点を決めさせてもよいですか。
AIに人事評価の点を決めさせる形は、おすすめしません。点を決めるのは上司で、AIに任せるのは記録の整理と要約、コメントの下書きまでにします。上司が根拠を自分の言葉で言えない評価は、本人が納得しにくく、異議が出たときにも答えられません。評価の決定にAIを使うことについては、個人情報の扱いや本人への説明の義務が法令や社内の規程に関わるので、人事の担当と専門家に確認してください。
1on1の記録をAIで要約して、 人事評価に使ってよいですか。
1on1の記録をAIで要約して人事評価の材料にすることは、おすすめしません。1on1の記録は、上司と部下の二人が次に動くための材料で、評価の証拠ではありません。評価の材料にすると知った部下は1on1で話す中身を変えやすく、かえって上司が本人の状況を知る機会が減りかねません。評価の材料は、本人が提出したものと、上司が自分で見て書き留めた事実にします。
AIを人事評価に使うとき、 社員に何を説明すればよいですか。
AIを人事評価に使うときは、使い始める前に4つのことを文書にして社員に伝えます。何を評価の材料にするか・面談の記録や要約を誰が読めるか・AIの出力をどう扱うか・音声や文字起こしの保存とAIの学習への利用、の4つです。説明は「AIが出すのは要約と下書きまでで、点を決めるのは上司です」「1on1の会話の記録は評価の材料にしません」のように、何が材料になり誰が読めるのかがはっきりわかる言い方にします。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/ai-in-performance-review-pros-and-cons
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: