部下の方へ部下との関わり
上司が部下の仕事を知らないとき、 どうすればよいか
先に答え
上司が自分の仕事を知らないときは、上司が覚えてくれるのを待つより、面談に仕事の実物を持ち込み、判断してほしいこと・意見がほしいことを添えて話すことをおすすめします。KAKEAIの1万人調査では、上司への期待として「期待していることは特にない」を選んだ人のうち、22.4%が困りごとに「上司の話が役に立たない」を挙げていました。一番の期待にほかの答えを選んだ人では3.0%〜6.7%で、上司の話を役に立たないと感じている割合は、ずっと低くなっています。上司が仕事の細部を知らなくても、判断する権限やほかの部署との調整、会社の情報は上司が持っています。そこを頼んでみてください。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査で、面談の困りごとごとに成果の実感を見ると、最も低いのは「上司の話が役に立たない」を挙げた人でした。一方、上司に一番期待することとして「期待していることは特にない」以外を選んだ人は、上司の話が役に立たないと感じている割合が低くなっています。
- 8.2%
- 1万人調査
- 面談の困りごとに「上司の話が役に立たない」を挙げた人のうち、面談の成果を実感している人の割合
- 回答者全体の31.9%を大きく下回り、集計に並ぶ15の困りごとの中で最も低い数字です。上司の話が役に立たないと感じている人では、面談が成果につながっていると感じる人がごく少ないということです。
- 22.4%
- 1万人調査
- 上司に一番期待することが「期待していることは特にない」の人のうち、「上司の話が役に立たない」を挙げた人の割合
- 一番の期待にほかの答えを選んだ人では3.0%〜6.7%でした。上司に期待することを何か選んでいる人のほうが、上司の話を役に立たないと感じている割合が低いという傾向があります。
1万人調査は、上司が部下の仕事を知っているかどうかを尋ねたものではありません。数字は、部下の立場で答えた面談の困りごとと、上司に期待することについてのものです。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
上司が部下の仕事を知らないとき、 部下の側からできることは3つある
上司が自分の仕事の中身を知らない、という状況は、どの職場でも起こりえます。別の部署から異動してきた上司、職種の違う上司、一緒に仕事をする人数が多い上司など、理由はさまざまです。部下の側にできることは、上司に仕事を見てもらう機会を作ること、面談に仕事の実物を持ち込むこと、上司に期待することを具体的に添えることの3つです。
仕事を知らない上司との面談では、上司の話が自分の仕事の役に立つのか、心配になることもあります。KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談の困りごとに「上司の話が役に立たない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は8.2%でした。回答者全体の31.9%を大きく下回り、集計に並ぶ15の困りごとの中で最も低い数字です。上司の話が役に立たないと感じている人は、面談が成果につながっていると感じる割合がとても低いということです。
ただ、同じ調査で、上司への期待として「期待していることは特にない」を選んだ人では、22.4%が「上司の話が役に立たない」を挙げていました。一番の期待にほかの答えを選んだ人では3.0%〜6.7%です。上司に期待することを何か選んでいる人のほうが、上司の話を役に立たないと感じている割合が低いということです。
どちらも面談についての数字で、上司が仕事を知っているかどうかを尋ねたものではありません。それでも、上司が仕事を知らないときほど、上司に期待することを部下の側から伝えておくとよいでしょう。仕事の細部を知らない上司でも、「ここを判断してほしい」と頼まれれば、判断する権限や会社の情報で力になれることがあります。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、1on1は、その部下の仕事を決められる直属の上司が行うのがよいと考えています。ただし、上司であっても、部下の仕事を見てもいないなら、上司が行う意味はありません。だからこそ、上司に仕事を見てもらう機会は、部下の側から作ってかまいません。
以下では、輸入の通関書類の手配を担当している貿易事務の部下を例にします。上司は営業から異動してきた課長で、通関の実務を経験していません。
上司が仕事を知らないと感じる3つの場面と、 最初の一言
上司が仕事を知らないと感じる場面は、少なくとも3つに分かれます。場面によって、部下からの最初の一言は変わります。
| 場面 | 起きていること | 部下からの最初の一言 |
|---|---|---|
| 上司が | 仕事の | 「私の |
| 上司の | 判断の | 「この書類は |
| 上司が | 面談が | 「月に |
面談に仕事の実物を持ち込み、 上司に期待することを添える
上司に仕事を知ってもらう一番の近道は、面談に仕事の実物(書類・画面・やり取りの記録)を持ち込み、上司に期待することを添えて話すことです。「報告します」だけで終えると、上司には、順調なのか困っているのかが伝わりにくくなります。
- 今日は、先月の通関で差し戻しがあった書類をお持ちしました。何が起きたかをご説明したうえで、再発を防ぐ方法について課長のご意見をいただきたいです。
- はじめに、この書類が何のためのものかを1分でご説明します。そのあとに、相談したいことがあります。
- この案件は、通関業者から追加の書類を求められています。進め方を一緒に考えていただけますか。
- こちらは報告だけです。今月の輸入分は、すべて期限内に通関を終えました。
期待することを添えると、上司は、仕事の細部を知らなくても、どこで力になればよいかがわかりやすくなります。
- 判断していただきたいのは、追加の費用をかけて急ぐか、1週間の遅れを受け入れるかの1点です。
- 私なりの案は、費用をかけて急ぐほうです。理由は、納品先との約束の日が動かせないからです。課長は、どうお考えですか。
- 実務の細かいところは私が把握していますので、課長には営業の側の事情を教えていただけると、判断の材料がそろいます。
上司が知らないことを責めず、 上司の持っているものを頼む
上司が仕事を知らないことを面談で責めても、仕事は進みません。上司が持っているものを頼むほうが、二人にとって早道です。上司が持っているのは、判断する権限、ほかの部署との調整、会社の方針や情報です。
- 営業の方から、通関の前に出荷日を約束されることが続いています。営業の側にどう伝えればよいか、課長から話していただけないでしょうか。
- 通関の件数が増える見込みを、課長から部長に伝えていただけますか。来期の人の配置を考えるときの材料になると思います。
- 私がわからないのは、会社としてこの取引先をどこまで優先するかです。そこは、課長のお考えを教えていただきたいです。
上司が「わからないから任せる」と言うときは、任せる範囲と、判断を仰ぐ点を確認しておきます。
- ありがとうございます。通常の手配は、私の判断で進めます。追加の費用が出るときと納期が動くときだけは、課長に判断をお願いしてもよいでしょうか。
上司が仕事を知らないことで、 評価や指示に困るとき
上司が仕事を知らないことで困るのは、面談の中だけではありません。評価のときと、無理のある指示が来たときです。
評価については、上司が見ていない仕事を、部下の側から面談で伝えておきます。期末まで待たずに、月に1回、何を終えたかを話す場を作ると、上司の知らない仕事が減ります。
- 評価の前に、今期に私が担当した案件の一覧をお持ちします。課長が直接ご覧になっていない仕事も入っているので、一度一緒に見ていただけますか。
- 私の等級で求められていることを今の仕事で言うとどこになるのか、評価シートを見ながら教えていただきたいです。
無理のある指示が来たときは、断るのではなく、実務の事実を示して一緒に考える形にします。
- そのスケジュールだと、通関の手続きだけで最短でも5営業日かかります。出荷日を動かすか、書類を先に用意するか、一緒に考えていただけますか。
- できないと言いたいわけではありません。何を優先すれば一番よいかを、課長と決めたいです。
評価に納得できない状態や、健康に影響が出るほどの負担が続く状態になっているときは、面談の中だけで解決しようとしないでください。相談先を、人事の担当に確認することをおすすめします。
上司が仕事を知らないとき、 避けたいこと
避けたいのは、相談をあきらめることと、上司を試すように話すことの両方です。
- 「仕事を知らない上司に話しても無駄」と、相談を別の人だけに切り替える。先輩やほかの部署の人に相談してかまいませんが、判断や調整には、仕事を決められる直属の上司にしか頼めないものがあります。
- 上司が勉強してくれるのを待つ。上司が実務を覚えるのを待つより、仕事の実物を見てもらうことをおすすめします。待っている間にも、判断を頼みたい場面は来るからです。
- 専門用語で説明して、わからない上司を試すような話し方になる。上司は、わからないことを聞き返しにくくなります。実物を見ながら、普通の言葉で説明します。
- 報告だけで面談を終える。「順調です」だけでは、上司は何を助ければよいかがわかりません。判断してほしいこと、意見がほしいことを1つ添えます。
- 逆に、仕事の全部を上司に理解してもらおうとする。上司が知るべきことは、仕事の全部ではなく、判断に必要なことと、ほかの部署との関わりです。
上司と仕事の認識がそろってきたかの振り返り方
上司が自分の仕事を知るようになったかどうかは、上司が実務を覚えたかではなく、面談でのやり取りが変わったかで振り返ります。3か月ほどたったときに、次の点を振り返ってみてください。
- 面談に、仕事の実物を持ち込んで話せた回が、何回あったでしょうか。
- 上司に判断してほしいこと、意見がほしいことを、面談で具体的に伝えられているでしょうか。
- 上司が、ほかの部署との調整や会社の情報で、自分の仕事を助けてくれたことがあったでしょうか。
- 上司が直接見ていない仕事を、期末より前に上司に伝えられているでしょうか。
- 上司の側から、仕事の中身についての質問が出るようになったでしょうか。
- この3か月で、私の仕事についてお伝えしたことが、課長の判断の役に立っているか、一度うかがいたいです。もっと知っておきたいことがあれば、教えてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
上司の関わり方に不満や不安があっても、自分から何をどう伝えればよいかわからないときに、会社でKakeai AI 1on1を利用している場合は次のことができます。
1on1の前に、「1on1の準備」と「1on1前のAIアドバイス」で。
上司の関わり方を待つだけでなく、 その回の1on1をどう使うかを自分から決めて臨めます。
「1on1の準備」で、テーマと、上司に期待する対応(「話を聞いてほしい」「一緒に考えてほしい」など)を選べます。選んだ内容は上司の画面にも表示されます。「1on1前のAIアドバイス」には、ご自身向けに、その回をどう使いたいかを最初に上司へ伝える一言の案が書かれることがあります。上司には、上司向けの別の内容が表示されます。
何を話したいかを最初に伝えることで、柳瀬さんも一緒に考えやすくなりますし、今日この場をどう使うかが自分で決められます。
1on1の終了後に、「1on1後のAIアドバイス」で。
上司に考えが伝わっていないと感じるときに、 自分の側から返し方を1つ変えて試せます。
ご自身向けに、その回に自分から話せた場面と、次の1on1で試せる一言が書かれます。「承知しました」のような短い返事が続いた場面があると、次に自分がすることを一言添える言い方が示されることもあります。上司には別の内容が表示されます。
次回、同じ場面になったとき、「承知しました。まず長谷部さんに確認します」のように、次に自分がする一手を一言添えてみてください。…
上司と決めた次の一歩をやり終えたとき。
上司に仕事を見てもらえていないと感じるときも、 やり終えたことが二人の同じ記録に残ります。
「MOVE」(1on1で決めた次の一歩と目標を、相手ごとに一覧にする画面)で、担当がご自身の一歩はクリックすると実行済みになります。実行済みになった一歩は、「概要」の画面のダイジェストにも、いつ実行されたかが書かれます。MOVE もダイジェストも、上司と同じものが表示されます。
なお、6月9日の1回目から決まっていた一次調査(競合3社の拠点・代理店・力を入れている国を表にする)は、6月19日に森さんが実行済みです。
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この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)
- 1万人のデータで見る、1on1の頻度・時間・場所・話題の実態
- 成果・成長の実感を左右するもの(実施理由・上司への期待・困りごと・行動への接続)
- 明日の1on1からできること(前・最中・直後・日常の4つの場面と、具体的な声のかけ方)
よくある質問
上司が自分の仕事を理解していないとき、 どう説明すればよいですか。
上司が自分の仕事を理解していないときは、口で説明するより、面談に仕事の実物(書類・画面・やり取りの記録)を持ち込んで見ながら話すのが近道です。あわせて、「判断していただきたいのはこの1点です」「この点についてご意見をいただきたいです」のように、上司に期待することを添えます。仕事の全部を理解してもらう必要はなく、上司が知るべきことは、判断に必要なことと、ほかの部署との関わりです。
仕事を知らない上司に相談しても意味がないと感じます。 先輩に相談したほうがよいですか。
実務のやり方は、先輩やほかの部署の人に相談してかまいません。ただし、判断する権限やほかの部署との調整、会社の方針や情報は、直属の上司にしか頼めないものです。先輩に相談するのと並行して、上司には「ここを判断していただきたいです」と期待することを伝えたうえで、上司の持っているものを頼んでみてください。
上司が仕事を知らないのに評価されるのは納得できません。 どうすればよいですか。
上司が仕事を知らないまま評価されることへの対応は、上司が見ていない仕事を、期末より前に部下の側から伝えることです。月に1回、何を終えたかを話す場を作り、評価の前には担当した案件の一覧を一緒に見る時間をお願いします。自分の等級で求められていることを評価シートを見ながら教えてもらうと、上司が何を見て評価するのかもわかります。それでも評価に納得できないときは、相談先を人事の担当に確認してください。
上司が実務を知らないまま無理な指示を出してくるとき、 どう返せばよいですか。
上司から無理のある指示が来たときは、断るのではなく、実務の事実を示して一緒に考える形にします。「そのスケジュールだと、通関の手続きだけで最短でも5営業日かかります。出荷日を動かすか書類を先に用意するか、一緒に考えていただけますか」のように、かかる日数や必要な手順を具体的に伝え、何を優先するかを上司と決めます。健康に影響が出るほどの負担が続くときは、人事の担当に相談先を確認します。
異動してきた上司に、 自分の仕事を知ってもらうには何から始めればよいですか。
異動してきた上司に自分の仕事を知ってもらうには、まず「私の仕事の流れを、実際の書類を見ながらご説明する時間をいただけますか」と、実物を見てもらう時間をお願いします。普段の面談では、仕事の実物を1つ持ち込み、判断してほしいこと・意見がほしいこと・報告だけのことを分けて話します。上司の側から仕事の中身についての質問が出るようになれば、知ってもらえてきた1つの印です。
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出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/when-your-boss-does-not-know-your-work
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: