人事・経営の方へ管理職・マネジメント
管理職が足りないとき、 どう育てればよいか
先に答え
管理職が足りないときは、まず「足りない」の中身を4つに分けることをおすすめします。「候補者がいない」「候補者はいるがなりたがらない」「なった人が続かない」「部下が多すぎる」の4つです。次の管理職に必要な力は、直属の上司のもとでの日々の仕事の中で身につくと考えられます。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとが上司との関係のことだけの人のうち、面談が成長につながっていると感じている人は12.1%で、回答者全体の26.7%より低くなっていました。上司との関係に困りごとがある人は、成長を実感しにくいということです。人事・経営は、管理職の仕事の一部を候補者に任せる仕組みと、直属の上司が候補者の仕事を見て話せる時間を整えるとよいでしょう。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談の困りごとが上司との関係のことだけの人は、面談が成長につながっていると感じている割合が低くなっていました。時間の確保などの実務の困りごとだけの人では、困りごとがない人より高くなっています。成長の実感が低いのは、時間に困っている人より、上司との関係に困っている人だということです。
- 12.1%
- 1万人調査
- 面談の困りごとが上司との関係のことだけの人のうち、面談が成長につながっていると感じている人の割合
- 上司との関係の困りごとには、信頼できず本音が言えないことや上司の姿勢、上司の話が役に立たないことが含まれます。回答者全体の26.7%より低く、上司との関係に困りごとがある人では、成長の実感が低いという結果です。
- 36.4%
- 1万人調査
- 面談の困りごとが時間の確保や記録の管理といった実務のことだけの人のうち、成長につながっていると感じている人の割合
- 困りごとがない人の30.6%より高くなっていました。上司の時間が取りにくいといった実務の困りごとがあっても、面談が成長につながっているという実感は低くないということです。
1万人調査は、部下の立場で上司との定期的な面談について尋ねたもので、管理職の不足や昇格については尋ねていません。困りごとの分け方は、公開しているレポートの集計に従っています。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
管理職が足りないときの対策: まず「足りない」の中身を分ける
管理職が足りないときは、研修や昇格の要件を見直す前に、「足りない」の中身を分けてください。中身によって、先に打つ手が変わるからです。
| 「足りない」の中身 | 起きていることの例 | 先に打つ手 |
|---|---|---|
| 候補者がいない | 昇格の | 管理職の |
| 候補者はいるが、 | 管理職への | 断る |
| 管理職になった | 昇格の | 着任後の |
| 一人の | 面談の | 班長などに |
どれに当たるかは、社内のデータから見えてきます。管理職への打診と、その答えの記録、昇格のあとの降格や退職の希望、管理職一人あたりの部下の人数などが手がかりになります。
以下では、工場の製造課で、課長が班のリーダーの一人を次の管理職の候補として考えている場面を例にします。
次の管理職は、 今の上司との日々の仕事の中で育つ
管理職の候補は、今、誰かの部下として働いている人です。管理職に必要な力は、その人が今の上司のもとで任されている仕事と、上司との日々のやり取りの中で身についていくと考えられます。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談での困りごとを、上司との関係の困りごとと、実務の困りごとに分けて集計しています。困りごとが上司との関係のこと(信頼できず本音が言えない、上司の姿勢、上司の話が役に立たない)だけの人のうち、面談が成長につながっていると感じている人は12.1%でした。困りごとが実務のこと(自分や上司の時間の確保、メモや記録の管理)だけの人では36.4%、困りごとがない人では30.6%です。つまり、時間の確保のような実務の困りごとがあっても成長の実感は低くなく、低いのは上司との関係に困りごとがある人だということです。
面談についての数字ですが、管理職の候補を育てる場面に当てはめると、面談の時間が取りにくいことより、候補者と直属の上司との関係に困りごとがないかに目を向けるとよいと考えられます。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、1on1は、その部下の仕事を決められる直属の上司が行うのがよいと考えています。ただし、上司であっても、部下の仕事を見てもいないなら、上司が行う意味はありません。候補者の仕事を見て、評価の見通しと次に任せる仕事を話せるのは、直属の上司です。人事・経営ができるのは、直属の上司がそのための時間と材料を持てるようにすることです。
管理職の仕事の一部を、 候補者に任せる: 製造現場の例
管理職の候補を育てる方法の1つは、管理職の仕事の一部を、期間と相談先を決めて任せてみることです。製造現場であれば、班のシフト表の作成や新しく配属された人の受け入れ、設備が止まったときの一次判断などが任せやすい仕事です。
課長から候補者に話すとき
- 来月から、第2班のシフト表の作成を○○さんにお願いしたいと考えています。まず、どこまでなら一人で組めそうか、○○さんの考えを教えてください。
- 最初の2回は、組んだ案を提出前に一緒に見ましょう。休みの希望が重なったときの調整は迷いやすいので、そこを二人で確かめておきたいんです。
- 4月に配属される人の受け入れも、○○さんに任せたいと思っています。去年、私がどう進めたかを、一度お話ししますね。
- 配属された人の最初の1週間の予定を、○○さんの案で組んでみてもらえますか。初日の挨拶だけは、私も一緒に出ます。
- 設備が止まったときに、ラインを止めるかどうかの判断は、今は私がしています。来月からは、○○さんの判断で止めてよい場面を、二人で決めておきませんか。
- 任せた仕事のうち、やりにくかったところも教えてください。私の任せ方がよくなかったところは、直します。
任せた仕事は、月1回の1on1で振り返ります。評価の見通しは、上司の考えとして伝えます。昇格は上司の一存では決められないので、約束はしません。
- この半年のシフト表は、休みの希望が重なったときの調整も含めて、○○さんの判断で組めていたと私は考えています。昇格は私だけでは決められませんが、この仕事ぶりは、推薦するときの材料として人事に伝えたいと思っています。○○さんは、どう感じていますか。
人事から課長に話すとき
人事・経営の側が力を使いたいのは、候補者の名前を挙げることより、課長が候補者に仕事を任せやすくなる条件を整えることです。
- 来期の管理職の候補について、課長から見た○○さんの仕事の様子を教えていただけますか。任せる仕事の範囲を広げるために、人事として何ができるかを考えたいんです。
- ○○さんにシフト表を任せるあいだ、課長の会議を1つ減らせないか、部長と相談してみます。
- 管理職向けの研修の日程は、製造課の繁忙期を避けて組みたいと考えています。避けたい時期があれば教えてください。
- ○○さんが管理職になったあとも、着任から半年は、課長との1on1を月に1回続けていただけますか。困ったときの相談先は、人事としても用意しておきます。
候補者が管理職になることをためらっているときの話し方
候補者が管理職になることをためらっているときは、説得する前に、理由を本人から聞くことをおすすめします。理由が分かれば、変えられることと、変えられないことを分けて話せます。理由を聞くのは、その人の仕事を見ている直属の上司が適しています。
- 管理職への打診のことで、○○さんの率直な考えを聞きたいと思っています。今の時点で気になっていることを教えてもらえますか。
- 気になっているのは、仕事の量のことですか。それとも、ほかに理由がありますか。
- 現場の仕事を離れたくない、という気持ちは分かります。管理職になっても続けられる仕事と、ほかの人に任せる仕事を、一緒に整理してみませんか。
- 私が1週間をどう使っているか、一度そのままお見せします。それを見てから考えてもらってかまいません。
話を聞いても、本人がなりたくないと考えるなら、それも1つの答えです。会社によっては、管理職にならずに専門性を生かす道を用意できることもあります。人事制度として何が選べるかを、人事から本人と上司に伝えてください。
管理職の労働時間の扱い(管理監督者に当たるかどうか)は、法律の判断を伴います。役職を増やしたり、昇格の要件を変えたりするときは、就業規則を確認し、必要に応じて社会保険労務士や弁護士などの専門家に相談してください。
管理職不足の対策で、 おすすめしないこと
避けたいのは、人数をそろえることだけを急ぐ対策と、今の管理職の負担をさらに増やす対策です。
- 管理職が足りないからと、1on1を人事やメンターに任せること。KAKEAIは、直属の上司ではない人(人事、メンター、他部署の先輩)が1on1を担当することをおすすめしません。その部下の仕事を決められる直属の上司でなければ、任せる範囲も、評価の見通しも話しにくいからです。
- 1on1の実施率を、管理職の目標にすること。KAKEAIは、1on1の実施率を管理職の目標にすることをおすすめしません。実施の回数がそろっても、候補者の仕事や成長が前に進んでいるかは分からないからです。
- 研修だけで候補者を増やそうとすること。研修で学んだことは、職場で任される仕事があって初めて使えます。研修と、職場で任せる仕事を組み合わせてください。
- 昇格の要件を下げて、人数だけをそろえること。着任後の支えがないまま管理職になった人は、続けにくくなるおそれがあります。
- 管理職への打診を断られたときに、理由を聞かないまま説得すること。逆に、断った人を候補から外して、話をしないままにすることも避けたいところです。
新しく管理職になった人が体調を崩しているときは、仕事の調整より先に、産業医や医療の専門家につなぐようにしてください。
管理職を育てる取り組みがうまくいっているかを、 どこで振り返るか
管理職を育てる取り組みは、研修の受講者の数や管理職の人数だけでなく、候補者の仕事が実際に広がっているかで振り返るとよいでしょう。半年ごとに、次のように見直してみてください。
- この半年で候補者に管理職の仕事の一部を任せられたら、次の半年は任せる範囲を1つ広げます。まだなら、シフト表の作成のような任せやすい仕事から始めます。
- 候補者と直属の上司が任せた仕事について話せていない月が多ければ、話す時間を作る方法を人事と現場で考えます。
- 打診を断った人の理由をまだ聞けていなければ、直属の上司が本人と話す時間を取ります。
- 新しく管理職になった人に相談できる時間が少なければ、着任後の半年は、自分の上司との1on1を月1回決めておきます。
振り返りの結果は、人事と現場の管理職が一緒に見て、次の半年に何を変えるかを決めることをおすすめします。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
管理職を育て、登用し、支える仕組みを整えても、研修で学んだことが日々の1on1で生かされているかが見えにくいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
管理職が部下との1on1を終えるたびに。
研修で学んだことを、 管理職が自分の1on1の具体的な場面で振り返り続けられます。
管理職ご本人向けに、Kakeai AI が「1on1後のAIアドバイス」で、その回によかった関わり方と、次の1on1や日常で試せることを書きます。このアドバイスはご本人にだけ表示されます。1on1のAI要約と文字起こしは1on1をしたお二人の画面に表示され、システム管理者には表示されません。ご契約によっては、要約をほかの方に共有する機能もあります(共有した相手はお二人とも確認できます)。システム管理者が見られるのは、マネジャーごとの「Get Advice」(直近1か月の1on1のまとめと、1on1の強みと伸び代を示す画面)です。
…数字の報告を受け取るだけでなく、担当者がその数字をどう読んでいるかを問う形は、西村さんが自分の判断を持ち込む場を作りました。…
システム管理者が「Get Advice」を見るとき。
管理職一人ひとりの1on1の強みと伸び代を、 ご本人と同じ画面で知り、 どこを支えるかを考える材料にできます。
「Get Advice」は、マネジャー権限をお持ちの方ごとに、直近1か月の1on1のまとめ、Kakeai AI が挙げる「1on1をよりよくするための3つのポイント」、テーマや関わり方ごとの「強み」と「伸び代」を示す画面です。マネジャーご本人のほか、マネジャーを支える立場として、システム管理者の方もご覧いただけます。
新任の管理職が、部下と初めて1on1をするとき。
着任したばかりの管理職でも、 部下がこの場に何を期待しているかを聞くところから1on1を始められます。
1on1が始まるとき、Kakeai AI が開始の挨拶をします。テーマも前回の一歩も無い初めての回では、話題を一つ出すか、この場で話したいことを尋ねることがあります。お二人の画面に同じものが表示されます。
…今日が初めての1on1です。この場をどう使うと一番役に立つか、山岸さん、いかがでしょう?
Kakeai AI 1on1 の導入を検討している方は、サービス資料をお受け取りください。
ご利用企業 累計600社以上/
無料の資料
Kakeai AI 1on1 のサービス資料
PDF・無料
- 1on1の前・最中・あとに、Kakeai AI が上司と部下それぞれに出すもの
- 導入の進め方と、ご利用企業の事例
- 料金の考え方
画面を見ながら説明を聞きたい方は、30分のオンライン説明をご予約いただけます。
よくある質問
管理職が不足している原因は何ですか。
管理職が不足している原因は会社によって異なるので、まず「足りない」の中身を分けてみてください。候補者がいないのか、なりたがらないのか、なった人が続かないのか、部下が多すぎるのかで打つ手は変わります。管理職への打診とその答えの記録、昇格のあとの降格や退職の希望、管理職一人あたりの部下の人数などを社内のデータで見ると、どれに当たるかが分かりやすくなります。
管理職になりたい人が少ないときは、 どうすればよいですか。
管理職になりたい人が少ないときは、説得する前に、なりたくない理由を本人から聞くことをおすすめします。理由を聞くのは、その人の仕事を見ている直属の上司が適しています。仕事の量が心配なら上司の実際の1週間を見せ、現場の仕事を続けたいなら続けられる仕事を一緒に整理します。管理職にならずに専門性を生かす道があるかも、人事制度として示せると、本人も考えやすくなります。
管理職の候補を育てるには、 研修と職場のどちらが大事ですか。
管理職の候補を育てるには、研修と、職場で任せる仕事の両方が要ります。研修で学んだことは、職場で任される仕事があって初めて使えるからです。製造現場なら、班のシフト表の作成や新しく配属された人の受け入れなど、管理職の仕事の一部を期間と相談先を決めて任せてみてください。任せた仕事は、直属の上司が月1回の1on1で一緒に振り返ります。
管理職が足りないので、 1on1を人事やメンターに任せてもよいですか。
管理職が足りないからといって、1on1を人事やメンターに任せることはおすすめできません。1on1は、その部下の仕事を決められる直属の上司が行うのがよいからです。ただし、上司であっても、部下の仕事を見てもいないなら、上司が行う意味はありません。直属の上司でなければ、任せる範囲や評価の見通しを話しにくくなります。管理職の負担が大きいときは、1on1を減らすより、日々の相談の一部を班長などに任せることを考えるとよいでしょう。
新しく管理職になった人が辞めないようにするには、 何をすればよいですか。
新しく管理職になった人を支えるには、着任後の半年ほど、自分の上司との1on1と、困ったときの相談先を決めておいてください。任せる範囲も、最初から全部ではなく、段階を追って広げていきます。体調を崩していると感じたときは、仕事の調整より先に、産業医や医療の専門家につなぐようにしてください。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/manager-shortage-how-to-develop
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: