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マネジメントの代表的な理論とモデル

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

マネジメントの代表的な理論やモデルは、上司が迷いやすい4つの問いに、考えるための枠を与えるものです。4つとは、「仕事をどう分けて回すか」「部下にどう関わるか」「人は何で動くか」「目標と振り返りをどう回すか」です。どの考え方も、守れば正しくなる手順ではありません。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)の最多は「意見を聞きたい」でしたが、選んだ人は33.6%でした。部下が上司に期待する関わり方は、人によって違うということです。理論は、目の前の場面がどの問いに当たるかを見分け、試して切り替えるための道具として使うことをおすすめします。

数字で見る

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査は、上司との面談について尋ねたもので、マネジメントの理論の正しさを確かめたものではありません。面談についての数字ですが、部下が上司に期待する関わり方は、人によって分かれていました。1つの理論の型を全員に当てはめるより、相手と場面に合わせて考え方を選んでください。

33.6%
1万人調査
上司との面談で上司に期待すること(5つまで選択)として、「意見を聞きたい」を選んだ人の割合
選べる答えの中で最も多いものの、選んだ人は半数に届きませんでした。「具体的なアドバイスがほしい」は32.0%、「一緒に考えてほしい」は29.4%です。部下が上司に期待する関わり方は、1つにまとまっていないということです。
28.7%
1万人調査
上司との面談で上司に期待すること(5つまで選択)として、「その時々によって違う」を選んだ人の割合
上司に期待することは、同じ人でも回によって変わる場合があるということです。上司の関わり方を1つの型に決めておくと、合わない回が出てくると考えられます。
20.8%
1万人調査
上司との面談で上司に期待すること(5つまで選択)として、「話を聞いてほしい」を選んだ人の割合
「話を聞いてほしい」だけを選んだ人は3.2%でした。「話を聞いてほしい」を選んだ人の多くは、ほかの答えもあわせて選んでいたということです。

数字は、部下の立場の回答者が、自分の上司との面談で上司に期待することを答えたものです。マネジメントの理論やモデルの効果を確かめた数字ではありません。

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。

マネジメントの代表的な理論とモデルは、4つの問いに分けると整理できる

マネジメントの理論やモデル、フレームワークと呼ばれるものは数多くありますが、その多くは、上司が迷いやすい4つの問いのどれかに答えようとしたものです。名前や提唱者を覚えるより、どの問いに対する考え方なのかを押さえておくと、職場の場面に当てはめやすくなります。

迷いやすい問いよく紹介される考え方(一般的な中身)職場で使う場面
仕事をどう分けて回すか管理の働きを、計画する、組織をつくる、指示する、調整する、結果を確認する、に分ける考え方。管理職の役割を、人との関わり、情報の受け渡し、意思決定の3つに分ける考え方自分の仕事に抜けや偏りがないかを見直すとき
部下にどう関わるか上司の関わり方を、仕事の成果への関心と、人への関心の2つの軸で整理する考え方。相手の経験や意欲、仕事の難しさに応じて、指示・助言・支援・任せるを使い分ける考え方相手や仕事ごとに、関わり方を変えるとき
人は何で動くか人の欲求には段階があるという考え方。仕事への満足を生む要因と、不満を防ぐ要因は別だという考え方。人は指示がなければ働かないと見るか、条件が整えば自ら働くと見るか、という2つの人間観仕事への意欲や、やりがいについて考えるとき
目標と振り返りをどう回すか計画・実行・確認・改善を繰り返す考え方。目標を本人と決め、進み具合を本人が判断する考え方。目標は具体的で、簡単すぎない水準にするほうがよいという考え方目標を立てるとき、期の途中で見直すとき

どの考え方も、守ればうまくいく手順を示したものではありません。上司が判断に迷ったときに、何を考えればよいかの枠を与えるものです。一方で、理論は現場では役に立たないと切り捨てる必要もありません。自分の迷いを言葉にする手がかりとして使えば、相手と話し合う材料になります。

4つの問いごとの考え方と、職場の場面への当てはめ方

ここからは、食品メーカーの商品開発の課で、課長と部下が新しい冷凍食品の試作を進めている場面を例に、考え方の当てはめ方と最初の一言を挙げます。

仕事をどう分けて回すか:管理の働きを分ける考え方

管理の働きを「計画する」「組織をつくる」「指示する」「調整する」「結果を確認する」に分ける考え方は、自分の仕事の抜けを見直すのに向いています。たとえば、試作の日程は細かく立てていても、工場や営業部門との調整を誰がするのかを決めていなければ、「調整する」が抜けていることになります。

  • 試作の日程は決まりましたが、工場の試作ラインとの調整を誰がするか、まだ決めていませんでした。私が引き受けてもいいですか。
  • 営業部門への説明は、○○さんにお願いしたいと考えています。進めにくい点があれば、教えてください。

管理職の役割を、人との関わり・情報の受け渡し・意思決定に分ける考え方からは、上司が情報を受け取るだけでなく、伝える側でもあることがわかります。会議で聞いた話を、部下の仕事に関わる形で早めに伝えるのも、上司の役割の1つです。

  • 先週の部長会議で、発売の時期が1か月早まるかもしれないという話が出ました。決まっている範囲でお話しします。

部下にどう関わるか:2つの軸と、状況に応じた使い分け

上司の関わり方を「仕事の成果への関心」と「人への関心」の2つの軸で整理する考え方では、一般に、どちらか一方に偏るより、両方を持つ関わり方が望ましいと紹介されます。試作の期限ばかりを気にして部下の負担に目が向かない状態も、部下を気づかうあまり試作の品質の話を避ける状態も、どちらも偏りです。

相手の経験や意欲、仕事の難しさに応じて、指示する・助言する・支援する・任せる、を使い分ける考え方もよく紹介されます。当てはめるときは、相手がどの段階にいるかを上司が一人で決めず、本人の考えを尋ねるとよいでしょう。同じ人でも、仕事によって合う関わり方が違うからです。

  • 味の調整は、もう○○さんに任せたいと考えています。パッケージの表示の確認は初めてなので、最初の1回は一緒に見ましょうか。○○さんは、どう感じていますか。
  • 今回の試作で、私に期待していることを教えてください。意見がほしいのか、一緒に考えてほしいのか、まずは話を聞いてほしいのかで、私の話し方が変わります。

意見を求められたときは、部下にも考えがあることが多いので、まずそれを尋ねます。そのうえで、上司の意見を理由と一緒に具体的に伝えましょう。

  • 私の意見を言う前に、○○さんがどう考えているのかを教えてもらえますか。
  • 私なら、電子レンジで温める時間を短くするほうを先に進めます。お客様が一番気にされるのは、そこだと考えているからです。

人は何で動くか:やる気についての考え方

人の欲求には段階があるという考え方や、満足を生む要因と不満を防ぐ要因は別だという考え方は、やる気を「上げる・下げる」の1本の物差しで考えないための手がかりになります。たとえば、残業や設備への不満を減らしても、それだけで仕事が面白くなるとは限らない、という見方です。

ただし、どの要因が効くかは人によって違い、上司が推し量るだけでは外れることがあります。考え方を当てはめて決めつけるより、本人に尋ねるほうが確かです。

  • 今回の試作で、一番やりがいを感じているのはどの部分ですか。反対に、負担に感じているところはありますか。
  • 工場との行き来が多くて、大変だと思います。移動の負担を減らせるかどうか、一度相談させてください。

2つの人間観は、上司自身の見方の偏りに気づくために使えます。部下の仕事が進まないときに、「指示がなければ動かない人だ」と決めつけていないかを振り返るきっかけになります。

  • 試作の報告が遅れていたのは、私の頼み方にも原因があったかもしれません。何が足りなかったか、教えてもらえますか。

目標と振り返りをどう回すか:計画と見直しを繰り返す考え方

計画・実行・確認・改善を繰り返す考え方は、よく知られたものの1つです。職場で使うときは、計画を立てて実行したあと、結果を二人で見て、次の計画のどこを変えるかを決めるところまでを1回と考えましょう。

目標を本人と決め、進み具合を本人が判断する考え方では、上司が進み具合を点検するのではなく、本人が自分で判断できる材料をそろえることが上司の役割になります。目標は具体的で、簡単すぎない水準にするほうがよいという考え方は、目標の文を書くときの目安になります。

  • 次の試作までの目標を、一緒に決めませんか。「冷凍庫から出して5分で食べられる」くらいまで具体的にすると、試作の結果を二人で同じように判断できると思います。
  • 少し難しい目標かもしれません。厳しいと感じたら、早めに言ってください。
  • 来週の試作の結果を見て、計画のどこを変えるかを一緒に考えましょう。

マネジメントの理論やモデルを使うときの注意:1つの型を全員に当てはめない

理論やモデルを職場で使うときに避けたいのは、1つの考え方を選び、その型を全員と毎回の場面に当てはめることです。部下が上司に期待する関わり方は、人によって違います。

KAKEAIの1万人調査では、上司との面談で上司に期待すること(5つまで選択)として最も多く選ばれたのは「意見を聞きたい」で、選んだ人は33.6%でした。「具体的なアドバイスがほしい」32.0%、「一緒に考えてほしい」29.4%、「話を聞いてほしい」20.8%と続きます。つまり、部下が上司に期待する関わり方は、1つにまとまっていないということです。「その時々によって違う」を選んだ人も28.7%いて、同じ人でも回によって期待が変わることがうかがえます。

面談についての数字ですが、理論の型を職場に当てはめる場面でも、1つの型ではすべての人と場面に合わせにくいと考えられます。

KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、マネジメントに万能のやり方はなく、型や手順を守ることは目的ではないと考えています。考え方を1つ選んで試し、相手の反応を確かめ、合わなければ別の考え方に切り替えてください。KAKEAIは、1つの型や手順を、どの場面にも当てはめることをおすすめしません。

ほかにも、次の使い方は避けたほうがよいでしょう。

  • 理論の分類で、自分や相手を「◯◯型」と決めつける。型に当てはめてしまうと、相手がその回に何を求めているかを尋ねる前に、関わり方を決めることになります。
  • 理論の言葉を、部下との会話でそのまま使う。「今は支援の段階ですね」と言われても、部下は自分の仕事の何が変わるのかがわかりません。仕事の言葉に置き換えて話しましょう。
  • 理論は役に立たないと切り捨て、経験だけで判断する。経験だけに頼ると、うまくいかなかったときに、別の手を考える手がかりが少なくなります。

部下の立場で、マネジメントの理論やモデルをどう使うか

マネジメントの理論やモデルは、上司だけのものではありません。部下の立場で知っておくと、上司に期待することを言葉にしたり、自分の目標を立てたりするときの手がかりになります。

考え方部下の立場での使い方
仕事をどう分けて回すか誰が調整するのか決まっていない仕事に気づいたら、早めに上司に伝える
部下にどう関わるか今の仕事で、上司に指示・助言・支援・任せることのどれを期待しているかを考えて伝える
人は何で動くかやりがいを感じる部分と、負担に感じる部分を分けて、上司に相談する
目標と振り返りをどう回すか目標を具体的にし、期の途中で見直す時期を上司と決める
  • 工場との調整を誰が担当するのか、まだ決まっていないようです。私が進めてよいか、ご相談できますか。
  • パッケージの表示の確認は初めてなので、最初の1回は一緒に見ていただけますか。2回目からは、自分で進めてみたいです。
  • 味の調整について、課長のご意見を伺いたいです。私は、塩分をもう少し下げたほうがよいと考えています。
  • 次の試作の目標を、もう少し具体的にしたいと思っています。来週の打ち合わせで、15分ほどお時間をいただけますか。

上司の関わり方が自分に合わないと感じたときも、理論の型で上司を評するより、自分が期待することを具体的に伝えるほうが、話が進みやすくなります。上司も部下も、関わり方を決める当事者です。

マネジメントの理論やモデルを試して、うまくいったかをどこで見るか

理論やモデルを試したあとは、理論の通りにできたかではなく、二人の仕事がどう動いたかで振り返るとよいでしょう。1か月ほど続けたら、次のように見直してみてください。

  • 試した考え方が、そのとき迷っていた問い(仕事の分け方・関わり方・やる気・目標)に合っていたなら、次に同じ問いで迷ったときも、その考え方を手がかりにしてみてください。
  • 関わり方を変える前に、相手が上司に期待することを尋ねられていたなら、次は仕事ごとに、期待が変わっていないかを尋ねてみましょう。
  • 考え方を試したあと、二人で決めたことが次の打ち合わせまでに動いていなければ、同じ型を続けず、別の考え方に切り替える時期です。
  • 部下の立場で、上司に期待することを伝えられていたら、次はそのあとの仕事の進み方がどう変わったかを、上司と話してみてください。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。

部下がその回に何を期待しているのかが分からず、自分の関わり方が合っているのか、学んだことを生かせているのかを確かめにくいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。

1on1が始まってすぐ、メッセージ欄で。

テーマごとに部下が上司に期待することが違うことを、話し始める前に二人で確かめられます。

Kakeai AI が開始の挨拶で、選ばれたテーマと、部下が選んだ期待する対応(話を聞いてほしい・一緒に考えてほしいなど)を挙げます。期待する対応が選ばれていない回には、どう関わってほしいかを尋ねることもあります。お二人の画面に同じものが表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

…準備されたテーマは「東南アジアの新規開拓リスト」×「一緒に考えてほしい」、「スキルや力の向上」×「具体的なアドバイスが欲しい」の2つです。藤本さん、いかがでしょう?

部下との1on1のあと、「1on1後のAIアドバイス」で。

本や研修で学んだ関わり方を、自分の1on1の具体的な場面での一言として試し、次の回に続けられます。

大事な場面で部下の返事が短く止まっていたときは、その場面を引いて、次の回で試せる問いかけの例が書かれることがあります。次の1on1前のアドバイスでは、前回示した工夫に触れて、その日に試せる場面が示されることがあります。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

…次回、昇格試験の準備状況を確認するタイミングで、「社内の評価の場面って、具体的にどんなときが一番きつい?」と一問戻してみませんか。…

マネジャー権限の方が「Get Advice」を開くとき。

自分のマネジメントのよい点と変えたい点を、自分の1on1で起きたことをもとに振り返れます。

「Get Advice」は、マネジャー権限をお持ちの方が画面の右上から開く、ご自身の1on1のふりかえりの画面です。直近1か月の1on1のまとめ、Kakeai AI が挙げる「1on1をよりよくするための3つのポイント」、テーマや関わり方ごとの「強み」と「伸び代」が表示されます。

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よくある質問

マネジメントの理論で、最初に知っておくとよいものは何ですか。

マネジメントの理論で最初に知っておくとよいのは、個々の理論の名前より、理論が答えようとしている4つの問いです。「仕事をどう分けて回すか」「部下にどう関わるか」「人は何で動くか」「目標と振り返りをどう回すか」の4つです。自分が今どの問いに迷っているかがわかれば、どの考え方を手がかりにすればよいかを選びやすくなります。

マネジメントのモデルやフレームワークは、実際の職場で役に立ちますか。

マネジメントのモデルやフレームワークは、守ればうまくいく手順としてではなく、迷ったときに考える枠として使うと役に立ちます。たとえば、2つの軸で関わり方を整理する考え方を使えば、仕事の期限の話に偏っていないか、気づかいだけになっていないかを見直せます。合わなかったときは同じ型を続けず、別の考え方を試してください。

上司の関わり方を2つの軸で整理する考え方とは、どんな内容ですか。

上司の関わり方を2つの軸で整理する考え方は、仕事の成果への関心と、一緒に働く人への関心を縦と横の軸にとり、上司の関わり方を位置づけるものです。一般には、どちらか一方に偏るより、両方を持つ関わり方が望ましいと紹介されます。ただし、同じ上司でも相手や仕事によって関わり方は変わるので、自分を1つの位置に決めつけないようにしましょう。

部下がマネジメントの理論を知っておく意味はありますか。

部下がマネジメントの理論を知っておくと、上司に期待することを言葉にしやすくなります。指示・助言・支援・任せるを使い分ける考え方を知っていれば、「この仕事は初めてなので、最初は一緒に見ていただけますか」のように、自分に合う関わり方を具体的に頼めます。上司の関わり方を型で評するより、自分の期待を伝えるために使うとよいでしょう。

マネジメントの理論は、どれを選べば正しいのですか。

どのマネジメントの理論が正しいかは、1つに決まりません。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)の最多は「意見を聞きたい」でしたが、選んだ人は33.6%で、部下が上司に期待する関わり方は分かれていました。理論は1つを選んで全員に当てはめるより、場面ごとに試し、合わなければ切り替える使い方をおすすめします。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/management-theories-and-models-explained

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: