上司の方へ部下との関わり
部下の呼び方は、 さん付け・君付けのどれがよいか
先に答え
部下の呼び方は、名字に「さん」を付ける形を基本にし、一緒に仕事をしている全員を同じ呼び方にそろえることをおすすめします。判断の条件は3つあります。会議やお客様の前でそのまま使えること、性別や年齢や親しさで分けずに全員に使えること、評価をする立場の上司から呼ばれても、本人が嫌だと言わなくてすむことです。君付け・ちゃん付け・あだ名は、親しみを込めたつもりでも、あとの2つを満たしにくくなります。本人から下の名前で呼んでほしいと言われたときは希望を優先し、公の場での呼び方だけは分けて決めておきます。呼び方を変えるときは、全員をそろえたいという理由を添えて本人に伝え、本人の考えも聞いてください。
部下の呼び方は、 名字にさん付けを基本にする
部下の呼び方は、名字に「さん」を付ける形を基本にし、一緒に仕事をしている全員を同じ呼び方にそろえることをおすすめします。さん付け・君付け・ちゃん付け・あだ名・下の名前・呼び捨てのどれがよいかで迷ったときは、次の3つの条件で考えると、判断しやすくなります。
- 公の場でも、そのまま使えるか。会議、お客様の前、他部署の人がいる場で、言い直さずに使える呼び方かどうかです。
- 全員を同じ呼び方にできるか。性別・年齢・入社の時期・親しさで呼び方が分かれると、分かれていること自体が序列や親しさの差として受け取られます。
- 本人が嫌だと言わなくてよいか。評価をする立場の上司から呼ばれた呼び方は、本人が嫌でも、そう言い出しにくいものです。嫌だと言わなくてすむ呼び方かどうかを考えます。
この3つを満たすのは、名字にさん付けをする呼び方です。君付け・ちゃん付け・あだ名は、親しみを込めたつもりでも、2つ目と3つ目の条件を満たしにくくなります。
呼び方は、上司が一方的に決めて与えるものではありません。KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司と部下の関係は両方が当事者として作るものだと考えています。呼び方も、基本を決めたうえで、本人の希望を聞いて一緒に決めるとよいでしょう。
さん付け・君付け・ちゃん付け・あだ名・下の名前・呼び捨ての違い
6つの呼び方を、3つの条件(公の場で使えるか・全員にそろえられるか・本人が嫌だと言わなくてよいか)で比べると、次のようになります。
| 部下の呼び方 | 3つの条件で見ると | 使うなら |
|---|---|---|
| 名字に | 公の | 基本の |
| 下の | 公の | 同じ名字の |
| 君付け | 性別や | 全員に |
| ちゃん付け | 性別と | 仕事の |
| あだ名 | 本人が | 上司からは |
| 呼び捨て | 社内では | 社外で |
君付けについては、「年下の男性には君、女性にはさん」のように、性別で分かれている職場が少なくありません。本人が気にしていないように見えても、同じ仕事をしている2人の呼び方が性別で違えば、扱いの差として受け取られることがあります。全員を君付けにそろえるより、全員をさん付けにそろえるほうが、公の場でもそのまま通ります。
呼び捨ては、社内と社外で意味が変わります。お客様や取引先の前では、「担当の○○が伺います」のように、自社の人には敬称を付けないのが慣例です。この使い分けは、呼び捨てが社内で許されるという意味ではありません。社内では、普段の呼び方に戻します。
ちゃん付けやあだ名については、ハラスメントに当たるかどうかの判断は、このページでは行いません。本人が不快に感じていれば、会社の決まりに沿って対応が必要になる場合があります。迷うときは、就業規則と人事の担当に確認してください。
部下の呼び方を決めるとき・変えるときの伝え方
部下の呼び方は、一緒に仕事を始めるときに本人に尋ね、途中で変えるときは理由と一緒に伝えます。どちらの場面でも、上司が決めて通告する形にせず、本人の希望を聞く一言を添えてください。
一緒に仕事を始めるときに、 呼び方を尋ねる
名字にさん付けを基本にしたうえで、本人の希望を尋ねます。上司自身の呼び方も、このときに伝えておくと、部下が迷いません。
- 呼び方は、名字に「さん」を付けるのを基本にしています。○○さんは、名字と下の名前のどちらで呼ばれるのが、仕事では落ち着きますか。
- 私のことは、役職ではなく「△△さん」で呼んでもらってかまいません。呼びやすいほうで大丈夫です。
- 呼び方で気になることがあれば、いつでも言ってください。あとから変えても、まったく問題ありません。
今までの君付けやあだ名を、 さん付けに変える
長く君付けで呼んできた部下の呼び方を変えるときは、本人に向けて理由を伝えます。チーム全員の呼び方をそろえるという理由なら、その本人だけを遠ざけたように受け取られにくくなります。
- チームの皆さんを同じ呼び方にそろえたいと考えていて、今まで「○○君」と呼んできたのを「○○さん」に変えたいのですが、どうでしょうか。
- 急に変えて、少し違和感があるかもしれません。私が言い間違えたら、遠慮なく教えてください。
変えた直後は、上司のほうが言い間違えがちです。言い間違えたら、その場で言い直すだけで十分です。
- 失礼しました、○○さんでしたね。
部下から「下の名前で呼んでほしい」「君でいいです」と言われたとき
下の名前で呼んでほしいと言われたときは、本人の希望を優先しつつ、公の場での呼び方だけは分けて決めておきます。
- わかりました。普段は「△△さん」と呼びます。お客様の前では名字でお呼びしますが、それでよいですか。
「君でいいです」「呼び捨てで大丈夫です」と言われたときは、気持ちに感謝したうえで、全員をそろえたいという考えを伝えます。本人の申し出を断る形になるので、理由を言葉にしてください。
- ありがとうございます。ただ、私は全員を「さん」でそろえたいと考えているので、○○さんのままでお願いしてもよいですか。
同じ名字の人が2人いるとき
同じ名字の人が2人いるときは、下の名前で区別することになりますが、どちらを下の名前で呼ぶかで差がつかないようにします。二人そろって尋ねるのではなく、それぞれに個別に尋ねてください。
- 同じ名字の方が2人いるので、区別のために、下の名前でお呼びしてもよいですか。嫌であれば、別の呼び方を一緒に考えます。
年上の部下、 元の上司が部下になったとき
年上の部下や、以前は自分の上司だった人が部下になったときも、呼び方はさん付けで変わりません。新しく伝える必要があるのは、仕事の役割がどう分かれるかであって、呼び方ではありません。呼び方を先に話題にすると、年齢や経歴の差のほうが強調されてしまいます。
- ○○さん、この件は私から指示を出す形になりますが、進め方はこれまでと同じように、ご相談しながら決めたいと考えています。
部下から呼び方が気になると言われたとき、 言いにくそうなとき
部下から呼び方が気になると言われたときは、理由を尋ねる前に、まず受け止めて変えます。呼び方は、本人が嫌だと感じた時点で変える理由が十分にあるものです。
- 教えてくれて、ありがとうございます。気づいていませんでした。今日から「○○さん」と呼びます。
- 他にも、私の言い方で気になっていることがあれば、遠慮なく言ってください。
言われていないからといって、本人が気にしていないとは限りません。KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談で困っていること(複数回答)として、「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人が9.3%いました。20代の回答では14.4%です。評価をする立場の上司には、気になることがあっても言い出せない人が一定数いると考えられます。呼び方についても、同じことが起きていてもおかしくありません。本人が黙っていることと、嫌がっていないことは別です。
チームの中で、部下が周りから「ちゃん」付けやあだ名で呼ばれていて、本人が言いにくそうにしているときは、人前ではなく1on1で尋ねます。
- チームで「○○ちゃん」と呼ばれていますが、仕事の場ではどう呼ばれるのが落ち着きますか。変えたほうがよければ、私から皆に伝えます。
- 今すぐ答えなくて大丈夫です。あとで思い出したときに、メモでも伝えてもらえると助かります。
本人が変えてほしいと言ったときは、上司が周りに伝えます。本人が自分で周りに言うことになると、周りとの関係を気にして言えないままになりがちです。
- 今日から、「○○ちゃん」ではなく、皆と同じように「○○さん」と呼ぶようにしませんか。私からのお願いです。
部下の呼び方で、 避けたいこと
部下の呼び方で避けたいのは、呼び方で親しさや序列を作ろうとすることです。親しさを出す側にも、距離を保つ側にも、避けたいことがあります。
- 上司の側からあだ名を付ける、下の名前で呼び始める。上司から始まった呼び方は、本人が断りにくいものです。親しみを込めたつもりでも、本人には選べない呼び方になります。
- 人によって呼び方を変える。一部の部下だけを下の名前や君で呼ぶと、呼ばれていない部下には、親しさの差として見えます。全員を同じにします。
- 性別や年齢で呼び方を分ける。「男性は君、女性はさん」「若手はちゃん」のような分け方は、同じ仕事をしている人の扱いの差として受け取られます。
- 呼び方を親しさの証明にする。呼び方で距離が縮まったように感じても、部下が困っていることはそのまま残ります。面談についての数字ですが、KAKEAIの1万人調査では、上司のふるまいについての困りごとの中で最も多く挙がったのは「上司の対応が期待するものと違う」で、12.9%でした。呼び方が整っていても、その回に部下が期待する対応が返ってこなければ、この困りごとは残ります。呼び方を整えることと、期待する対応をすることは、別の仕事です。呼び方で親しさを演出することを、KAKEAIはおすすめしません。
- 逆に、呼び方だけを改めて、関わり方は変えない。さん付けにそろえても、話を聞かない、約束を守らないといった関わり方が続けば、呼び方を変えた意味は薄れます。呼び方は入口にすぎません。
- 社外で部下を「○○さん」と呼ぶ。お客様や取引先の前で自社の人に敬称を付けると、相手に違和感を与えることがあります。社外では「担当の○○」のように呼び、社内に戻ったら普段の呼び方に戻します。
呼び方を見直したあと、 何が変わったかをどこで見るか
呼び方を見直したあとに見るのは、呼び方が定着したかどうかより、二人のやり取りが変わったかどうかです。次の点から振り返ってみてください。
- 全員を同じ呼び方で呼べているでしょうか。親しい部下だけ、つい別の呼び方になっていないでしょうか。
- 公の場と普段の場で、言い直さずに同じ呼び方を使えているでしょうか。
- 呼び方について部下から希望や指摘があったとき、理由を聞く前に、まず受け止めて変えられたでしょうか。
- 呼び方を整えたあと、その回に部下が上司に期待していることを、1on1の最初に尋ねているでしょうか。
呼び方で迷う時間は、短いほうがよいものです。名字にさん付けで全員をそろえ、本人の希望があれば聞きます。呼び方がそろえば、1on1の時間を、その回に部下が期待する対応に使いやすくなります。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
呼び方や食事の誘い、LINEのやりとりといった日ごろの付き合い方とは別に、1on1の場で部下の話を聞きたいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の開始直後に、Kakeai AI のメッセージ欄で。
その回にどう関わってほしいかを、 言葉で確かめるところから1on1を始められます。
Kakeai AI が、準備されたテーマと、部下が選んだ期待する対応を挙げ、前回の一歩があればその担当の方に、無ければテーマを選んだ方に、最初の一言を向けます。期待する対応が選ばれていない回には、どう関わってほしいかを尋ねることもあります。期待する対応は、部下の側だけが選べます。
長谷部さん、このテーマを今日はどう関わってほしいですか?話を聞いてほしいのか、一緒に考えてほしいのか、具体的なアドバイスが欲しいのか、一言教えていただけますか?
1on1の終了後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。
相談を待つだけでなく、 その回に決まった仕事の話から、 部下が困りごとを言い出しやすい問いを用意できます。
「1on1後のAIアドバイス」のご自身向けの欄に、困りごとを広く尋ねた問いに部下が短く返した場面があると、その回に決まった仕事に結びつけて尋ね直す一言の案が書かれることがあります。部下には別の内容が表示されます。
次回、同じ問いをもう少し絞って出してみることが一手になります。たとえば「仕様書の番号の件、石田さんと話した後で、長谷部さんが動きにくいことが出てきたら教えてください」のように、今日決まった動きに紐づけた形で聞くと…
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よくある質問
部下は、さん付けと君付けのどちらで呼ぶのがよいですか。
部下の呼び方は、名字にさん付けをする形がおすすめです。君付けは、年下の男性にだけ使われることが多く、同じ仕事をしている人の間で性別や年齢による呼び方の差が生まれやすくなります。さん付けなら、会議やお客様の前でもそのまま使え、全員を同じ呼び方にそろえられます。長く君付けで呼んできた部下には、「チームの皆さんを同じ呼び方にそろえたい」と理由を添えて、本人に伝えてから変えてください。
部下を下の名前やあだ名で呼ぶのは、 問題がありますか。
部下を下の名前で呼ぶことは、本人が望んだ場合や、同じ名字の人が2人いる場合に限れば問題は少ないと考えられます。ただし、お客様の前では名字で呼ぶなど、公の場での呼び方は分けて決めておきます。あだ名は、上司の側から付けたり使い始めたりしないことをおすすめします。評価をする立場の上司から呼ばれた呼び方は、本人が嫌でも断りにくく、本人が選べない呼び方になるからです。
女性の部下を「ちゃん」付けで呼ぶのは、 セクハラになりますか。
女性の部下をちゃん付けで呼ぶことがセクハラに当たるかどうかの判断は、このページでは行いません。本人が不快に感じていれば、会社の決まりに沿った対応が必要になる場合があるので、就業規則と人事の担当に確認してください。判断とは別に、性別や年齢で呼び方が分かれると、同じ仕事をしている人の扱いの差として受け取られます。仕事の場では、全員を名字にさん付けでそろえることをおすすめします。
年上の部下は、 どう呼べばよいですか。
年上の部下も、他の部下と同じく、名字にさん付けで呼びます。年上だからといって呼び方を変えると、年齢の差のほうが強調されてしまいます。新しく伝える必要があるのは呼び方の変更ではなく、仕事の役割がどう分かれるかです。「この件は私から指示を出す形になりますが、進め方はご相談しながら決めたいと考えています」のように、役割と進め方を言葉にして伝えるとよいでしょう。
部下は、上司を役職名で呼ぶべきですか、 さん付けでよいですか。
部下が上司を役職名で呼ぶか、さん付けで呼ぶかは、会社の慣習に合わせるのが基本です。上司の側から「役職ではなく、さんで呼んでもらってかまいません」と伝えておくと、部下は迷わずに済みます。どちらで呼ばれるかより、部下が上司に話したいことや期待することを言い出しやすいかどうかのほうが、二人の仕事には影響します。呼び方を決めたあとは、1on1の最初に、その回に期待することを尋ねてみてください。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/how-to-address-subordinates-san-kun
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: