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目標設定の理論とフレームワーク
先に答え
目標設定の理論とフレームワークは、目標の文を整えるもの(SMART・KGI・KPI)と、期の途中の扱いを決めるもの(MBO・OKR)に分けて見ると、使い分けがはっきりします。目標設定理論では、目標が明確であること、本人が納得していること、進み具合についてフィードバックがあることの3つが条件とされています。枠組みが整えてくれるのは、主に1つ目です。残りの2つは目標を書いた時点では整わず、期の途中のやり取りの中で満たされていくものと考えられます。枠組みは二人で目標を話すための共通の言葉として使い、目標を書いたあとも月1回ほど、面談で一緒に見ることをおすすめします。
数字で見る
KAKEAIの1万人調査で、上司との面談のあとに動けない理由を尋ねました。目指す状態がはっきりしていないことと並んで、今動く必要性を感じていないことや、確信が持てないことも、近い割合で挙げられています。面談についての数字ですが、目標に当てはめると、文を明確にするだけでは解消しない理由もあると考えられます。期の途中に、目標を二人で見る面談を設けることをおすすめします。
- 16.3%
- 1万人調査
- 面談が行動につながらない理由(5つまで選択)として、「ありたい状態が定まっていない」を挙げた人の割合
- 尋ねた相手は、面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人です。最も多い理由は「その時々によって違う」26.1%で、目指す状態がはっきりしないことは、いくつも挙げられた理由の1つです。
- 13.4%
- 1万人調査
- 同じ質問で、「今動く必要性を感じていない(緊急度が低い)」を挙げた人の割合
- 「ありたい状態が定まっていない」16.3%と近い割合です。今動く必要性を感じられないことも、目指す状態と同じくらい、動けない理由として挙げられているということです。
- 11.0%
- 1万人調査
- 同じ質問で、「判断材料はあるが確信がもてない(不安・恐れ・迷い)」を挙げた人の割合
- 判断の材料がそろっていても、不安や迷いが理由で動けないと感じている人がいるということです。迷いが残っていないかは、期の途中の面談で尋ねてみるとよいでしょう。
この調査は、目標設定の理論や枠組みについて尋ねたものではありません。数字は、上司との定期的な面談のあとに行動につながらない理由を尋ねたもので、理由は複数選べるため、合計は100%になりません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
目標設定の理論とフレームワークの全体像: 枠組みが整えるのは目標の文まで
目標設定の理論とフレームワークは、「目標をどう書くか」を整えるものと、「目標を期の途中でどう扱うか」を決めるものに分けて見ると、使い分けがはっきりします。SMARTやKPIのような枠組みが整えてくれるのは、主に目標の文です。一方、目標設定理論が条件に挙げる、本人の納得と進み具合のフィードバックは、目標を書いた時点では整いません。この2つは、目標を書いたあと、期の途中のやり取りの中で満たされていくことが多いようです。
以下では、理論と枠組みの名前と一般に知られている中身を整理したうえで、上司と部下がそれぞれ面談でどう使うかを書きます。どの枠組みを使うかより、書いた目標をその後どう扱うかのほうが、目標設定の出来を左右すると考えられます。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、目標設定に万能のやり方はなく、型や手順を守ることは目的ではないと考えています。枠組みは、二人で目標を話すときの手がかりとして使い、合わないところは変えてかまいません。
例として、営業事務の担当者が受注の入力を行っていて、入力の誤りを減らすことを目標にする場面を取り上げます。
目標設定理論が示す3つの条件: 明確さ、本人の納得、 進み具合のフィードバック
目標設定理論は、人の行動と目標の関係について、一般によく知られた考え方です。一般には、曖昧な目標より、具体的で簡単には達しない目標のほうが、行動につながりやすいと説明されています。ただし、そうなりやすいのは、本人がその目標に納得していて(コミットメント)、進み具合についてフィードバックを受け取れるときです。明確さ・納得・フィードバックの3つが、理論の中心です。
枠組みの多くは、1つ目の条件である明確さを整えるために作られています。残りの2つは、目標の文を整えるだけでは満たせません。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談のあと行動につながるのが半分くらいの回かそれより少ないと答えた人に、その理由を尋ねています(5つまで選択)。目指す状態に関わる「ありたい状態が定まっていない」を挙げた人は16.3%でした。「今動く必要性を感じていない(緊急度が低い)」は13.4%、「判断材料はあるが確信がもてない(不安・恐れ・迷い)」は11.0%です。最も多かったのは「その時々によって違う」26.1%、次が「特にない」23.4%でした。面談のあとに動けない理由は1つに決まらず、目指す状態がはっきりしないこと以外の理由も、近い割合で挙げられています。
面談についての数字ですが、目標の話に当てはめると、目標の文を明確にする枠組みだけでは解消しない理由もあると考えられます。今動く必要性を感じているか、不安や迷いが残っていないかは、期の途中に二人で話してみて分かることが多いでしょう。
主な目標設定のフレームワークと、 それぞれが整えること
主な枠組みを、何を整えるものか、使うときに気をつけることの2つで整理します。名前を覚えることより、自分の職場で足りていないのがどれかを見るために使ってください。
| 枠組み | 何を整えるか | 使うときに気をつけること |
|---|---|---|
| MBO | 本人が | 評価と |
| SMART | 目標の | 文の |
| OKR | 目指す | 評価と |
| KGI・KPI | 最終的に | 途中の |
| バックキャスティング | 望ましい | 将来の |
| ストレッチ目標 | 今の | 届かなかったときの |
選ぶときの目安は、今の職場で何が足りていないかです。目標の文が曖昧で、期末に「できた」かどうかを二人で同じように判断できないなら、SMARTやKGI・KPIが役に立ちます。文は整っているのに期の途中で忘れられるなら、OKRの短い見直しの仕組みを取り入れたり、MBOに面談の予定を組み込んだりするとよいでしょう。目標と会社の方針とのつながりが見えにくいなら、OKRで会社・部署・個人の目標の関係を言葉にしたり、バックキャスティングで目指す状態から逆算したりする方法があります。
フレームワークを面談でどう使うか: 上司と部下それぞれの最初の一言
枠組みは、目標を書く日だけでなく、期の途中の面談でこそ使えます。上司と部下で、面談での使い方が違います。
上司の側: 枠組みを、目標を言い渡す道具にしない
上司が枠組みを役立てやすいのは、部下の案を聞いたうえで、目標の文にまだ足りないと思う点を、理由と一緒に伝えるときです。
- ○○さんが考えている今期の目標を、まず聞かせてもらえますか。私の考えも、そのあとでお話しできればと思います。
- 「入力の誤りを減らす」という目標、方向は私も同じ考えです。期末に二人で「できた」と判断するには、何を測ればよいと思いますか。
- 私の意見としては、月ごとの誤りの件数を二人で見る形がよいと思っています。○○さんの手で減らせる数字だからです。どう感じますか。
- 今期の部署の方針は、受注から出荷までの日数を短くすることです。入力の誤りが減ると、確認で止まる時間も減るので、方針にもつながると考えています。
- この目標は、少し高めだと私は思っています。届かなかったときに評価でどう扱われるかは、目標を決めるまでに人事の決まりを確認して、お伝えしますね。
期の途中の面談では、進み具合を一緒に見ながら、やりにくさや迷いが残っていないかを尋ねてみてください。
- 先月決めた誤りの件数、今月はどうでしたか。一緒に見てみませんか。
- 数字は追えているようですが、やりにくさを感じているところはありますか。私が変えられることがあれば教えてください。
- この目標、今も○○さんにとって意味があるものになっていますか。状況が変わっていたら、目標のほうを直しましょう。
部下の側: 枠組みを、上司に確認する質問に変える
部下が枠組みを知っていると、目標のあいまいな点を、上司との面談で自分から確認できます。
- この目標が「できた」と言える状態を、私はこう考えています。課長の考えと合っているか、確認させてください。
- 誤りの件数は、誰がどの記録で集計しますか。私が自分で見られる数字にしたいです。
- この目標は、部署の今期の方針のどこにつながっていますか。つながりが分かると、優先順位を自分で決めやすくなります。
- 月に1回、進み具合を一緒に見る時間を1on1の中でいただけますか。期末まで一人で進めていると、途中で目標を見失いそうで心配です。
- 月ごとの誤りの件数は、私が記録して1on1の前に共有します。見ていただいたうえで、減らない月は原因を一緒に考えていただきたいです。
- 正直に言うと、この水準で届くか自信がありません。届かなかったときの扱いを、先に教えていただけますか。
期の途中で目標の前提が変わったときも、部下の側から切り出してかまいません。
- 受注の仕組みが変わって、誤りの数え方が前と同じではなくなりました。目標の数字を見直したいです。
目標設定の理論やフレームワークを使うときに避けたいこと
避けたいのは、枠組みを整えることが目的になることと、目標を書いた日で話が終わることです。
- 枠組みの条件をそろえることを目的にする。SMARTの5つがそろっていても、本人が納得していなければ、目標設定理論の条件は満たしていません。
- 枠組みの名前で、上司が目標を言い渡す。「OKRなので高い目標にします」と上司が決めてしまうと、本人の案を聞かないまま目標が決まります。
- 目標を書いた日のあと、期末まで見ない。期の途中に目標を話題にする機会がなければ、理論が条件に挙げる進み具合のフィードバックも届きにくくなります。月に1回は、面談で目標を一緒に見ることをおすすめします。
- 1つの枠組みを、どの仕事にも当てはめる。数字にしやすい仕事と、しにくい仕事があります。枠組みは手がかりなので、合わないところは仕事に合わせて変えてください。
- 評価との関係を、あとで決める。目標が評価にどうつながるかは、目標を書く時点で上司が人事の決まりを確認し、部下に伝えておくとよいでしょう。ストレッチ目標では特に必要です。
- 部下だけに目標を書かせる。目標は、上司が渡すものでも部下が一人で書くものでもなく、二人で書くものです。
目標設定がうまくいったかどうかの振り返り方
目標設定がうまくいったかどうかは、目標の文が枠組みの条件を満たしているかではなく、期の途中に二人の間で目標がどう扱われたかを見るとわかります。期の半ばに、次の点を振り返ってみてください。
- 目標が「できた」と言える状態を、上司と部下が同じ言葉で説明できるでしょうか。
- 目標の進み具合を示す数字や事実は、部下自身がいつでも見られるようになっているでしょうか。
- 期の初めから今までに、面談で目標を一緒に見た回が1回以上あったでしょうか。
- 状況が変わったとき、目標のほうを直す話が二人の間でできたでしょうか。
- 届かなかったときの扱いが、二人の間ではっきりしているでしょうか。
枠組みの名前は、二人が同じものを見て話すための共通の言葉です。名前を覚えることにこだわるより、その言葉を使って、期の途中も二人で目標の話を続けることをおすすめします。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
面談で立てた目標が期の途中で見返されず、途中で確認すると決めた日も流れてしまうときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
目標面談や1on1の実施中、「1on1実施中」の画面で。
目標を、期限と担当のついた次の一歩に分けて、 二人で同じ一覧で追えます。
会話の中から次に取り組むことが出てくると、Kakeai AIがその発言をもとに次の一歩の候補を作り、文言・担当・期限を埋めていきます。決めるのはお二人で、決定した一歩は「MOVE」(1on1で決めた次の一歩と目標の一覧の画面)に追加されます。
中間面談前に上期の達成度欄を埋める(変更前・変更後の目標を両方記載)
期の途中の1on1のあと、「予定・履歴」の履歴のカードで。
期初に立てた目標と今の仕事のずれに期の途中で気づき、 中間の面談の前に、 二人で同じ記録を見ながら話せます。
目標についての話が出た回は、「1on1のAI要約」の話のまとまりごとの見出しの下に、その内容が要点として残ります。目標と実際の仕事が合わなくなっていることのように、期の途中で分かったことも残り、お二人に同じ内容が表示されます。
上期シートは営業分は記入済みだが、プロジェクト分は4月時点の目標に入っていない(5月発令のため)。
期の途中に、ホームの「この先1週間のポイント」で。
期限が近い一歩に、 次の1on1を待たずに気づけます。
Kakeai AI が、ご自身の1on1の予定や次の一歩の期限などから、この先1週間で気にかけておくとよいことを、事実と、問いかけの形の提案で、最大3件書きます。ホームはご自身だけに表示されます。「MOVE」(1on1で決めた次の一歩と目標の一覧の画面)の期限の7日前には、メールでもお知らせが届きます。
小野寺さんとの一歩「今月の受注見込みをシステムで更新する(インドの案件を7月へ)」の期限が6月17日に迫っています。…更新状況と稟議の進み具合を確認してみませんか。
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よくある質問
目標設定理論とは、どんな理論ですか。
目標設定理論は、人の行動と目標の関係について、一般によく知られた考え方です。曖昧な目標より、具体的で簡単には達しない目標のほうが行動につながりやすい、と一般に説明されています。ただし、そうなりやすいのは、本人がその目標に納得していて、進み具合についてフィードバックを受け取れるときです。明確さ・本人の納得・フィードバックの3つが条件とされています。SMARTのような枠組みが整えるのは、主に明確さです。
目標設定のフレームワークには、 どんな種類がありますか。
目標設定のフレームワークには、目標の文を整えるものと、目標を期の途中でどう扱うかを決めるものがあります。文を整えるのは、SMART(具体的・測れる・達成できる・関連がある・期限がある)やKGI・KPI(最終の指標と途中の指標)です。扱いを決めるのは、MBO(本人が目標を立て上司と合意する仕組み)やOKR(目指す状態と成果指標の組を短い期間で見直す)です。バックキャスティングやストレッチ目標も、よく使われる考え方です。
SMARTとOKRは、 どちらを使えばよいですか。
SMARTとOKRは整えるものが違うので、職場で足りていないほうを選びます。目標の文が曖昧で、期末に「できた」かどうかを上司と部下が同じように判断できないなら、SMARTで文の条件を整えます。文は整っているのに期の途中で目標が忘れられるなら、OKRの短い期間で見直す仕組みが向いています。両方を組み合わせることもできます。どちらを使う場合も、本人が納得しているかどうかには、別に気を配る必要があります。
目標設定のフレームワークを使っても、 部下が目標を意識しないのはなぜですか。
考えられる理由の1つは、枠組みが整えるのは主に目標の文で、本人の納得や進み具合のフィードバックは、目標を書いた時点では整わないことです。目標を書いたあと期末まで話題にしなければ、目標を思い出す機会も少なくなります。期の途中に面談で目標を一緒に見て、今の仕事とのつながりや迷いを話すことをおすすめします。
部下の立場で、 目標設定のフレームワークをどう使えばよいですか。
部下の立場では、目標設定の枠組みを、上司に確認する質問に変えて使うとよいでしょう。「この目標が『できた』と言える状態は、こう考えています。合っていますか」「進み具合の数字は、私が自分で見られますか」のように、あいまいな点を自分から確認できます。部署の方針とのつながりや、届かなかったときの扱いも、先に聞いておくとよいでしょう。月に1回、1on1で目標を一緒に見る時間を上司にお願いすることも、部下の側からできることです。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/goal-setting-theory-and-frameworks
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: