部下の方へ上司との関わり
フレネミーのような上司にどう対処するか
先に答え
フレネミーのような上司への対処は、上司の褒め言葉を、評価の見通しと同じものだと受け取らないことから始まります。評価の見通しは面談で直接尋ね、決めたことは文字で残し、話す範囲は自分で決めます。上司の本心は部下には分からないので、「敵だ」と決めつけるより、言葉と評価のずれを小さくすることに力を使います。KAKEAIの1万人調査では、上司と週1回以上面談している人でも、面談で人事評価の話をしている人は25.8%でした。面談の回数が多くても、評価の話が出ているとは限らないということです。根拠のない低い評価や事実と違う話が続くときは、就業規則に書かれている相談窓口と、人事の担当に相談してください。
数字で見る
KAKEAIの1万人調査では、上司を信頼できず安心して話せないという困りごとを挙げている人の面談の成果の実感は、回答者全体より低くなっています。一方で、評価や見られ方を気にして本音を控えている人の成果の実感は、全体と並んでいます。また、上司と頻繁に面談している人ほど、面談で評価の話をしている割合は低くなっています。上司の本心を見極めようとするより、評価の見通しを直接尋ね、話す範囲を自分で決めることをおすすめします。
- 8.0%
- 1万人調査
- 上司との面談の困りごと(複数回答)として、「上司との信頼関係がなく安心して話せない」を選んだ人の割合
- この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は25.2%で、回答者全体の31.9%より低くなっています。上司を信頼できないと感じている状態では、面談の成果の実感も低いという結果です。
- 9.3%
- 1万人調査
- 上司との面談の困りごと(複数回答)として、「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を選んだ人の割合
- この人たちの成果の実感は32.7%で、回答者全体の31.9%と並んでいます。つまり、評価を気にして本音をすべては話せていない人でも、面談の成果の実感は低くはないということです。
- 25.8%
- 1万人調査
- 上司と週1回以上面談している人のうち、面談で人事評価の話をしている人の割合
- 2週間〜1か月に1回の人では35.3%、半年〜1年に1回の人では67.6%でした。頻繁に会っている人ほど、面談で評価の話をしている人の割合は低くなっています。よく会っていることと、面談で評価の話をしていることとは、別だということです。
1万人調査は、上司がフレネミーかどうかを尋ねたものではなく、上司との定期的な面談の困りごとと話題を尋ねたものです。「本音が話せない」は、評価や見られ方を気にして話せないという困りごとの選択肢で、上司が信頼できるかどうかを尋ねたものではありません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
フレネミーのような上司との間で、 何が起きているのか
フレネミーとは、味方(フレンド)のように親しく接しながら、敵(エネミー)のようにも振る舞う人を指す言葉です。上司について使われるのは、面談では褒めてくれるのに評価は低い・相談した内容が他の人に伝わっている・自分の仕事が別の場で上司の手柄になっている、といった場面です。
上司がフレネミーかどうかを、部下の側から見極めるのは難しいものです。上司の本心は外からは分かりにくく、「敵だ」と決めつけて動くと、部下の側が損をすることもあります。部下から見えるのは、上司の言葉と、評価や行動とのずれだけです。このページでは、上司の人柄を見極めることではなく、ずれが出たときに部下の側からできることを書きます。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談の困りごと(複数回答)として「上司との信頼関係がなく安心して話せない」を挙げた人は8.0%でした。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は25.2%で、回答者全体の31.9%より低くなっています。上司を信頼できないと感じている状態では、面談の成果の実感も低いという結果です。
一方で、「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」を挙げた人は9.3%で、この人たちの成果の実感は32.7%でした。回答者全体の31.9%と並んでいます。つまり、本音をすべては話せていない人でも、面談の成果の実感は低くはないということです。
上司に何でも話す関係を目指す必要はありません。話す範囲を自分で決めたうえで、評価の見通しを直接尋ねることをおすすめします。
| 気になる場面 | 部下の側で起きていること | 部下からできること |
|---|---|---|
| 面談では | 褒め言葉を、 | 評価の |
| 相談した | 何を | 話す |
| 自分の | 二人の | 文字で |
フレネミーのような上司への対処の基本: 評価の見通しを尋ね、 文字で残す
基本は、上司の褒め言葉を評価の見通しと同じものだと受け取らず、評価の見通しは面談で直接尋ね、決めたことは文字で残すことです。以下では、新商品のキャンペーンの企画を任された部下が、企画書を作って会議で発表する場面を例にします。
KAKEAIの1万人調査では、上司と週1回以上面談している人のうち、面談で人事評価の話をしている人は25.8%でした。2週間〜1か月に1回の人では35.3%です。つまり、よく会っている人でも、面談で評価の話をしている人は少数です。面談で評価の話が出ていなければ、上司がいつも褒めてくれることと、評価が高いこととが食い違っていても、部下はそれに気づきにくいと考えられます。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、普段の面談(1on1)で評価の話をしてよい、むしろすべきだと考えています。評価の話を、半年に一度の面談に閉じ込めないということです。部下の側から、評価の見通しを尋ねてかまいません。
- キャンペーンの企画について、今の時点での評価の見通しを教えていただけますか。今期の評価の項目のどこに関わるかも、教えていただきたいです。
- 褒めていただいたところと、まだ足りないところを、分けて聞かせていただけますか。
- この企画が今期の目標のどこに当たるのか、評価シートを一緒に見ながら確認したいです。
- 次の1on1でも、今の時点での評価の見通しを、毎回短くうかがってよいでしょうか。
尋ねた結果は、その日のうちに、自分からメールやチャットで送っておきます。目的は、あとで言った言わないにならないように、二人が同じものを見て話せるようにすることです。
- 今日うかがった評価の見通しを、私の理解で書きます。企画の構成は十分、数字の根拠がまだ弱い、という2点でした。数字の根拠は、来週までに補います。違っていたら教えてください。
話したことが他の人に伝わる、 手柄が上司のものになると感じるときの対処
相談した内容や私生活の話が他の人に伝わっていると感じたときは、上司を責めるより、自分が話す範囲を決め直すことをおすすめします。上司に何でも話す必要はなく、仕事に関わる話に絞ってかまいません。私生活や体調で伝える必要があることは、仕事に関わる範囲だけを伝えます。
- この話は、課内にはまだ伏せておきたいです。課長にだけお伝えしますので、お願いできますか。
- 体調のことは、仕事に影響する範囲だけお伝えします。来週は通院があるので、水曜の午後を外していただきたいです。
自分の仕事や二人で決めたことが、別の場で上司の手柄や違う形になっていると感じたときは、二人の間の口頭の話を、二人以外にも見える形にします。会議の場で自分から説明する、決めたことを関係者も入れたメールで送る、企画書に担当者として名前を入れる、といった方法です。
- この企画は、会議で私から説明させていただけますか。質問にもその場で答えられるので、進めやすくなります。
- 決まった進め方を、関係する方々にも入っていただく形で、私からメールします。課長にもご確認いただけますか。
- 企画書の担当者の欄に、私の名前を入れておきます。問題ないでしょうか。
- 部長への報告の場に、私も同席させていただけますか。数字の根拠について聞かれたときに、その場で説明できます。
上司が部下の企画を自分の言葉で自分の上司に説明するのは、管理職の仕事の一部でもあります。手柄を取られたと感じる場面の中には、上司としては部下の企画が認められるように動いている場合もあります。部下の側でできるのは、自分が関わったことを、メールや会議の場など、周りの人にも分かる形にしておくことです。
フレネミーのような上司を、 敵と決めつけないために
上司を敵と決めつける前に、部下の側からできることが2つあります。1つは、人づてに聞いた「上司がこう言っていた」という話を、本人に確認することです。もう1つは、褒め言葉と評価の見通しを、別々に尋ねることです。
- 先日の会議で、課長が企画の進みが遅いと話されていたと聞きました。私の受け取り方が違っていたら申し訳ないのですが、直接うかがってもよいでしょうか。
- 進め方で直したほうがよい点があれば、私に直接言っていただけると助かります。すぐに直せますので。
- 先日は企画を褒めていただきましたが、評価の見通しとしても同じと受け取ってよいでしょうか。違う点があれば、そちらも教えてください。
上司の側にも事情があります。部下の前では励ますつもりで褒め、自分の上司の前では課題を正直に話す、という2つの顔は、悪意がなくても生まれます。面談で評価の話をしていない二人では、部下には褒め言葉だけが届き、課題は別の場で語られる、という形になりやすいと考えられます。評価の見通しを面談で尋ねることは、上司を敵にしないためにも役に立ちます。
不当な評価や悪口が続くとき: 人事や会社の相談窓口に相談する
評価の見通しを尋ね、文字で残し、話す範囲を決め直しても変わらないことがあります。根拠を示されない低い評価が続く・自分についての事実と違う話が他の人に繰り返し伝えられる、という状態なら、伝え方を工夫する問題ではなくなります。ハラスメントに当たるかどうかは、このページでは判断しません。就業規則に書かれている相談窓口と、人事の担当に相談してください。
相談のときに状況を正確に伝えられるように、いつ・どの場面で・何があったかを自分のためのメモとして残しておくとよいでしょう。上司を告発するためではなく、事実を順に説明するためのメモです。眠れない、出勤がつらいといった体調の変化があるときは、産業医や医療の専門家にも早めに相談してください。
- 人事の方に、ご相談したいことがあります。上司から面談で聞いている評価と、実際の評価や、他の部署の方から聞く話が食い違うことが続いています。日付と内容を控えていますので、まずお話を聞いていただけますか。
フレネミーのような上司との関係を、 振り返るときに見ること
振り返るのは、上司が味方かどうかではなく、言葉と評価や行動とのずれが二人の間で小さくなったかです。
- 評価の見通しを、面談で直接尋ねることができたでしょうか。尋ねた内容は、その日のうちにメールなどで残せたでしょうか。
- 人づてに聞いた話を、本人に確認できたでしょうか。
- 自分が関わった仕事は、会議やメールなど、二人以外にも見える形になっていたでしょうか。
- 面談で聞いた評価の見通しと、実際の評価との食い違いは、前より小さくなったでしょうか。
ずれが小さくなっていれば、上司がフレネミーだったかどうかを決める必要はなくなります。小さくならないまま実害が続くときは、人事や相談窓口への相談を考えてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
否定や細かい指摘、強い言い方が続き、言われたことのどこまでが仕事の直す点なのかが分からなくなるときに、会社でKakeai AI 1on1を利用している場合は次のことができます。
1on1の最中と終了後に、「1on1のAI要約」で。
指摘が続いた回でも、 何を直し、 誰がいつまでに何をするかを、 二人が同じ記録で確かめられます。
Kakeai AI が、会話から1on1全体の概要、話のまとまりごとの要点、決まった次の一歩を書き、1on1の最中は2分ごとに書き直します。終了時に確定したものが、そのまま履歴になります。お二人の画面に同じ内容が表示され、システム管理者には表示されません。ご契約によっては、要約をほかの方に共有する機能もあります(共有した相手はお二人とも確認できます)。評価や採点の言葉を使わず、話された事実の言葉で書くように作られています。
…西村さんが冒頭の1枚に機能ではなく導入効果を数字で書くよう具体的に伝え、藤本さんが更新版を7月中にC社へ出し直すことになりました。…
1on1のあと、「1on1後のAIアドバイス」で。
上司に短く問われて一言で返した場面について、 次は状況と自分の次の動きを添えて返す言い方を考えておけます。
ご自身向けの内容で、上司には別の内容が表示されます。上司に短く問われて一言で返した場面があると、その場面を取り上げ、次は状況と自分の動きをどう添えるかの例が示されることがあります。言い換えは、言い方の誤りの指摘ではなく、次に試すこととして書かれます。
…返事が来ていれば「返事が来ました。内容は〜です。」と事実を添えて知らせる。来ていなければ「まだ来ていないので、もう一度送ります。」と自分の次の動きを一言置く。どちらの形でも、状況と自分の判断をセットで伝える練習になります。…
1on1後のAIアドバイスの「今回よかった点」で。
否定や指摘が続いたと感じる回でも、 自分が言葉にできた場面を、 実際の発言とともに振り返れます。
その回に、自分の考えや状況を上司に言葉で返せた場面が、実際の発言を引いて取り上げられます。ご自身向けの内容で、上司には別の内容が表示されます。
…何が分からないかをそのまま伝えられたことで、西村さんから佐々木さんへの確認という次の手が出てきました。困りごとを「分からない」で止めず、何がどう分からないかを説明できたことが、今日の一歩につながっています。
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この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)
- 1万人のデータで見る、1on1の頻度・時間・場所・話題の実態
- 成果・成長の実感を左右するもの(実施理由・上司への期待・困りごと・行動への接続)
- 明日の1on1からできること(前・最中・直後・日常の4つの場面と、具体的な声のかけ方)
よくある質問
フレネミーのような上司とは、 どんな上司のことですか。
フレネミーのような上司とは、味方(フレンド)のように親しく接しながら、敵(エネミー)のようにも振る舞う上司を指す言い方です。面談では褒めてくれるのに評価は低い、相談した内容が他の人に伝わっている、自分の仕事が別の場で上司の手柄になっている、といった場面で使われます。ただし、上司の本心は部下には分かりません。部下から見えるのは言葉と評価や行動とのずれなので、対処もそのずれを小さくすることに向けます。
上司は面談でいつも褒めてくれるのに、 評価が低いのはなぜですか。
面談で褒められるのに評価が低いと感じるときは、褒め言葉と評価の見通しが別のものとして語られている可能性があります。KAKEAIの1万人調査では、上司と週1回以上面談している人でも、面談で人事評価の話をしている人は25.8%でした。評価の話が出ないまま、褒め言葉だけが届く面談もあると考えられます。「今の時点での評価の見通しを教えていただけますか。評価の項目のどこに関わりますか」と、評価の見通しを部下から直接尋ねてみてください。
上司に相談したことが、 他の人に伝わっていました。 どうすればよいですか。
上司に相談したことが他の人に伝わっていたときは、上司を責めるより、自分が上司に話す範囲を決め直してください。仕事に関わる話に絞ってかまいません。伏せておきたいことは、「この話は課内にはまだ伏せておきたいです」と先に伝えます。上司に話す範囲を決めることは、上司を避けることとは違います。仕事の相談や評価の見通しは、これまで通り上司に尋ねてかまいません。
上司に手柄を取られたと感じるとき、 どうすればよいですか。
上司に手柄を取られたと感じるときは、自分が関わった仕事を、二人の間の口頭の話ではなく、二人以外にも見える形にしてください。会議で自分から説明する、決めたことを関係者も入れたメールで送る、企画書に担当者として名前を入れる、といった方法です。上司が部下の仕事を自分の言葉で自分の上司に説明するのは、管理職の仕事の一部でもあります。部下の側でできるのは、自分が関わったことを、書面や会議の場で周りの人にも分かるようにしておくことです。
フレネミーのような上司の言動は、 パワハラに当たりますか。
フレネミーのような上司の言動がパワハラに当たるかどうかは、状況によるため、このページでは判断できません。ただし、根拠を示されない低い評価が続く・事実と違う話が他の人に繰り返し伝えられる、という状態なら、伝え方を工夫する問題ではありません。就業規則に書かれている相談窓口と人事の担当に相談し、いつ・どの場面で・何があったかをメモに残しておいてください。体調に変化があれば、産業医にも相談してください。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/frenemy-boss-how-to-deal
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: