上司の方へ管理職・マネジメント
マネジメントでの意思決定の進め方
先に答え
マネジメントでの意思決定は、何をいつまでに決めるのかを一文にし、それが自分の権限で決められることかを確認するところから始めます。そのうえで、事実と選択肢、関わる人の意見をそろえ、何を優先するかの基準を言葉にして選びます。決めたら、理由と見送った案、見直す時期をあわせて伝え、見直す時期に結果を見て直します。部下から仕事の判断を相談されたときは、部下が何に困り、どうしたいのかを把握したうえで一緒に考え、上司が決めることは上司が引き受けるとよいでしょう。
数字で見る
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談で一番期待することが「一緒に考えてほしい」の人で、面談の成果の実感が最も高くなっていました。Kakeai AI 1on1の利用データでも、「業務の進捗や進め方」のテーマで部下が最も多く選んでいた期待は「一緒に考えてほしい」です。部下の仕事に関わる意思決定では、部下が何に困り、どうしたいのかを把握したうえで、一緒に考えることをおすすめします。
- 46.2%
- 1万人調査
- 上司との面談で一番期待することが「一緒に考えてほしい」の人のうち、「面談が成果につながっている」と感じている人の割合
- 「具体的なアドバイスがほしい」の人では42.7%、「報告したい」の人では36.8%でした。一番期待することが何かで比べると、上司と一緒に考えることを求めている人で、成果の実感が最も高くなっています。
- 17.0%
- Kakeai AI 1on1 利用データ
- 「業務の進捗や進め方」のテーマのうち、部下が上司に期待することとして「一緒に考えてほしい」を選んでいた割合
- このテーマで最も多く選ばれていた期待で、「報告したい」は14.5%でした。仕事の進め方の話では、報告を聞くだけでなく、一緒に考えることが求められているということです。
46.2%は、上司に一番期待することを1つだけ選んでもらった質問の数字です。17.0%は、期待が選ばれていないテーマも分母に含めた、そのテーマ全体に対する割合です。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
マネジメントでの意思決定は、 何を、誰が、いつまでに決めるかから始める
マネジメントでの意思決定は、何をいつまでに決めるのかを一文にし、それが自分の権限で決められることかを確認するところから始めます。そのうえで、材料と選択肢をそろえ、何を優先するかの基準を言葉にして選び、決めたことを理由とともに伝えます。決めたあとは、見直す時期に結果を見て直します。
意思決定の進め方を、6つの手順に分けて並べます。例は、お客様相談窓口の課長が、受付の時間を夜まで延ばすかどうかを決める場面です。
| 手順 | すること | 受付の時間を延ばすかどうかを決める例 |
|---|---|---|
| 1. 何を | 決めることと、 | 来月から |
| 2. 誰が | 自分の | 受付の |
| 3. 材料と | 事実を | 夕方以降の |
| 4. 基準を | 何を | お客様の |
| 5. 決めたことと | 決めたこと、 | チームに、 |
| 6. 結果を | 見直す | 3か月後に、 |
勤務時間やシフトの扱いが変わる意思決定では、就業規則と人事の担当者に、決められる範囲を確かめてから進めてください。
意思決定の進め方: 6つの手順と、 そのときの言葉
6つの手順のうち、特に言葉に迷いやすいのは、意見を聞くときと、決めたことを伝えるときと、決め直すときです。手順ごとに、そのまま使える言葉を挙げます。
1と2: 何を決めるかと、 誰が決めることかを伝える
最初に、何をいつまでに決めるのかを、関わる人に伝えます。決める人が誰かも、このときに伝えておくと、意見を出す人も出しやすくなります。
- 今月20日までに、来月から受付を平日20時まで延ばすかどうかを決めたいと考えています。最後は私が決めますが、その前に皆さんの意見を教えてください。
自分の権限を超える部分があるときは、早めに自分の上司に相談しておきます。
- 受付の時間を変えることは、私の判断で進めてよいと理解しています。ただ、人を増やすことになった場合は、部長にご相談させてください。
3:材料と選択肢をそろえる
材料を集めるときは、数字だけでなく、実際に仕事をしている人の考えを聞きます。選択肢は、決める前から1つに絞らず、2〜3つ並べておきます。
- 夕方以降の問い合わせについて、電話を受けていて感じていることを教えてもらえますか。
- 延ばす案と延ばさない案のほかに、考えられる案があれば教えてください。
- 夜のシフトに入りにくい曜日や時間があれば、私にだけ伝えてもらってもかまいません。
4:何を優先するかの基準を決めて選ぶ
選ぶときは、何を優先するのかを先に言葉にします。基準を言葉にしておくと、決めたあとに理由を説明しやすくなり、見直すときにも同じ基準で比べられます。
- 今回は、お客様の待ち時間と、皆さんの勤務時間の両方を大事にしたいと考えています。その2つで、3つの案を比べてみました。
5:決めたことと理由を伝える
決めたことを伝えるときは、理由と、見送った案と、見直す時期をあわせて伝えます。見送った案の理由まで伝えると、その案を出した人も、自分の意見がどう扱われたのかがわかります。
- 来月から、月曜と金曜だけ、受付を20時まで延ばすことにしました。夕方の問い合わせが多いのが、この2日だからです。
- 毎日延ばす案は、今のシフトでは無理が出ると考えて見送りました。3か月後に問い合わせの数を見て、もう一度考えます。
- この決め方について気になることがあれば、今でもあとでもかまわないので教えてください。
6:結果を見て直す
見直す時期が来たら、決めたときの基準で結果を見て、続けるか変えるかを決めます。
- 受付を延ばしてから3か月たったので、結果を一緒に見てもらえますか。続けるか変えるかを、今月中に決めたいと思っています。
部下の仕事に関わる意思決定は、 何に困り、 どうしたいかを把握して一緒に考える
部下から仕事の判断を相談されたときは、まず部下が何に困り、どうしたいのかを把握し、そのうえで一緒に考えるとよいでしょう。上司が答えを出すか、部下に決めてもらうかは、話を聞いてから決めても遅くありません。上司が決めることは、上司が引き受けます。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談で一番期待することとして「一緒に考えてほしい」を選んだ人のうち、46.2%が「面談が成果につながっている」と感じていました。「具体的なアドバイスがほしい」の人では42.7%、「報告したい」の人では36.8%です。つまり、一番期待することが何かで比べると、上司と一緒に考えることを求めている人で、面談の成果の実感が最も高いということです。
1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)で、「業務の進捗や進め方」のテーマを見ました。このテーマのうち、部下が上司に期待することとして「一緒に考えてほしい」を選んでいた割合は17.0%でした。このテーマで最も多く選ばれていた期待で、「報告したい」は14.5%です。つまり、仕事の進め方の話では、報告を聞くだけでなく、一緒に考えることが求められているということです。
どちらも上司との面談や1on1についての数字ですが、部下の仕事に関わる意思決定でも、部下と一緒に考える時間を取ることが、仕事を前に進める助けになると考えられます。KAKEAIは、面談は、仕事を前に進める時間として正面から使ってよいと考えています。部下から判断を相談されたら、1on1の時間を使って一緒に考えてかまいません。
避けたいのは、部下の話を聞く前に上司が答えを出してしまうことと、上司が決めるべきことまで「任せるから好きにして」と部下に預けてしまうことの両方です。部下の話を聞く前に答えを出すと、部下の事情が判断に入りません。反対に、上司が決めるべきことまで預けると、部下が判断の責任を一人で抱えることになります。
返金の例外を認めるかどうかを、部下から相談された場面の例です。まず、どこで迷っているのかと、部下がどうしたいのかを尋ねます。
- 返金の例外を認めるかどうか、迷っているんですね。どこで迷っているのか、もう少し教えてもらえますか。
- ○○さんとしては、どうしたいと考えていますか。
上司が決めることであれば、その場で判断を引き受け、理由を伝えます。
- これは私が決めることなので、私が引き受けます。今回は返金を認めましょう。案内の誤りが、こちらの側にあったからです。
同じような判断がまた出てきそうなときは、部下に任せる範囲を一緒に決めておきます。
- 次に同じような問い合わせが来たら、案内の誤りがこちらにある場合は、○○さんの判断で返金してかまいません。迷ったときだけ相談してください。
その場で決められないときは、いつまでに答えるかを伝えます。
- 返金の例外は部長の確認が要るので、明日の午前中までにお返事します。
意思決定で迷うとき、 決めたことを変えるときの進め方
意思決定で迷う理由としては、材料が足りないこと、自分の権限を超えていること、全員の賛成が得られないことが考えられます。理由によって、次の一手が変わります。
材料が足りず、 決めきれないとき
材料が足りないときは、何をいつまでにそろえるかを決め、それまでの扱いを伝えます。期限までにすべてがそろわないときは、仮に決めて、見直す日を決めておく方法もあります。
- 今の材料では決めきれないので、来週の水曜までに、問い合わせの記録をもう1週分見てから決めます。それまでは、今の受付の時間のままでお願いします。
自分の権限を超えているとき
自分の権限を超える判断は、自分の上司に相談し、部下にはいつ結果を伝えるかを先に伝えます。
- 人を増やすかどうかは、私だけでは決められません。部長に相談して、金曜までに結果をお伝えします。
全員の賛成が得られないとき
意思決定では、全員の賛成を待っていると、期限を過ぎてしまうことがあります。反対の意見があるときは、まず理由を聞き、それでも決めるときは、反対の理由をどう受け止めたかを添えて伝えます。
- 夜のシフトが増えることを心配する意見は、もっともだと思います。そのため、延ばすのは週2日にとどめました。
決めたことを変えるとき
決めたことを変えるときは、変える理由を伝え、前の決定に合わせて動いてくれた人にお礼を伝えます。
- 先月決めた受付の時間を、変えることにしました。月曜の夕方の問い合わせが、思っていたより少なかったからです。先月の決め方に合わせてシフトを組み直してくれた皆さんには、お手間をおかけしました。
意思決定のあと、 決めたことがどう動いたかをどこで振り返るか
意思決定がうまくいったかどうかは、決めた直後の反応より、決めたことがそのあとどう動いたかで振り返ります。見直す時期に、次のように進めてみてください。
- 決めたときの基準で結果を見られていたら、次は、その基準のままでよいかを、関わった人と一緒に考えます。
- 決めたことと理由が、チームの全員に同じように伝わっていたら、次の意思決定でも、見送った案と見直す時期まで伝える進め方を続けます。
- 部下から相談された判断のうち、同じような判断が何度も出てきていたら、次は、部下に任せる範囲に移せるものを二人で選びます。
- 決めたあとに思わぬ影響が出ていたら、決め方のどの手順で見落としたのかを振り返り、次の意思決定で材料を集める相手を増やします。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
仕事を任せる範囲や、誰が判断するのかがはっきりしないまま話が終わり、あとで二人の理解が食い違ってしまうときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の最中、次の一歩の候補が出るとき。
部下に任せることと上司が引き受けることを、 1on1の中で担当と期限の形にして分けられます。
会話の中から次に取り組むことが出てくると、Kakeai AI がその発言をもとに次の一歩の候補を作り、担当と期限を入力していきます。上司が引き取ったことが候補になることもあります。決めるのはお二人で、どちらからも「決定する」をクリックできます。終わり際に球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)を押すと、部下の分と上司の分を分けて確かめようという提案が出ることもあります。
残り3分ほどです。今日話した「仕様書の体裁」と「試作工程と海外仕様」の件で、柳瀬さんが石田さんへの確認を引き取り、長谷部さんが両工程を用意する形になっています。この二つ、期限や連絡のタイミングをお二人でここで一つ確かめておきますか。
1on1の最中と終了後、「1on1のAI要約」で。
部下が自分で決めてよい範囲と、 上司が判断することの分け方を、 あとから二人で同じ記録で見返せます。
Kakeai AI が、話のまとまりごとの要点に、何が決まり、誰が何を担当し、どの判断を誰が行うかを、話した内容をもとに書きます。お二人の画面に同じ内容が表示されます。
Gマーク認証は必須でなく要望として表に入れており、取得要否の判断は柳瀬さん側(営業含む)が行う。
相手との「概要」の画面のダイジェストで。
決めたことが実行まで進んだかを二人が同じ文章で確かめてから、 次に試すことを話し合えます。
ダイジェストは、この半年のお二人の1on1を Kakeai AI が文章にしたものです。これまでの流れ、いま途中になっている話とそれが誰の手元にあるか、決まった次の一歩とその実行の順に書かれ、1on1が終わるたびに書き直されます。お二人に同じものが表示されます。
…6月22日の「バンコク要件確認」の話から、小野寺さんがタイ拠点(バンコク)との要件確認…を7月6日までに行うことが決まっています。決まった一歩は2件、実行済みは1件です。
1on1の実態を1万人のデータで見たい方は、無料のレポートをお受け取りください。
ご利用企業 累計600社以上/
無料の資料
この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)
- 1万人のデータで見る、1on1の頻度・時間・場所・話題の実態
- 成果・成長の実感を左右するもの(実施理由・上司への期待・困りごと・行動への接続)
- 明日の1on1からできること(前・最中・直後・日常の4つの場面と、具体的な声のかけ方)
画面を見ながら説明を聞きたい方は、30分のオンライン説明をご予約いただけます。
よくある質問
マネジメントでの意思決定は、 どんな手順で進めればよいですか。
マネジメントでの意思決定は、6つの手順で進めると整理しやすくなります。何をいつまでに決めるかを一文にする・誰が決めることかを確認する・材料と選択肢をそろえる・基準を決めて選ぶ・決めたことと理由を伝える・結果を見て直す、の6つです。決めたことを伝えるときは、理由に加えて、見送った案と見直す時期もあわせて伝えておきます。
管理職が意思決定をするとき、 部下の意見はどこまで聞けばよいですか。
管理職が意思決定をするときは、実際にその仕事をしている部下の考えを、材料をそろえる段階で聞いておくのがおすすめです。ただし、全員の賛成を待つ必要はありません。最初に「最後は私が決めますが、その前に意見を教えてください」と、決める人が誰かを伝えておくと、部下も意見を出しやすくなります。決めたあとは、見送った案の理由まで伝えましょう。
意思決定に迷って決められないときは、 どうすればよいですか。
意思決定に迷うときは、材料が足りないのか、自分の権限を超えているのか、賛成が得られないのかを分けて考えてください。材料が足りないなら、何をいつまでにそろえるかを決めて、それまでの扱いを伝えます。権限を超えているなら、自分の上司に相談し、部下にはいつ結果を伝えるかを先に伝えておきます。
決めたことに部下が反対しているときは、 どうすればよいですか。
決めたことに部下が反対しているときは、まず反対の理由を聞いてください。理由を聞いたうえで決定を変えないときは、反対の意見をどう受け止め、決定のどこに生かしたのかを添えて伝えます。決めたことを変えるときは、変える理由を伝え、前の決定に合わせて動いてくれた人にお礼を伝えると、次の意思決定でも協力を得やすくなるでしょう。
部下に任せてよい判断と、 上司が決めるべき判断は、 どう分ければよいですか。
部下に任せてよい判断と上司が決めるべき判断は、会社から上司に任されている権限と、同じ判断がどのくらい繰り返し出てくるかで分けると考えやすくなります。上司が決めることは上司が引き受け、同じような判断が何度も出てくるものは、条件をつけて部下に任せる範囲を二人で決めます。迷ったときだけ相談してほしい、と伝えておくとよいでしょう。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/decision-making-in-management-steps
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: