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マネジメントの構成要素

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

マネジメントの構成要素は、教科書では「ヒト・モノ・カネ」の三要素か、計画・実行・評価・改善という働きの流れで分解されます。どちらも、主に上司が何をそろえ、何をするかから見た分け方です。上司と部下の間で見ると、仕事を前に進めるために要る要素は4つに分けられます。目標(何を・いつまでに・なぜ)、期待(部下が上司に期待すること)、材料(情報・判断・裁量・時間)、行動(決めたことが次までに動いたか)です。KAKEAIの1万人調査では、上司に期待することを尋ねた質問で「期待していることは特にない」を選んだ人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は8.4%でした。期待することがある人では39.3%で、上司に期待することがあるかどうかで、成果の実感は大きく違っています。

数字で見る

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談のあと行動につながらない理由は、人によってさまざまでした。「ありたい状態が定まっていない」も「行動するために必要な情報が揃っていない」も、選んだ人は2割に届きません。一方で、上司に期待することがあるかどうか、面談が行動につながっているかどうかで、面談の成果の実感は大きく違っています。どれも面談についての数字で、マネジメントの構成要素そのものを尋ねたものではありませんが、期待と行動の要素を考える手がかりになります。

8.4%
1万人調査
上司に期待することとして「期待していることは特にない」を選んだ人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
上司に期待することがある人(具体的なアドバイスがほしい、一緒に考えてほしいなどを選んだ人)では39.3%でした。上司に期待することがあるかどうかで、面談の成果の実感は大きく違うということです。
16.3%
1万人調査
面談が行動につながりにくい人のうち、つながらない理由に「ありたい状態が定まっていない」を選んだ人の割合
「行動するために必要な情報が揃っていない」は15.9%、「時間やコストの制約で動けない」は15.4%、「裁量や権限がなくできない」は9.4%でした。ここに挙げた理由は、どれも選んだ人が2割に届かず、行動につながらない理由は人によってさまざまです。
56.7%
1万人調査
上司との面談が「ほぼ毎回」その後の行動につながっている人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
「毎回」の人では75.5%、「半分くらいの回で」の人では15.7%、「全くそうなっていない」人では6.0%でした。面談が行動につながっている人ほど、面談が成果につながっていると感じています。

1万人調査は、部下の立場で上司との定期的な面談について尋ねたもので、マネジメントの構成要素そのものを尋ねたものではありません。行動につながらない理由は、面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人だけに尋ねています。

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。

マネジメントの構成要素:教科書の分解と、上司と部下の間で見る分解

マネジメントの構成要素は、教科書では2つの分け方で説明されます。1つは、マネジメントが扱う資源で分ける方法で、「ヒト・モノ・カネ」の三要素(これに情報や時間を加えることもあります)が有名です。もう1つは、マネジメントの働きで分ける方法で、計画を立てる・人と仕事を組む・進める・結果を見る、という流れで分けます。計画・実行・評価・改善を繰り返すPDCAも、この分け方の1つです。

どちらの分け方も間違いではありません。ただ、どちらも主に上司の側から見た分け方で、資源をそろえることも計画を立てることも、上司の仕事として説明されることが多いようです。部下の側が何を持ち込むかは、あまり書かれていません。

上司と部下の間で何が起きているかという目で見ると、仕事を前に進めるために要る要素は、次の4つに分けられます。目標、期待、材料、行動です。

構成要素中身誰が持っているか
目標何を、いつまでに、なぜ目指すのか上司が伝え、二人で言葉にする
期待部下が上司に期待すること(判断・情報・意見・一緒に考える)部下の側にあり、部下が言葉にしないと上司には分からない
材料仕事を進めるのに要る情報・判断・裁量・時間予算や他部署の事情など、上司の側にあるものが多い
行動決めたことが、次の面談までに動いたか二人で見る

この4つは、「ヒト・モノ・カネ」や「計画・実行・評価」と置き換わるものではなく、同じマネジメントを、上司と部下の間の目で見直したものです。以下では、物流倉庫で出荷のミスを減らす取り組みを例に、4つの要素がどう現れるかを書きます。登場するのは、倉庫の課長と、出荷の担当をまとめている部下です。

4つの要素のどれが欠けると、何が起きるか

4つの要素のどれかが欠けると、話したことが行動につながりにくくなると考えられます。欠けたときに起きやすいことを、部下の側と上司の側に分けて、この節の表にまとめました。

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査に、面談のあと行動につながらない理由を尋ねた質問があります(5つまで選択)。答えているのは、上司との面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人です。「ありたい状態が定まっていない」を選んだ人は16.3%でした。「行動するために必要な情報が揃っていない」は15.9%、「時間やコストの制約で動けない」は15.4%、「裁量や権限がなくできない」は9.4%です。ここに挙げた4つの理由は、どれも選んだ人が2割に届いていません。行動につながらない理由は、人によってさまざまだと言えます。面談についての数字ですが、このうち、ありたい状態が定まっていないことは目標の要素に、情報・時間・裁量が足りないことは材料の要素に近いと考えられます。

1万人調査では、面談で上司に期待することがある人(具体的なアドバイスがほしい、一緒に考えてほしいなどを選んだ人)のうち、面談が成果につながっていると感じている人は39.3%でした。上司に期待することとして「期待していることは特にない」を選んだ人では8.4%です。上司に期待することがあるかどうかで、面談の成果の実感は大きく違っています。

欠けている要素部下の側で起きていること上司の側で起きていること
目標何をどこまでやれば終わりかが分からず、手が止まる進み具合を聞いても、ずれに気づかない
期待上司に期待することを伝えないまま、話が終わる聞くだけで終わったり、求められていない助言をしたりする
材料判断待ち、情報待ちで仕事が止まる部下が動かない理由が分からず、意欲の問題だと受け取る
行動話しただけで、次の面談までに何も変わらない同じ話を次の面談で繰り返す

要素ごとの、上司と部下の最初の一言(出荷ミスを減らす例)

倉庫の出荷ミスを、月に10件から5件に減らすという取り組みを例に、4つの要素を言葉にする場面を書きます。

目標:何を、いつまでに、なぜ

課長は、数字だけでなく理由を添え、どこまでやれば達成なのかを二人で決めます。

  • 出荷のミスを、3か月で月に5件まで減らしたいと考えています。理由は、ミスのたびに再送の費用と、お客様への説明の時間がかかっているからです。
  • 5件という数字は、私が置いた仮の目標です。○○さんから見て、現実的な線はどのあたりだと思いますか。
  • ミスの数え方も合わせておきましょう。数量の間違いと、宛先の間違いと、どちらも1件として数えることにしてよいですか。

部下の側からは、目標のあいまいなところを尋ねます。

  • 5件という目標は、月の出荷の量が増えても同じですか。繁忙期の数え方を教えていただけますか。

期待:部下が上司に期待すること

部下は、上司に期待することを一言添えて相談を持ち込みます。課長の側から、話の初めに、何を期待しているかを尋ねる方法もあります。

  • ミスの原因を3つに分けてみました。どれから手を付けるか、一緒に考えていただけますか。
  • 検品の手順を変える案があります。私の判断で進めてよいものか、課長に決めていただきたいです。
  • 今日は、私の意見もお伝えしたほうがいいですか。それとも、まず○○さんの考えを一緒に整理しましょうか。
  • 私が口を出しすぎていたら、遠慮なく言ってください。今日はどんな関わり方だと助かりますか。

材料:情報・判断・裁量・時間

材料のうち、予算や他部署の事情のように課長の側にあるものは、課長から部下に共有します。その場で答えられないことは、いつ答えられるかを伝えます。

  • 検品の手順の変更は、○○さんの判断で進めてください。パートの方の勤務時間が変わる話だけは、私にも教えてください。
  • 新しいバーコードの機器の予算は、私も今の時点では分かりません。来週の部の会議で確認して、金曜までにお伝えします。
  • 他の倉庫でミスが減った事例を、私が聞いています。次の面談で、その資料を一緒に見ませんか。

部下の側からは、足りない材料を具体的に頼みます。

  • 宛先のミスは、受注のデータの入力の段階で起きているようです。営業事務のチームに確認したいのですが、私から連絡してよいでしょうか。
  • 検品を2人体制にするには、繁忙期の人の手配が要ります。人を増やす判断は、どなたにご相談すればよいですか。

行動:決めたことが、次の面談までに動いたか

課長の側から、前回決めたことと自分が引き受けたことの話で、次の面談を始める方法があります。

  • 前回お約束した機器の予算は、部の会議で認められました。機器は来月に入ります。
  • 検品の手順の変更は、その後どうですか。やってみて、うまくいかなかったところがあれば、そこから話しましょう。
  • 今月のミスは7件でしたね。減ってはいますが、宛先の間違いが残っています。次の1か月で、何を試してみましょうか。

マネジメントの構成要素についての、よくある誤解

構成要素をめぐる誤解は、要素を「上司が一人でそろえるもの」と受け取ることから生まれることが多いようです。

  • ヒト・モノ・カネをそろえれば、マネジメントは回る。資源がそろっていても、部下が上司に期待することが分からないままでは、面談が聞くだけで終わったり、求められていない助言になったりしがちです。
  • 要素をそろえるのは上司の仕事で、部下は受け取る側だ。上司に期待することは部下の側にあり、部下が言葉にしないと上司には分かりません。上司と部下は役割が違うだけで、どちらも要素をそろえる当事者です。
  • PDCAの型を守れば、マネジメントになる。KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、マネジメントに万能のやり方はなく、型や手順を守ることは目的ではないと考えています。型は最初の手がかりで、仮説を立てて試し、確かめて、直すことが中身です。
  • 欠けている要素は、上司が質問を重ねて部下に気づかせればよい。KAKEAIは、答えを教えず、質問で本人に気づかせると決めておくことをおすすめしません。予算・権限・他部署の事情といった材料は上司の側にあることが多く、質問を重ねても、部下の側からは出てきにくいからです。

マネジメントの4つの要素がそろっているかの振り返り方

4つの要素がそろっているかどうかは、資源の一覧や計画書がそろったかではなく、面談で話したことが次の面談までに動いたかで見るとよいでしょう。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が「ほぼ毎回」その後の行動につながっている人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は56.7%でした。「毎回」の人では75.5%、「半分くらいの回で」の人では15.7%、「全くそうなっていない」人では6.0%です。面談が行動につながっている人ほど、面談の成果を感じています。

1か月ほどを区切りに、次の点を振り返ってみてください。

  • 何をどこまでやれば達成なのかを二人が同じ言葉で言えていたら、次は月の途中に、目標に対する進み具合を一緒に見る日を決めておきます。
  • 部下が上司に期待することを、面談の初めに話せた回があったら、次の面談でも、その話から始めてみてください。
  • 判断や情報を待って止まっている仕事が先月より減っていなければ、次の面談では、上司の側にある材料の話から始めるとよいでしょう。
  • 前回決めたことのうち、次の面談までに動かなかったものがあれば、何が足りなかったのかを二人で振り返ってから、次の一歩を決めます。

部下の立場で振り返るなら、上司に期待することを一言添えて相談を持ち込めた回や、足りない材料(判断・情報・時間)を具体的に頼めた回があったかを思い返してみてください。そうした回があれば、4つの要素のうち期待と材料の2つに、部下の側から関われていることになります。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。

マネジメントの意味や考え方を知ったうえで、部下との1on1で実際に試したいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。

部下との1on1の前、「1on1前のAIアドバイス」で。

言葉で知ったマネジメントを、目の前の部下との1on1の入り方として試せます。

Kakeai AI が、これまでの1on1と、選ばれたテーマや、部下が選んだ期待する対応をもとに、その回の入り方を書きます。最初に言う一言の例が示されることもあります。ご自身向けの内容で、部下には部下向けの別の内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

…「競合の範囲と情報源については、自分がやってきた中でこういう切り方をしていた、という話をまず共有しますね。そのうえで、森さんが今どこで迷っているかを聞かせてもらえますか。」…

1on1の最中と終了後、「1on1のAI要約」で。

話したことと決めたことを、二人が同じ記録で見返せます。

Kakeai AI が、実施中の会話をもとに2分ごとに全体を書き直し、話のまとまりごとに見出しと要点を並べます。終了後はそのまま履歴になり、お二人の画面に同じ内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

リストの項目は親会社・団地・担当者とし、担当者は名簿にないため藤本さんが拠点の人に聞いてみることになった。

部下との1on1のあと、「1on1後のAIアドバイス」で。

試した関わり方がどう届いたかを、自分の1on1の具体的な場面で振り返れます。

ご自身向けに、その回によかった関わり方が、実際の発言を引いて書かれます。次の1on1や日常で試せることも添えられます。部下には部下向けの別の内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

提案書の話で、藤本さんが「何が足りなかったのかが、わからなくて」と困りごとを口にした場面で、「見せてみ」と一言で提案書を引き出しました。…「見せてみ」の一問が、漠然とした困りごとを具体の議論に変えた起点でした。

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よくある質問

マネジメントの三要素とは何ですか。

マネジメントの三要素として最もよく挙げられるのは、マネジメントが扱う資源で分けた「ヒト・モノ・カネ」です。これに情報や時間を加えて4つや5つにすることもあります。別の分け方として、計画を立てる・人と仕事を組む・進める・結果を確かめる、というマネジメントの働きで分ける方法もあります。どちらも主に上司の側から見た分け方なので、上司と部下の間で見た目標・期待・材料・行動の4つの要素も、合わせて知っておくとよいでしょう。

マネジメントの構成要素を分解すると、何が分かりますか。

マネジメントの構成要素を分解すると、仕事が止まっているときに、どの要素が欠けているかを見分けやすくなります。目標が欠けると、部下は何をどこまでやれば終わりかが分からなくなり、材料(情報・判断・裁量・時間)が欠けると、判断待ちや情報待ちで仕事が止まりがちです。欠けている要素が分かれば、上司と部下のどちらが何を言葉にすればよいかも分かりやすくなります。

マネジメントの要素のうち、一番大事なものは何ですか。

マネジメントの要素のうち、どれが一番大事かは1つに決められませんが、見落とされやすいと考えられるのは「期待」です。ここで言う期待は、部下が上司に期待すること(判断がほしい、一緒に考えてほしいなど)で、部下が言葉にしないと上司には分かりません。KAKEAIの1万人調査では、上司に期待することとして「期待していることは特にない」を選んだ人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は8.4%で、期待することがある人の39.3%を大きく下回っていました。

PDCAは、マネジメントの構成要素と同じものですか。

PDCA(計画・実行・評価・改善)は、マネジメントの働きの流れを分けた1つの型で、構成要素の分け方の1つです。ただし、マネジメントに万能のやり方はなく、PDCAの型を守ること自体は目的ではありません。PDCAを使うなら、計画の段階で目標を二人で言葉にし、評価の段階で決めたことが動いたかを二人で見る、という使い方ができます。

部下の立場でも、マネジメントの構成要素に関われますか。

部下の立場でも、マネジメントの構成要素のうち2つには直接関われます。1つは「期待」で、上司に期待すること(ご判断をいただきたい、ご意見をいただきたい、一緒に考えていただきたい)を一言添えて相談を持ち込むことです。もう1つは「材料」で、足りない情報・判断・時間を具体的に頼むことです。「人を増やす判断は、どなたにご相談すればよいですか」のように具体的に頼むと、上司も何を用意すればよいかが分かりやすくなります。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/components-of-management

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: